王都へ帰りましょう
読んでいただき、ありがとうございます。
僕たち双子は、5歳になりました。
ビッガートルの領地にいる間に、誕生日を迎えたので、そのまま領地でお祝いしてもらった。
ビッガートル家のみんなと、この日はお父様も領地まで来てくれて、楽しいバースデーパーティーになった。
去年のような事が無いように、招待されてない方からのプレゼントは、当日屋敷に届いた分のみを受け取るようにした。
お父様やお母様が、双子の為に配慮したことにして、他家の者には前もって伝えていた。去年の騒動を知っている人もいるため、みんな納得してくれたようだ。
せっかくお祝いの言葉や贈り物を準備してくれるのに、直接会ってお礼を言えない事は心苦しいが、去年の騒動みたいなのは勘弁して欲しい。
お父様もお母様に愛想を尽かされない様に必死だ。問題が起きないように去年以上に対策を厳重にしていた。
その甲斐あって、バースデーパーティーは、とても楽しく過ごすことができた。皆から祝福され、僕もリリも感激だ。
そして、今日とうとう王都へ帰ることになった。
社交シーズンでもあるため、ビッガートル家のお祖父様達も王都へ行く事になる。それで、僕たちも帰ることになった。
「リリねえちゃま、ユーリにいちゃま、また遊びに来てね。」
「絶対また来るわ。約束よ。チェリーちゃんも、もう少し大きくなって遠出が出来るようになったら、王都にも来てね。」
「チェリーちゃん仲良くしてくれてありがとう。とても楽しかったよ。また遊ぼうね。」
可愛い従姉弟とも暫しお別れだ。ビッガートル家で過ごした2ヶ月は、とても楽しくて帰りたくないと思う程、居心地がよかった。
でも、それを言うと、お父様が寂しくて泣いてしまうから内緒だ。
「「それじゃあ、またね。レオナルド叔父様、ソフィア様お世話になりました。」」
「レオナルド、ソフィアさんまたね。」
僕たち家族が馬車に乗り込むと、少しして動き出した。
「二人とも、とても楽しい毎日を過ごせたようだね。」
「「はい!お父様!すごく楽しかった」」
「そうか。ルミナだったか?新しい家族も増えてよかったね。お父様は、みんなが戻ってきてくれて嬉しいよ。ビッガートルの方が楽しいから帰りたくないって言われたら、どうしようかと心配だったんだよ。」
お父様は、お母様の腰にずっと手を回して離れない。
最後の1ヶ月は、早く帰ってきてと催促の手紙が、週に3度は届いていた。
リック兄様も、ちょくちょく仕事で王都に戻っていたが、その度にお父様から手紙を預かったり、僕達がいつ帰るのか尋ねられたそうだ。
お母様は、「これで少しは懲りたかしら」と笑っていたが、お父様の兄家族の事に相当怒っていたから、最悪の事態にならなくてよかった。
「ルミナは、王都でもリリの近くに居れば平気なの?ここよりも自然は少ないよ。」
精霊は、自然の中で生きている。王都では、自然が少ないのでルミナは辛くないのか心配だ。
「平気よ。リリの近くに居れば魔力が常に貰えるし、貴方たちの住んでる場所は、とても空気が綺麗でよかったわよ。」
最初に僕が見つけた時は、ゴルドリッチの庭だったけど、居心地が良くて休んでいたらしい。過ごしやすいなら安心だ。
「ところで、リリは、ルミナを頭に乗せて重くないのか?」
リック兄様とお母様に言われてから、ルミナの定位置はリリの頭の上になった。
天使の輪っか状態か、トグロを巻いた状態だ。初めて見た人は、大抵驚いて、だんだん面白くなってきて、口元をピクピクさせている。
「重くないよ。軽くて乗せてるのを忘れちゃうくらいよ。」
「そう…か。重くないか…。」
お父様、諦めたな。仕方ない。
「リリ、頭の上だとルミナがバランス取るのに疲れるかも、たまには抱っこしてみたらどうかな?」
「そうね。馬車だと揺れるからルミナも大変ね。お膝の上で休んで貰うわ」
「そうだな。それがいいよ。リリの優しさにお父様は感激だ。」
お父様、頭の上がすごく気になってたんだね。娘が頭に蛇乗っけてると気になるよね。
「あら、下ろしちゃうの?せっかく似合ってたのに残念ね。」
「えっ!ティナが勧めたの?リリお父様も頭の上に乗せるの賛成だ。外では頭にどんどん乗せなさい。」
「…?わかりました。」
何だか、お父様が必死過ぎて、残念な人みたいになってるぞ。
お母様はクスクス笑ってるから、いろいろ分かっててお父様を揶揄ってるな。
「お母様、あまりお父様をいじめないであげて。」
僕がお母様にそう言うと、お母様は、更に可笑しそうに笑った。
「そうね。善処するわ」
これは、王都に着くまでお父様は大変だ。
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