表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/66

守る会の初任務



 とうとう、この日が来てしまった。


 はぁ…、行きたくない。望んだ訳でも無いのに、強制参加なんて横暴だ。             

 作法の授業も普段より厳しめだったし、合格点は貰えたけど、貴族の交流は色々あって面倒くさい。


 それに、可愛いリリを誰にも見せたくない。もしも、王子がリリを好きになってしまったら?攻略対象が参加してて、リリを好きになってしまったら…。

 婚約の打診をしてきたら…、嗚呼、考えただけで、お城をぶっ壊したくなる。


「ユーリ、少しいいかしら?私たちの役割について確認したいのだけど…。ちょっと!また顔が怖いわよ。そんな顔してるとリリが怖がるわ。ほら、笑って!」


 ルミナが、尻尾で僕の口角を片方クイッと持ち上げる。


「分かってるけど…。ゔぅー、リリの可愛さを他の奴らに見せる必要あるのかな。何で僕達の事が噂になってるんだよ。」


 膨れっ面で文句を言う僕にルミナとベルが呆れている。


「そんなこと今さら言っても、どうにもならないだろう。諦めて我らの役割を示してくれ。我は、何をしたらいいのだ?」


 僕は溜め息を吐きながらも、ルミナとベルに重要な役割について指示する。


 今回、お父様が頑張ってくれて、ちゃんと二人の参加も了承して貰えた。もし、反対されたら二人を無理やり乱入させる予定だったから、了承してくれて良かったよ。


「まず、リリの盾になるのがベルだよ。傍に付き添い守るんだ。王家の関係者は不要な接触は禁止でお願い。お茶会だから、挨拶や日常会話くらいは良いけど、二人で何処か行こうと言う誘いは全て阻止してね。」


 ただのお茶会ではなく、王子殿下の婚約者探しも兼ねているなら、リリが連れ出される可能性もある。絶対に王子と二人きりになんてさせない。


「わかった。盾になれば良いのだな。しかし、どこまで許される?全力でやっていいのか?」


 ベルが全力を出して、死人が出ても困る。流石に死人が出たら罪に問われてしまう。物語が始まる前に、死刑や国外追放なんて洒落にならない。


「やり過ぎても困るんだけど、誰も死なない程度なら良いんじゃない。フェンリルに逆らえる人間はいないんだから、文句を言う人はいないと思うよ。」


 単純に力だけなら、ベルの方が王家よりも上だし、ベルが本気出したら国が滅びる。王家もそれは望まないだろう。

 今回、ベルが僕たち双子の味方だと理解したら、国の為にも僕らに変なちょっかいを掛けることも無くなるだろう。


「私は?何をしたらいいの?近づく男を威嚇して回れば良いの?」


 ルミナが「シャー」と威嚇しては、楽しそうに飛び上がっている。


「いや、ルミナの役割はもっと重要で難しいものになるだろう。これは、ルミナにしか頼めないんだ。」


 楽しそうに跳び跳ねていたルミナが動きを止め、嬉しさで体をフルフルと震わせている。


「さすがユーリね!分かってるじゃない。このルミナ様に出来ないことは無いわ。難しくても何でも完璧にやり遂げて見せるわよ。」


 頼られて嬉しさが爆発したルミナは、やる気が溢れて体が黄金に光っていた。


「ルミナには、リリの可愛さを半減させて欲しい。本当は可愛さ皆無にして欲しいが、それはさすがに無理だろう。そうだなぁ、普通の人間くらいにして欲しい。いや、分かっているよ。天使を人間にするのは難しい。でも、ルミナなら、絶対に出来ると信じているんだ。」


 ルミナの体から放たれてた光がゆっくりと消えていく。やっぱりルミナでも無理だと自信を無くしてしまったのか。


「ルミナ大丈夫。自信を持って!君なら出来るよ。いつも通りで良いんだよ。う○ちスタイルで頭に乗るでも良し、天使の輪スタイルで頭に巻き付くでも良し、その上で威嚇をしてもらえれば、可愛いよりも残念な子の出来上がりだ。」 


 ワナワナと体を震わせて、ルミナが怒って僕に体当たりを始めた。


「貴方を信じた私が馬鹿だったわ。残念な子はユーリでしょ!何が難しいよ!何がルミナにしか出来ないことよ!本当にユーリは、リリの事になるとポンコツ過ぎなのよ!もう、私のこと馬鹿にしてるでしょ。失礼しちゃうわ。まったく!」


 ルミナの頭がお腹にヒットして地味に痛い。なぜ、ルミナはこんなに怒ってるのか分からないけれど、僕はルミナを捕まえて落ち着くように体を撫でる。


「別に馬鹿になんてしてないよ。ルミナを信用してるからこその役割なんだよ。これは、有る意味ベルよりも重要な役割なんだよ。リリの全てを分かってるのはルミナでしょ。だから、リリを普通の人間にするくらいルミナなら可能だと思うんだ。どうかな?」


 撫でられて落ち着いたルミナが、じっと僕の顔を見る。そして、呆れた様な顔で溜め息を吐くと、舌をチョロチョロと出しながら笑った。


「はぁぁ、本当に仕方ないわね。私の事を本気で信用しての頼みだから聞いてあげるわ。貴方の言葉通りなら、リリの印象を下げればいいのよね?」


「そうだよ!さすがルミナだね。誰かに見初められないように、残念なところをアピールして欲しいんだ。」


「残念なのはユーリだからね!ほんとにもう!」


 よかった。ルミナも何とかやる気になってくれたみたいだ。


「二人とも、今日がリリを守る会の初任務だ。僕もずっとリリの傍から離れないでリリを支えるよ。無事に今日を乗り越えられるよう、みんなで助け合って頑張ろう。」


「「了解!」」


 三人で抱き合って、決意を新たにする。


「ユーリお母様が準備出来たか聞いてるよ?そろそろ行かないと遅れちゃう。」


 コンコンとノックの音と共に、淡い黄色のドレスに身を包んだ天使が部屋に舞い降りた。


「三人とも何をしてるの?」


 抱き合う僕たちを不思議そうな顔で見ているリリが可愛すぎて、やっぱり王宮に行きたくないと改めて思ったが、ルミナに尻尾で叩かれて仕方なく部屋から出た。


「リリ今日は僕から絶対に離れないでね。約束だよ。」


「わかってるよ。ユーリの事は私が守るから安心してお姉ちゃんに任せなさい。」


 リリが、トンッと自分の胸を叩いて背筋を伸ばす。僕を安心させるように繋がれた手が温かい。


「フフ。それじゃあ僕もリリを守るから、お互い助け合おう。」


「そうね。ユーリのこと頼りにしてるわ。」


 僕とリリは、そのままお母様の待つエントランスホールへと向かった。


 

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


明日は22時以降の投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ