表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最高に可愛い童顔令嬢は、最強の守護者達に守られている  作者: 文月みい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/68

リリを守る会

王家からの招待状が届く少し前の話です。




「ユーリ話とは何だ?この後リリにブラッシングして貰う約束なんだが、早く用件を言え。」


「そうよ。私もリリと日向ぼっこする約束があるの。早くしてよね。」


 二人とも、すっかりペット化しちゃって、精霊や高位の魔獣としての威厳もどこへやら。リリの前では二人ともただの蛇と犬にしか見えない。


 そこで、自分が精霊や魔獣であることを思い出してもらう為、僕はベルとルミナを呼び出した。


「んんっ。今日は僕の呼び掛けに集まってくれてありがとう。君達を呼び出したのは他でもない、リリの事についてなんだ。」


 畏まって話し出す僕を、二人は怪訝そうな顔で見つめる。しかし、リリの事と言われ、やはり気になるらしく、何も言わず大人しく次の言葉を待つ。


「二人も気づいてるように、リリは…天使だ。」


 僕の言葉に、二人とも唖然として固まった。


(あれ?思ってた反応と違う。)


「二人も気づいてるように、リリは…天使だ。」


 僕の声が聞こえてないのかと思い、もう一度繰り返す。


「いや、二度も言わなくても、ちゃんと聞こえている。」


 ベルが、溜め息を吐きながら、呆れた顔で僕を見る。


「ユーリ、頭は大丈夫?リリは天使ではなく人間よ。」


 ルミナからは、冷静で真面目な返しが来た。


「もうっ!人間なのは知ってるよ。そうじゃなくて、リリは可愛いの頂点に君臨する可愛さで、可愛いの中の可愛いで、この国だけでは収まり切らない可愛い天使ってことだよ。つまり、可愛すぎるってこと!」


 若干、早口で大きな声を出してしまったのは許して欲しい。リリの事を話すときは、ついつい気持ちがこもってしまうんだ。


「ユーリ…ちょっと、イヤ、だいぶ気持ち悪いわ。これからリリには近づかないで。悪影響を受けたら大変だわ。」


 ルミナが、僕の目の前で尻尾をペシペシと地面に叩きつける。


「ルミナが言うなら、リリには近づけない様に我も協力しよう。」


 ベルが、あっち行けと、後ろ足を蹴り出す。


「えっ…、二人とも酷い。僕はただ、リリの可愛さについて伝えたかっただけなのに?それに、リリが可愛いから危険な目に遭うかもしれなくて、助けて欲しかっただけなのに、酷いよ。」


 ウルウルと瞳に涙を溜めて、悲しみに肩を落とす。


「リリが危険な目に遭うってどう言うことなの?詳しく話しなさい。」


「それを説明したかったけど、僕はリリには悪影響なんでしょ。ごめんね。キモくて。」


「もう!ちょっとだけ悪かったわ。ユーリが変態なのは今さらよね。テオドールの息子だもの愛情表現が残念なだけよね。」


「……。」


 全くもって謝られた気がしないが、このままでは話が進まないので、仕方なく本題に入る。


「呼び出したのは、二人に''リリを守る会''に入会して欲しいからなんだ。こんなこと言われても信じられないかもしれないけど、実は…僕、前世の記憶があるんだ。それでね………。」


 僕は、前世の記憶があること、乙女ゲームや物語の悪役令嬢のこと、ヒロインの事や、断罪からの婚約破棄に国外追放のことなど、全てを二人に話した。

 信じてもらえないどころか、頭がおかしいと思われても仕方ないけど、正直に全てを話した。


「つまりユーリは、その…げえむ?と言う物は経験ないけど、前世で流行っていたわけね?それで、げえむの世界と言うのが、ヒロインとして転生した令嬢が、コウリャクタイショウ?と恋に落ちるのが、げえむの定番の流れだったと言うことなのね?」


 ルミナがまじまじと僕を見つめて、話を纏める。


「えっと、最近は、ヒロインじゃなくて悪役令嬢になって断罪を回避するのが流行ってたみたい。親友が言ってた。」


「それで?何故、転生者のユーリじゃなくて、リリが危険なんだ?」


 ベルが、意味が分からないと首を傾げる。


「そんなのリリが天使のように可愛いからに決まってるだろう。あの可愛さは、物語の中心人物以外あり得ないだろう。」


「どうして可愛いだけで、中心人物になり得るんだ?」


「乙女ゲームや小説の悪役令嬢は、高位貴族の令嬢で美人なんだよ。リリも侯爵令嬢で、今は可愛いけど、将来は絶対に美人になるだろう。条件が当てはまるんだよ。それに、転生者の僕が近くにいる。悪役令嬢の兄弟が攻略対象なのもよく有るんだよ。リリの立場がヒロインより、悪役令嬢寄りなんだよ。だから危険なの。このままだと、リリが不幸になるかもしれない。」


 ルミナとベルが顔を見合わせて考え込む。やっぱり、前世の記憶があるとか、乙女ゲームなんて突然言われても信じられないよな。


(どうしよう…)


 これ以上何て言えば良いのか分からなくて黙ってしまった僕に、ルミナが口を開いた。


「ユーリの魂が普通と違うから何かあるとは思っていたけど、転生者だからなのね。納得だわ。」


「僕の話を信じてくれるの?」


「ユーリの魂が二重に重なって感じるの。前世の記憶が甦った影響かもね。だから転生者なのは信じるわ。ただ、ユーリも、この世界が、げえむの世界なのかは分からないのよね?」


 僕が頷くと、今度はベルが口を開いた。


「げえむの世界でなくとも、リリに災いが起こるなら、全て排除すれば良いだけのこと。そうだろう?」


「そうね。何が起ころうとリリを守るだけよ。」


 二人が、シャキッと背筋を伸ばし、力を巡らせるのが分かる。

 さっきまでの、ペットの蛇や犬のデレッとした態度から、神々しい光を放つ精霊と魔獣に戻った。


「それじゃあ、''リリを守る会''に入って僕と一緒にリリを守ってくれる?」


「もちろんいいわよ。」


「我も、もちろんいいぞ。」


 やった。成功だ。強力な助っ人がメンバーに加入したぞ。これで、堂々と二人の力を借りることが出来るぞ。


「因みに、''リリを守る会''の当面の目標は、王家や攻略対象との望まない婚約阻止と、断罪や国外追放のバッドエンド回避だからね。もし、そんな事が起こりそうなら、全力で排除すること。いいね?みんなでリリを幸せにするよ。」


「「了解」」


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


明日は21時以降の投稿になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ