22 一緒に隠しきれない
小櫻は矮桌の後ろのその敷物の上に跪座し、膝をぴったりと揃えていた。敷物の涼しさが、まだ東側の地続きの窓から斜めに差し込む朝の光で暖めきれていない。その涼しさが揃えた膝から太腿の内側へ少し染み込んでいたが、彼女は気にも留めず、品物を点検するのに忙しかった。淡い金色の光帯が長く矮桌の中央に広げられた木の箱の上を覆い、彼女が物を摘む手 の甲にも温かな一条を落としていた。彼女は両手で箱の中の品を一つ一つ、絨布の敷きから摘み出していた。動作には秩序があり、まるで期末試験の答案を配っているかのようだった。馬尾が後頭部で、彼女が腰を曲げたり頭を上げたりするたびに、ぱたぱたと揺れ、肩甲骨のあたりでまた朝の光に捉えられていた。
「増感油が鎖骨用に一瓶、銀の鎖のクリップが一対、肛塞が一個、震顫石が一個、そして団長のは」小櫻は唱えながら、その真四角に折られた白紙を箱の一番底から引き出した。紙面が朝の光の中で白く熱を帯びていた。「うん、戦利品リストが一枚紙」最後の三語を唱えたとき、彼女の語速は明らかに半段跳ね上がり、目がその小さな手書きの字の上で、ちょうど新しい標本を捕まえたばかりのように輝いた。指先が紙面を軽く二度叩いた。
薇が先に寄ってきた。彼女の歩き方は元々遅く、臀の先から下へ引きずるように、一歩一歩リズムを後ろへ引くような遅さだった。今日彼女が着ているのは深紅の極薄のニットワンピースで、その薄さは腕を上げただけで内側の皮膚の色が見えるほどだった。織り目が彼女の胸の前にあの重くたわわな豊かさによって内側から一格一格押し広げられていた。呼吸のたびにその弧がわずかに膨らみ、また縮む。最も張り詰めたところの織り目が朝の光を受けて、下の粉色の肌が透けて見えそうだった。彼女は二本の指を箱からその一粒の震顫石を摘み上げ、半空中で光に向かって細め、細めた瞬間に睫毛が頰の上に小さな影を落とした。
「これ……恥丘の上方に付けるのよね~」薇の尾音はとてもゆっくりと引かれ、目は垂れ下がり、自分のワンピースの前のその平らな紅い部分を見ていた。しかしもう片方の手の指の腹はすでにスカートの腰の内側へ回り、隠されたゴム紐の縁を探っていた。指先がその位置を見つけた瞬間、彼女の肩がとても軽く震えた。毛織物の下のその一片の皮膚が、見つけられたその一寸から先に熱を帯び始め、続いて鼠径部から小腹の奥深くへ細い熱の糸を引いた。
「薇姐、自分で付けられる?」小櫻が手を上げ、目を大きく見開いた。あの純粋な研究者のような見開き方だった。「だって、だってあの位置の角度ってすごく微妙で、私研究したことがあるの、貼り面を上に向けた方が肌の紋理に合いやすいけど、下に向けた方が振動の伝導経路がより直接的で、でももちろん薇姐は自分でできるわよね、私が言いたいのはただ確認したかっただけで」彼女は話すほど急き、手が空中で一本一本の弧を描き、馬尾もそれについて後頭部で左右に振れた。
薇が笑った。その笑いは喉の奥から浮かび上がるもので、むんむんとして、水気を含んでいた。彼女はその一粒の震顫石をスカートの腰の内側へ押し込み、指の腹で恥丘の弧に沿って一寸上へ押し上げ、またその一点を押さえつけた。押さえつけたその瞬間に、彼女の腰が自分で少し前に突き出た。脊椎が尾椎の一点から一寸一寸自分から溶け落ちるように、後ろから誰かに指先で軽く一撫でされたかのように、下半身全体が一瞬力を失った。ただその石をより深く貼り付けたいだけ、内壁が自分から収縮を繰り返し、空気を吸い込んでいた。明らかにただ押さえつけただけなのに、身体は口よりもはるかに正直だった。滾るような熱が恥丘から小腹の奥深くへ細い熱の糸を引いた。薇の尾音がそのために半拍途切れた。
小櫻の鎖骨はこのときすでに空いていた。彼女は襟口を一寸下へ引いた。その白いシャツの最初のボタンが外れ、二番目も外れた。白く青みがかった鎖骨が、胸の前の浅い起伏の一小段と共に朝の光の下に晒された。凹みの溝にはまだ小さな陰影が溜まっていた。八千代が彼女の隣に跪いた。手にはその瓶の増感油を持っていた。八千代が今日着ているのはゆったりした長めのシャツで、下にタイトスカートを合わせていた。そのタイトスカートが臀の線に張りつく弧は正直すぎるほどだったが、布地が薄くなると何も隠せなかった。彼女が跪いたとき、タイトスカートが太腿の後ろ側で浅い横の筋を張り出していた。彼女は自分でその筋を一度見下ろし、眉尻をわずかに上げ、口角のそのお姉さんらしい笑みはいつも通りだった。劉海の下のその双の目は温かかった。
「ん、小櫻ちゃん、ここからここでいいの?」八千代の指先が油を付け、小櫻の鎖骨のその溝に軽く一線引いた。引かれたその油の跡が輝き、鎖骨の走りに沿って胸の前の弧へ少し滑り落ち、半分まで行って表面張力に捕まり、また少し引き戻された。
小櫻が息を吸い込んだ。馬尾が後頭部で激しく一震した。「え? 待って、ちょっとこれ冷たい? どうして最初は冷たくて後でまた」彼女の声の尾がどんどん高くなり、八千代は笑いながら指の腹でその滑り落ちようとする一滴の油を受け止め、また鎖骨の窪みへ塗り戻した。塗ったとき小櫻の全身が一震し、胸の前のその二つの柔らかい小さな丘がシャツの下で一緒に二度震え、シャツの薄い木綿の布地が内側からその二粒のすでに自分で硬く尖った先によって二つの小さく、はっきりと尖った形を押し出していた。
八千代は塗り終わり、油の瓶の蓋を戻した。動作はとてもゆっくりで、まるで油が瓶口から滴り落ちるのを恐れているかのようだった。それから少し後ろへ座り直し、両手を後ろの敷物について支え、膝をわずかに揃えた。揃える動作はとても自然で、まるでただ座り方を変えただけのように見えた。しかし彼女が姿勢を変えたその瞬間に、タイトスカートの下襬が太腿に沿って一寸上へ押し上げられ、太腿の内側の一小段、外側よりも白い肌を晒した。彼女の顔には依然としてあの満たされたお姉さんの笑みがあった。
「じゃあ八千代も自分のものを片付けないとね」彼女は言いながら手を後ろへ伸ばし、スカートの後ろ腰の位置から一つの小さな絨布の袋を取り出した。袋の中のその一つの肛塞は丸く、底座は花びら形をしていた。彼女は指の腹でその品を摘み出し、スカート越しに手を後ろへ回し、身体を少し前に傾けた。傾けたとき彼女の長い劉海が垂れ下がって片方の目を覆い、もう片方の目は弧を描いて笑っていた。目尻に細い一本の弧があった。
「あら、本当にこの位置に慣れてしまったわね~」彼女が話しているときタイトスカートの後ろがわずかに動いた。布地が臀の線に沿って軽く凹み、また弾き戻った。それから彼女の腰がその場で極めて軽く弓を描いた。その弓は骨盤の底から上へ伝わる小さな酸い張りで、腰背の中段まで張ってから散った。彼女は長く、気持ちよさそうに息を吐いた。吐いている途中でその息が自分で小さな曲がり角を作り、極めて細い鼻音に変わった。額の角がわずかに薄い汗で光り、笑みはかえってより深くなった。「ん、よし。」
ソフィアはリビングの扉のそばのその壁に寄りかかったまま、この一連の様子を最後まで見ていた。腕を組み、一本の脚を曲げて壁に当て、もう一本の脚で自分の体重を支えていた。その彼女が普段好んで着る白い絹のシャツは今日ベルトの中に tuck しておらず、前襬の二枚が柔らかく垂れ、大腿の前側まで届いていた。しかし絹の内側は朝の室温の微かな冷たさに触れ、その二粒は冷たさのためにすでに自分で硬くなっていた先が、薄い生地越しに前襬を、ほのかに、擦っていた。彼女は他の人が身に着けるそれらの品を眺めれば眺めるほど、背中を壁の中に押し付けたくなり、肩甲骨が壁面のその冷たさに当たっていた。彼女は矮桌の最後に箱の中に残っていたその一対の銀の鎖のクリップを見ていた。眉を寄せ、唇を一筋に結び、喉のその一小片が飲み込む動作について動いた。
「……Whatever.」彼女は壁から押し離し、二歩進み出て、矮桌の前にしゃがみ込んだ。一方の手で直接シャツの下襬を摘み上げ、鎖骨の下まで捲り上げ、 下に着けていた細い肩紐の薄い紗のブラウスを晒した。その二粒の乳頭が薄い紗の中で二つの はっきりと小さな点を押し出していた。薄い紗の繊維がその二点の周りで押し広げられて白くなっていた。
彼女は手を伸ばし、片方の薄い紗を横へ軽く一撥ねした。指がその硬くなった乳頭の上で半秒宙吊りになった。その半秒の間、彼女自身の呼吸が胸腔のどこかの位置で止まり、外へ吐き出されなかった。明らかにこのとき手を引けば誰も何も言わないのに、彼女はそうしなかった。歯を噛み、銀の鎖のクリップの片端をその粒の先へ含ませ、一格、一格、ゆっくりと締めていった。一格締めるたびにその粒の乳頭が挟み片によって内側へ少し押し潰された。彼女の呼吸がそれについて一格一格上へ引き上げられ、残り二格目でその息はもう持ちこたえられそうになかったが、彼女はそれでも最後の格まで押し込んだ。最後の格まで押し込んだその瞬間に、その息が突然下へ行かなくなった。肩が激しく一縮みした。さっき吐き出せなかったその息が歯の間から漏れ、極めて短い「ts、」になった。彼女はすぐに顔を逸らして窓の外を見た。耳の先のその一小片が赤く染まっていた。
「So? ただ挟んでいるだけ。」彼女がこの一句を言ったとき、その銀の鎖がシャツの下で垂れ下がり、二度揺れた。両端の重さが二粒の乳頭を少し下へ引いた。一引くたびにシャツの前襬の内側が一緒に一格鼓動した。彼女はまた息を吸い込み、非常に小さな声で「……Jesus.」と補った。
団長が台所の方から出てきた。手には一枚折りたたまれた紙と一本のペンを持っていた。彼は誰も見ず、足取りはいつもの足取りで、矮桌のそばへ歩み寄り、紙を広げ、ペンで一番上に一行字を書いた。ペン先が紙面で乾いた一本の沙のような音を立てた。小櫻が寄ってきて見た。馬尾が彼の肩へ振りかかり、また弾き飛んだ。
「え? この紙が戦利品リスト? 見てもいい? え、でもここにはもう書いてある」
「先に書き込む。」団長は頭を上げなかった。
「うん~団長今日は用意周到ね」薇が彼のもう片側で声を上げて笑った。その笑い声は嗄れていて、嗄れ方はちょうどさっき少し突き出た腰と一緒に喉の奥から絞り出されてきたかのようだった。
八千代がゆっくりと立ち上がった。タイトスカートの下襬はさっきの動作のためにまだ一条完全に元へ戻っていない皺があった。彼女は指の甲でその皺を太腿の後ろ側から下へ押し平らにし、膝窩のあたりで手を離した。それから振り返ってソフィアを見た。「ソフィアちゃん、歩ける?」
ソフィアは窓の外から視線を戻し、彼女を睨んだ。銀の鎖がその睨みに合わせてまた一揺れし、また一つ引いた。彼女は息を吸ってからようやくその字を口にした。「Obviously.」
五人はこうしてリビングの中央に、ゆるい輪になって立った。朝の光が斜めに差し込み、それぞれの身体の違う位置に落ちた。薇の狐のような目は半ば垂れ下がり、目尻の余光でソフィアのシャツの下のその銀の鎖が呼吸について軽く揺れるのを捉え、一揺れるたびにソフィアの睫毛が半拍遅れて震えた。薇の口角が極めて軽く一寸上へ曲がった;八千代が振り返って薇を見たとき、視線がちょうど薇のスカートの腰の下に隠されたその石が押し出す、ほとんど見えない小さな点の上に落ちた。その小さな点が数秒ごとに薇の小腹の起伏について一跳ねした。八千代の笑みが一段深くなった;ソフィアは薇が自分を見ているのに気づき、すぐに顔を逸らして窓の外を見ているふりをした。しかし耳の先のその一小片がまた赤くなった;小櫻だけが完全に状況を把握しておらず、鎖骨のその油の跡が淡い金色の光の中で彼女の呼吸のたびにわずかに動く反射を滑らせていたが、彼女はただ団長の手にあるそのリストに釘付けになっていた。団長が扉口へ歩み寄り、そのリストをポケットへ折り畳んでしまい、振り返って彼らに向かって顎を少し上げた。
小櫻が最初に飛び上がり、馬尾が後頭部で生き生きと跳ねながら追いかけた。「待ってよ団長、リストのあの『二箱以上』って重さのこと? それとも体積?」
薇の手が引っ張ったその一回は力を使わず、ただ指の腹を八千代の肘のその一截の薄い皮膚に貼りつけ、軽く袖口の薄い木綿を引っ掛けた。ちょうど人を朝の光の中から半歩、廊下のその少し陰った位置へ引き込むのに十分だった。その陰影の中の空気はリビングの側より少し冷たかった。薇の鼻先が先に八千代の指先についたばかりの、散りきっていない増感油の微かな甘い油の匂いを嗅ぎ取った。その冷たさがちょうどいい具合に、二人の身体のどの部分がまだ熱を帯びていて、どの部分がさっき誰かに押されたかを、すぐに自分で飛び出して告げ口するようにした。
「待って、学姊、あなたのそのスカートの裾」薇の声はさっきリビングにいたときの声より半度低く抑えられ、尾音は引かず、乾いた感じで収められていた。乾いた感じはまるで二人の成人女性が玄関で互いに「あなた何か落としたわよ」と注意し合うような口調だった。
八千代の銀粉グラデーションの髪が肩の片側から滑り落ち、薇に引っ張られたその半歩の動作に連れられて軽く揺れた。その揺れの弧が彼女自身の鎖骨の上に落ちた。「ん?」彼女が応じた。声はさっきリビングにいたときのお姉さんポジションより半度低く、低さはまるで二人の同士の間でしか言えないような語気だった。そこで彼女は勢いに乗ってしゃがみ込んだ。
彼女のしゃがむ姿勢はいつもきちんとしていなかった。膝を割り、全身の重心を足の裏の前半分にかけていた。そのゆったりした長めのシャツが肩の線から垂れ下がり、後ろの首から肩甲骨の輪郭をゆるりと覆っていた。しかしタイトスカートはこの姿勢の中で尾椎のあたりまで張り詰めさせられ、布地がその小さな一本の突き出た骨に貼りつき、肛塞に押し広げられた肉のすべてをはっきりと描き出していた。一しゃがみしたその瞬間に、その栓が腸壁の中の位置がわずかに半寸ずれ、さっき押し開いてまた閉じたその一番敏感な一輪の皺を越えた。彼女の尾椎が短く一震した。しかし手はしっかりと伸び出し、薇のニットワンピースの下襬を膝の曲がり目のあたりから摘み上げた。
その深紅の毛織物が彼女の指先の下で一枚の透光する染め紙のように薄かった。めくり上げたその瞬間に薇の太腿の内側の全体の粉白い肌が直接朝の光に斜めに照らされ、明るさは太腿の付け根のまだ完全に退ききっていない淡い赤い跡まで見えるほどだった。八千代の指の腹は急いで下ろさず、むしろスカートの面に沿ってその柔らかい折り目を太腿に沿って一寸上へ押し上げ、太腿の付け根のその境界線まで押し上げてから、布地を貼り戻した。貼り戻したあと、全ての手を薇の真正面へ回し、スカートの腰のそのゴム紐の位置から下へ押した。
恥丘の上方のその一点へ押したとき、その一粒の震顫石の硬い輪郭が薄いニット越しに八千代の指の腹の下に半ミリほどくっきりと浮き出ていた。その浮き出た形は彼女の方が薇よりはっきりとわかっていた。彼女は手を引かず、指の節でその薄い毛織物越しにその小さな浮き上がりに沿ってゆっくりと一回りした。一回りする道筋はとてもゆっくりだった。
「薄すぎると透けるわよ」彼女は目を上げて薇を見た。笑みがすでに目尻まで満ちていた。上粉下青の瞳孔の中には全く心配の色がなく、指の節がその薄い毛織物越しにその小さな浮き上がりの上でまたゆっくりと半回りしてからようやく手を引いた。「あなたが歩くとき、みんなここに何か膨らんでるのが見えちゃうわよ。」
薇の腰がその瞬間に少し前に送り出され、その小さな浮き上がり全体を八千代の指の節へもう一分深く押し付けた。送り出したあと、彼女は自分の小腹のその一片、指の節に押されてできた小さな弧度を一度見下ろした。弧度はとても小さかったが、下のその石に頂かれた位置はすでに静かに熱を滲み出していて、熱さのために彼女は口角を少し扁らせてようやくその声を飲み込んだ。
「……あなたの手が人のことを言う資格あるの~」彼女は目を上げ、狐のような目はすでに弧を描き、尾音を引くのが遅く、遅さはまるで八千代と将棋を指しているかのようだった。
薇の食指と中指を揃え、自分の脚の側で半秒止め、それから八千代の後ろへ回り込んだ。八千代はそのときまだしゃがんでいて、背中全体の線がゆったりしたシャツが肩から落ちたことでゆるやかになっていた。しかしタイトスカートは尾椎のその節で弓を限界まで開いたように布地を張り詰めさせていた。薇の指先が尾椎の真上のその一点から始まり、タイトスカートの面に沿ってゆっくりと下へ滑った。滑る速度はさっき八千代が彼女のスカートの前で円を描いたときと全く同じくらいゆっくりで、ゆっくりすぎて八千代は尾椎でその滑りを受け止めたとき、ただ軽く背中を弓にできるだけだった。
八千代の臀の上の縁へ滑ったとき、薇は指先で軽くも重くもなく一押しした。押し込んだ位置はちょうどさっきその肛塞が通過したのと同じ一点だった。外側からのその一押しが張り詰めたタイトスカート越しに、その一輪の飽脹した菊の輪を腸壁のさらに奥へ半寸押し進めた。
八千代は尾椎のその一点から先に一瞬止まり、次に一震し、肩をわずかに弓にし、頭を垂れた。銀粉グラデーションの髪が後ろの首のその一段、肉眼で見えるほどにまたピンクの方へ一 度滑った。その一度の滑りはとても短く、後ろの首の一番下のその一寸だけだった。しかし二人はともに、彼女が自分の下唇を軽く噛んだのがわかった。下唇の内側のその一点の淡い鉄の味を舌先で味わいながら、その息をゆっくりと吐き出していた。吐くとき口角は依然として笑っていたが、笑みはさっきリビングにいたときのあの満たされたお姉さんの笑みより一層湿っていた。
「あら、 学妹、今日はなかなかやるわね。」彼女は下から上へ薇を見上げた。その上粉下青の瞳孔の中に一道の光が浮かび、口角の笑みを抑えきれなかった。
薇は手を引き戻し、指先を自分の唇の前で一秒止め、本当に口の中へ入れることはせず、ただその余熱を唇に向かって吹き散らした。その一吹きはとても軽かったが、唇が自分の吐き出した熱気によってより赤く染まった。尾音があのゆっくりとした引き方に戻った。「あなたこそね~尾椎のその節があまりに目立つわよ、あなたがあとで腰を曲げて香料を選ぶとき、みんな見えちゃうわよ~」
八千代がゆっくりと立ち上がった。立ち直ったその一瞬に彼女の膝がまた一震した。震えはとても短かったが、震える方向はあの栓を腸壁の中でさらに奥へ一押しするものだった。その截のタイトスカートは尾椎から下へは貼りついていて、臀の弁の一番飽満な那一塊まで軽く二本の平行した弧を押し出していた。彼女は自分でその弧度を一度振り返って見、それからまた薇のスカートの前のあのほとんど見えない小さな点を見た。
二人の女が廊下の陰影の中で互いに視線を交わし、口角はともに勾っていたが、声には出さなかった。ただそうして二秒見つめ合った。
「……一緒に隠しきれないわね、私たち。」薇が先に口を開いた。尾音は嗄れていて、下にまだ退ききらないあの熱を押し込めていた。
八千代が手を伸ばし、薇の耳のそばの髪の絲を彼女の耳の後ろへ撥ねやった。撥ねやったとき指の腹が耳輪の縁に沿って軽く一擦りした。擦り過ぎた耳輪の最も薄いその一截、薄すぎて指の腹が通り過ぎたとき皮膚の下の血色がゆっくりと戻り始めた。彼女は低く一句返した。「じゃあ、互いに隠し合って歩きましょう」
「行くわ。」団長の声が扉の外のその一段の距離を隔てて伝わってきた。
薇が先に動き、八千代が半歩後について、二人が並んで廊下のその陰影の境界を跨ぎ出た。朝の光が一緒に彼女らのスカートの面を打った。薇のスカートの前の一 点と八千代のスカートの後ろの一段が同時に朝の光に二つの方向から持ち上げられ、二つの輪郭が石畳の上にそれぞれ揺れる二本の影を引いた。
人波が五人の肩を一緒に前へ一区切り押し進めた。足下の石畳が一群の子供たちに踏まれて熱を帯びていた。前方に六、七人並んでいた列が短い列を作り、後ろからまた一波全体の子供と大人が押し込まれ、五人を摊の前のその赤い布が支える範囲へ押し込んだ。小櫻が押し込まれたその一寸のとき、鼻先が先に一片の明るさにぶつかった。摊の下のその大きな赤い布の上に、竹串に刺さった山査子の飴がぎっしりと並んでいた。糖衣が陽光の下で輝き、彼女は目を細めた。その一陣の甘ったるい焦糖の匂いが人波の熱気と一緒に彼女のシャツの襟口へ流れ込み、鎖骨のその油の跡に貼りついて滑り落ちていった。
小櫻の目はまずそれらの糖串を見、それから最前列で糖を転がしている店主の手へ一路追った。その両手が竹串を糖鍋の中へ一沈め、持ち上げたとき糖の絲が長く引かれた。彼女は知らず知らずのうちに半歩前へ踏み出し、馬尾が後頭部で一振りした。白いシャツの襟口はさっき歩いている間に自分で引っ張り続けた手によって一小摘みが開いたままになっていた。鎖骨のその油の跡が陽光に晒されて熱を帯び、汗とさっき襟口を引っ張ったときに擦りついた油が彼女の皮膚の上で晒されてより粘り気を帯び、より滑らかになり、鎖骨の溝に沿って胸口のその陰影の中へ粘り滑らかに少し滑り落ちた。彼女はただその一截の皮膚が熱いと感じただけで、構わなかった。
薇が彼女の左後ろ側から半歩回り込み、その片方の手が伸び出したときの動作はほとんど起こらなかったかのように遅かった。食指と中指を揃え、シャツ越しに後ろから軽く小櫻の後ろ腰のその一節の凹みに引っ掛け、シャツの下襬ごと半歩後ろへ引っ張った。
「列に並ぶときはきちんと並びなさいよ~」彼女の声は低く抑えられ、小櫻の耳元に貼りついて吹き込まれ、尾音がまた柔らかく長く引かれた。その一息の温度が耳輪を一回りしてから散った。
彼女の指先は離れず、小櫻の後ろ腰のその布に覆われていながら実際は最も薄い肌の部分に、木綿越しに軽く一つの円を描いた。その円を描くのが死ぬほど遅く、指の腹が擦り過ぎたところのシャツの下の熱がすぐに両側へ広がり、腰の側を焼き、腰の窪みを焼き、脊椎のその凹い溝に沿って一路上へ登り、肩甲骨の下へ登り、また肩甲骨の下から前胸の前のその朝の光に晒されて輝く油の跡へ回り込んだ。熱度がたちまち後ろのこの円と繋がり、皮膚全体が一本の細い熱線によって前から後ろへ一回り完全に繋がった。胸の前のその二つの柔らかい先が白いシャツの下で自分で二つの小さな点を押し出し、木綿を内側から二つの浅い尖った形に押し上げた。
「薇、薇姐、あなたの手……並、並んだわ、私、並んだ」小櫻の声が後ろへ行くほど小さくなり、語速は依然として速く、馬尾がそれについて肩甲骨を縮ませ、また一振りされ、振られたその油の跡が一瞬光った。
薇は手を引き戻し、指の腹を自分の袖口の縁で軽く一擦りした。まるで小櫻の温度が指先に残したその一点を拭い取るかのようだった。目尻が弧を描いて八千代の方へ一 笑いをした。八千代はちょうど人波の隙間からもう片側で振り返ってきて、薇のその笑みを見ると同じ笑みを返した。
列が一格、また一格前へ移動した。団長の番になった。彼は摊の前へ歩み寄り、ポケットからそのリストを摸み出した。
「蜜糖餅、六箱。」
店主が「哎喲」と一声、笑いながら糖餅は隣の摊にあると言った。団長が「うん」と一声、動かなかった。
小櫻が全体で彼の背中から貼りついてきた。胸が先に団長の背中にぶつかり、また団長のその濃い色のシャツの布地に押しつけられた。顔が団長の肩の側から探り出し、馬尾が振りかかって団長の耳の先を掠めた。さっきまだ引いていなかったその二つの小さな先が白いシャツ越しに直接団長の背中に頂きついていた。
「そ、そっちの串とそっちの串、団長、あの二串先に買っていい?」彼女は首を伸ばして店主の手で転がしている糖を見、 一字言うたびに胸のその先が一緒に一擦りし、 一句言い終えると一列擦った。鎖骨のその朝の光に晒されて熱くなった油の跡がこの一連の擦り動きの中で二層の布地越しに油の輝きを少しずつ擦り移し、団長のその濃い色のシャツの背面、彼女の胸口と同じ高さのその一片の木綿に、ゆっくりと浅い、ほとんど見えない油の輝きを暈し出していた。木綿がその薄い油を吸い込んだあと、反射の角度が隣のその一片と違っていた。濃い色の中に一段より濃い水の跡のようなものができ、まるで誰かにこっそり、近づいてみなければ見えない判を押されたかのようだった。
団長の手はまだポケットの中で小銭を摸っていた。ただ一語だけ言った。「待て。」
小櫻が「うん」と一声、振り返ったとき人波の中でソフィアが後ろのその波の子供たちに押されて横へ半歩歪んだのが見えた。白いシャツの下のその銀の鎖がその歪みに合わせて一揺れし、ソフィアの耳の先が先に赤くなり、赤が耳の先から一路顎まで這い上がった。
小櫻の右手が伸び、まるで軽い小物を掬うかのようにソフィアの手首を掴み、自分の側へ引っ張った。
「ソフィア、こっち来て、ここが見やすいわ」
ソフィアが「え」と一声、まだ反応しきれず、全体が引きずり込まれ、団長の左側へ押し込まれた。小櫻の左腕が彼女の背中へ回り、彼女を団長の背中のその人壁の中へ貼りつけた。三人が摊の前に短い線を作った。小櫻の胸が団長の背中に頂き、ソフィアの側身が小櫻の側身に貼りついていた。人波が後ろからまた一つ押した。銀の鎖がソフィアのその白いシャツの下で、その二粒の挟まれていた乳頭へ押しつけられた。クリップが人波のこの一押しの下で、本来の噛み合いの位置から身体のより奥の方向へ一分押し込まれた。その一分が乳の先全体を胸口の中へ押し込むもので、神経がその二点から放電して背中へ放たれ、痺れが肩甲骨に沿って首の根元へ走った。ソフィアの喉がこの瞬間に飲み込まれた気音を発した。彼女は潔く全体の頭を小櫻の肩のその白いシャツの中に埋めた。
「あなた、あなた何するの」彼女の声が肩の布地の中から絞り出され、小さすぎてほとんど聞こえなかった。スペイン語の罵りがすでに喉に詰まっていた。罵りたかったが罵れず、クリップはまだその一分 の位置から戻っていなかった。
小櫻は聞いていなかった。彼女は顔を上げ、興奮して団長の背中に向かって叫んだ。「団長、私たち三、三人で一緒に並ぶ! こうしたら早いよ!」
団長がリストの中から目を上げ、彼女を一度見た。その一目が小櫻の赤くなった鎖骨を掃り、ソフィアが小櫻の肩に埋めたその頭を掃り、最後にリストへ戻った。何も聞かなかった。
「二串。」
八千代と薇が少し後ろの位置に立ち、二人が並び、前方のその三人で作った線を見ていた。肩が肩に寄り合う角度はさっき廊下のその陰影の境界を跨ぎ出たときと全く同じだった。朝の光が摊の上の赤い布の隙間から漏れ落ち、二着のスカートの面の縁を同じ一道の淡い赤に染めていた。
薇は前方のその三人で作った線を見ていた。その糖葫蘆を持った片方の手が竹串を指の間でゆっくりと半回り転がした。転がしたときスカートの下でさっき廊下で完全に退ききれなかったその一点の熱がこの小さな動作に勾い起こされた。「糖葫蘆の摊で初めてこんな並び方を見るわね~」薇が先に口を開いた。尾音がまた長く引かれた。
「うん、小櫻ちゃん本当に想像力があるわね。」八千代が笑いながら一句返した。声はさっき廊下にいたときより爪の厚み一分低かった。
二人のお姉さんの間でまた視線が一つ交換された。店主が二串の真っ赤な糖葫蘆を差し出してきた。糖衣が陽光の下で反射する鏡面のように光っていた。団長が手を伸ばして受け取り、振り返らず、後ろへ一押しで小櫻の手の中へ渡した。
小櫻が「わあ」と一口噛みつき、糖衣が彼女の口元で「か」と一声に砕け、砕け屑が彼女の下唇に付いた。舌先が自分で一度舐め、糖のシロップが唇弁の外側に細い一本の輝く絲を引いた。その瞬間に、鎖骨のその油の跡が摊の上の赤い布の隙間から漏れ落ちた一束の光に再び照らされ、また一度明るくなった。
小櫻はソフィアを連れて路地の陰影の中へ歩み入った。
小櫻は声を抑えて興奮しながら:「ソフィア、ちょっと待って、ちょっと待って、私が見たいの」
路地の入り口の石畳に一块が翹き上がっていて、ソフィアの靴の先がその石畳の縁を蹴り、全体が前へ一つよろめいた。シャツの前襬が彼女の左乳に貼りつき、全体が斜めへ引っ張られて一寸歪んだ。一寸歪んだその一回が布地を乳房の側面のその柔らかい線へ食い込ませ、痛いほど食い込んだ。銀の鎖が襟口の下でクリップに「ちん」と一つ当たった。その「ちん」がクリップ越しに彼女の左のその一粒、すでに挟まれて膨張し熱を帯びた乳の先の中へ伝わった。ソフィアが息を吸い込んだ。その息が漏れ出たとき極めて短い「ts」を伴っていた。
ソフィア:「え、あなたまた何するの」
小櫻は振り返らず、彼女の馬尾が後頭部で一振りし、ソフィアを半ば押し半ば引きずって路地の側面のその煉瓦の壁へ押しつけた。灰色の煉瓦が路地の背光の中で冷たく、煉瓦の隙間に一叢の苔が生えていた。苔がソフィアの肩甲骨に一押しされて湿り気を滲み出させた。その苔の土の臭いが彼女の肩の後ろから立ち上り、鼻へ潜り込んだ。その一点の湿り気がシャツの背面越しに冷たく静かに這い上ってきた。前方の胸口で小櫻が全体で押しつけてきたその瞬間に、ソフィアの乳の先がまた銀の鎖によって半センチ下へ引かれた。
小櫻:「あ、私がちょっとだけ、ほんの一瞬だけと言うたでしょ」
彼女が「一瞬だけ」と言うとき、その串の糖葫蘆がまだもう片方の手で揺れていて、糖衣の砕け屑がソフィアの靴の先に落ちていた。ソフィアは自分でも気づいていなかった。彼女の注意はすでに小櫻のその両手に完全に吸い取られていた。小櫻が糖葫蘆を「か」と一声に自分の口へ塞ぎ込み、自分で両手を空けられるようにした。糖串が斜めに彼女の頰の横から支え、糖の汁が彼女の指の縫い目から下へ流れていた。その両方の糖の汁を帯びた手がこうして伸びてきて、ソフィアの白いシャツの一番上のその一粒のボタンを「ぽ」と外した。その一粒のボタンが彼女の指の腹の下で弾け飛んだ瞬間に、ソフィアはようやく小櫻が何をしているのか反応した。しかし二番目の「ぽ」もすでに続いて外れていた。
ソフィア:「え、え、え、え、小櫻」
彼女は手を上げて遮ろうとした。しかし遮る方向が小櫻の手首に中間から貫かれていた。小櫻のその二本の指がすでに潜り込んで彼女の襟口を引 き開け、糖の汁がシャツの内襟に細い一本の輝く絲を引いていた。
小櫻:「さっき押しつけられた、さっき押しつけられたさっき押しつけられた淫紋が浮き出てるかどうか、これは今日初めての観察よ」
襟口が引き開けられたその一瞬に、ソフィアの胸口の上半段のその蜜色の褐色の肌がこうして路地の陰影の中に完全に晒された。銀の鎖が二粒の挟まれた乳の先の間から垂れ下がるその冷たい弧線、二つの挟み頭の銀色が陰影の中でさっき人波の中にいたときよりより明るく、より冷たく見えた。そして銀の鎖の左上方、鎖骨の下のそのさっき押しつけられた濃い塊の位置に、一片のとても淡い赤があった。まるで火に舐められたばかりでまた退いたような赤で、縁がぼやけていて皮膚の下でいつでも散りそうだった。形がまるで一本のちょうど半分咲いたところで打ち切られた薔薇のようだった。
小櫻:「私、ちょっと押してみるわ、範囲を測ってみる」
その糖を帯びた指の腹がソフィアの肋骨の下方のその一点へ軽く押し込まれ、ちょうどその淡い赤の縁の最もぼやけた一段に押された。糖の甘さが先に到達し、次に小櫻の指の腹の熱、そして押し込まれたその一小寸の圧力。ソフィアの全体の身体がその一点から上へ一震し、鎖骨と肩が同時に一縮みした。銀の鎖がその震えに揺れて浅い弧を一つ描き、クリップが二粒のすでに挟まれて紫がかった乳の先の上でまた一分圧された。その一圧が直接乳の先から下へ小腹を走り、淫紋の縁のその指の腹に押さえつけられた線へ走った。ソフィアの歯が死ぬほど下唇を噛み、唇が噛まれて粉から白く染まり、鼻の中からただ短い「hn、」が漏れた。
小櫻の指の腹が淡い赤の縁に沿って外側へ滑り始め、半センチ、押し、一度、また滑り半センチ、また押し、一度。押し込むたびにソフィアのその蜜色の褐色の皮膚が指の腹の下で極めて微かな鳥肌を一面に浮かび上がらせた。その鳥肌の面が指の腹の下で感じ取ることができ、まるで皮膚が自分で小櫻が何回押したかを数えているかのようだった。指の腹の下の温度がソフィアの身体の他の部分より少し高く、糖の汁もそれについてソフィアのその一片の皮膚に貼りつき、一点一点の粘り気のある甘い跡を残した。小櫻の手の甲が時々隣のその解かれ て垂れ下がったシャツの前襬を掠め、糖の汁が一路内襟の縁まで貼りつき、その薄い布が彼女の手について小さな角を一つ振り出し、またソフィアの胸の側へ貼り戻った。
小櫻の馬尾が後頭部で彼女の頭がわずかに傾くにつれて振れていた。「一・五センチ、二センチ、二・五、ソフィア、あなたのこれ前回より大きくなってる、だいたい零・五センチ大きくなった」
彼女が「零・五センチ大きくなった」と言うときの語気は実験記録を唱えているかのように平坦だった。ソフィアの全体が肋骨から胸口まで焼け上がった。煉瓦の冷たさがシャツの背面から一点一点彼女の肩甲骨へ這い上ってきた。前胸の熱度は小櫻の指の腹によって一駅一駅押し出され、二つの温度が彼女の身体の中央で挟み撃ちにし、一本の極めて細い線を挟み出した。その線がちょうどさっき人波に押しつけられて深く押されたその一点を通り抜けていた。ソフィアは下唇を噛み、路地の向かいのその一面の壁を睨み、スペイン語が喉の中で三度転がった。「cállate」「para」「basta」三度とも自分で噛み殺され、一語も出なかった。
小櫻:「え、じゃあこうしたら」
その指の腹が突然境界の上から浮き上がり、斜め上方の一点へ跳び、直接銀の鎖の左のそのクリップの真下に落ち、乳の挟みと淫紋の境界の交点に押し込まれた。
ソフィアの脊椎全体が尾椎から後ろの首まで激しく一本引き抜かれた。シャツの背面と煉瓦の壁の間で極めて小さな「さ」の摩擦音が掻き出された。銀の鎖が彼女の胸の前でさっきの二倍より大きな弧を一つ揺らし、クリップがそれについて揺れ、揺れたその一回に二粒の乳の先が銀の鎖に引かれて乳輪の下から全体が下へ引っ張られた。彼女の頭が側へ一偏り、自分の肩の中に埋まり、全体の顔が自分の鎖骨の上に貼りついた。その一片の鎖骨はすでに赤く汗が滴り落ちるほどだった。
ソフィアが歯の間からようやく気音を一つ漏らした。「Carajo……小櫻、あなた、あなた先に、先に聞いてくれないの」
その「Carajo」が漏れ出たとき鼻音を伴い、舌先が上顎に頂いたまま下がらなかった詰まりを伴っていた。その震えが彼女の顎から一路鎖骨へ伝わり、銀の鎖へ伝わり、銀の鎖がまたその震えをクリップへ伝えた。小櫻はこのときようやく自分の指の腹から目を上げ、ソフィアの顔を見た。
小櫻:「あ? 何て言ったの、私、あ、あなた具合悪いの? これすごく不快なの?」
彼女のその双の目はさっき糖葫蘆の摊を見たときのように丸かった。ソフィアが彼女のその表情を見、唇が一度開いてまた閉まった。何も罵れなかった;その双の丸い目の中にはきれいに何もわかっていなくて、彼女自身はもうこんな状態に弄ばれていた。その半秒の間、彼女は自分の呼吸が静かな路地の中で不様に大きいのが聞こえた。それから彼女は頭をもっと深く自分の肩の中に埋めた。
ソフィア:「大丈夫、続けて、早く。」
その三語の間のコンマはすべて彼女に飲み込まれ、一語一語歯の間から絞り出されているように聞こえた。
小櫻が「うん!」と一声、指の腹がまた淫紋の縁のその線の上へ押し戻された。「じゃあ私がもう下のもう片側を測るわ」
遠くから太鼓の音がメインストリートの方から伝わってきた。ソフィアの銀の鎖が彼女の呼吸の中で一拍一拍揺れ、一揺れるたびに二つのクリップが膨張した乳の先の上で一回り捻られた。彼女は下唇を噛み、煉瓦の冷たさが背後から肩甲骨へ這い上ってきた。小櫻の指の腹の熱がまだ淫紋の縁のその線に押しつけられていた。彼女は目を閉じ、睫毛が一震した。淡い赤のその一片が小櫻の指の腹の下でまた静かに外へ少し広がった。
メインストリートの低音が先に到達し、太鼓の音がまだ路地の角を曲がってきていないのに、石畳の下がすでに先に「うん」と一本痺れた。薇のその糖葫蘆を持った右手が最初の拍が上がってきたときわずかに張り詰めた。肘の窪みで、彼女のスカートの下のその一点がその拍に軽く震え開き、また彼女が次の重心を移す動作に押さえ戻された。彼女がこの重心を移すとき肩の線すら動かさず、糖葫蘆の赤が彼女の唇の辺で一揺れし、狐のような目は半ば垂れ下がっていた。その一拍を彼女は飲み込んだ。
しかし彼女の右側に半歩立っていた八千代は飲み込まなかった。低音の周波数がちょうど骨盤のその一節の骨の内側に当たった。最初の拍が上がってきたとき八千代は無意識に足の先を石畳の上で一踏みし、その拍を足の裏に留めて上へ這わせなかった。お姉さんの笑みは依然として口角にあり、銀粉グラデーションの長い髪が後ろの首のその一段に静かに落ちていた;二番目の拍が石畳の下から翻ってきた。その一段の髪の絲がまるで少しずつ熱を帯びたかのように、髪の先から上へ半度滑ってピンク色になり、後ろの首のその一截の晒された珠光白の皮膚が先に小さな一片を赤くした。彼女の左膝がタイトスカートの内側で初めて目に見えるほど一震した。その震えはタイトスカートの下襬に半分隠され、薇は見ていなかった。団長が彼女らの後ろに一歩、六箱の蜜糖餅を提げても見ていなかった。ただ八千代だけがその震えが一路股の縫い目の奥深くへ行き、栓が菊の輪の内壁に貼りついているその一輪へ行ったのがわかった。その一輪が低音についてむんむんと小さな一摘みを焼き始めた。
低音が石畳から這い上り、足首を通り、小腿を通り、膝の後ろで一曲がりしてから真っ直ぐ骨盤の底へ突き込んだ。その肛塞が彼女の菊の輪の内壁の上の接触点がその一拍に叩かれて全体が共鳴し始めた。共鳴が脊椎に沿って腰椎の中段へ散り、中段まで散ってまた腰帯に捕まり、捕まったその瞬間に彼女の下腹全体が一陣の酸い張りを覚えた。酸い張りが尾椎の根元から上へ押し、押し上げられて彼女はあの美しい立ち姿を維持できなくなった。彼女の左手がこの瞬間に無音無息に伸び出し、薇の右手の腕の内側を引っ掛けた。その引っ掛けは肘の上方一点から回り込んでまた締め上げるような引っ掛けだった。古精霊のその生まれつき常人より氷半度の指先が薇の深紅のニットワンピースのそのほとんど層と呼べない薄い袖の布越しに皮膚に押しつけられていた。薇はそのニット の生地越しにその数本の指が震えているのが感じ取れた。震えは細く、安定していて、限界まで支えてようやく許されて露わになるような震えだった。
「ん。」
鼻腔から漏れ出たその「ん」が普段のお姉さんの「ん」より一層湿っていた。薇はすぐに側面から目をやった。狐のような目が八千代の側顔を掃った。その顔は笑みをまだ支えていたが、睫毛が普段より半寸低く圧され、目の底がまるで後ろから押されて倒れ込む一寸のように沈んでいた。薇はその一寸を見、狐のような目の中で一瞬光った。喉仏が静かに一つ動いた。糖葫蘆を持った片方の手の指先が竹串の上で半分締め上げられた。
彼女の右手は引っ掛けられていたが、左手は空だった。彼女はその場で側へ半歩向き、肩がほとんど八千代の肩に貼りついた。左手が背後からゆっくりと回り込んだ。この回り込む道筋を彼女の手はあまりに熟知していた。掌がまず軽く八千代のタイトスカートの腰の線の一段に貼りつき、タイトスカートの面の弧に沿って内側へ滑り、腰の側の一塊のスカートの腰にきつく絞られた柔らかい肉を滑り越し、腰の窪みのその極めて小さな凹みを見つけ、食指と中指を揃え、指の節の背面で、軽く押し上げた。
腰の窪みがタイトスカートの布地の下で半寸凹み、薇の二節の指の節がその半寸の凹みからさらに内側へ一分押し込んだ。その押しがタイトスカート越しに、八千代のその朝着替えた薄い下着越しに、皮膚と筋肉の層越しに、まっすぐにその肛塞の底座の一番外側の淫紋の接触符のその一点に押し込まれていた。三層の布地越しでもまだ熱く、薇の指の節が熱いと感じるほどだった。
八千代は足の先から頭の頂まで電気に打たれた。全体が薇の腕の方へ半歩倒れ込み、左手が薇の肘の上方でよりきつく締め上げ、喉の中で息を吸い込んだ。その息がパレードカーの低音にきれいに飲み込まれ、人波の中に二人目の聞き手はいなかった。ただ薇の耳が彼女から十センチも離れていなかったので、はっきりとあの歯の後ろに悶え込められた吸い込む音が聞こえた。
八千代の頭がゆっくりと側へ向いてきた。珠光白の皮膚が頰のその線から一路耳の先まで赤く染まり、上粉下青の瞳孔が極めて細い光を細めた。彼女は薇の腕を離さず、薇の手を自分の腰の窪みから払いのけることもせず、ただ下から上へ薇を一度睨んだ。その睨みで目尻は依然として弧を描き、お姉さんの笑みは依然として支えられていたが、目の底がさっきよりまた一寸沈んでいた。
「……しっかり立っていなさいよ~」
薇の尾音が普段よりさらにゆっくりと引かれ、狐のような目は半ば垂れ下がってその睨みに応じ、指の節の背面はあの点から離れず、むしろまた極めて軽く半押しした。八千代の左膝がタイトスカートの下でまた一震した。彼女は歯の間からその息をゆっくりと吐き出し、笑みが再び口角で支えられ、支えられるのが普段より薄い一層だった。
「薇姐、夜のあの壺のお茶、私がおごるわ。」
パレードカーの車体がちょうど彼女らの前をゆっくりと転がり過ぎた。車上で花弁を撒く役者が手を振って一握りのピンクと紫の花弁を撒いた。数片がちょうど八千代の肩の上に落ちた。彼女は手を伸ばして払わず、全体がまだ薇の腕にわずかに寄りかかっていた。薇のその左手がようやくゆっくりと引き戻された。引き戻すとき指の腹がその一条のタイトスカートの腰の側の布地に沿ってまた一擦りした。まるでさっきのその一押しを形を変えてもう一度送り届けるかのようだった。八千代の右手の食指がその層の赤いニットの袖の上で一瞬きつく締め上げられた。
団長が後ろから歩み寄ってきた。手の中のその六箱の蜜糖餅がパレードカーの低音の下で胸の前に積まれていた。彼はまず八千代が薇を引っ掛けていたその姿勢を一度見、それから薇がさっき引き戻した左 手が腰の側に止まっていた位置を一度見た。何も言わず、ただ肩に提げていたその袋のさっき買った小豆餅を差し出した。
「先に食べなさい。」
語気はリストを報告しているかのように平坦だった。八千代が薇の腕からゆっくりと離れ、離れたその瞬間に左膝がまた一震した。彼女は手を伸ばして小豆餅を受け取った。餅皮の熱が油紙越しに掌に貼りつき、蒸気が顎の下へ漂った。
「ありがとう、団長。」
その笑みは普段のお姉さんの笑みより半度低かった。薇は八千代が小豆餅を受け取るのを見、側目で団長を一度掃った。団長の視線がちょうど彼女ら二人から離れ、前方のその節のパレードカーの尾灯の上に落ちた。薇の狐のような目がその半秒の間で弧を描き、自分で唇の上で軽く一口噛んだ。
パレードカーの最後の節が街から転がり過ぎ、低音の共振が一拍一拍退いていき、退いて石畳の下の細い尾だけになり、また完全に聞こえなくなったまで退いた。八千代はその場でタイトスカートの腰の線を整えた。そのさっき薇の指の節の背面に押された位置にまだ極めて小さな皺が残っていた。彼女は掌で二度順でみたが平らにならず、そこでそうして立ち、 小豆餅の熱が掌に貼りつき、餅の蒸気が引き続き顎の下へ漂っていた。彼女はもう薇を見なかったが、身体はまだ薇の方へわずかに半度偏っていた。
「夜のあの壺のお茶、濃いめがいいわよ。」
その一句の声はとても低く抑えられ、摊の向こうの喧騒に半分覆い隠された。団長が彼女らから半歩離れていたので、ただ八千代が笑ったのが聞こえただけだった。
「わかったわ、学姊~」
薇の尾音がまた引き戻され、糖葫蘆の赤が彼女の唇の辺で一揺れし、狐のような目は半ば垂れ下がり、さっきあの 一拍の低音が上がってきたときと全く同じ角度だった。
小櫻の声がパレードカーの最後の尾音より先に到達した。摊の後ろのその一条の路地の中から一路叫びながら飛び出してきた。馬尾が彼女の後頭部でさっきのパレードカーの上のリボンと同じ周波数で振り、片方の手がその半分しか齧っていない糖葫蘆の串を握り、糖の殻に彼女が自分で齧ったその歯型がまだ乾いていなかった。もう片方の手が後ろの路地で観察を終えたばかりの小さな拳を振り回し、まるで研究者が一輪のデータを出して仲間に測定値を自慢するかのようだった。
「え、え、八千代お姉さん、薇姐、団長、さっき何があったの?」
言葉がまだ言い終えていないのに全体がすでに八千代のそばまで突進し、右手が一回りし、側面から八千代のタイトスカートの下のその盈盈とした腰全体を腰に抱きかかえ、体育部が家に帰ってママに会ったときのあの完全にリラックスした甘え抱きの仕方で、全体の顔が直接八千代のタイトスカートの腰の線の一段に埋め込んだ。頰が貼りついたとき八千代の腰の側のその薄い羊毛の生地の織り紋がすぐに彼女の鼻先に菱形の圧痕を一つ焼き付けた。馬尾の先が一振りで薇の袖口を掠め、薇は目を下げて自分の袖口のその一道の擦り過ぎたふわふわとした跡を見た。
「八千代お姉さん、あなたはさっき向こうのあの綿菓子摊を見た? あの粉紫色のが食べたい!」
小櫻の腕全体が腰の側から抱き込んできたその一条の弧線、落ちる位置がちょうどタイトスカートの下の肛塞がさっき薇の指の腹に押された位置の外側斜め下だった。八千代は足の先から腰椎まで押し上げられたその圧を自分でも予期していなかった。その栓が彼女の菊の輪の内壁の上の位置がこの一抱きでまた左側へ偏り、さっき薇の指の節の背面に押し込まれたその一輪を越え、その一輪が再び擦り起こされ、酸い張りが尾椎の根元からまた上へ小さな一筋湧き上がった。彼女の全体の重心が小櫻に抱かれて右側へ傾き、左腰がそれについて一張りし、顔のあのずっと支え上げていたお姉さんの弧度がまず口角で崩れ落ち、また彼女に喉の奥から引き戻された。
薇が隣で一 切はっきりと見ていた。彼女の目は一筋に細められ、口角が自分で一寸上へ曲がった。彼女は顔を傾けて口の中のまだ砕ききれていない糖葫蘆を思い切り噛み砕いた。糖の殻が彼女の歯の間で「かち」と一声に割れた。その小さな一摘みの笑みがすべて糖の殻と一緒に自分の舌の上に残り、発しなかった。
「……あら、小櫻ちゃん本当に元気ね」八千代が口を開いたときの声はさっきより一層沙を帯びていた。彼女は手を伸ばし、小櫻の振り乱された馬尾を後頭部から下へ軽く順でやった。「綿菓子ね、あっちよ、八千代が一緒について行って買ってあげるわ?」
小櫻は手を緩めず、全体の顔がまだ八千代の腰の側のその薄い羊毛の生地の上に埋め込まれていて、声が布地の下からむんむんと伝わってきた。「いい!」
彼女がようやく顔を上げたとき鼻先に八千代の服の上の織り紋の圧痕が一小片付いていて、菱形の線が交差して彼女の鼻翼の両側に印されていた。彼女は全く気づいていなかった。馬尾がまた一振りで八千代に半ば支えられながら三歩先のその綿菓子の摊へ向かった。焦糖の甘さが先に小櫻の鼻の中に突き込み、焼けた頭のその一点の焦げた匂いが甘さの下に貼りついていた。彼女は大きく一息吸い、視線が棚の上でゆっくりと転がるその粉紫の塊を一回り追い、馬尾が全部それについて一震した。
八千代が腰を曲げてその粉紫色の塊を指したとき、タイトスカートの後ろのそのさっき薇の指の腹に押された皺がまた少し現れた。まるで乾ききっていない水の跡のようだった。店主がその大きな粉紫色の雲を竹串から差し出してきた。八千代が腰を伸ばし、振り返り、一方の手で竹串を支えてその雲を小櫻の面前へ差し出した。小櫻が手を伸ばして受け取ろうとしたその半秒の間、八千代の指先が竹串に沿って滑り落ち、指の腹が小櫻の開いた掌の中央を掠め過ぎた。
小櫻が掠められたその瞬間に右腕全体が激しく一震し、彼女の指先から肘まで一路極めて細く極めて密な痺れが起きた。その層の痺れがまるで百粒以上の極めて小さく極めて小さな気泡が同時に皮膚の下から浮かび上がるかのようだった。彼女の目は丸く見開かれ、口が開き、研究者モードが直接点灯した。
「え? 八千代お姉さん、あなたの指さっき」彼女は頭を傾げて自分の掌の中央を凝視し、まるで新しいデータが記録された実験紙を凝視するかのようだった。眉が寄り、次の秒に彼女の左手が無意識に伸び出し、直接その全体の粉紫色の綿菓子を、竹串ごと、八千代の口元へ押しやった。「お姉さんも一口食べてみて」
その押しやった動作があまりに速く、竹串の上の綿菓子が直接八千代の唇に触れた。八千代が口を開いて何か言おうとしたとき糖の絲がすでに彼女の下唇の辺に貼りついていた。大きな一片の粉紫色の糖の絲が彼女の下唇からずっと小櫻が伸ばしてきたその片方の手まで引かれ、午後の光の下で細い一本の線に輝いていた。
八千代が半秒呆然とし、声を上げて笑った。「うん、甘いわ。」
彼女は唇で綿菓子の縁を含み、それから舌先で下唇の上に貼りついたその一片の糖の絲をゆっくりと口の中へ巻き戻した。糖の絲が先端に引っ掛けられ、ゆっくりと、極めてゆっくりと口腔の中へ収められ、舌先が唇の辺のその湿った弧度も一緒に一瞬浮かび上がってきた。
小櫻はその巻き方が目を見開いてより丸くなった。「え、八千代お姉さん、こうやって食べる方がおいしいの? 私も試す」彼女はすでに糖葫蘆を左手に持ち替え、右手が伸びて小さな一片の粉紫色を掴んで自分の口の中へ入れ、糖の絲が溶け開いたその瞬間に全体がすぐにまた振り返った。「あ、これ溶けた、本当だ、団長も食べる?」
団長がこの輪を一度見、直接手を伸ばして小櫻の左手の中からその串の糖葫蘆を引き取り、自分で一口齧った。糖の殻が彼の歯の間で割れる音がこの拍子を釘付けにした。
「あ! 私の糖葫蘆」
その「わあ!」が叫び出されてまだ落ちていないのに、薇が「ぷっ」と喉の奥から短く笑い声を漏らした。その「ぷっ」は短く、まるで気泡が割れたかのようだった。薇は自分で半秒呆然とし、喉から自分で頂き出されたものに、目を上げて八千代を一度見た。八千代がちょうど振り返って彼女を見ていた。二人のお姉さんの視線が小櫻のそのまだ完全に溶けきっていない綿菓子と団長の手の中のその一口齧られた糖葫蘆の串の間で一つ交わし、何も言わなかった。
店主が摊の後ろのその小さな竹籠の中からミニ版のピンクの綿菓子を一本取り出した。その塊の糖は赤ん坊の拳ほど小さく、短い一本の竹串に刺さり、縁の糖の絲が陽光の下で細く透光していた。彼は摊の木のカウンター越しに直接その一本の糖を薇の面前へ差し出した。彼が言った、「ほら、お姉さん、これをあげるよ、私がこの摊を二十年やってて、初めてこんなにきれいな笑いを見るよ。」
薇が半秒呆然とした。彼女のその普段は何事も切り抜けられる目が、その場で半秒詰まった。彼女の顔にさえ極めて短い、まるで名を呼ばれてようやく顔を上げた学生のような表情が浮かび、唇がわずかに開き、尾音すらまだ繋げられず、その普段唇の角に掛かっていた弧度が掻き乱され、元へ戻す前に一度震えてからようやくゆっくりと引き上げられた。
「あら、本当に、お店の人、そんなこと言われたら恥ずかしくなっちゃうわ~」彼女の尾音は戻ってきたが、尾音の底層にはまださっきのその半秒の呆然が押し込まれていて、まるで水面を誰かに押されたばかりで、今浮かび上がってきたがまだ揺れているかのようだった。
彼女は手を伸ばしてその一本のミニ綿菓子を受け取ろうとし、指先が小さな竹串の木に触れたばかりのとき、人波の中から五、六歳ほどの子供が飛び出してきた。手にもう一本の綿菓子を高く掲げ、前方のその走って逃げた連れを追いかけていて、まったく道を見ていなかった。そのまま肩がまっすぐに薇のスカートの腰の左側にぶつかった。ぶつかったその一回の高度がちょうど薇のスカートの腰のゴム紐の位置だった。その恥丘の上方に隠された震顫石が連れられて左側へ一センチ押し開かれた。その一センチがちょうど石の下のその輪の共鳴符の細い歯を、薇自身の恥丘の上の普段触れられたことのない一点に貼りつけた。
冷たい震えがその一点から起こった。その一点から下へ、太腿の内側の最も薄く最も柔らかい皮膚に沿って一路散開し、皮膚が自分の神経によって一寸一寸点灯され、また同じ原点から上へ、脊椎に沿って一節一節翻り上がり、肩甲骨を越え、後ろの首のその一小片の汗毛の下に止まり、汗毛をすべて逆立てた。彼女がさっき半空中で綿菓子を受け取ろうとしていたその片方の指先が震え、肩が半分縮んだ。彼女の目は大きく見開かれた。一瞬。さっき店主のあの褒め言葉に連れられて浮かび上がったその層の淡い赤が、この一陣の冷たい震えによって下からより深く押し込まれ、耳の根の後ろのその一小摘みの髪の絲の下まで染み込んで見えるほどだった。
子供が「あ」と一声で走り去り、自分が何にぶつかったのか全く知らなかった。店主が綿菓子をまだ半空中に掲げ、薇の指先が半空中でまだ引き戻されていなかった。
八千代が隣で一 切はっきりと見ていた。彼女はさっき薇に栓を押されたばかりで、今薇の狐のような目が大きく見開かれ、口角が二分上へ曲がるのをゆっくりと見ていた。彼女は口を開かず、ただそうして静かに立って、全体の過程を見終えた。
「薇姐、あなたどうしたの、さっき身体が一震したわよ、これって何か冷たいもの食べたの?」小櫻が綿菓子を掲げ、頭を傾げ、研究者の頭がまた接続を始め、語速が好奇心に追いついていなかった。
薇はまだ口を開いていなかった。店主がすでにその一本のミニ綿菓子を彼女が半空中に止めていた手に押し込んだ。薇の指が反射的に閉じて竹串を握った。彼女は目を下げてその小さなピンクの綿菓子を一度見上げ、また顔を上げ、ようやく尾音を引き戻した。「……ありがとう、お店の人~」声は普段より二度嗄れていて、まるでさっきのあの冷たい震えに連れられて喉も一緒に絞られたかのようだった。
店主が楽しそうに手を振り、別の客を呼ぶために振り返った。
薇が振り返ったときあの冷たい震えの余波がまだ太腿の内側で一段一段細かく震えていた。最初の 一歩を踏み出したとき、膝から一路小腹へ、一陣の彼女が知らないふりをできない張りがスカートの下から静かに頂き上ってきた。彼女はすぐに側へ向き、背を他人に向け、別の摊を見ているふりをし、一方の手を静かに自分の後ろへ回し、スカートの腰の下から潜り込ませ、指の節で薄いスカートの生地越しに、その押し開かれた石を恥丘の中央へ押し戻した。指の節が押し上げたその一回に、石の底の輪の共鳴符がまた原点の上で一巡順でやられた。彼女の睫毛が下がり、口角を噛み、また一本の細い冷たい震えが彼女自身の指の節の下から通り抜け、彼女の腰を一回りしてから散った。
八千代のお姉さんの笑みがこの一秒でとても深く笑っていた。彼女はゆっくりと歩み寄り、薇の背後から、薇の背中に手を伸ばして軽く二度叩いた。
「薇姐、大丈夫~このお祭りの人波、本当に混んでるわね、八千代があなたと一緒に立って支えてあげるわ?」
薇は振り返らず、ゆっくりと顔のその狐の笑みを元の弧度へ支え戻し、尾音を再び長く引いた。「……学姊の心配、ありがとう~」その「ね」の尾音が末端でわずかに震えていた。
八千代の手が彼女の背中でまた一叩きし、指の腹はこの一回は離れず、彼女の肩甲骨の位置に貼りついて軽く半円を描き、半円を描き終えてからようやくゆっくりと引き戻した。二人のお姉さんがこうして背を人波に向け、並んで二秒立っていた。二つの肩の高さがほとんど同じだった。
小櫻はまだ頭を傾げていて、綿菓子のその粉紫の塊が一小片地面に落ち、彼女はさっきのその二秒の気圧を全く受け止めきれていなかった。「……お祭りが暑すぎるのかしら? なんかちょっと暑い気がする」次の秒に彼女は自分で手を伸ばし、白いシャツの襟口をまた半寸下へ引っ張って熱を逃そうとした。鎖骨のその少し前に付いた油の跡が陽光に晒されてまた一度明るくなった。団長が隣から手を伸ばし、彼女が襟口を引っ張ったその片方の手を軽く、その半寸の縫い目から引き下ろした。
「引っ張るな。」声はさっきの一連の何も起こらなかったかのように平坦だった。
しかし彼の視線が、薇と八千代が背を向け合っていたその二つの並んだ肩の上で、わずかに止まった。
薇がその自分がめくり上げたスカートの腰の下から手を引き戻した。その栓が指の腹の最後の格の浮き上がりを滑り、ようやく恥丘の中央のあのちょうどいい凹位へ転がり戻った。外側のスカートが落ちた瞬間、彼女の下半身全体に残っていたのは腰の側のその一道の布地がわずかに滑る触感だけだった。狐のような目の上の瞼が半分下げられ、さっき漲って熱を帯びた温度を表面のその層の余裕で再びアイロンをかけるように平らにした。彼女は振り返って八千代に一度笑った。その笑みには今回は釣り針がなかった。
「学姊、行きましょう?」
「うん、展望台へ、今日の花火は新しい師匠が作ったらしいわ。」八千代がその笑みに応じ、お姉さんポジションをきれいに収めた。
ちょうどそのときソフィアが摊の後ろのその一条の路地から歩み出てきた。銀の鎖が彼女の乳の間のその縫い目の中で一歩歩くたびに一擦りし、さっき小櫻に測られたその肋骨の下方のその一点の痺れがまだ引いていなかった。彼女は目を下げ、自分自身の白いシャツの上の三粒のボタンが戻し扣えられているのに位置がわずかに歪んでいるのにぶつかった。一番上のその粒が襟の開口より半センチ偏り、前襬が胸口の右に偏ったその塊にまだ煉瓦の壁で擦り出された灰色の細い跡が掛かっていた。手を伸ばしシャツの下襬を腰帯の中に再び押し込んだ。押し込みがあまりに強く、腰帯の上縁すらその一捏ねで一条の折れ線を押し出した。ギルドの数人が綿菓子の摊の前に立っているのを見てようやく目を上げた。
ソフィアは言いながら直接小櫻のそばを掠め過ぎた。後ろの首のその截は依然として硬く、目を上げれば薇のその双の狐のような目にぶつかるので、彼女は潔く視線を前方の三歩先のその石畳に溶接した。「行きましょう、花火を見に行くんじゃなかったの、」
「え、ソフィア、あなた戻ってきた」小櫻が全体で振り返って追いかけようとし、馬尾がソフィアのその一条の煉瓦の灰の跡の高さを振り過ぎた。
「早くついてきなさい。」ソフィアは振り返らず、その「早い」の字の尾音が自分の歯に噛み切られた。
薇がその歪んだボタンからその一条の煉瓦の灰の跡まで、彼女がわざと前方の三歩外の視角に釘付けにしていたところまで、一寸一寸全部掃り、口角のその一分 の弧度が極めて軽く一点上へ曲がった。それから彼女はその一点を腹の中に飲み込み、何も言わなかった。
五人はこうしてお祭りの人波に連れられて城の東へ向かった。昼間には点かないオレンジ赤の紙の提灯が斜めから落ちてくる金光の中ですでに先に一層、のちに輝くであろう色を蓄えていた。パレードの太鼓の音が街角の曲がり角に半分食べられ、石階の入り口へ曲がったとき、一人の糖霜の花弁を売る小売りがちょうど摊を畳んでいた。彼女が揚げた布が甘い糖の屑を空中へ一陣巻き上げ、五人はこうしてその陣の甘い糖の屑の中へ歩み入った。
第一階。八千代が一番前に半歩歩き、タイトスカートの下縁が一階上るたびに一度締め上げられ、重心が前へ送られ、腰がそれについて少し前に一突きし、あの依然として後方の奥深くに安置された菊塞が骨盤の角度に押されて内壁の中で方向を変えた。お姉さんの笑みが口角から目尻まで再び焦点を合わせ直さなければ飽満のその一段に維持できなかった。第三階でまた一回、第十階で彼女の額の角にすでに薄くほとんど見えない本当の汗が浮かび上がっていた。彼女は手を伸ばし、鬢の辺の一縷の銀粉色を耳の後ろへかき上げ、この動作で一息の吐気を中に隠し込んだ。
彼女の真正面の後ろを歩いていた薇がその腰帯に締め出された水平線が一階ごとにわずかに上へ一格移動するのを見ていた。自分のスカートの下のその栓も歩くことに攪乱され、一階上るたびにその栓が恥丘の柔らかい肉の上で元位へ滑り戻るその半秒を一息の呼吸に飲み込んでいた。肩の線は八千代より安定していたが、小腹の奥深くでは一秒ごとに自分で撫で直さなければならなかった。
小櫻は別の拍子だった。両足を揃えて一階から二階へ飛び、また飛び、馬尾が後頭部でリボンより跳ね、白いシャツがスカートの腰のその截で彼女の跳ぶたびに一息の気を押し出し、襟口の開いたその数粒のボタンが跳ぶ方向について左右に揺れ、鎖骨のその路地から持ち出した油の跡がオレンジ金の光の中で鎖骨に沿って上下に二道違う反射を滑っていた。綿菓子のその一点が彼女の舌先に残った甘さがまだ溶けきらず、階段を登って出てきた一点の塩気の汗と混ざり、彼女は唱えていた。
「え、薇姐、私さっきソフィアのを観察したの、ソフィアは前回より零・五センチ大きくなったの、このあと花火のときにもう一度見てもいいよね」
彼女の前を歩いていたその女の背中が尾椎から一路後ろの首まで硬くなり、銀の鎖がこの硬さの中でシャツの下で一揺れした。ソフィアが歯の間から一句のスペイン語を絞り出した。「Cállate、」
「あ?」小櫻はわからなかった。
「ソフィアちゃん、小櫻ちゃんは純粋な好奇心なのよ」八千代が前で声を上げて笑った。笑い終えたその一階で彼女の肩の線がまた一度整え直された。まるで自分の下半身にこっそり揺すられたばかりで、彼女が起こらなかったふりをしなければならなかったかのようだった。
三百階を登り終えた。展望台のその半円形の石造りのプラットフォームが城の中心の広場に正対し、外縁に一輪の低い石の欄干があり、すでに大勢の人が立っていて、緩くもきつくもなかった。風がプラットフォームの縁から上へ送られ、八千代が鼻腔へ吸い込んだその一息の中に焼肉の焦げた油、糖霜の甘さ、人波の汗と花弁の残り香があった。その一息の空気が吸い込まれて胸腔を一格押し広げ、後方のその栓をまた内壁へ上へ一分押し上げた。彼女はこの一息をその一突きと共にゆっくりと吐き捨てた。遠くの銅の楽隊が試奏する尾音がちょうど彼女の吐気の音を覆い隠した。
八千代はプラットフォームに上がった最初のことに、石の欄干に寄りかかる位置を見つけ、両手で支えた。その三百階に押し込まれて一层深くなった栓が直立した立ち姿の中で脹感から上へ頂き、頂かれて彼女はほとんど軽い気音を一つ吐き出しそうになった。彼女は飲み込み、欄干を支える力を肘から肩へ伝え、また腰へ伝え、脹感を立ち姿の支えに換えた。彼女は誰も見なかったが、腰の側のその半呼半吸の細い震えを、薇が見ていた。
薇が寄ってきて彼女の隣に立った。二人のお姉さんが並んで欄干に寄りかかり、誰も口を開かなかった。薇の左手の小指が指の節の外側のその薄い一道で、八千代の右手の小指の同じ位置を軽く一つ触れた。ただ一回、一秒も留まらなかった。八千代は薇を見ず、口角がわずかに弧を描いた。それから再び広場を見やった。
「わあ、ここからの眺めすごくいい!」小櫻が石の欄干の辺へ突進し、上半身全体を欄干の外へ前傾させ、両手で石に支え、鎖骨のその油の跡がこのとき光に引かれて一条の完全に輝く金線になっていた。襟口の開いたその数粒のボタンが前傾の角度について胸の前から両側へ半寸の影を振り出していた。彼女は全く気づいていなかった。
ソフィアが小櫻の後ろに一歩立っていた。さっき小櫻が前傾して欄干の外へ出たその一回、襟口が揺れて開いた縫い目を彼女は半秒見た。喉仏が無意識に一つ飲み込んでから視線を広場へ釘付けにした;彼女はもう近づきたくなかったが、ギルドからあまり遠く離れたくもなかった。両手を胸の前へ抱き戻した。その抱き手の動作がシャツの下のその銀の鎖を乳の間の縫い目から胸の肉の奥深くへまた半分押し込んだ。額のその層の細い汗が二度目に浮かび上がった。路地から持ち出したその塊の熱がまだ散りきらず、煉瓦の冷たさが引いた。淫紋の下のその一点の残りの痺れと肋骨の内側の自分の鼓動がまだ拍子が合っていなかった。
団長がプラットフォームの中央寄りへ歩み寄り、石の欄干へは行かず、四人を見渡せる位置を選び、戦利品の袋を足元に置き、両手をポケットへ差し込み、頭を上げて空の色を見やった。オレンジ金がすでに胭脂の方へ歩み始め、雲が天頂でいくつかの長い薄い絲に引かれていた。
城の中心の広場の大時計が一つ鳴った。その一回は重くなかったが、一瞬で展望台全体の人の声がすべて静かになった。最初の試射の花火が広場の中心から昇り、一条の細長い金色の光線が天へ真っ直ぐに突き上った。まだ炸裂せず、ただ予告だった。その光線が天頂に止まったその半秒、展望台全体の気がすべて屏住した。
四人の女がそれぞれ歩いてきた一路に押されてきた攪乱の中から、初めて同時に顔を広場の中心へ向けた。あの発を待った。
大時計の最後の響きが広場の中心のその共鳴球の中から散り出した。その一響が先に展望台全体の空気を一指下へ押し、また基礎の底からゆっくりと震い上ってきた;空のその金色の試射の光線が最高点で停頓した半秒の間、すべての人の耳がその圧力に満たされ、それから
「轟!」
最初の花火が広場の中心から炸裂したその瞬間に、その「轟」が直接胸腔の底から四方へ押し出された。一道の石畳の中から伝わってきた物理的な震波がまず各人の踵にぶつかり、一路小腿へ這い上り、太腿の内側へ這い上り、骨盤へ突き込み、最後に肋骨のその一輪の中で同時に一つ叩いた。まるで誰かが全体の手の掌で各人の胸腔の内側から外へ押し出しているかのようだった。空全体が同じ一秒に一千条の金色の絲線に迸裂し、四方八方へ撒き散らされた。金色の光が落ちてきて、最初に照らされたのは八千代が仰いだその顔だった。
八千代の膝がその一声の「轟」が彼女の身体の中へ入った瞬間に、欄干に寄りかかっていた姿勢の中からまるでボタンが一瞬で弾き開かれたかのように溶け落ちた。全体の昼間、石畳の道からこの展望台の三百階に押し込まれて一层深くなった栓が、この地面から上へ伝わってきた物理的な振動の中で菊の輪の内壁の共鳴符と共に点火された。骨盤の底全体がまるで一本の手で中から握られたかのように、握られて飽脹感が一瞬で頂きまで翻湧した。彼女のその珠光白の皮膚が頰から赤く染まり、一路頸の根まで赤く染まり、鎖骨まで赤く染まり、襟口から透けて見えるほど赤く染まった;後ろの首のその一段の銀粉グラデーションの長い髪がこの瞬間、最後のその截の銀も退き、全体の髪の先が完全にピンク色に滑り、まるで熱湯に通された一本のサテンのリボンのようだった。彼女は鼻腔の中から急促に小さな一筋の熱気を噴き出し、目を大きく見開き、自分で制御できずに視線を身の側の半歩の薇の方へ漂わせた。
薇の左手が石の欄干から浮き上がり、八千代の背後のタイトスカートの下へ回り込み、その腰の窪みの位置を見つけた。この一回は全体の掌で覆い被せ、共鳴して頂きまで達しているその栓の外側をしっかりと押さえつけた。
八千代は足の先から頭の頂まで電気に打たれた一巡。震波が地下から上へ押し、薇の掌が外から内へ押さえ、二股の力が彼女の身体の中央で短くて聞こえないほどのむんむんとした響きを一つ打ち出した。彼女は叫ばず、ただ肩を重く薇の肩に寄りかからせ、頭を薇の方へ半センチ側けた;薇は手を離さず、また余分に一分押さえもせず、ただ掌をその位置に維持し、自分の身体の安定で八千代の震えを一拍一拍受け止めた。八千代の肩の線と深紅のニットワンピースの肩の線が金色の花火の下で一条の斜めの線に貼りつき、薇の掌は安定し、八千代の肩は熱く、二人の側身が貼りついていた。
展望台のもう片側で小櫻の反応が誰よりも速かった。彼女が石の欄干に前傾していた姿勢が全体の身体をその一声の花火の震波に下腹から上へ一全体の筋を押し上げさせた。彼女の胸の前のその朝から今まで積み重なってきた攪乱がこの一声の「轟」の中で一瞬で淫紋を頂点まで押し上げた:白いシャツの下で、鎖骨の下から一路側腰へ伸びる淡い赤色の紋路がまるで血管の中から点火されたインクのように一片一片あの褐白の肌の上で広がり、縁が前よりはっきりし、範囲がまた一輪全体大きくなり、脇の下のその本来白く残されていた肌すら紋路に掃り過ぎられていた。
「え! え、え、え!」小櫻の声が驚きから興奮まで半秒しかかからなかった。彼女は振り返り、一手で白いシャツの襟口全体を下へ引いた。鎖骨の下のその大きな一片の淫紋が花火の金色の中でまるで自分で光を発しているかのようだった。「ソフィア! ソフィア、あなた早く見て、私のこれ浮き出たわよ、あなた見て、前回よりずっと大きくなってる!」彼女は興奮しすぎてシャツがすでに自分に胸の線 の縁まで引かれ、薄い紗のブラの扇貝の縁まで晒されていた。彼女は気づいていなかった。淫紋がシャツの下で引き続き肋骨へ、へそへ伸び、薄い布地が内側からその一片の紋路の熱度によって極めて淡いピンク色を透け出させていた。
八千代が薇の肩の側から小櫻の動作を見、身体がまだあんなに震えている状況下で、最後の半秒でそれでも手を伸ばした。右手が欄干から離れ、一 体全体の身体の距離を越え、小櫻がさらに下へシャツを引こうとしていたその片方の手を掴んだ。
「小櫻ちゃん、ここは人が多すぎるわよ」彼女の声はまた嗄れていて熱かったが、笑みは依然としてあり、彼女は全体の掌で小櫻の手をシャツごと上へ軽く托し戻した。
「え? でもソフィアも見たいのに」
「帰ってから見せてあげるわ、いい? 八千代もとても見たいわ」八千代が笑いながら首を振り、後半句を小櫻は全く聞き取れず、おとなしく彼女に襟口を元の位置へ引かせた。
「うん」
しかし彼女の淫紋はシャツの下で引き続き光を発し、薄い白い布が内側から極めて淡いピンク色に透けさせられていた。その塊の赤が金色の花火の対比の下で、彼女の身体の中から点けられた一つの灯のように輝いていた。
同じ時間に展望台のもう一つの角で、ソフィアが腕を抱いて立っていた位置で、彼女は最初の花火の音がこんなに大きいとは予想していなかった。音波が彼女の胸腔の中へ入ったその瞬間に、腕を抱いていた姿勢が胸の前のその銀の鎖を直接二粒のクリップに挟まれていた先へ下へ深く押し込んだ;花火の震波が足の裏から上へ伝わり、その二つのクリップが乳の先の上の圧力と重なり、一波の胸口から喉へ真っ直ぐに突き上る衝撃を作り出した。彼女の全体の身体が後ろへ半歩縮み、肩甲骨がまっすぐに後ろに立っていたその人の胸にぶつかった。
その人は団長だった。
団長は元々彼女の後方一メートルに立ち、両手をポケットに差し込み、空を見ていた。彼女の肩がまっすぐに彼の胸にぶつかり、ぶつかったその一回に銀の鎖がまた押しつけられてより深く一分押し込まれた。
「n!」ソフィアが歯を死ぬほど噛み、下唇から喉の奥から極めて短く極めて細い気音を一つ絞り出した。しかし漏れ出た瞬間に彼女は振り返らず、謝りもせず、次の反射動作は全体の顔を団長の左の肩の中に埋め、全体の身体を寄りかからせた。その寄りかかる姿勢が胸の前のその銀の鎖をちょうど団長の腕に遮らせた。彼女は目を閉じ、花火のその一音と彼女自身の胸口のその二つのクリップの圧を、全部団長の肩のその塊の布地に寄りかかって消化した。
団長はただポケットの中の左手を引き出し、軽く、ただ掌の外側で、ソフィアの肩甲骨の下方に貼りつけて彼女の身体の内側へ少し押した。その押しの力道がちょうどソフィアが後ろへ倒れないように、ちょうど支える程度だった;ソフィアは顔をその塊の布地に貼りつけ、布地に一点太陽に晒された暖かな匂いが彼女の鼻の中に潜り込み、路地の中のその煉瓦の壁の冷たさを一瞬で覆い隠した。その一秒に彼女はようやく自分の鼓動が耳の中であんなに騒がしいのが聞こえた。二秒止まり、頭を上げず、喉の中で一句のスペイン語の罵りが転がり上ってきた。
二番目の花火が広場の中心から再び昇り、今回は全体の紫色とピンク色の花だった。「轟!」また一波の震波が石畳の底から上へ伝わった。この一震が八千代の身体の中でまた一つ叩き、薇の掌がタイトスカート越しにその栓が共鳴符の下でまた一跳ねしたのが感じ取れた。彼女は手を移さなかった;同じ一震が薇自身のその深紅のニットのスカートの腰の下へも転がり込み、恥丘の上方のその一直押しつけられていた淫紋が初めて本当に浮き出た。しかし外側のスカートが元の位置へ戻り、誰も見えなかった;ソフィアは依然として団長の左肩に埋まり、頰が耳の根まで赤く、銀の鎖が団長の腕に遮られて一インチも晒せなかった。
空の三発目四発目五発目の花火が続いて炸裂し、展望台の人波が歓呼を発した。全体の場が頭を仰いでいた。ただ薇の掌がまだ八千代の腰の窪みに貼りついたまま動かず、八千代のもう片方の手がまだ托し戻された小櫻を囲んでおり、小櫻のシャツの下のその全体の赤が布越しに光を発していた。
そして薇のもう片方の手が、すべての人が空を見ているこの一秒に、石の欄干の上からゆっくりと、こっそりと、自分のその深紅のニットワンピースのスカートの腰の下へ回り込み、指先がさっき震波にも震えられて頂きまで達していたその石を見つけ、三本の指の腹で外から軽く押しつけた。押しつけたその瞬間に石がその一格のちょうどいい凹位の中から彼女の小腹の奥深くへわずかに半分押し戻され、薇の下の瞼がわずかに一震した。外側のスカートは風も通さず、深紅の毛織物の下のその塊の熱は一切の絲も透け出させていなかった。




