出直してきます!
フレイです。
思ったよりクレアは賢かったみたいです。
仕方ない。
また、今度はもう少しちゃんと考えたいと思いました。
まあ、見ればいいですよ
クレア、ちょっとお兄ちゃんのために動いてくれないか?
一応な、不器用ながらにサプライズしようと思ったんだよ。
「眠れな〜い、夜には〜」
「え、なにそれ?え、フレイ様、あ、ちょっと、クレア様。待って、そっちに行かないでっ、あ」
「なによ、あんた。離しなさいよっ。変態なの?」
「一人で、溜めい、き〜。みんなは、どうなの、なんだか、さ、み、し、い」
「え、どういうこと?あ、クレア様、待ってくださいっ。お願いします。伝説だと、その伝説の秘宝を手にした者は、なんでも願いを叶えられると聞いてますっ。だから、どうかドラゴンの退治を、」
「ああ、もうしつこいわねっ」
ああ、もう城が目の前に。
「らしくな〜い、なんてね、笑うの〜はやめ、て〜、ホントの、私を、知らない、だ、け、だ、よ〜」
「待ってくださいっ、クレア様って、グホッ、痛っ、そこはダメだって、大事なとこ、」
「はは、無様に転がってなさいっ。バカだわ、あんた」
「広いだい、ち、に〜、一粒、の、た、ね〜根っこの、ば、し、てまだ〜、青い〜、実を〜付けた〜」
「あの、フレイ様、ゴホッ、クレア王女にやられました。ちょっと、当分動けないですっ。俺、もう無理っすよ」
「お〜れ〜んじ色に、早く、なりたい果実キミの、ひ〜かりを浴びて〜、理想や、夢は膨らむばかり気づいて、よ、ね〜」
「ちょっと、フレイ様、あの、クレア王女どっか行っちゃいましたよ。あの、フレイ様、応答願いますっ。その、さっき金的蹴られて動けないっす。ちょっと、もしもし!!!」
「オレンジ、今日も、食べてみたけどまだすうっぱくて、泣いた〜」
「なんですか、それは!!ちょっと、待って、あれ、この影ってフレイ様!!フレイ様!もう来てるじゃんっ。あ、立たないと、あ、ヤバい。ちょっと、誰か、誰でもいいけど、ドラゴン止めてっ!!マジで、街が崩壊するっ。やばいよっ。誰か、王女。クレア王女!!戻ってきて!!ていうか、フレイ様!!フレイ様!!どうにかして!!え、止まった?ちょ、マジでヤバい!!ヤバいヤバい!!おい、逃げろ!!逃げろ、来るぞ。上からヤバいのが来る!!」
「なんですか、あれ?」
知らない声が聞こえてくる。住民の声か?
「いいから、逃げろ!!ドラゴンだ!!」
アイスは、動けない体で必死に避難勧告をしているようだ。
「火とか吹くやつ?」
「違う!!あいつは、このまんま落ちてくるんだ!!火なんかの比じゃない」
「火だけにね」
「そんなつもりじゃなくて、って、それどころ、・・・・・・」
「私み〜たいで、残せないから全部た〜べ〜た〜」
「ああ、落ちてきてる。もう無理だ。フレイ様!!フレイ様!!助けて!!俺、死んじゃいますっ」
僕は釣り竿に縛られて泣きながらオレンジを歌い続けた。
「お父さんお母さんすいませんお父さんお母さんすいませんお父さんお母さんすいませんお父さんお母さんすいませんお父さんお母さんすいませんお父さんお母さんすいません」
今、特に指示を出したわけでもないが、ドラゴンはこの街に餌があると感じたのか、飛ぶのをやめた。
「好きだよ〜、泣けるよ〜、好きだよ〜、好きだよ〜」
ボゴアアアッン
バキバキバキバキッ、
パアアアンッ
「ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ、あれ、本当にドラゴン落ちてきたのねっ。それなら、私が退治してやればよかったわ」
あれ、クレアの声か?しかし、通信魔法が切れる。もう、アイスの声も聞こえない。
「似てても〜、違うよ〜、まんだr」
「お兄ちゃんっ」
「呼んだかいっ」
良かった、クレアは無事だったか。死んだら生き返らせればいいと思っていたが、無事なのは都合が良い。
「これ、どうにか元通りにして」
「ああ、もちろんもう元通りさ」
僕の修復魔法時間魔法木魔法釘魔法石魔法回復魔法蘇生魔法蘇り魔法魔法魔法AED魔法記憶魔法資材調達魔法弁償魔法罰金魔法ドラゴン保険魔法その他諸々の魔法を使い、街は一瞬で元通りになり、ドラゴンも元いたなんとか峠とかいう場所に返された。
「あれ、生きてる!!よかった、生きてるぞ!!」
「ありがとう、お兄ちゃんっ。もう、帰って良いわよっ」
しかしまあ、
サプライズは、大失敗に終わった。
というか、僕は完全にクレアのことを見誤っていた。
退屈しのぎになると思ったのに。
「ああ、じゃあ、また呼んでくれよ」
僕は、トボトボと城に戻る。先程まで縛っていた釣り糸の痕がヒリヒリとする。
「・・・お兄ちゃんっ」
「どうしたんだいっ」
何か、やり残したことがあったのか?
「いつも、ありがとうね」
ああ、こんな陳腐な結果で終わってしまうなんて。
「僕はああ、僕はああああああああ!!!!!」
「え、ちょっと、どうしたのよっ」
僕は、泣き腫らした目で愛しの妹の方を向いた。
「レイとは、今度ちゃんと仲直りするわよ」
「え、いいの?!!」
おっといけない。
つい、喜んでしまった。
今日は、楽しんでもらうはずだったのに。
「あ、あの、フレイ様〜〜」
「あれ、あんたは」
「クレア王女、言わせてもらいますけど、あなたがドラゴンを退治してくれれば解決したんですよ」
「あんたはバカじゃないの?そもそも、私にはあんなの退治できないし、そうやって人に責任を押し付けるの?そんなだから、人に信じてもらえないのよっ」
「ちょ、もう、クレア様とフレイ様のバカーーッ!!」
アイスはそう言って走ってどこかに行った。
「で、お兄ちゃんの知り合いなの?」
クレアがアイスのことを指さして僕にたずねてくる。
「誰なんでしょうね?」
僕は知らんぷりをした。
「まあ、いいわ。じゃあ、また呼んだら来てちょうだいねっ」
「そうだねっ。我が愛しい妹よっ」
僕は颯爽と自分の部屋に戻った。
さて、どうしたものか。
「まあ、仕方ないな」
前に言われた、クレアのTバックの新しいものを作ってあげよう。
今度は、T以外の文字がいいな。
半分の「半」とかちょうど良さそうだな。
もっとかっこいい漢字がいいかもしれない。
そうだ。ちょうど今日のことを記念して、「龍」バックを作ろう。
僕は、愛する妹のために、まだ誰も到達したことのない下着作りに挑戦することとなった。
あ、アイスにはちゃんと手当というか、お金を余分に払ったりしましたから、不憫だとか言わないでね。
また見てね




