表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
124/156

いろんな意味で、勝負のピクニック ①



 キラキラと陽の光を反射した水面に、釣糸を垂らし、男たちが真剣勝負の時を迎えた。


「みんな、勝負は始まってるよ。負けないように頑張ってね。私とチェリーちゃんは、優勝者への褒美を作ってきます。お昼になったら終了ね。」


 リリが、みんなに声をかけると、チェリーちゃんの待つ木陰へと移動する。

 

(体調は、問題なさそうだな。)


 今朝から楽しいの連続なので、リリの魔力が溢れないか心配だったが、問題ないようだ。


 今も楽しそうに、チェリーちゃんと花を摘んでいる。リリの笑顔が相変わらず眩しい。


 なんて、可愛いんだろう。


 リリの周りだけ別世界。まるで、花の妖精だ。リリは天使だと思っていたが、妖精でもあったのか。《注:リリの可愛さにユーリの思考がバグり中。》


 あそこだけ、実は異世界に繋がっていて、可愛いの世界だってことはないか。

 可愛いしか存在しない、可愛いだけの世界。有りとあらゆる可愛いが集まった世界だ。その中でも、超絶に可愛い、可愛いの頂点に君臨するリリが、全ての可愛いを統べる女王だ。

 

 リリの可愛さの秘密は、天使で、妖精で、可愛い世界の女王ってことだな。


「おい!ユーリアス!引いてるぞ!」


 リヒトの大声で、我に返ると、釣糸が引っ張られる。


「……うわっ!ちょっと待って。逃げるなよ。」


 可愛いリリを見つめていたら、魚が釣れた。まずは一匹。幸先いいな。


 それからも、釣りを続けていると、みんな一匹、二匹と釣れていく。

 今年は、誰が勝ってもおかしくないくらい接戦だ。

 しばらくは、誰かが魚を釣り上げて、歓声が上がり、男性陣も楽しい時が過ぎていく。

 こういう男だけの賑やかな時間も、案外楽しいものだ。


 少しすると、魚の引きが落ち着いてきた。そうすると、穏やかな時間が流れる。


 ふと、リリの方を見ると、出来上がった花冠を、チェリーちゃんと交換して頭に乗せている。うん、可愛い。


「ユーリアスは、本当にリリアーベルが好きだな。」


 精霊王様が、優しい笑顔で当たり前の事を言ってくる。


「当然です。リリは可愛くて大事な俺の姉ですから、大好きに決まってます。」


 精霊王様が、大きな声で笑った。


「アハハハ、そうだな。リリアーベルは、可愛いな。私にとっても、可愛くて大事な愛し子だ。そんな可愛いリリアーベルが、小さな体で耐えるには、あの魔力は大きすぎるな。」


 急に真剣な声音に変わり、リリを見つめる精霊王様の表情は、俺からは見えない。

 でも、リリの事を心配してる気持ちは伝わってくる。


「ここに来るまで、リリアーベルと手を繋いでいたが、湖が見えた瞬間の魔力の跳ね上がり方は凄かったな。魔力器官が働かないと言うのは、リリアーベルに取っては、本当に酷なことだな。」


 精霊王様がリリと手を繋ぐと言った時は、面白くなかったが、結果は正解だったようだ。


「俺が必ず、リリの体を治します。リリがちゃんと安心して過ごせるように、以前の生活を送れるように必ず…。そして、大好きな魔法を取り戻してみせます。」


 精霊王様が、俺の決意を聞いて、リリから視線を俺に移す。その瞳は、何かを探るように、じっと俺を凝視する。


「ユーリアスは、ずっとリリアーベルを守り続けるのか?もし、リリアーベルに好いた奴が現れたら、どうする?ユーリアスにも他に守りたい人が現れたら?お前たちは仲の良い姉弟だが、ずっと一緒には居られないだろう。」


 リリに好きな人が出来る?


 その事を考えなかった事はない。実際、リック兄様が、リリの平民発言を無かったことにしたあの日から、リリの態度が変わった。


 今まで異性として意識してなかった友人たちを、明らかに男性として接するようになった。友人の距離から、異性としての距離感へ。その中に、恋心が混じっているかは、分からない。気づきたくないという思いもあるが、その時が来たら、心の準備は出来ている。


「俺が、リリの他に守りたい人が現れるのは、当分無いと思いますが、そうですね。リリに好きな人が出来たら、リリの隣に立てるだけの実力が無いと認められないので、俺に勝つまでリリは渡せません。」


 精霊王様が、驚いた顔で俺を見て、また大きな声で笑った。


「アハハハ、そうか。ユーリアスに勝てる男か。どんな奴か私も見てみたいな。それで?既に候補はいるのか?」


「それは、リリが決めることなので内緒です。」


「アハハハ、それもそうだな。」


 リリを大切に思い、リリを守りたいと思う人はたくさんいる。

 その中で、リリの近くで守れる栄誉を、まだ俺が独占したい。弟の特権をまだ奪われたくない。


 リリの幸せは、未来は、俺が守ると誓った幼いあの日から、リリはずっと可愛い、俺の大切な姉なのだから。



ここまで、読んでいただき、ありがとうございます。

 折角のユーリの決意を、そのまま綺麗に終わらせたかったので、例の方たちの出番は次回へ。

 結局は、ユーリの苦労が次回へ延期されただけですが、頑張れユーリ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ