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21 明日も第二堂ね

三度目だった。


八千代は鏡の中の自分の肩のラインの銀粉色の長い髪を自分で前へ掻き上げ、後ろの背中一面の真珠光沢の白い肌が完全に露わになっているのを眺めていた。あの後ろの留め金に回し戻すべき織帯が半空中で揺れ、彼女が伸ばした指先まであと三センチの距離で留まっていた。古精霊の腕は撫でられた水草のように折れ曲がることもできるのに、この束縛下着の後ろ留めは二つの方向から――左手は肩甲骨の上方から下へ、右手は腰のくぼみの下から上へ――背中の中央のあの自分では見えない場所で合わせ、さらにあの米粒よりも小さな銀の鉤に合わせなければならなかった。彼女は息を吸ってからもう一度試し、指先がようやく向かいの織帯の縁に触れたばかりで、引っかけようとした瞬間、肩が震え、糸の端が指の腹から滑り落ちた。「あ」という短い吐息が彼女の喉から漏れたとき、自分でもそれを聞いた。鏡の中の顔はとても冷静だったのに、耳の先が先に一回り赤くなっていた。


「だめですか、先生?」


戸外の声が尾を引き、朝風呂を浴びたばかりの怠惰な熱を滑り込ませてきた。八千代はまだ振り返らなかったのに、扉はすでに押し開かれていた。薇は片手で腰封を提げ、もう片方の手で半粒の梅干しを摘み、狐のような目を扉枠に掛かった瞬間からすでに一巡笑ってから、半秒そこに立って眺め、ようやくゆっくりと回り込んできた。スリッパが木の床に踏み出すのはむんむんとした柔らかい音だった。「廊下からもうお姉さんの三度目のため息が聞こえてましたよ。」


「ため息なんてしてません。」八千代はその回せない織帯を薇の手に渡し、顎を普段より半分余分に張った。


部屋の隅で「しゅっ」と蠟筆が紙を滑る鋭い音。


二人が振り返る。小櫻は窓辺の低い椅子に胡坐をかき、膝の上に厚い図表帳を広げ、耳の後ろに三本の違う色の蠟筆を挟み、四本目を手に握っていた。彼女は顔を上げて燦々と笑った。「気にしないで! 私は初めての装着反応曲線を記録してるの、先生、さっきの失敗、耳が赤くなったのも、もう書き込みました!」


八千代のお姉さんらしい感覚が緊急起動、「……小櫻、いつ入ってきたの。」


「先生と一緒に起きたの。」


「いつ起きたの。」


「先生が一回目に寝返りを打ったとき。」


薇が声を上げて笑った。あの猫のような、喉の奥から漏れる低い笑い。彼女は腰封を八千代の肩に掛け、指が彼女の背中のあの裸の脊椎の傍らを滑り過ぎ、八千代の肩のその震え、あの脊椎から這い上がる細かな戦慄を薇ははっきりと見た。「ほら、先生、こっちを向いて」彼女は八千代を鏡の方へ半歩押し、自分は彼女の後ろに立ち、「後ろから私が留めてあげるわ、腕を少し上げて。」


八千代は腕を上げた。鏡の中の二つの身体がこうして前後に重なり、一つは真珠光沢の白、肩のラインが細く、銀粉色の長い髪を薇が指の節で優しく前へ掻き分けた;もう一つは彼女より少し高く、Fカップの胸が彼女の背中に押しつけられ、柔らかい布地が肩甲骨の上方から押し下げられてきたとき、八千代の喉が一度飲み込んだ。


薇は織帯を回し始めた。鎖骨の下のあの鯨骨の銀鉤から始め、肋骨のあのちょうど腰の最も細いところに収まるゴム縁を回り、小腹の平らなところを過ぎるとき布地が浅く一条の痕を押し込み、次に下へ大腿の付け根をくぐり抜けようとしたとき――


「待って、薇」


「動かないで。」薇の声が彼女の耳の後ろに貼りつき、温かい、「この条は前から下へ回して、大腿の付け根を過ぎてから臀の割れ目に入り、後ろで私の手にあるこの一段と合わせるの。」


八千代の耳の先はすでに浅いピンクから桜色に焼けていた。薇が回してきたあの織帯の指の甲が八千代の大腿内側のあの薄く光る肌を軽く擦り過ぎたところ、そこは常人より数倍敏感で、光に一枚の布地を擦り過ぎられただけで、八千代の下腹のあの塊が先に一つ引きつり、呼吸も半拍止まり、その半拍を小櫻の蠟筆が正確に捕らえた:


「薇姐、さっき止まりましたよ、どこに触れたの?」


「触れるべきところよ。」薇は頭も上げず、「あなたは記録だけして、質問はしないで。」


「でも研究って質問するものでしょう。」


「八千代先生に聞いてみたら?」


八千代は深く息を吸い、その息が鯨骨で締められた肋骨の中で一つ頂いた後、布地に押し戻され、「……小櫻、あなたは……まず記録して。」最後の三語の尾音が軽くなり、言葉が喉から出たときに何かに引っかかったようだった。


その織帯が前から下り、大腿の付け根のあの最も細く最も白い線を回り、薇の指の節が外側から肌に貼りついて大腿の狭間に滑り込んだとき、八千代の脚は大姉さんの姿勢を保っていたのに、膝の内側のあの薄い皮膚が布地を擦り過ぎた瞬間に極めて浅いピンクを浮かべ、熱い湯をかけられたかのように内側から浮き出た。布地が臀の割れ目に入ったとき、薇の手がようやく後ろから伸びてきて合わせ、彼女の両手が八千代の背中の中央のあの見えない位置で合い、指先が短く、無音で、指の腹同士が零点数秒貼りつき、それから織帯が交換され、銀の鉤が閉じ、「かち」と一音で留まった。


その留まる音の瞬間、八千代の肩が微かに察せられないほど一截塌んだ。


「……記録しました。」小櫻の蠟筆が紙の上で飛び、「先生の肩が一截落ちました。」


「小櫻。」八千代はようやく振り返った。


「彼女が描いているのは事実よ。」


薇は彼女の後ろから正面へ回り込み、狐のような目で自分の手仕事を上から下へゆっくりと一巡掃き、唇の端のあの笑みを収めず、「うん、ちょうどいいわ。」彼女は手を伸ばして銀粉色の長い髪を八千代の肩から撫で順にし、指先が鎖骨のあの鯨骨に頂き出された浅い溝に沿って一段歩き、最後に唇に落ちてあの粒の梅干しを八千代がまだ閉じていなかった口に押し込んだ。


「朝食よ。」


八千代は「うん」と一声、酸味が舌先で炸裂した瞬間に顔全体が皺み、あのよく保たれていた大姉さん感覚が小さな角を緩めた。


「私は先に学院へ行くわ。」薇はすでに振り返って扉口へ向かい、袖口から一枚の上着を振り出して肩に掛け、頭も振り返らずに手を振った、「午後ね小櫻、先生を学院へ連れて行って、道でまたフラフラしないように。」


小櫻「わかった」


薇「本当によ。」


小櫻「わかったってば」


扉が閉まった。


八千代は鏡の前に立ち、口の中にまだ飲み下していない梅干しを含み、あの彼女の身体の最も隠密な経路を回った織帯が皮膚の一寸ごとに薇がさっき回った温度を残していた。彼女は目を垂れて自分を見、鏡の中のあの古精霊、気質は整い、髪は順り、鯨骨は服貼っていたのに耳の先はまだ引かず、呼吸はまだ戻らず、大腿内側のあの指の甲に擦り過ぎられたところがまだ熱を帯びていた。


小櫻は低い椅子から跳び降り、図表帳を胸に抱えて彼女の側へぴょんぴょんと来て、顔を仰向けに朝の第一筋の陽光のように明るく笑った。「先生、私たち遅刻です。」


八千代は目を下げて彼女を見、口の中のあの粒の梅干しを噛み、飲み下し、「……行きましょう。」


講堂の扉が押し開かれたその瞬間、朝の涼気と古い木の材、粉筆の灰が靴底から返り、八千代は講台最後のあの段の木板を踏み、足首の銀の鎖が長裙の内張りに軽く触れた。両手が講台の机の前縁のあの無数の任講師に触れられて艶が出た木の縁に置かれた。押し下げる瞬間に腰背のラインが前に少し伸び、胸の前の約束帯がそれについて半寸張り詰め、あの朝からずっと支えられていた柔肉をさらに上へ押し上げ、立て襟の下のあの鎖骨の皮膚まで微かに熱を帯びさせた;彼女は息を吐き、腰封が肋骨の最も下の縁から空気をゆっくりと押し出し、押し終えた後、内側の硬い条が吻のように彼女の最も細いあの一段の腰肉に再び貼り戻り、締められ、収められ、しっかりと砂時計に輪にされた脹る感じが背後から小腹へ回り、臍の下のあの柔らかいところまで散らなくなった。


「おはようございます」彼女はあの温かく、語尾を少し引く大姉さん口調を使った、「古代史第一限です、教科書の七ページを開いてください、第三王朝末期の精霊古商路。」


前排の数人の学生が顔を上げて少し笑い、彼女も笑い返し、笑いながら微かに側身して粉筆を取ろうとしたこの一側身で、講師服の下のあの前から陰部を跨ぎ、大腿の付け根を回り、最後に臀の割れ目に潜り込んで菊の周囲を過ぎる束縛条が彼女の私密区に沿って半センチも滑らずに滑り、半センチでその条のしっかりした織帯が花弁の中央を圧していた位置から一側へずれ、ずれたとたんに小さな摩擦熱が引き出され、熱度がその一点から臀の内側へ広がった。彼女は黒板に「第三王朝末」と五字を書き、頭の中で淡く笑った:うん、もう始まってるわね。


つま先で一番上のあの行の字を届かせようと踮け、腰封が肋の下から上へ押し上げ、上沿が彼女の最も豊かなあの二塊の底側の柔肉に押し込み、胸の二つの本来すでに高く托された柔丘をさらに半指節上へ押し上げ、押し上げて約束帯のレース花辺が乳輪の最も外の縁のあの輪の剛できたばかりの小さな硬粒を布地ごしに擦るその一擦りで、彼女の字を書く手首が半瞬固くなり、粉筆が黒板に上へ曲がる一本の尾を余分に引いた。古精霊の体質は本当に厄介だわ、半瞬で臀の割れ目の中に小さな湿りがにじみ、束縛条の元々乾いたあの段が今菊の周囲のあの輪の皮膚に貼りついて彼女自身の滲出物のために微かに粘ついていた。足を平地に戻し、長裙の開きが重心の下降につれて合わさり、裙の料の内張りが大腿内側のあの薄く汗で湿った涼意を刺すように一擦り、彼女はほとんど喉の奥から一字を堪えられず、最後に口元で極めて軽く、考えているような「うん」に収め、学生の方へ振り返ったとき特に肩を腰と一緒に普段より大きな弧で回した:


「この商路の、主な争議点はね、史料に記された『七十年の中断』が本当に中断だったのか、それとも記録した人、あの記録した『彼ら』が故意に中断のように見せただけなのか、ということです。」


この弧度は彼女があまりにもはっきりと知っていた。背後の束縛条が菊の周囲のあの段から再びねじられ張り詰め、再び深く臀の割れ目の最も奥のあの元々あまり摩擦されていなかった皮膚に一条の乾いた織帯を力強く嵌め込み、電撃のような反応がその一点から脊椎へ這い上がり、耳の先が髪の下で制御不能に一回り赤くなった。


「だからこの問題はとても面白いのです、」彼女はとても落ち着いた大姉さん口調で続け、


「みなさん、まず十分で教科書に提供されているあの二段の原始記載を自分で読んでみてください、後で私たちで討論しましょう。」


学生が頭を下げて本を読み、講堂の中にはめくる音と遠くから伝わってくる別棟の教室の鐘の音だけが残った。彼女は講台の机の後ろからゆっくりと台前のあの低い段を下り、第一排の側へ行って学生の進度を見るたびに高い開きの長裙が大腿内側の二片の肉を裙の料の中で互いにずらす一度、ずらすときに束縛条が陰部の中央のあの条を左右の大腿に一挟み一緩で押し移しさせ、前で一擦り、後ろがそれについて一引き、前後の両端が彼女自身の歩調でとてもゆっくりと、とても根気よくマッサージをしているかのようだった。彼女は二番目の学生の傍で立ち止まり、微かに俯身した:


「この一句、あなた『帰来無人』この四字を見てください、当時の記法には実は二種類の書き方があったのですよ、一音節違うだけで、意味が全く違ってきます。」


俯身するとき上半身が前に傾く瞬間に胸のあの二塊の柔肉が前に傾いて約束帯のレース花辺に掛かり、重量がレースの中に押し込まれ、乳尖が三層の布地ごしに自分の胸肉に頂き上げられて最も内層の絹の質の裏当てに擦られ、擦られて彼女の口腔の中に津液が制御不能に多く分泌され、一口、唇をすぼめて押し戻し、指先が学生の教科書のあの行の字に点り、爪の下の縁が教科書の紙の薄い涼を伝え返し、身体の中で起こっているあの細かな灼熱とは二つの世界のようだった;同時に腰封が腹に頂かれて上へ半格滑り、鯨骨の上沿が肋骨の末端のあの最も敏感な皮膚に擦り込み、淫紋がまた浮き出た、菊の周囲のあの輪から臀の内側のあの整片へさらに腰背へ這い、発熱範囲が昨日よりまた一指節広く、一点点と腰のくぼみの方へ這っていた。


「先生、」前排のあの目がとても清らかな学生が顔を上げた、「もし第二の書き方に従うと、意味が『帰者無声』になるなら、それは彼らに実は誰かが帰ってきたけれど、ただ言えなかったということですか?」


彼女は我に返ってその学生を見て腰を伸ばす瞬間に前に傾いて頂き上げられていた腰封が肋骨の末端のあの敏感な皮から一路元の位置へ滑り戻り、滑り戻る整段の経路が誰かが彼女の肋の下からずっと髖骨の上方まで撫でたかのようで、彼女はほとんどその場で目を閉じてしまったが、最後に堪え、ただあの押し戻したばかりの津液を喉頭で飲み下し、飲み下すときに喉仏が微かに動いた。


「うん、いい質問ですね、」彼女は笑って返した、「気づきましたね、これが史学者が今でも争っている点です。私たち後でグループでこの問題を討論しましょう、あなたはまず自分の考えを記しておいて、後で最初にあなたに話してもらいます。」


言い終えて軽くその学生の机の縁を叩き、振り返って講台へ向かい、織帯の織紋が全体肉の割れ目の水に浸されて柔らかくなり、一歩ごとに脚の内側の肉が一挟み、その条の粘ついた織帯が陰部へさらに内側へ半ミリ沈み込み、半ミリ半ミリと積み重なり、講台の後ろへ戻ったとき、下腹の奥のあの湿った縄に持続的に引かれ続ける感じがすでに恥骨を一回り一回り上へ這い上がり、臍の下で一塊のむんむんとした、温かい、ちょうど功を破らない鈍い熱に収まっていた。


彼女は再び両手で講台の机の縁に扶かり、掌心が木の縁のあの微かな涼を圧し、学生がグループ討論しているとき彼女は座らなかった、座れば腰封がもっとひどい角度を頂き出すだろう、下腹のあの塊の鈍い熱が大姉さん式の微笑の下でゆっくりと回り、数秒ごとに新しい脈動が淫紋の拡散範囲の中から一つ冒され、また彼女が極めて浅い吸気で押し戻され、吸気のときに約束帯がまた胸を上へ一つ押し、押し、押し、の節奏が呼吸と縛り合わさっていた。偏頭で第三グループのあちらが何を話しているかを聞くとき耳の先が髪の後ろから探り出して立て襟の内側の布地に擦れ、その一擦りで電撃が耳の先から後頸へさらに腰背の淫紋のあの塊へ落ち、全条の経路が明るくなった。彼女は机の上のあの杯の助教が淹れてくれた、今はもう冷めた精霊茶を一口すすり、茶の微苦が舌の中段で化開するのと同時に、下の束縛条に挟まれている私密の肉の割れ目が制御不能に一つ縮み、縮む力道で織帯を肉へまた少し引いて入れた


杯の底が木の机に触れる軽い響きと講堂のどこかから伝わってくる下課の予備の鈴がほとんど重なり:「よし、時間もほぼです、最初に発言する同級生、あなたが討論の結果を話してください。」


あの学生が立ち上がって真剣に三分話した、彼女は温かく頷き、補足し、質問を返し、首から上は完全な、優しい、学識豊かな歴史講師八千代先生で、首から下は束縛下着に鎖され、自分の小さなゲームに遊ばれて淫紋の拡散範囲がまた腰のくぼみへ一寸這ったもう一人の八千代だった。


下課の鈴が学生が最後の句を答え終えたときに正式に鳴った:「お疲れ様、来週ね」彼女は笑って皆に頷き、「あの二段の原文をもう一度読んでおいてね。」


学生が続々と離れ、人声が次第にまばらになった。彼女は講台の机の後ろから歩み出し、あの低い段の前に立ち止まり、つま先がまず下へ踏み出そうと探り、踏みしめ、重心を前に移し、腰封がそれについて斜め前方へ半個角度傾き、束縛条が臀の割れ目の中のあの段が傾きにつれて引かれて張り詰め、菊の周囲から一路滑り過ぎ、一条の湿った織帯で那一整段すでに敏感の極限まで達した皮膚を下から上へ全体を一掻き、掻き終えたときに腰のくぼみが一つ引きつり、引きつって全体の人が段の上で半秒半秒、ちょうど半秒止まり、前にはもう学生が振り返って見る者はいなかった、最後の背影がちょうど門口で消えようとしていた。


彼女は講台の机の側辺を掴んで安定させ、下腹の奥のあの塊の鈍い熱が突然広がり、広がって淫紋が菊の周囲のあの輪の起点から臀の内側へ、腰背へ、腰のくぼみへこの一路の全体の皮膚の下に薄い一層の、皮膚の下で熱を帯びる紋路が浮き、浮き出た瞬間に整片の下腹が張り詰め、束縛条が前後の両端で同時に張り詰めた筋肉に挟まれ、彼女は息を吸い、その息を横隔膜の下へ力強く押し、声を出さず、ただ髪が髪の根のあの銀色の中から、極めて軽く、極めて軽く、粉色の一方へ一センチ暈開した。


彼女は立ち直り、講師服の下襬を少し整え、腰封の下沿を下へ少し引き平らにし、引き平らにするとき指先が裙ごしに大腿の外側のあの少し滲み出た潮の意に触れ、彼女は顔を上げ、講堂の中に木と粉筆の灰と自分のまだ散らしていない精霊の果の香りが混じった空気を深く吸い、ゆっくりとあの低い段を下りた。


事務室の木の扉が彼女の肩で前に一つ頂いただけでこの一頂き、背後のあの講堂から歩いてきて一路裙の下に押し込まれてより深い位置の束縛条が臀の割れ目の中で整段再び一センチ張り詰め、張り詰めた瞬間に菊の周囲のあのすでに敏感で熱を帯びていた皮膚が乾いた織帯の織紋に新しい角度から一掻き、掻き過ぎたその一拍で一陣の電撃のような脹る感じがその一点から腰背へ這い上がり、淫紋が拡散した範囲の縁まで這ってようやく止まった。耳の先が髪の下で声もなく一階赤くなった。


八千代は長く引き伸ばして一声を:「あら、はいってください、お昼ごはんもう置いてありますよ。」


机の傍のあの普段彼女が一人で宿題を批閱するとき使わない長い椅子、今日は臨時に彼女が部屋の中央へ引きずってきて、もう一つの小さな丸い机と合わせてちょうど四人が座れる方形の机にした。四つの弁当箱が整然と方陣に並び、箱身が午後から窓から斜めに注ぎ込んできた光の中で淡い金縁を転がし出していた。茶杯も四つ、それぞれ位置を置き、茶面がちょうど熱気で薄い霧を燙き出していた。学院食堂の今日の揚げアジ定食の油の香りと醤の甘さが、弁当箱の気孔から細細と漂い出て、八千代の鼻腔へ漂ってきた瞬間に彼女は一口吸い、その口の熱を食物の甘じょっぱさと一緒に胸腔へ押し込み、押し込みながら約束帯が乳房の下のあの硬い骨から身体の最も奥へ半寸押し込んだ。


最初に飛び込んできたのは小櫻だった。彼女の上半身全体が部屋の中へ撲ついてくるときあの蠟筆図表がまだ脇の下に挟まれ、新しく開封した蠟筆箱がもう片方の手でカラフルなプラスチックが互いに衝突する脆い響きを出していて、彼女は椅子も引かずにまず図表を机の角へ広げ、蠟筆を色で赤黄青緑紫粉と一列に並べ、蠟筆の先が整然と先生の授業を待っているかのようだった。


小櫻:「先生、ここに座って! この位置採光が一番いいの。」


採光が一番いいとはどういう意味か八千代は聞かず、誰も聞こうとしなかった。小櫻はすでに勝手に淡いピンクから深い紫まで並べ終えていた。


ソフィアが数えで二番目に入ってきた。彼女の褐色の指が自分のあの杯の茶の杯の縁に二本の指で挟み、指の節が力んだために手背より一階深くあの琥珀色の目が冷たく机の上から、八千代のまだ解いていない講師服の襟から、小櫻のあの虹の蠟筆の列を一巡掃いた。


ソフィア:「どうして私も呼ばれなきゃいけないの。」


八千代は温かく笑った:「段位テストの前にご飯を食べてリラックスしなさい、ソフィアちゃん」


ソフィア:「Don't ちゃん me。」


その「ちゃん」の八千代の尾音が円やかに引き伸ばされ、ソフィアが跳ね返してきたdon'tが刀のように、刀先がすぐに八千代の笑みに吞み込まれ、吞み込まれた瞬間に口角は動かず、喉仏が極めて軽く下へ一截動いた、下のあの朝から束縛条に挟まれていた三時間になる湿った肉の割れ目が制御不能に一つ縮み、縮む力道で織帯を肉へまた半ミリ引いて入れ、半ミリで彼女の下腹の奥のあの朝から今まで積み重なった鈍い熱が軽く一つ震え、震えて彼女の呼吸が一秒も止まらぬうちに元の節奏へ繋いだ。


最後に来たのは団長だった。彼は手で扉を帯め、門軸が短く乾いた「たっ」と一音を発した、彼は話さず直接机から一番遠いあの椅子へ歩いて座り、弁当箱が彼の前にまだ動かず、彼はまず手を伸ばして茶瓶を提げ上げ、順に小櫻へ、ソフィアへ、八千代へお茶を注ぎ、八千代の杯のときに茶の水が杯の壁に沿って滑り落ちる音が細く、慌ただしくなかった。八千代は下まつ毛の下のあの最も隠れた視線の縫い目からその動作を一つ見た、下腹のあの塊の鈍い熱がまた軽く二度震えた。


弁当の蓋が一開け、油の香りと揚げ物の暖かい蒸気が上へ漂った。八千代が箸を抜く手首が後ろへ少し折れ、この一折れで胸のあの二塊が朝から約束帯に托高されて今までの柔肉が前に傾いて約束帯のレース花辺の縁に掛かり、重量がレースの紋様の中に押し込まれ、乳尖があの薄い絹ごしに自分の胸肉に頂き上げられて一擦り、一擦りで彼女の口腔の中の津液が制御不能に多く分泌された一口。彼女は魚を一つ挟んで口へ送り、魚肉の鹹、油の暖、米飯の甘さが舌の中段に沿って化開し、化開すると同時に下のあの湿った肉の割れ目がまた一つ縮み、彼女は口元でその溢れ出そうだった「うん」を普通すぎて普通でなくなった、大姉さん式のものに収めた:


八千代:「本当に美味しいわね。」


向かいの小櫻はすでに飯を三口掻き込み、頰の両側がハムスターのように膨らんでいた。


小櫻:「先生、朝講台の上であんなに大きく動いて大丈夫だったの?」


八千代が返そうとしたとき、ソフィアが傍で白眼を一つ翻し、白眼と褐色の瞼の対比が午後の光の中で二種類の違う金属のように尖っていた。


ソフィア:「彼女は授業してるんでしょう、後ろの路地で喧嘩してるんじゃなくて、動きが大きいって何よ。」


小櫻はとても真剣に一本の赤い蠟筆でソフィアを指し、蠟筆の先が机を隔てて相手の眉心に狙いを定めた。


小櫻:「喧嘩ってエロいの?」


ソフィアがむせた:「何?」


そのむせたのが急で、一口の茶がほとんど喉から鼻腔へ逆流しそうになり、彼女の全体の褐色の顔が頰骨のあの条から先に焼け上がり、褐の皮膚が血色に一舗され焼けて一階深い赤銅色になった。団長が黙ってもう一杯のまだ温かい茶を机の中央から押し渡し、杯の底が木の机を擦って短い「ぐ」と一音を発し、ソフィアは受け取って礼も言わず、一口飲み、飲み下すときに喉のあの塊の起伏が普段より重かった。


食べ halfway で小櫻が箸を置き、蠟筆をまた手に取ったあのオレンジ色の蠟筆は彼女が朝削ったばかりだった。


小櫻:「先生、ご飯食べ終わったら少し脱いでもらえる? 束縛下着朝から三時間締めてて、淫紋どこまで拡散したか絶対記録しなきゃ。」


八千代がその口の茶を飲んでいるとき、茶の水が舌の根のあの截で制御不能に気管へ一ミリ幅の水線を偏らせ、彼女はほとんどむせそうになり、最後に堪えた。茶杯の縁が唇に圧して一会止まり、彼女は杯をゆっくりと机へ戻し、杯の底が木の机に接触するその響きがほとんど存在しないほど細かった。


八千代:「あら小櫻、ご飯のときにね」


小櫻が天真に強調した:「食べ終わってからよ、今って言ってないの。食べ終わってから。」


ソフィアが魚の骨を弁当の蓋の縁へ吐き、頭を上げず:「事務室で?」


小櫻が瞬き:「じゃあどこで?」


ソフィアは返さず、箸で大根を一つ突き、少し力を込めて突き、大根に白い小さな窪みが突き出され、彼女はその塊の大根を口へ送り、咀嚼の力道が大きくて頰骨の一条の筋が全体浮き出た。


ソフィア:「……Whatever.」


事務室の中には鉛筆の先が紙の上でゆっくりと移動する沙の音だけが残った。八千代が主位からあの団長の背影を一秒ほど見た、一秒の中で彼女の下腹のあの朝から今まで積み重なった鈍い熱がとても軽く一つ震え、彼女は淫紋が拡散したあの整片の皮膚がまた腰背の方へこっそり半ミリ明るくなったのを感じられた。彼女はゆっくりと自分の弁当の蓋を閉め、閉めるとき箱の蓋の縁が噛み合うあの「かち」がさっき団長が汁椀を置いた「叩」よりさらに一階軽かった。


八千代がゆっくりと言った:「じゃあ食べ終わったわね。」


小櫻はすでに蠟筆を整然と並べ終え、図表が机の角に平らに広げられていた。紙面に圧されたあの小さな区域が朝彼女が自分の部屋で定規で描いた「八千代拡散追跡図」人形図の前後両面に印字済みで、菊の周囲、臀の内側、腰背、腰のくぼみの四塊にそれぞれ小さな枠があり、傍に蠟筆で上から下へ五階の赤い色階が描かれていた。


小櫻:「先生、立って。」


八千代が椅子から立ち上がった。立ち上がる瞬間に講師服の下の整套の束縛下着が重心の移動のために腰封と胸の約束帯を同時に身体の最も奥へさらに半寸押し込み、腰封の下沿の鯨骨が髖骨の内側から上へ押し上げ、約束帯の下縁の硬い骨が乳房の底側から上へ押し上げ、束縛条が前から陰部を回るあの段が左右の大腿内側の肉に一挟みで整段陰唇の外の縁へより深く一格沈み、三つの位置がほとんど同時に身体の中へ押し込まれたその一拍で下腹のあの塊の鈍い熱が一階広がり、彼女は無意識に椅子の背を掴んで一秒安定させ、椅子の背を掴む指の節が午後の光の中で白くなり、大姉さん式の微笑は動かなかった。


八千代:「あら、よし、私が解くわね」


彼女は講師服の上着の一番上のあの粒のボタンを解き始めた。第一粒が解けたときに立て襟の下のあの鎖骨の皮膚が少し露わになり、朝から締めて今まで、あの皮膚の上にすでに一条の淡い、鎖骨の上沿を横切る赤い痕があり、約束帯の最も外層のあの黒い緞が朝から胸を支えていたときに頂き出された圧印で、圧印の中央の色が最も深く、両辺へ暈けてほとんど見えないほど淡いピンクだった。第二粒が解けたときに約束帯の最も外層のあの輪の黒いレース花辺が上着の縫い目から少し探り出し、黒いレースのあの織物の花孔の不規則な縁と講師服の素白の布地の鎖辺の縁、二条の縁が光の中で互いに擦れていた。


第三粒のボタン、彼女の指がちょうどあの粒のボタンのところへ回ったとき


ソフィアが突然口を開いた、彼女は元々最後の口の大根を噛んでいた、今箸が半空で止まり、褐色の頰が頰骨のあの条から先に焼け上がり、頰骨から耳廓へ焼け上がった:「ちょっと待って。私、私が先に外へ行く。」


彼女は椅子を押し開いて立ち上がろうとし、椅子脚が床を擦って短く急な摩擦音を発した。


小櫻は頭も振り返らず、蠟筆がまだ図表の上で八千代の鎖骨のあの赤い痕の長さを測っていた:「ソフィア、あなたもこのタイプを着けたことあるの?」


ソフィア:「私はない」


小櫻の目が輝いた:「じゃあちょうどいいわ、あなたが見に来て。あなたは遠隔感応型を着けたことがあるけど、束縛系とは違うロジックよ、比べた方が意味があるわ。」


ソフィアが立ち上がろうとしたあの動作が半路で止まった。彼女の右手が椅子の背に支え、左手がまだ自分の茶杯の杯沿に扣き、爪が力んで杯の縁に自分が気づいていない細い響きを磕き出していた。彼女は口を開き、半個のスペイン語の汚い言葉の音節が唇の端から漏れ、一つの喉音の、短い「Mad」それから自分に力強く吞み戻され、吞み戻すときに喉仏がはっきりと動いた。彼女はとてもゆっくりと、ゆっくりで一つ一つの関節が自分の意志と交渉しているかのように、自分を再び椅子へ坐らせた。椅子脚が床を擦って短い「が」と一音を発した。


団長が背を向けていたあの小さな記事本の上で鉛筆が一つ動いた。鉛筆の先が紙の上で止まり、また動き、また止まり、それからページを翻した。彼の肩が机の外のあの一面から始終一つの角度を維持していた。


八千代がまつ毛の縫い目から団長のあの背影を一秒見た、またソフィアのあの耳廓まで焼けた顔を一秒見た、下腹のあの塊の鈍い熱がこの二秒の中で軽く一つ脹れた一拍。彼女の手が第三粒のボタンへ戻り、指先がボタンを摘み、極めてゆっくりと、極めて優雅にそれを扣眼から頂き出した。


上着が全体両辺へ肩の後方へ披き開かれたその瞬間、束縛下着の全貌があの窓辺から斜めに注ぎ込んできた午後の光の下で全体が広がった。


胸のあの二塊が朝から托高されて今までの柔肉が約束帯に下から上へ全体を支えられ、黒いレース花辺が乳輪の最も外の縁のあの輪を遊走し、レースの下は肌色が微かに透けて見えるあの半透の絹の料で、乳輪の形と最も頂端のあの二粒がすでに布地に擦られて硬くなった小さな硬粒が薄い絹ごしに透けて輪郭が見えても実体は触れられなかった。約束帯が乳房の下のあの截の硬い骨から伸び、下へ腰封の最も上沿へ接続し、腰封は漆黒の緞面で、肋骨の末端のあの截から一路鯨骨で下へ髖骨まで、整段の腰肉を彼女の普段より早く二寸細く収め、緞面が光の中で一条の細く、ほとんど光とは言えない暗い光を反した。腰封の下沿の一輪の黒い緞の収口のところに一枚の小さな金属の扣環が象眼され、哑銀色、形が押し潰された菱形のようであの扣環が束縛条が前から陰部を回り、大腿の付け根を回り、後ろから回ってくる鎖点だった。扣環の下方束縛条のあの截が緞面の下から伸び出して長裙の裙料の中へ潜り込んだあの段は、すでに身体の潮の意に浸されて織帯の元々の黒より一階深く、浸潤線が均等に引かれておらず、あるところ深く、あるところまだ浸透していなかった。


八千代は裙を解かなかった。彼女はただ上着を椅子の背に披き、両手を身側に垂れ、大姉さん式の微笑はまだあり、顎が微かに一寸上がっていた。


八千代:「これでいいかしら、小櫻?」


小櫻はすでに寄ってきていて、鼻先が八千代の腰封のレースまであと二センチだった。彼女は自分の呼吸がちょうど八千代の肋骨の末端のあの赤い痕に打っていることさえ意識しておらず、呼吸の熱があのすでに敏感で熱を帯びていた皮膚をまた軽く一つ震わせた。


小櫻が言いながら図表の上に塗り、塗るのに専念して聖像を描いているかのようだった:「腰封の圧痕ここ、肋骨の末端二条、赤がもう印されたわ……乳輪の外の縁の圧痕、ここ、レースの紋様に印がある……先生、この束縛系は私の偽陽具の体験の位置と全く違うわ」


蠟筆が図表の上で沙沙と落ち、一筆下げるごとに色が真剣に堆まれ、赤い蠟筆で赤い痕、オレンジ色の蠟筆で充血の縁、淡いピンクの蠟筆で散りかけの暈を描いた。


ソフィアは元の位置に座っていた。彼女の目が動いた。


あの両琥珀色の目がはっきりと、真剣に、制御不能に八千代の身上へ落ち、まずあの薄い絹の下の乳輪の輪郭、それから腰封の下のあの塊の扣環、それから八千代の足辺の長裙の開きの中でちらちらと見える束縛条の接続処を一秒覗いてから視線を逸らし、自分の弁当箱の中の残ったあの二粒の米粒を見ているふりをし、二秒後また制御不能に覗き戻った。彼女の褐色の頰のあの条が頰骨から焼け上がった赤が一路耳廓を過ぎ、下顎の下へ焼け上がり、首の前側へ焼け上がり、一階深い赤銅色に焼けていた。彼女は茶杯を捧げ、茶杯が口に抵して大概一分経っていたのに、一口も飲んでいなかった、彼女の喉仏が極めて軽く一つ動いた、何かを吞み下そうとするものがそこに引っかかっているかのようだった。


団長のあちらの鉛筆が持続的に記事本の上で落ちていた。鉛筆の「沙、沙、沙」が部屋の中で小櫻の蠟筆の音以外に唯一の規則的な音だった、彼の書く速度は速くなく、一行書き終えるごとに鉛筆の先が紙の上で半秒止まり、それからまた起筆した。八千代がこの角度から見渡しても彼の後頭部のあの截の黒髪と、彼が鉛筆を握るあの片の手首の側面しか見えなかった。彼女の下腹のあの塊の鈍い熱がこの背影の上でまた軽く一つ震えた一拍、彼は見なかったのに、あんなに勤勉に書いていて、この一拍が彼女の下腹の奥から半回りし、淫紋の拡散の縁へ回ったときにまた一つ縮んだ。


小櫻が顔を上げ、蠟筆が「乳輪の外の縁の圧痕」のあの格の傍で止まった:「先生、裙も少し捲ってもらえる? 束縛条が陰部を跨ぐあの段が菊の周囲を回る長さを測りたいの。」


八千代の笑みが口元で普段より半拍長い瞬間に止まった。


八千代のこの「あら」はこれまでどのよりももっとゆっくりと引き伸ばされた:「あら、裙のことは」


彼女は偏頭で椅子の背のあの方向の団長のあの小さな記事本のあの条の鉛筆がまた沙沙と書いているのを見た。


彼女はゆっくりと長裙を髖骨の外側のあの高い開きから上へ撩げ、撩げて大腿の外側の中段まで。


あの截の大腿の外側の皮膚が朝から今まで裙の料に覆われて悶えていた、今部屋の中に挟まった冷気の涼しい空気に一掃され、彼女の整条の脚が膝の上方から髖骨のあの段まで極めて軽い鳥肌を立てた。


脚の内側のあの塊の彼女がずっと裙を捲らせていなかった位置は潮で、薄い一層の汗膜が混じり、朝から講台の上で一路滲み下りてきた、より一階湿った痕が、脚の付け根から斜めに大腿の中段へ一小段引きずって一条の反光を引いていた。光が窓辺から側斜めに注ぎ込んでき、ちょうどあの段の反光に当たり、細かな水珠の形まで見え、水珠と水珠の間に肉眼ではほとんど見えない水膜が繋がり、一条の脚の付け根から斜めに大腿の中段へゆっくりと薄くなる、輝く水線に連なっていた。


小櫻の蠟筆が半空で止まった:「あ。」


彼女の蠟筆の先が図表のあの格の上で大概二秒吊られ、色を選んでいて、赤からオレンジから淡いピンクから水に近い透明のあの格の淡い青の間で大概二秒選び、最後に透明のあの格の淡い青を選び、軽く図表の上で一つ点った。


ソフィアの茶杯が置かれた。茶杯が机から離れるあの響きが極めて軽く、何かを驚かさないように恐れているかのようだった。彼女の目があの条の反光から収まらなく、琥珀色の瞳孔の中に一条の頰骨から焼け上がってきた赤銅の反光があった。彼女が茶杯を握る右手が緩み、五指が机の上で平らに開き、指の節がさっき力んで白くなり、白くなった指の節の上方の手背の褐色が他の位置より一階深かった。


団長の記事本のあちらの鉛筆が三秒止まった。三秒後また動き、以前よりもっとゆっくりと、もっと短く書いた。


小櫻の声が興奮していたが一調低く抑えられていた:「先生、これは朝講台の上で滲み出たの……?」


八千代がとても軽く応じ、大姉さんの笑みはまだあったが、目尻が微かに窓の外へずれた:「うん。」


八千代:「小櫻、あなた自分でご覧なさい、測るとき皮膚に触れないで。」


小櫻:「うん!」


あの「うん」が研究員が実験開始の指令を聞いたかのようにきっぱりしていた。


小櫻はあのオレンジ色の蠟筆を量る定規代わりにした。彼女は腰封の下縁のあの哑銀色の金属の扣環から下へ測り始めた:扣環の位置から下へ下腹のあの微かに膨らんだ柔肉を跨ぎ、陰阜のあの塊の裙の料ごしに見える微かに凸起した小さな丘のところを跨ぎ、陰部の中央のあの条のすでに自分の分泌物に徹底的に浸されて深い色になった織帯の段、この一段を彼女が半分測ったときに蠟筆の先が空気の中で半秒止まり、呼吸を止めずさらに下へ、大腿の付け根のあのレース花辺までもが押し出されて一条の皺襞の位置を回り、臀の割れ目の中へ消えた。蠟筆が臀の割れ目の入口の前で止まり、彼女は図表の上で小さな矢印を一つ記し、矢印の末端に一行極めて小さな字を書いた。


小櫻:「先生、後ろが見えないの、ちょっと回ってもらえる?」


八千代が笑った:「あら」


八千代:「回すのなら」


彼女はソフィアを一つ見た、ソフィアがあの辺に座り、唇が微かに開き、指が茶杯の関節を力んで白くし、あの両琥珀色の目が蠟筆が止まったその瞬間から蠟筆の軌跡について行っていた。


彼女は息を吸い、その息を横隔膜の下へ押し込んだ。


彼女はとてもゆっくりと、優雅に、極めて普通のことをしているかのように、後ろへ半回り、背中を小櫻の方へ向け、この一回りで、講師服の下に裙の料に半隠された腰背のあの片が午後の光の中で完全に広がった:菊の周囲のあの輪、全体の臀の内側、さらに腰背へ這って腰のくぼみまで皮膚の下に薄い一層の、ぼんやりと光を帯びている紋路があった。あの目を細めなければ見えない、皮膚の下に何かがとても小さな声で呼吸しているかのような浮き出る感じ。淡い光の中心が菊の周囲のあの輪で最も深く、臀の内側へ這い出るとき色が一階淡くなり、さらに腰背へ這って腰のくぼみの位置へ行くとすでに淡くなって最もぼんやりとした一抹の底色だけが残り、昨日よりまた上へ一段這っていた。


両手が身側に垂れ、後頸の髪の糸が背心に落ち、腰封の黒い緞が反す暗い光が腰背の淡い光のあの層の浮き出るをよりはっきりと勾き出した。


小櫻の声が喉の中で引っかかった:「拡、拡散して腰のくぼみまで!」


彼女の蠟筆を握るのがとても固く、図表の上で記した。


小櫻:「先生、あなた前は明らかに臀の内側の上縁までだったのに、この一朝でまた一指節半上へ這ったわ!」


八千代が背を三人に背けて軽く一応じ、軽くてほとんど口形だけだった:「うん」


ソフィアのあちらの椅子がとても短い「が」と一音を発し、彼女はまた前へ半寸坐り、目が八千代の腰背のあの輪の淡い紋路を大概五秒眺め、それから猛烈に茶杯を口へ送り、一大口飲み、その一大口が下りて彼女の全体の顔が喉から上へまた一階赤く焼け上がり、赤銅が一路耳の後ろまで蓋い、耳廓の内側のあの截の軟骨まで赤くなった。彼女の茶杯が机へ戻るあの響きが今日初めて重みを持ち、「どん」と一音だった。


団長のあちらの鉛筆が一句完全な言葉を書き、止まり、ページを翻し、また書いた。あのページを翻す節奏から彼の書く速度がさっきより遅くなったのがわかり、鉛筆の先が紙に落ちる「沙」の間に半秒の停頓が多くなり、一つ一つの停頓の中で彼の肩が極めて軽く起伏した。


八千代がゆっくりと長裙を下ろし、講師服の上着を椅子の背から掬い上げて再び披った。


第三粒のボタンが扣き戻ったとき、上着の立て襟の下のあの截の約束帯に頂き出された赤い痕がまた襟に蓋われて半分になった。第二粒のボタンが扣き戻ったとき、胸のあの二塊の柔肉が再び上着に包み込まれたが約束帯のレース花辺の位置が彼女がさっき小櫻に寄り呼吸された後により一階赤い小さな印を残していた。第一粒のボタンが扣き戻ったとき、彼女の全体の束縛下着の全貌が徹底的に上着に包み戻され、胸の柔肉、腰封の鯨骨、束縛条の扣環、腰背の淡い光の余温、すべて上着の下へ収められた。彼女は講師服の襟を少し整え、大姉さん式の微笑はまだあったが、この微笑が口角の辺でこれまでどのよりも半拍多く留まった。


八千代が大姉さん式に笑った:「よし、ご飯も食べ終わったわ、記録も済んだわ、午後のあの限の研究室で学生を迎えるの、私は先にそちらへ行くわね。」


彼女は椅子の背から講義の包みを掴み、門口へ向かった。足音が普段より一階遅く、一歩ごとに着地するごとに脚の内側のあの二片の肉がずれる一度、束縛条の前段のあのすでに浸されて深い色になった織帯が左右の大腿に一挟み一緩で陰部の中央へより深く沈み、半ミリ半ミリと積み重なり、彼女が第三歩で門辺へ行ったときに下腹の奥のあの塊の鈍い熱がすでに彼女に極めて浅い吸気で押し下げなければ口元で音を溢れさせないほどまで広がっていた。


門辺へ行ったとき彼女は振り返って一つ見た。


小櫻が机の上に伏せていてまるで研究の突破を経験したかのようで、蠟筆がまだ手に握られ、図表のあの「腰のくぼみ」の格子が彼女に三層の深浅の違う色階で描かれ、一番上の層が水のように淡かった。ソフィアがまっすぐに坐って自分の空になった茶杯を眺め、顔がまだ赤く、赤銅が首の前側から一路露わになった褐色の皮膚の鎖骨の上沿まで蓋い、彼女の右手がまだ机の上で開かれ、指の節の下のあの白い印がまだ完全に引いていなかった。


団長が目を上げて八千代と合い。


ただ彼女がさっき食べ残した、弁当の蓋の縁のあの粒の梅干しを箸で挟み上げ、返しにきた。


箸の先端のあの粒の梅干しが午後の光の中で淡い赤の潮の意を反し、梅肉の皺の中に一条の透明の漬け汁が挟まれ、漬け汁が箸の先に沿って極めて小さな一滴を懸け、滴り落ちなかった。


八千代がゆっくりと戻って行き、口を開いて寄り、箸からあの粒の梅干しを口の中へ含んだ。


唇瓣が軽く箸の先端に触れたその瞬間に箸の先が極めて軽く一つ震え、梅の鹹、酸、果肉の柔が彼女の舌先で化開したその瞬間に、下の束縛条に挟まれていたあの塊の割れ目が制御不能に一つ縮み、縮む力道で織帯を肉へまた半ミリ引いて入れ、彼女は全体の顔が動かず、大姉さん式の微笑が口角の弧度さえ一ミリも変えなかった。


彼の視線が箸が回収されるあの軌跡の上で半秒留まり、それから逸れた。


八千代が門辺で団長に微かに頭を下げ、温かく:「ありがとうね」


振り返って出た。


扉が合わさった後、事務室の中が大概三秒静かになった。


三秒の中でソフィアの呼吸が初めて聞こえ、短く、急で、まるで彼女がずっと我慢していてようやくさっきあの扉が閉まったときに吐き出せたかのようだった。彼女は突然立ち上がり、椅子を後ろへ一つ押し、椅子脚が床を擦ってこれまでどのよりも長い「が」と一音を発した。彼女は自分の茶杯を掴んでまた置き、自分の上着を掴んでまた置き、最後に何も持たず、スペイン語で一句とても短いものを罵ってから速足で門の外へ行き、扉が彼女に外から「ばん」と一音で閉められた。門の外から一段とても低く抑えられたがはっきりと聞こえる西語が伝わってきて、内容はおそらくある種のすべての古精霊へ、すべてのちゃん後綴へ、そしてすべての大姉さん型講師への総合的な呪いだった。


小櫻がソフィアの背影を見て瞬きした:「ソフィア、どうしたの?」


団長がすべての弁当箱を収め重ね、茶瓶の中の残った茶の水を空の杯へ注いだ。


彼は小櫻に短く一句。


団長:「洗いに行く。」


彼も去った。


扉が再び合わさった。


事務室には小櫻一人だけが残った。彼女は目を下げて自分の図表のあのさっき腰のくぼみまで描いた淡い筆触の三層の色階を眺め、深い赤から淡いオレンジから水に近い透明の淡い青、一番上の層が紙を鼻先に寄せなければ見えなかった。彼女はまた赤い蠟筆を手に取り、小さな丸を一つ描いてあの「腰のくぼみ」の格子を枠で囲み、傍に蠟筆で一行の字を書いた。


小櫻は書いた:「拡散深・確認。心理変数・観察中。」


書き終えた後彼女は蠟筆を箱へ戻し、軽く箱の蓋を合わさった、箱の蓋のあのプラスチックの扣が乾いた「かち」と一音を発した。


彼女は顔を上げ、八千代がさっき立っていた背を彼女たちに向けていたあの位置を一つ見た、また団長がさっき座っていた背を机に向けていたあの椅子のあの椅子を一つ見た、椅子の背の上方の木の紋が午後の光の中で淡い影を浮かべ、影の縁に一截の鉛筆の灰がまだ拭き取られていなかった。


彼女は図表を腋の下へ挟み、立ち上がり、門口へ向かった。


研究室の中のあの椅子は学院が公に支給した旧型で、背がまっすぐ、座布団が薄くてまるで装飾的に粗い布を一層実木の上に糊付けたかのようで、四本の木の脚が多年前のあの前任講師に手で床へ釘付けされ、それ以来もう揺らぐことができなかった。八千代が朝講堂の講台から、事務室のあの飯桌の場を歩き、最後にこの午後学生を迎える小さな研究室へ入った。


彼女が門口から机の後ろの椅子の前までの最後の三歩を特にゆっくりと歩き、ゆっくりで自分でも裙の料の内張りが大腿内側のあの層の汗潮の所が発する、極めて軽い、少し粘る意のきしむ音が聞こえるほどだった。一歩ごとに脚の内側のあの二片の肉が互いにずれるときに、束縛条のあの段の朝講台の上で滲み、中の飯桌で脱衣半着のときにまた陽光に蒸され一輪、今またこの数歩で再びより深い位置へ押し込まれた織帯のその織紋がすでに一条の粘軟で、肉色とほとんど区別のつかない浸潤線で、一歩ごとに陰唇の外の縁のあの輪の皮膚に沿って過ぎるごとに粘ついてまるで一条の湿った縄が人に根気よく、有節奏に引かれているかのようだった。


彼女は椅子の前に立ち定まり、両手が椅子の背に置き、一種の他人が見えない緩慢で深く息を吸った、吸うときに腰封が肋の下から空気を横隔膜の下へ押し、鯨骨の硬い条が彼女の最も細いあの段の腰肉に沿って元の軌道へ再び貼り戻し、押し終えた後、全体の人が一寸一寸と、まるで高いところからゆっくりと降りてくるかのように下へ坐った。


坐ったその瞬間に椅子の座布団の硬さが尾椎骨から一路頂き込んでき、彼女の下腹の奥に一声出なかった「 あ」が彼女に喉の中で截まれ、截み下ろした後揉み、揉んで普段より少し温かい、大姉さん式の微笑にし、口元に掛けた。


「どうぞ、午後第一位はどのグループでしたっけ?」


研究室の扉が一つノックされた。最初に扉を押し開けて入ってきたのは、朝講堂の中で「帰者無声」を挙げて質問したあの学生で、手に一束のノートを抱え、目がまだとても清らかで、あの清らかさが八千代に椅子の中で極めて軽く笑わせた、彼が入ってくるとき目がまだノートにあり、ノートから机の上へ、机の上からあの少し低い客用の椅子へ見つけ、全行程が乾いたまっすぐな線のように清らかだった。


「先生、ここに座ってもいいですか?」


彼女はあの温かい大姉さん口調で向かいを指した:「うん、もちろんよ、どうぞ。」


学生が坐り、ノートを広げた。


「先生、私は朝のあの第二の書き方『帰者無声』がもし本当なら、その後七十年目に突然一批の人が南線から帰ってきた、史料に彼らが『面有旧識、言已不通』と記載されている、この『言已不通』は本当の言語の断層だと思いますか、それとも政治的に言えないのですか?」


八千代が答えようと準備していたとき、彼女が椅子の中で微かに前に傾く瞬間に腰封が髖骨の上方から斜め前方へ一つ押し、鯨骨の上沿が彼女の肋骨の末端のあの朝からすでに三輪磨かれた敏感な皮に擦り込み、あの皮は今敏感で少しの圧力でも熱度を内側へ胸腔へ送るほどで、彼女は机の下で、学生に見えないところで、こっそりと大腿を半寸挟んで自分を安定させた。


「うん、これはとてもいい質問ですね。」


挟んだその瞬間に、束縛条の前段が左右の大腿に一挟み、全体の織帯が陰部の中央へ深く半ミリ沈み、半ミリで彼女の下のあの湿った肉の割れ目が制御不能に一つ縮み、縮む力道がまた織帯の背面のあの截を菊の周囲の淫紋が拡散した核心区域へ引いて入れ、彼女の全体の下腹が机の下で一秒張り詰め、張り詰めたその一秒で彼女は表情をより深い微笑に調整し、微笑の弧度がさっきより半分多かった。


「私個人は政治的に言えない方へ傾いていますよ。あなた、後ろの同じ段の中に一句『主祭撫劍三嘆』があるでしょう、『撫劍三嘆』この動作は当時とても正式な、『言いにくい』礼儀のジェスチャーで、ほとんど公式の発言人がカメラに向かって『无可奉告』と言うこの姿勢の古代版です。だからもし本当に言語の断層なら、主祭はこのジェスチャーをする必要はなく、彼は直接『无人能译』と言えばいいのですよね?」


「あ、そうか、さっきその句を見逃してた。」


学生の目が輝き、頭を下げて自分のノートを翻し、真剣に赤いペンであの行の下に一条の線を引いた。


彼が線を引いているとき八千代はこっそりと、一種誰にも見えない力道で、椅子の上の自分の重心を少し左の方へ一センチずらし、この一センチは臀の割れ目の中のあの自分の体重に挟まれて死んだ束縛条を少し緩めるためのものだったが、この一センチの副作用を彼女がずらしたその瞬間に悟った:右のあの瓣の柔肉が空いた瞬間に、元々菊の周囲に押し込まれていた織帯が全体一条のバネのように側辺へ弾き開き一段、弾き開いたあの段が、新しい角度から、彼女が今までその角度で切られたことのなかった、菊の外の縁の右寄りのあの塊の皮膚へ切って入り、古精霊の体質の「新しい感覚」への反応は今まで電撃式で、彼女の全体の人が椅子の中でとても軽く、とても軽く一つ震え、震えて机の右側のあの杯の彼女が午後自分で淹れた精霊茶の水面に極めて小さい、極めて小さな波紋を一つ紋らせた。


学生が顔を上げた:「先生?」


八千代が笑みをより深くした:「うん?」


「さっき何をおっしゃろうとしていましたか?」


「あら、私はさっきぼんやりしてしまったわね、ごめんごめん。」


彼女は椅子の中で再び重心を調整し、この再調整の動作がまたあの弾き開いた織帯をその新しい角度から元の位置へ回収し、彼女の指先が机の下でこっそりと、こっそりと自分の膝の骨を圧し、圧して指の節の関節が少し白くなった。


「あなたの質問はとても面白いわ、『言已不通』がもし政治的に言えないなら、この『言えない』は誰に禁じられたのか? これが後続の学者が二百年争った点です。」


二番目の学生が扉をノックして入ってきた、入門のその瞬間から彼女の目が一種八千代がとても馴染んだものを帯びていた:あの「もっと見たいけれど多くは見られない」小心翼くばりの回避で、一入門でまず八千代の顔を一つ見てからすぐに視線を逸らし、机の上のあの杯の精霊茶の上へ逸らした。


「せ、先生、この問題を見てもらえますか?」


「うん、もちろん、こちらへおいで。」


女学生が一番目の男学生の傍を回り、作業簿を八千代の机の前に広げた、広げた位置がちょうど八千代が前に傾かなければはっきり見えない角度だった。


前に傾く瞬間に胸が約束帯に朝から托高されて今までのあの二塊の柔肉が前に傾いて約束帯のレース花辺に掛かる力度が午前どのよりも重く、彼女の乳尖が三層の布地ごしに絹の質の裏当ての硬い点へ擦り上がり、瞬間に一点から一片へ拡大し、その擦り出された酸軟が乳輪から胸腔の奥へ広がり、彼女の口腔の中の津液がまた一口分泌され、この口を彼女は飲み下さなければならず、飲み下すときに喉仏が極めて軽く一つ動いた;女学生の目が作業簿から上がったときにちょうど彼女の喉仏が動いたのを見て、女学生の耳がすぐに上へまた一階赤くなり、髪の根まで赤くなった。


「こ、この問題を私は第三歩で詰まってしまいました。」


「うん、あなたここ、第三歩のこの換元の方向が逆です、あなた、見てください、もし逆方向に換えれば」


彼女が説明しているときにあの一番目の男学生がすでに礼儀正しく傍でノートを収めて去る準備をしていて、彼はノートを整え、鉛筆を筆筒へ挿し戻し、彼が八千代の身辺を過ぎたときに目がまだノートにあり、彼は門辺で振り返った。


「ありがとうございます、先生。」


「うん、さようなら。」


扉が合わさった。研究室の中には女学生と彼女だけが残った。


彼女は作業簿の上であの行の字に引き続き点り、爪の下の縁が教科書の紙の薄い涼の触感を伝え返し、身体の中のあの条の菊の周囲から一路腰のくぼみまで這った鈍い熱とは二つの全く重ならない世界のようで、女学生が傍で極めて真剣に聞き、聞き halfway で、彼女は突然声をさっきより半調低く抑えた:


「先生、今日は少しお疲れですか?」


八千代がノートから目を上げた、目を上げるこの動作で腰封が前に傾いた姿勢を腹に頂かれて半格滑り戻し、彼女は極めて軽く一つ飲み下し、あの滑り出た酸軟を押し戻した。


「あら、なぜそう聞くの?」


女学生が頭を下げて自分の耳辺の髪を一つ払い、払う髪のこの動作で彼女の視線を半分隠し入れ、残りの半分が髪の間から透けて見えた。


「先生がさっき笑ったときに普段より小さな停頓が一つ多かったからです。」


彼女はその女学生を大概三秒眺め、それから笑った、今回はさっきよりもっとゆっくりと、「いいわね、気づくのね。」


「この問題はあなたが帰ってから第三歩の方向をもう一度やり直して、次に持ってきて私に見せて。」


女学生が頷いて作業簿を収め立ち上がった、今回は彼女が正面で八千代を一つ見た、最後に彼女は頭を下げて速足で門口へ向かった


研究室の中には八千代一人だけが残った。


彼女は極めて軽く、極めて軽く、一種外から見ると机の上の某かの資料を取りに行こうとする姿勢で、上半身を前に少し傾け、額を机の面上に抵てた。


額があの涼しく、粉筆の灰と古い木の匂いが混じった机の面に触れた瞬間に下腹の奥のあの塊の鈍い熱が出口を見つけたかのように、淫紋が拡散した整片の範囲から菊の周囲のあの輪の起点から臀の内側へ、腰背へ、腰のくぼみへ同時にまた外へ半個指節の距離を拡げた。


彼女は講師服の襟を少し整え、衣襟の下沿のあの微かにずれた縫い線を引き平らにし、茶杯を端に上げて一口すすった。


「あら、次の学生は大概十分くらい来るわね。」


彼女は空の研究室に向かって軽く言い、大姉さん式の微笑はまだあった。


公会の中で、八千代が学院から自分の部屋へ戻ったばかりのとき


ソフィアが廊下のあちらから歩いてきて、八千代の部屋の扉をノックし、扉板が内側から軽く引き開かれた。八千代が扉辺に寄りかかって側身で門口を空け、講師服の上着はすでに身上から脱いでどこかへ掛けられたのか、今身上には下のあの整套の黒いレース約束帯+鯨骨腰封+一条の長裙だけが残っていた。


八千代が笑った:「あら、扉辺であなたがとても躊躇してノックしているのが聞こえたわよ。」


ソフィアが全体の人が後ろへ半歩退き、また自分に罵って原地へ戻され、彼女はあの小櫻が無理に押しつけてきた箱を八千代の懐へ半歩押し、箱の蓋が八千代の腰封の下沿のあの截の黒い緞にほとんど貼りつきそうになり、箱の角があの金属の扣環まであと二センチ、ソフィアの手首が一つ震えて箱を三センチ高く収めた。


ソフィア:「誰が躊躇したのよ、小櫻が朝一日中締めてて、誰かに来て見て血がにじんでないか見てって言ったの。私はたまたま暇だっただけ。」


八千代:「いいわね、たまたま暇な人がソフィアちゃん。」


ソフィア:「Don't ちゃん me。」


八千代:「入って、扉を閉めた方が話しやすいわ。」


八千代が振り返って部屋の中央へ向かったその一回りで、長裙が髖骨の外側の高い開きの処から歩調に帯びられて一条の縫いを開け、あの縫いは大腿の外側の一截しか露わにせず、あの截の中で、大腿内側に近いあの辺が、中段から脚の付け根のあの段へ薄い潮の意が窓辺の午後の光の下で一条の極めて細い反光を引きずり、反光が彼女が第一歩、第二歩を踏み出す間に一閃して裙の料に合わさって蓋われた。


ソフィアが門を跨いだ。扉が帯められたあの軽い響きがソフィアの後頸に一陣の電撃を炸かせ、彼女は頭を下げて床を見ることに決め、床は浅い色の木の紋で、木の紋の上に一条の彼女が朝飯桌の辺で見たかどうかわからない古い掻き傷があり、彼女はその条の掻き傷の細部を門口からベッド辺のあの小さな椅子までの距離を数え、数えてもう数えられなくなるまでようやく目を上げ、目を上げた最初の落点が八千代の首のあの条の約束帯のレース花辺から鎖骨の間に伸び、締められて一日中まだ一条の淡い赤い印を残している首で、ソフィアの視線があの条の赤い印の上で半秒も留まらずに天井へ跳び上がり、彼女は干脆目を一つ閉じ、深く息を吸った、気の中に八千代の髪の上のあの点の淡い精霊の果の香り、部屋の中に彼女が今まで嗅いだことのなかった、陽光に半分焼かれた乾燥した絹の緞の匂いが混じり、ソフィアの喉が緊くなり、緊なって彼女は唾を飲み込むのも二段に分けなければならなかった。


ソフィア:「あなたは先に上着を一枚着けないの?」


八千代:「あら、でもあなたは検査に来たのでしょう。」


ソフィア:「検査でもこんな……」


八千代:「こんなって何?」


「こんなって何」この四字が温かくてまるで追及しているようではなく、温かくてソフィアの舌が口の中でかえって結び始め、彼女は口を開き、スペイン語の某かの汚い字が喉の中で半分まで押し出されて自分に截まれ、最後に吐き出したのは:


ソフィア:「Madre mía、forget it。」


彼女は箱の中から物を一つ一つ取り出した:一本の小さな本、一本のペン、一本の目盛りのある紙の定規、一枚の湿った布、最後にあの小櫻が描いた「傷痕記録人形図」で前後両面に印字済み、すべての部位に小さな枠があり、脚の縫いの間に小さな矢印が描かれて「束縛条の回る経路、待測」と指していた。ソフィアがあの張の人形図を見て、口角が制御不能に一つ抽き、褐色の頰の上のあの条がすでに頰骨から一路耳廓まで焼けた赤がまた下へ半センチ広がった。


ソフィアの口角が一つ抽いた:「この小櫻、彼女は私たちが検死してると思ってるの?」


八千代が笑って床に置かれた鏡の前へ行き、長裙の後襬を軽く一つ振り払って腰背の視野を空け、全体の人が振り返って背中をソフィアに向け、振り返る瞬間に鏡の中に現れたのは一張の温かい大姉さんの顔で、鏡の外は約束帯に肩甲から髖骨まで勒された織紋の整片で、二人の八千代が一面の鏡を隔てて互いに見つめ合い、鏡の中のあの微笑が得意だった。


八千代:「ソフィア、あなたの字は小櫻より上手よ、あなたが埋めて、私が指す。後ろから見るのはどう? 前は私自分で見えるわ。」


ソフィアが八千代の背後の三歩へ歩き、立ち止まった、三歩がちょうどよく、彼女が自分に描いた、「医療式距離」と書かれたあの虚線のところだった。


ソフィア:「どうして後ろなの。この、この約束帯の後ろのこの条は」


八千代:「うん?」


ソフィア:「細すぎるでしょ、一日中勒めて。」


八千代:「あら、だから私ソフィアに助けてもらいたいのでしょう。」


ソフィアは深く息を吸い、その息を吸い込んだときに彼女はまたあの半分焼かれた絹の緞の匂いを嗅ぎ、八千代の後頸のあの截の髪に蓋われた皮膚が散らしている微かな体温と混じり、彼女は手を伸ばし、半分まで伸ばして収め、再び伸ばし出した、今回は伸ばしきった。彼女の食指の先が最初に触れたのは約束帯の後ろの扣が肩甲骨の内側のあの塊の位置に印し出された赤い痕で、指先が赤い痕の中央のあの金属の扣に圧されて最も深い小さな凹点に落ち、触れた瞬間に、八千代の肩が微かに一つ震え、震えて彼女の全体の背脊のあの条の約束帯の下沿から腰封の上沿へ伸びる真空帯の皮膚がそれについて極めて軽い細かな顫えを立てた。


ソフィア:「痛い?」


八千代:「痛くはないわよ、ただ少し痒いだけ。」


ソフィア:「……じゃああなた何を震えてるの。」


八千代:「あら、あなたの手がとても冷たいわ、ソフィア。」


ソフィアが指先を下へ移し、肩甲骨の内側のあの条の赤い印に沿って一路下へ描き、描いているとき彼女は実は赤い印の外の縁に沿って、皮膚から二ミリの空気の中で一段描いていて、その位置まで行って彼女は頭を下げなければ描けなくなり、約束帯の後ろの扣のあの位置まで描いて彼女はようやくあの二ミリの安全距離を諦め、爪の蓋の縁が本当の皮膚を軽く擦り過ぎ、擦り過ぎた瞬間に八千代の鼻翼が極めて軽く一つ動いた、鏡の中のあの両目があの動作を見て、大姉さん式の微笑が下へより深い弧を一つ挑んだ。


ソフィアが小さな本に書き、ペンの先が紙を凹ませるほど突いた:「Whatever。ここに一つ、一つの圧痕、勲章のように。」


八千代:「勲章、いい響きね。」


ソフィア:「私の記録の言葉を美化しないで。」


彼女は書いた:「肩甲内側左辺:勲章型圧痕一枚、赤色、深さ」ペンが止まった。


ソフィア:「八千代、深さはどう埋めるの。」


八千代:「あなた紙の定規で圧してみて、反発を見るの。」


ソフィア:「私は紙の定規をあなたの」


八千代:「あら、じゃあ爪で軽く一つ押してみて、赤い痕が散るのが速いかどうかを見るの。」


ソフィアが爪の蓋で軽く赤い印の中央へ一つ押した、彼女は「医療式」の角度を使っていて、爪の先と皮膚の間に彼女がとても客観だと思っていた角度を維持していたが、身体は買わなかった、爪が一つ押し下ろされ、赤い痕の中心が爪の先に頂き出されてより深い赤い点になり、周囲のあの充血の血色が中心から外へ一輪暈開き、輪の縁がゆっくりと元の肌色へ褪むときに、八千代の脊椎が制御不能に内へ極めて軽く一節凹み、凹む瞬間に整片の真空帯の皮膚がまるで一条の無形の線が尾椎から上へ引かれたかのようだった。


ソフィア:「Madre de、散、散るのが速い、皮膚の反応はとても、正常。」


八千代:「いいわね。」


ソフィア:「『いいわね』をやめて。」


八千代:「あら、じゃあソフィアは何を言ってほしいの?」


ソフィア:「あなたは黙って私に書き終えさせて。」


ソフィアの指先が下へ続け、八千代の背脊のあの条の約束帯の下沿から一路腰封の上沿の間に露わになった真空帯の皮膚に沿って滑り、この段は二着の束縛下着の中間の一条の露わになった、どこより白い腰背の筋肉で、指先が一路滑り過ぎたときに、皮膚自身のあの微かな、朝から一日中勒められて「圧力」に過度に敏感になった細かな顫えが指先の下から一路伝え上がり、伝え上がる途中で八千代の脊椎が制御不能に内へ極めて軽く一つ凹み、凹む瞬間に腰封が前に内へ圧され、前の束縛条が連動して張り詰め、下のあの湿った肉の割れ目がまた一つ縮み、縮む力道が前から後ろへ回り、菊の周囲のあの整輪の淫紋が拡散した範囲が熱を帯び始めていた。


ソフィアの指先が止まった。


ソフィア:「あなた、あなたさっき」


八千代:「大丈夫よ。」


ソフィア:「あなたさっき一つ縮んだ。」


八千代:「皮膚の反応はとても正常よ。」


ソフィアが手を収めて一つ振った。


ソフィア:「Madre。私は聞くべきではなかったの?」


八千代が鏡の中からソフィアのあの頰骨から下顎まで焼けた赤い顔を見た。


ソフィアが手を再び置きに戻した、今回は直接手を八千代の腰背の最も下、腰封の下沿、束縛条が前から陰部を回って後ろの菊の周囲へ回り、腰封へ回るあの金属の扣環の位置へ。指先が落ちたときにあの冷たい金属の涼意が指の腹から伝わってきたのと同時に、金属の傍のあの块の扣環に圧されて一日中の皮膚の熱意も指の腹のもう一面から伝わってきた、一冷一熱が同一の指の上で同時に起こり、ソフィアは自分でもまだ自分の息を詰めていたことに気づいていなかった。


ソフィア:「この、この扣環が押し下ろされて整块が赤いわ、あなた知ってる?」


八千代:「あら、大概は歩くときにずっと頂いているからでしょう。」


ソフィア:「どうして束縛下着は歩くと頂くように設計されているの?」


八千代:「こうしてこそ有効だからよ、ソフィアちゃん」


ソフィアの全体の顔が頰骨から耳廓へ焼け上がり、下顎へ焼け上がり、首の前側へ焼け上がり:「DON'T、don't ちゃん me。」


彼女の指先が金属の扣環の傍のあの赤い皮膚の上で大概二秒止まり、二秒の中で彼女の指先と皮膚の間に一段の空白があり、指先がようやく軽く落ちた。落ちた瞬間に、八千代が喉の奥から一つのとても軽い、とても軽い、まるでスープを飲むときにちょうどいい鹹度を味わったときのような


八千代:「うん」


ソフィアの手がまるで燙かれたかのようにすぐに収められ、指を振ったあの動作が大きくて自分でも驚いた。


ソフィア:「あなた」


八千代:「あら、ごめんね、あそこは比較的敏感よ。」


ソフィアが記録本を下半身のあのページへ翻し、翻すのがあまりに力んで、紙が彼女に翻り過ぎられた後彼女は自分が二ページ翻り過ぎたのに気づき、また翻り戻し、全体の顔が降温していなかった。


ソフィア:「私、私がまず下を見るわ。あなた、あなた裙を」


八千代:「あら、あなたがそう思うなら私は脱げるわ。」


ソフィア:「私は脱ぎたくない」


八千代:「ソフィア、正直じゃないわ。」


ソフィアの西語の連珠砲が喉の中から爆発し、五字六字七字が混じり、最後の字の尾がラテン語の巻き舌音から収めがあまりきれいでなく、まるで彼女が罵り halfway で自分の巻き舌の筋肉もついていけなくなったのに気づいたかのようだった。


ソフィア:「八千代、あなたたち古精霊はみんなこうなの?」


八千代:「みんなどうなの?」


ソフィア:「みんなこんなに、こんなに」


彼女は字が見つからなかった。


ソフィア:「こんなに『あらあら』なの。」


八千代:「いいわね、『あらあら』も形容詞になったのね。」


ソフィア:「私は帰る。」


八千代:「まだ検査が終わってないわ、下のあの段の束縛条の赤い痕がまだ記してないのよ。」


ソフィア:「あなた自分、あなた自分で見なさい、あなた自分で見えないの?」


八千代:「私自分では後ろが見えないのよ、ソフィアちゃん」


ソフィア:「DON'T」


八千代:「ちゃんはいらないわ、じゃあソフィアさん?」


ソフィア:「Don't さん me either。」


八千代が笑って腰を曲げ、両手の指先が長裙の開きの外の縁に掛け、開きを髖骨の外側から上へ撩げ、撩げる速度がゆっくりでまるで彼女がこの撩げる動作の一つ一つの寸を鑑賞しているかのようで、撩げて大腿の外側の中段まで、だが今回は部屋の中にソフィア一人だけの観客で、脚の内側のあの条の朝から積み重なって午後に椅子に圧搾され今また部屋へ戻ってきて一輪積み重なった浸潤痕が飯桌のときより一階深く、薄い反光が脚の付け根から大腿の中段へ一小段引きずり、光線が窓辺から側から照らし込んでき、反光の中でさえ細かな水珠の形が見え、一粒一粒より小さく、一番遠いあの粒が大腿の中段の肌の上に留まってまるで一粒そこに懸けられた玻璃の珠のようだった。


ソフィアの全体の人が原地で大概三秒固まり、三秒後彼女はとてもゆっくりと記録本を自分の目の前に挙げて視線を遮り、挙げる角度がちょうどよく、記録本の縁が一つ震えた。


ソフィアが記録本の後ろから半張の顔を探り出した:「謝、ありがとう。」


八千代:「いいわね、ソフィアがありがとうって言えるのね。」


ソフィア:「黙ってよ。」


ソフィアがしゃがみ込んだ、しゃがみ込んだ高さがちょうど彼女の視線を八千代の腰背のあの条の束縛条が菊の周囲を回る経路と完全に平行にさせ、彼女がしゃがみ込んだその瞬間に自分がさっきのあの「医療式距離」の虚線を越えていたことに気づいたが、この姿勢はすでにしゃがみ込んでいて、立ち上がるよりむしろしゃがみ続けていた方がまだましだった。彼女は手を伸ばし、今回はとてもゆっくりと伸ばし、ゆっくりで八千代が鏡の中から彼女のあの動作を見ているときに思わずまた笑った。


八千代:「ソフィア、あなたがあそこにしゃがんでいるのは拝んでいるみたい」


ソフィア:「邪魔しないで、私は記録中よ」


彼女の食指の先が束縛条が腰封の下沿から伸び出たあの段、ちょうど大腿の付け根を回って臀の割れ目へ入る前のあの位置に落ち、軽く織帯の縁に沿って一段描き、純粋に織帯の外の縁のあの条の自分の分泌物に浸されて暗くなった線に沿って描き、一センチ、二センチ、三センチ。


ソフィア:「ここ、ここに一条の赤い印がとても細くとても長い、一条が腰封から一路一路」


八千代:「一路どこまで回ってるの?」


ソフィア:「あなた、あなた黙って私に描き終えさせて。」


八千代:「あら、でもあなたが言わなければ私はあなたがどこまで描いたかわからないわよ。」


ソフィアの指先が織帯について臀の割れ目の内側へ伸び、描き halfway で止まった、指先が菊の外の縁まで大概まだ一センチ半で、その一センチ半が彼女がしゃがみ込んだ視線の中で光線に実際より二倍長く引かれていた。


ソフィア:「……一路回ってここに留まってる、ここで私はもう描けない。」


八千代:「どうして?」


ソフィア:「なぜならさらに描き下ろすとあなたの、あなたのあの」


八千代:「私のあの何?」


ソフィアがしゃがみ姿勢から直接立ち上がり、立ち上がるのがあまりに速くて、膝が軽い響きを発し、記録本を「ぱっ」と一音で合わさった。


ソフィア:「Madre de Dios。OK、私は記し終わった。」


八千代:「あら、まだ記してないわ、後ろの整段がまだ」


ソフィアが記録本を小櫻のあの箱へ押し戻し、箱の蓋を蓋めるとき彼女は一格ずらし、また蓋め直した。


ソフィア:「記し終わった!」


彼女はすでに門口へ三歩歩いていた。


ソフィア:「結論、皮膚は一切正常、破皮も出血もない。」


八千代:「ソフィア」


ソフィア:「私は帰る。」


八千代:「ソフィア、あなた湿った布を忘れたわ。」


ソフィア:「あなた自分で拭きなさい!」


八千代:「あら、でも一つの位置は私が拭けないわよ」


ソフィアが門辺で振り返り、全体の褐色の皮膚の顔が夕陽の逆光の中で赤くてまるで彼女の故郷のあの種の夕暮れの地平線、黄昏から夜の間に一条が全体の空を一路焼き通す線のように。


ソフィア:「八千代、私は次はもう小櫻に引っ張られて来ないわ。」


八千代:「いいわね、またね。」


ソフィア:「またねじゃなくて、もう二度とないの。」


八千代:「あら、わかったわかった、じゃあ今日はありがとうね、ソフィアちゃん」


ソフィア:「DON'T」


扉がソフィアに外から「ばん」と一音で閉められ、門の外から一段とても低く抑えられたがはっきりと聞こえる西語が伝わってきて、おそらくある種のすべての古精霊へ、すべてのちゃん後綴へ、そしてすべての大姉さん型講師への総合的な呪いだった、呪いが門外の廊下の木の床の上で断続的に大概十二歩歩き、一秒止まり、また一句より短いものを補い、それから階段口の下りる足音だった。


八千代が一人部屋に残った。彼女は鏡の中から自分の背中のあのさっきソフィアに一遍描かれた赤い印の経路を眺め、軽く笑った、その一笑で髪が髪の根のあの截の銀色の中からまた粉色の一方へ一センチ暈開き、暈開くのが静かで、まるで水が乾いた紙の上へ滲むかのようだった。


彼女はゆっくりと腰封の下沿の金属の扣環を解き、指先があの小さな銀色の搭扣を摘み、内へ一つ圧し、外へ一つ翻し、「かち」と軽い響き。扣環が一緩み、全体の前から陰部を回り、大腿の付け根を回って後ろの菊の周囲の上方へ回る束縛条が軽く彼女の身体から一格脱げた、その一脱げで、整段一日中挟まれていた私密の肉の割れ目が十二時間後に初めて再び空気と接触し、空気がその段の浸されて自分の元の温度を失った肉に触れた瞬間に、涼意が外側から内側へ竄り込み、竄り込んで肉の割れ目の奥と下腹に積み重なった一日の鈍い熱が同一の座標でぶつかり、ぶつかって八千代の全体の人が床に置かれた鏡の前でとても軽く一つ震え、手が鏡枠を掴んで安定させた。


しばらくして八千代が鏡の中の自分に向かって静かに笑った。


八千代が鏡の中の自分に向かって言った:「いいわね」


彼女は軽く、空の部屋に向かって、鏡に向かって、さっき整条の束縛条の赤い印の経路を描き一遍したソフィアの残影に向かって、一句とても小さな声を加えた。


八千代:「明日も第二堂ね。」



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