魔力器官の治療法 ➂
部屋のドアをノックすると、中から可愛らしい声が返ってきたので中に入ると、既にビッガートル家のみんなが勢揃いしていた。
「リリ姉様、もう体調は大丈夫ですか?どこか痛いところや苦しいところはない?」
チェリーちゃんが、直ぐにリリに近づいて、頭の先からつま先まで変わりがないか確認する。
「もう大丈夫よ。心配かけて、ごめんなさい。チェリーちゃんとタイガ君に会えて嬉しくて、魔力がいつもより溢れてしまったの。お祖父様やレオナルド叔父様も、助けてくれてありがとうございます。」
リリが、お祖父様や叔父様にもお礼を伝える。
「リリが元気になってくれたのが嬉しいから良いんだよ。」
穏やかな優しい笑顔で、レオナルド叔父様がリリに声をかける。相変わらずお祖母様に笑顔がそっくりで、とても安心する。
「そうだぞ。リリが無事なら良いんだよ。家族なんだから、余り気にしなくていい。」
お祖父様も優しい言葉をかけてくれる。
「ありがとう、お祖父様。ありがとう、レオナルド叔父様。魔道具も追加で用意してくれたから、助かりました。」
昨日、あれから急いで魔道具を追加で用意してもらい、お昼前には新しい魔道具が到着した。ルミナが居るが、念のため多めに魔道具も身に付けている。
「思ったより早く用意できて良かったよ。また追加で届けるよう手配しているから、心配しないでいいからね。」
レオナルド叔父様は、ここにいる間のリリの事を考えて、更に追加注文したようだ。
確かに、普段よりも楽しいことが沢山で、リリの心も大きく動きそうだ。念のための用意は必要かもしれない。叔父様の心遣いに感謝する。
「それじゃあ、謝罪とお礼は受け取ったので、昨日の話しはこれで終わりだよ。それで、リリから大事な用が有ると聞いたんだけど、謝罪とお礼の事ではないよね?」
レオナルド叔父様が、部屋の中に並べられた沢山の包みに視線を移して、リリに問いかける。
「そうなの。本当は昨日渡す予定だったのに、遅くなりましたが、私達からのお土産です。気に入ってくれると嬉しいわ。」
まずは、お祖父様とレオナルド叔父様にリリからお土産を渡す。
「ユーリと一緒に選んだの。凄く書きやすくて良いんだって。ユーリのお薦めよ。」
二人がそれぞれ包みを開ける。
「万年筆だね。凄く良いよ。ちょうど今、使ってる物を買い換えようと思ってたんだ。二人ともありがとう。」
レオナルド叔父様が気に入ってくれて、リリも嬉しそうだ。
「私も気に入ったよ。二人ともありがとう。何だか使うのが勿体ないな。何処かに飾っておこうか。」
お祖父様も大喜びで、とても気に入ってくれたみたいだ。でも、どうせなら飾るよりも使って欲しい。
「お祖父様、折角リリと選んだので、ぜひ使って下さいね。」
「いや、そうだな。折角の贈り物だ。ぜひ使わせてもらうよ。」
俺の言葉に、お祖父様も使う気になってくれたようだ。大事そうに万年筆を眺めながら嬉しそうに笑った。
「お祖母様とソフィア様も、これをどうぞ。」
リリが二人にお土産を渡す。これは、リリが選んだので、気に入ってくれるか緊張してるようだ。
「まあまあまあ、スカーフね。素敵だわ。この色は、初めての色だけど綺麗ね。どう?似合うかしら?」
お祖母様が、スカーフを首元に当てて、嬉しそうに微笑んだ。流石、リリが選んだだけあって、よく似合っている。
「よかった。気に入ってくれた?絶対にこの色は、お祖母様に似合うと思ったの。」
このスカーフを見た瞬間、リリの一目惚れで即買いだった。
「私のも素敵だわ。この花柄が凄く可愛いわね。二人とも素敵な贈り物をありがとう。」
ソフィア様も気に入ってくれたようだ。そんな大人たちの隣では、小さな従妹弟たちが、ソワソワと落ち着かず、順番が来るのを待っている。
「チェリーちゃんには、これなんだけど…。」
チェリーちゃんにお土産を渡すと、目をキラキラさせて、丁寧に包みを開ける。
「わぁ、可愛い髪飾りだわ。」
「実は、それ、私とお揃いなの。」
リリが、自分の髪に着けた飾りを見せると、チェリーちゃんが自分の貰った髪飾りと見比べる。
「キャー、本当だわ。リリ姉様とお揃いなのね。私、とても嬉しいわ。これから毎日これをつけるわ。」
思った以上に喜んでくれて、リリも嬉そうだ。チェリーちゃんも、さっそく髪飾りを着けて貰い、二人で並ぶと姉妹のようで可愛らしい。
「タイガ君には魔道書よ。最近、魔道書に興味があるって聞いて、集めているのよね?これ、かなり古いものだけど、とても面白い魔法が載ってたり、研究にも役立つのよ。私も読んで面白かったから、お勧めよ。」
この前会った時に、魔道書を読むのが好きだとタイガが言っていたので、タイガへのお土産は直ぐに決まった。
「これ、古くて数も少ないから、なかなか手に入らないヤツだよ。貰ってもいいの?」
「勿論よ。タイガ君に読んで欲しかったの。貰ってくれると嬉しいわ。」
「リリ姉さん、ユーリ兄さん、ありがとう。嬉しいよ。大事にするね。」
タイガも大事そうに魔道書を抱えて嬉しそうだ。
無事にみんなにお土産を渡し終えて、リリもホッとした顔を見せる。
「あの、俺からもお土産です。いつもの、俺の国のお菓子の詰め合わせです。」
「おお、ありがとう。今年もこれが楽しみだったんだよ。」
お祖父様がリヒトからお土産を受け取る。リヒトのお土産は、ビッガートル家のみんなからのリクエストで、いつも決まっている。
みんな大好き魔族の国のお菓子だ。甘い物から辛い物まで様々で、この国では手に入らないから、実は一番楽しみにしているかもしれない。
お土産を渡し終えて、和やかな雰囲気に包まれる。
ここからは、家族の時間を過ごそうと、お茶やお菓子の用意が進められる。
「待って待って、ねえ、私のお土産は無いのかい?私も何かお土産が欲しいな。」
突然の男性の声に、皆が一斉に声のした方へ振り向く。
そこには、長身の綺麗な顔立ちの男性が、期待に満ちた笑顔で立っていた。
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