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16 「正回饋」

ギルドの二階廊下、その一枚の部屋の扉の外。


団長は壁に寄りかかって立っていた。左の脇の下に挟んだ硬い表紙のノートは最新の頁を開いていて、表紙に彼女のクレヨンで書かれた「人体実験日誌・巻一」の字跡はまだ完全に乾ききっていなかった。


小櫻ちゃんはトイレの中で偽陽具を装着している。


「それから底座」扉の内側からこもった声が聞こえてきた。まるで彼女が手のひら全体を押しつけてあの魔導具の底座をしっかり固定したかのようだった。「安定した、揺れない、OK、四角いパンツを穿く。」


布地が擦れる音が扉の隙間の下から漏れ出してきた。小櫻ちゃんが初めて四角いパンツを穿く動作で「いぇっ」という声を上げたのは、綿の布が頂上から滑り落ちて、あの円の縁に引っかかり、それから彼女自身の手で下へ押し込もうとした瞬間だった。彼女の声は半音高く跳ね上がっていた。彼女はついさっきになって、「四角いパンツを穿く」という動作がこんなに奇妙なものだと知ったからだった。まず綿の布全体が頂上のあの部分で持ち上げられ、それから囲んでいる弧線に沿って一区画ずつ張りつめ、最後に底座の縁のあの魔力の障壁のところで軽く食い止められる。綿の布はそこまで来るともうそれ以上下へ行こうとしなかった。彼女は指の節でもう一度押しつけなければならず、「ぽっ」という音がして滑り込んだ。スカートを外套の下から下ろしたその瞬間、頂端を掃いた彼女はまた「おっ」と声を上げた。その声は小腹の下から声帯を回り、鼻腔で反射して出てきた。全身があの軽い一撃で咬まれたかのようで、腰が先に半秒柔らかくなり、意識があとから追いついた。


「先生、これも書いて、スカートの裾、摩擦の程度、痛覚ゼロ、痒み」彼女は扉の中で息を切らしながら報告した。「痒み」の三文字の尾音が震えていた。「あとで学校でまたあっ!」


「どうした。」団長は頁をめくり、ペン先が紙の上で半拍止まった。


「バックパックの肩紐が底座の魔力境界に食い込んでる。」彼女は言い終わって自分で笑い出した。笑い声の中に少し震えがあった。「予想してなかったの、先生」


扉が開いた。


彼女は着替えを済ませた制服姿で扉口に立っていた。スカートの折り線が両側できっちり揃い、顔は少し赤く、目は明るすぎるほど輝いていた。脇の下に自分の二冊目のノートを挟んでいた。彼女はそのノートを抜き出して団長に押しつけた。


「この本は私の主観ノート、あなたのその本は客観記録。下校したら出てきてあなたが補記して、授業中は校門の外で待ってて」


団長は受け取った。左手一本、右手一本。言葉はなかった。


廊下の向こうからこもった声がした。


「──Carajo.」


ソフィアは晨の訓練を終えたところで、タオルを首に掛け、髪の先からまだ水を滴らせていた。ギルドの大広間から浴室の方へ向かって歩いてきた。足を二歩踏み出したところで、視線がまず団長の手にある二冊のノートに落ち、それから下へ、小櫻ちゃんの制服スカートの前方、あの正常な女生の平面より明らかに一塊余分に盛り上がった部分へ落ちた。綿のスカートが押し出されたあの弧線は、朝の光が斜めに当たっても折れ角を変えていた。ソフィアの下顎の筋肉が一度鼓動し、また緩んだ。全身があの弧線に軽く半分ぶつかったかのように、肩が無意識に後ろへ引いた。


「見てない。」彼女は言った。


「ソフィア! こっち来て見て──」小櫻ちゃんが手を上げて彼女を呼んだ。


「私は何も見てない。」彼女は頭を向け、来た道を戻っていった。タオルが彼女自身の手で反対側の肩へ払われ、その払い方が少し力みすぎていて、タオルの先端が弧を描いて普段より半周多く飛び出し、端から一滴の水が廊下の床に落ちた。滴水の音が静かな廊下の中でことさらはっきりと響いた。


薇が大広間の扉枠のあたりから半身をのぞかせた。目はまず団長を掃り、それから小櫻ちゃんを掃り、最後に「巻一」のあの行の文字に留まった。笑みがゆっくりと口角へ這い上がり、半分まで這ったところで声を出した。


「会長……家庭教師やってるの?」


「助教。」団長は言った。


薇は笑った。笑い終わるとゆっくりと大広間へ戻っていった。動作は急がず、まるでさっき半身をのぞかせたのは彼女が見間違えていないことを確認するためだけだったかのようだった。八千代の位置のあたり、卓上には一杯の熱い紅茶がまだ湯気を立てていた。彼女はもう学院へ晨の授業に行っており、紅茶には誰も手をつけていなかった。白い蒸気が立ち上り、まるで彼女の身代わりがあの空席の前の椅子に座っているかのようだった。蒸気がカップの口のあの薄い霧の層を回って天井へゆっくりと昇っていき、誰もそれを払わなければ散らない。


小櫻ちゃんは団長の袖を引いた。


「行こ行こ」


団長は引かれ、両冊のノートを脇に挟んだまま、ギルドの門の外へ引きずり出された。朝の光がギルドの看板に当たり、あの金属の文字を白く照らしていた。小櫻ちゃんが一足で門檻の外の石畳を踏み、ぴょんと二歩跳ねて突然止まり、自分のスカートを押さえた。


「先生、走ると自分にぶつかるの。」彼女は振り返って言った。神情はまるで科学的な発見を報告しているかのように真剣だった。「私たち、歩いていく。」


彼女は左手でスカートの腰を支え、右手でティーカップを挙げて一口飲んだ。熱いお茶が舌先から喉へ落ちたその一秒、下腹が一度縮んだ。下腹が縮むと同時に下のあの部分へ連動した。底座が恥骨の上の皮膚に貼りつき、下腹が縮むと底座が上へ半ミリ上がり、桿身がスカートの下で極めて細かい角度を変えた。彼女は「ん」と声を上げた。その声は鼻腔から出た。彼女は脇の下のノートを開き、クレヨンを制服の胸前のポケットから抜き、最新の行の下に書いた。「熱(口)×摩(股)=同期。」「同期」の二文字を書いたとき、ペン先が震えた。その画が小さな弧を描いて歪んだ。彼女自身がそれを見て、横に一つの注記を補った。「手が震えた。刺激有効。」


彼女はノートを団長の脇の下へ押し戻し、ティーカップを再び挙げた。


団長は小櫻ちゃんに「私はお前の先生ではない」と言った。


小櫻ちゃんは「でもあなたは私より早くズボンの中にそれを入れた経験があるでしょ」と言った。


団長はまっすぐで少し哀れっぽい目で小櫻ちゃんを見た。


「団長」彼女は「団長」の上でわざと力を込めた。二つの音節が彼女の唇から離れていった。「もう一口飲む?」


「飲む。」


彼女はまたティーカップを挙げた。今回は自分の次の足を上げるのと、お茶が喉へ入るのを同じ秒に合わせた。合わせた。熱い液体が下へ進み、舌の根が熱く、一度、足の踵が地面に着き、底座が真下から上へ頂き、桿身がスカートの下でまた軽く一拍彼女の下腹を引いた。下腹が一度縮み、声が鼻から「ん」と出た。足は止まらずに歩き続けた。


「団長、」鼻の上のあの「ん」がまだ散らないうちに言葉が続いた。「二回目はもっと正確。」


「記す。」


「私、自分で記す。」


彼女は片手でお茶を捧げ、片手でノートをめくり、歩きながら書き、足の歩調がまた一度重なった。今回は準備がなく、ぶつかったときお茶が飛びそうになった。彼女は息を吸ってお茶のカップを安定させ、クレヨンが紙の上で一本の横線を歪めて元の字跡の上を引いた。その線はさっきの「同期」の歪んだ弧より二倍太かった。


「団長、」彼女は止まってあの歪んだ線を見た。「三回目は意外。前より両方とも」


彼女は後ろのあの形容詞を言い終わらず、自分で紅茶をまた大きく一口飲んだ。熱い液体が喉へ注がれたとき、彼女の下腹はまた一度縮み、底座がまた頂き、桿身がまた動いた。彼女はそのまま止めず、さっき飲み込んだあの口の熱いお茶が彼女の身体を押し続けて、言い終わらなかった文をやり遂げさせた。


熱が下へ落ちたその一秒、彼女は朝の光の通りの真ん中に立っていた。付属学院の方角まではまだ十五分の道のり。手の中のお茶は三分の二残っていた。偽陽具はスカートの下で恥骨の上に貼りつき、底座が一種の、彼女が一日中慣れなければならない軽い牽引を発していた。あるものがそこにくっついて、最小の力で彼女を前へ引いていく。引いているのは注意力だった。


団長は彼女の左側二歩のところで止まって待っていた。


彼女は追いついた。


人波が次の信号の向こうから一度押し寄せてきた。彼女が元々歩いていたあの歩調、左足右足、スカートの裾スカートの裾、底座が微かに沈み桿身が微かに頂く、それがこの一群の知らない身体の歩調に掻き乱された。足の下を半歩踏まれ、肩を半分擦られ、彼女はまだティーカップを身体の内側へ引き寄せる暇もなく、左後ろから一人の急ぐサラリーマンが彼女の左肩から斜めにすり抜けていった。その人は側背の書包を振っていて、書包の硬い角が彼女の臀部の上縁を左から右へ一路擦り過ぎた。その擦れは重くなかったが、布地全体が内側へ半センチ陷み、連動してスカートの裾の緩みを上へ一つ押し上げた。底座がスカートの下でその半センチの変位に押され、圧点が動いた。元々恥骨の上のあの慣れた小さな円に貼りついていたものが、上へ半指滑り、一本のまだ押されていなかった筋肉に当たった。桿身がそれについて下腹の奥深くへ角度を変えて内側へ頂いた。彼女は全身を前へ一度縮めた。まるであの擦れ衝突に押されて、予告のない小さな座り込みをしたかのようだった。「ん」という声は後ろのバイクのエンジン音にすっかりかき消され、彼女自身も本当に出たかどうかわからなかった。


「ぶつかられた。」


「記した。」


彼は右の脇の下のその本を動かさず、左の脇のその本を抜き出した。表紙の「人体実験日誌・巻一」の幾文字が外へ半秒閃いてまた彼に裏返され、脇の下へ押し戻された。彼は外套の内ポケットから一本の短く削ったクレヨンを取り出した。クレヨンの先が紙の上で削られる、あの乾いた、少し粘りがあり少し擦れる「さ」という音が、街のエンジン音の中でかえってはっきりと聞こえた。彼は字を彼女より整えて書いた。「07:52 通勤時の圧迫、外部から臀部上縁への衝撃、受動的トリガー。」「受動的」の二文字、彼は自分で振り返って一本の下線を加えた。その下線が押し出された瞬間、彼女の下もそれについて一度縮んだ。まるであの二文字が直接彼女の身体の中に書かれたかのようだった。


前方のまた一人、竹編みの菜籠を提げたおばさんが対向からすり抜けてきた。菜籠の外縁の籐編みの毛羽が彼女のスカートの側面を上から下へ擦り過ぎた。彼女はその逆方向の力に連れられて半歩よろめいた。スカートの裾全体がその半歩の内で偽陽具を前から後ろへ一回完全に掃いた。一回、底座のあの少し熱を持った締め付けの輪から、上へ桿身の中段へ、そして頂端のあの輪へ。朝からずっと彼女が回り歩いていた小さな円、一枚の布、一本の身体全体の長さ、一回。彼女は息を吸った。


「団長」


「記した。」


「違う、」彼女は手を伸ばして彼の袖を掴んだ。「こっち側を歩く。」


彼女は彼を道路の内側へ半歩引き、自分は外側へ滑り出た。外側の方は風が強く、人が多い。


三十メートル歩いた。前方の露店間の隙間から二人の見覚えのある制服姿が姿を現した。


「櫻!」


双馬尾の女生がまず彼女の前にすり寄ってきた。第一眼で彼女の顔を凝視し、第二眼で下へ、団長の脇の下のあの二冊のノートの表紙へ漂い、第三眼で彼女の顔へ戻って固定した。「あなた顔.....」


「おはよう!」彼女はその文字の後ろに文を繋いで持っていった。「こちらは私のギルドの会長、私たち今訓練をしてるの。」


「……」


「訓練?」短髪の同級生が双馬尾の後ろから頭をのぞかせた。


「そう、」彼女は頷いた。指はまだ団長の袖口を掴んだまま離さず、下の底座は彼女がさっき身を引いたその回転で、より密着した角度に変わって恥骨に貼りつき、呼吸するたびに桿身がスカートの下で無音で内側へ半ミリ軽く頂いていた。「私、最近日常観測の訓練をしてて、会長は監督員で、彼は一日中私に付いてて、身体の反応を記録するの」


双馬尾の視線がまたあの二冊のノートへ二度目に漂った。団長は彼女の目と合い、一度頷いた。


「こんにちは。」


「こ、こんにちは。」


「それであなた顔が赤いのは訓練のせい?」短髪が首を傾げた。


「そう、」彼女はとても真剣だった。「身体反応の一部。」


「ふーん、じゃあ集中してね。」


「うん。」


「あの……」双馬尾はまだ諦めていなかった。「ノートに何て書いてあるの?」


団長は左の脇の下のその本を少し角度を変え、ちょうど「人体実験日誌・巻一」のあの列の文字を双馬尾の視線に二秒間正対させ、それからまた裏返して挟み込んだ。


「……」


「行こ、」彼女は団長の袖を引いた。「遅刻する。」


二人の同級生は元の場所に残され、双馬尾の手はまだ半空に挙がっていた。


街角の朝食屋台の煎り卵の香りがまず届いた。鉄板の表面から油が焦げた縁の甘い匂いを伴って這い上ってくる。それが彼女の鼻腔に染み込んだとき、彼女の下腹は軽くまた一度縮んだ。鼻腔と下は同じ一本の線のように、香りが先、油の音があとで、「じゅっ」という音がヘラのところからようやく追いついてきた。頭に布を巻き、花柄のエプロンを着けたおばさんが顔を上げた。


「えっ、櫻ちゃん今日は何を」


おばさんは彼女の顔を見て、ヘラを半空に止めた。


「どうしてそんなに顔が赤いの。」


「運動してきたの。」


「こんなに朝早く運動?」


「うん。」


おばさんの目は団長の身体へ漂った。団長は彼女の後ろ半歩に立ち、脇の下に二冊のノート。


「……彼氏?」


「違う。」


「じゃあこの人は」


「ギルドの会長。」


「……ふーん。」目は団長の顔からノートへ滑り、彼女の顔へ戻り、また団長の顔へ、最後に自分のヘラの下で今まさに縁が固まりかけている卵の皮の上へ落ちた。「……卵焼きに唐辛子入れる?」


「入れる。」


「はい。」


おばさんは頭を下げて卵を返した。彼女は手を伸ばして制服のポケットから小銭を取り出した。この屈みはごく普通の屈みだったが、スカートの裾が前から後ろへ逆方向に偽陽具を一回掃いた。今回は逆で、頂から底へ。彼女は準備ができていた。唇は開かず、「ん」が上下の唇が開いていない隙間から小さく漏れた。ヘラが鉄板を叩く「きん」という音に覆い隠され、おばさんは聞いていなかった。彼女は小銭を差し出し、卵焼きを受け取り、一手で卵焼き、一手でお茶。


二人は歩き続けた。校門の尖塔が次の路地の角の後ろからそっと半截をのぞかせていた。


団長が彼女の横を通り過ぎて歩き出た。小櫻ちゃんは頭を向けて彼を見た。視線が彼の視線と零点三秒重なった。彼女の口角が動いてまた収まり、また動いてまた収まり、最後にすぼめて彼に無言の口の形で言った。


「か—い—ちょう—あ—な—た—い—る」


一つ一つの文字で彼女の唇が開いては閉じ、まるでこの文を四つの小さなビスケットに割り、一つ一つ彼の目に食べさせているかのようだった。団長はわずかに一度頷いた。


彼女はまた口を開いた。


「き—おく—し—て—お—く—れ—わ—た—し—が—す—わ—る—と—き—の—は—ん—の—う」


この一句は長すぎて、第八文字まで割り切ったとき、彼女自身も口角が少し震えた。彼女はこらえ、最後の三つの音節までこらえ、こらえ終わってから口を収めた。団長はまた頷き、振り返って廊下の反対側へ行った。


授業の鐘が鳴ったとき、彼女はすでに自分の席の隣に座っていた。


鐘の音の尾が半秒引きずった。


教室の後ろの扉が押して開かれた。


八千代が中へ入ってきた。講義資料を脇に挟み、視線は入った瞬間に教室を一回り掃った。第一列の小櫻ちゃん、後ろの窓際の位置で頭を下げてポケットからクレヨンを抜いている団長。彼女は彼の方向へ極めて軽く一度頷いた。下顎は動かさず、ただまぶたを下へ押し下げるような頷き方だった。それから彼女は顔をクラスの皆の前に戻した。


講台の灯が彼女の肩に当たり、襟元の影を左側へ一截引き伸ばした。あの影の縁と彼女の鎖骨の下のあの輪の布地の弧線が繋がり、弧線はゆっくり、影はゆっくり、講台全体がこの一秒で半拍遅くなった。


「おはよう、皆さん。」


「おはよう」


彼女は講義資料の紙をめくる音がさっぱりしていた。紙と紙が擦れるあの薄く清い響き。「先週のところをめくって」彼女の声は柔らかくゆっくりだった。「復習、五分間、三問目から始めなさい。」


小櫻ちゃんは座った。


彼女はただお尻を椅子のクッションへ落としようとしただけだった。標準動作、毎日やっている、十何年もやってきた。彼女の膝が曲がり、骨盤が椅子のクッションへ降り、お尻の肉がまず木に触れた。


椅子のクッションは硬い木だった。底座が桿身に繋がり、桿身が彼女の恥骨の内側の、あの彼女が今日まで知らなかったほど敏感な場所に繋がっていた。重さが上から下へ底座へ伝わり、底座が椅子のクッションにぶつかり、クッションがこの力を元の道へ跳ね返してきた。全体の衝撃が彼女の身体の中を進む経路は、底座→桿身の根元→恥骨の内側のあの小さな輪の神経だった。


「ん!」


その声は彼女が押さえきれなかった。鼻腔から噴き出し、短く、単音で、少し上向きの尾を引き、全体の音の長さは零コンマ四秒にも満たなかった。しかしすでに静かになった教室の中で、その零コンマ四秒はまるで一本の鈴の束を床に撒き散らしたかのようだった。


前列の女生が振り返った。


小櫻ちゃんはすぐに手を挙げた。


挙げる速度は彼女が思っていたより速く、肘がすでに耳の横まで挙がってからようやく自分が挙げたことに気づいた。彼女はこの動作に沿って顔の筋肉をもう一度整え直し、口角を標準の優等生の弧線へ引き、目をちょうどいい、心虚を見せない大きさに開き、喉のあの半口まだ吐き終わっていない息を押さえ込んだ。


「先生、」彼女の声は半分安定し、もう半分を喉に押し込んだ。「復習の準備はできてる。」


八千代が目を上げた。


彼女が講義資料から上げたその一眼はとても軽く、まるで人を見ているのではなく、置き場所を間違えた句読点を見ているかのようだった。「聞いてないわ。」


「三問目をめくりなさい。」


「はい。」


彼女は手を下ろした。手を下ろしたのと同時に、桿身がスカートの裾の下でまた恥骨の方角へ零点五ミリ頂いた。なぜなら彼女の骨盤がさっき手を挙げたときにまた少し動いたからだった。


彼女は唇をすぼめた。


彼女は三問目をめくった。


三問目の紙がめくられたのと同じ秒に


紙が彼女の食指と中指で右上角を摘まれて左へ一枚めくられ、書頁が空気を切るあの音がまだ落ち終わらないうちに、彼女の右手はすでにクレヨンの横から机の縁を滑り下へ落ち、指先が制服のスカートのあの薄い格子のスカート布を隔てて、大腿の根に頂いているあの硬い部分を探っていた。触れた。あの円い縁の底座だった。彼女はそれを少し横へ押してみようと思った。一センチでも、半センチでもいい。ただ角度を変えるだけ。指の腹がスカート布を隔てて押しつけた。硬いものが布地の向こう側から押し返してきた。圧力の線が彼女の大腿の根から一路恥骨の上のあの小さな皮膚へ通じた。彼女の下腹はすぐに一度縮んだ。あの「ん」がまた鼻から半声出た。今回は間に合った。下唇を咬んで押さえ込んだ。しかし遅すぎた。耳はもう赤くなっていた。外縁のあの薄い軟骨から焼け始め、耳介に沿って内側へ、そして下へ首の根のあの細い線まで伝わっていた。


教室の後列


団長は「人体実験日誌・巻一」を開き、クレヨンを抜いた。


「08:03 着席、クッションが下から底座を押し上げる。能動的着席+受動的強制の双トリガー。」


彼は書き終わって小櫻ちゃんの後頭部を見上げた。耳が赤く、点灯した二つの小さな提灯のようだった。外側から赤くなっている。彼は下に一行補った。「耳:赤、外縁から内側へ。」


クレヨンを置いたその一秒、前列の通路寄りの双馬尾、さっき街で小櫻ちゃんと肩を並べてすれ違ったあの人が、頭をわずかに三十度振り返り、視線が一本の細い糸のようにまず小櫻ちゃんの今まさに熱を持っている耳を掃り、それから後ろへ団長の脇の下に挟んだあの硬い表紙の本へ引き、「!」という表情を彼女は少しも隠さなかった。瞳孔が一拍拡大した。


下校の鐘が鳴った。


彼女の左手はまだ大腿の上に置かれていた。鐘の音の第一声が鳴ると同時に、彼女は手を抜いた。抜くのが速すぎて、指の関節が机の縁のあの木の縁にぶつかり、「たっ」という音がした。その音は大きくなかったが、前列の双馬尾の耳が動いてまた振り返った。


八千代は慌てず、講義資料を畳み、脇に挟み、頭は上げなかった。


八千代:「小櫻、事務室に来なさい。」彼女の語速は少し遅く、笑みを帯びるほど遅く、目尻がわずかに上がっていた。「身体検査よ。」


教室が半秒静かになった。


後列


団長はクレヨンを抜いた。「巻一」を開いた。


「08:47 下校の鐘、講師が呼び出し、公開。被験者の体感が座りから立ちへ重心移動でトリガー、声が漏れた『ん』。」


彼は書き終わってノートを閉じ、脇の下へ挟み戻した。頭を上げたとき、ちょうど八千代が小櫻ちゃんの方から移してきた視線と重なった。半秒止まり、彼女の口角が少し動いた。


小櫻ちゃんの耳は恥ずかしさで赤からさらに赤く変わり、耳介のあの層の軟骨がほとんど血色を透かすほどだった。


小櫻ちゃん:「い、いくいく、はやく」


八千代はもう教室の扉口まで歩いていて、扉を押し、頭をわずかに側へ戻して二人の方を待っていた。


扉の外、廊下の光があの高い窓から一区画ずつ切り込んできて、ちょうど彼女のあの銀粉グラデーションの髪の先に当たっていた。一本の極めて細い明るい線を照らし出し、彼女の耳の後ろから肩甲骨の縁へ流れ落ちた。光点があの線の上を、彼女が身体を側ける動作に合わせてゆっくりと移動していた。


小櫻ちゃんは息を吸い、踵が地面に着いた。


廊下は十歩しかなかった。


八千代は事務室の方角へは行かず、足先が一転して左へ曲がり、銀粉グラデーションの髪の先が襟口の辺で半道の明るさを掃って、保健室のあの半透明のガラスの扉へ進んでいった。室内には誰もいなかった。午前の空き時間、校医は朝食を食べに行っており、卓上に蓋のないヤクルトの瓶の口にまだストローが刺さっていた。彼女は中へ入って勝手に扉を閉め、靴の踵が床タイルを踏むあの二歩はほとんど音がなく、足は直接一番奥のあの病床の周囲へ向かった。四枚の白い仕切りカーテンが天井のレールから垂れ下がっており、半日誰も引いていなかった。布面はまるで今しがたアイロンをかけたばかりの白紙のように平らだった。


「座りなさい。」八千代は言った。


小櫻ちゃんは病床の縁に座った。マットレスが彼女のお尻のあの格を飲み込んだ瞬間、校服のスカートの下のあの綿の布を頂いている弧がそれについて内側へ一寸収まってまた弾み返ってきた。彼女は無意識に膝を挟み、また緩めた。


団長は立っていた。


八千代は横の小さなカートから一本の丸いスツールを引き寄せた。スツールの脚が床タイルを滑る短い「きし」という音を立て、彼女自身が座った。距離は小櫻ちゃんの膝にちょうど触れないが、手を伸ばせば触れられるような距離だった。講師服のあの紺色のスカートの裾がスツールの縁に垂れ下がり、スカートの角が自分のふくらはぎに軽く掛かっていた。動かなかった。


八千代の銀粉グラデーションの髪の先が襟口の辺で軽く一度動いた。「立ち上がったさっきのあの反応は、底座の位置が変わったのか、それとも純粋に驚いただけか。」


「位置が変わった。」小櫻ちゃんは次の頁をめくり、クレヨンの先を紙に当てた。「八時四十六分、私、自分で手を使って底座を真ん中から右側へ二センチくらい押して圧力の差を試したの。さっき立ち上がって重心が移動したときまた真ん中へ戻ったの。あの距離を跨いだとき」彼女は言葉を探して止まり、舌先で上顎を一度押した。「予想よりずっと顕著だった。」


「うん」八千代は首を側けて少し考えた。髪の先がそれについて半指側へ行った。


「あれはいいこと? それとも調整した方がいい?」


小櫻ちゃんは半秒呆けた。この質問は彼女がノートに前もって擬しておいたものではなかった。彼女のクレヨンが紙の上で止まり、ペン先のあの薄い赤の輪が紙面に小さな印を押し出した。彼女は頭を下げてあの印を見た。まるでそれが自分に答えを教えてくれるのを待っているかのようだった。


「……私」彼女の声は一格細くなった。「私……分類して……ない。」


「じゃあ分類しなさい。」八千代は笑いながら言った。


「立ちなさい。」八千代は続けて言った。


小櫻ちゃんはノートを病床の縁に置き、立ち上がった。マットレスが反発したその一瞬、校服のスカートの裾が立ち上がった瞬間に膝の上から下へ滑って元の位置へ戻った。スカートの角が彼女の大腿の前面を擦り過ぎ、綿の布が頂端のあの部分を滑ったとき、彼女は無意識にまた半口息を止めた。


「スカートを捲り上げなさい。自分で捲りなさい。」


「はい。」


小櫻ちゃんは両手でスカートの裾の両側を掴んで上へ捲り上げ、大腿の半分までで止まった。「先生、私ここまで捲れば見える?」


「もう少し上。」


「はい。」彼女はまた五センチ高く捲り上げ、大腿の三分の二の位置まで。校服のスカートが彼女の両手で腰の方へ押しやられ、一輪の柔らかい灰色の布の山に積まれ、下の第一層の学院指定の灰色の短いライニングパンツが露わになった。大腿に貼りつき、半分のお尻の下まで包み、前方の中央寄りのあの部分が明らかに一塊盛り上がっていた。綿の布があの部分で両側よりずっと張りつめ、織り目が一本一本はっきりと押し出されていた。


八千代はスツールから半分しゃがみ込んだ。彼女の膝が床タイルの辺まで曲がり、手を伸ばし、ライニングパンツの腰頭の両側を摘まみ、下へ引いた。布が小櫻ちゃんの臀部から滑り落ち、大腿の中段で引っかかり、八千代がもう一度引くと、膝まで。小櫻ちゃん自身が片足を上げ、また片足を上げ、ライニングパンツが床に落ち、不規則な円を描いて広がった。


続いて四角いパンツ、黒い綿の布、運動用、学院の標準女生用、前方のあの部分の綿の布が偽陽具に押し上げられて明らかに一つの弧を描いていた。ライニングパンツの層よりさらに密着し、さらに硬くあの形を押し出していた。綿糸の織り目が弧の頂に沿って一本ずつ斜めの線に押し上げられていた。


八千代は目を上げて小櫻ちゃんの顔を一度見た。


彼女の指の腹が四角いパンツの腰頭の両側に引っかかった。今回は前の条よりゆっくりだった。なぜなら綿の布が底座のあの角度を回らなければならず、彼女は布を両側へ押し広げてから下へ押し、底座の頂端を回るとき、綿の布が頂端のあの部分と一回摩擦した。


「っあ。」


その声は少し「おっ」に偏り、鼻腔から出て、尾音が半音高く跳ね、声の中に予期していなかった一点を掴まれたような明るさが帯びていた。


「先生、あの一回、記録して。」小櫻ちゃんの声は明るかった。


「どこに。」


「左欄。」彼女は言った。ほとんど一拍も置かずに。「あの摩擦の線、すごくいい。」


八千代は少し笑い、布を下へ押し続け、回し過ぎ、太腿を滑り落ちた。小櫻ちゃんはまた自分で足を上げ、四角いパンツがライニングパンツの上に重なって落ちた。黒い布が灰色の布の上を圧し、二層の綿の布が触れ合ってほとんど聞こえない「さ」という音を発した。一本の脚管の開口部がまだ少し空気を含んで膨らんだまま塌れていなかった。


団長の背中。


彼は反対側を向いていた。小櫻ちゃんが「はい」と言ったとき、彼は振り返っていた。背中をまっすぐに、二人の方を背に、左手脇に一本のノートを挟み、右手でクレヨンを抜き、左の脇のもう一本を下敷きにして、背中越しに字を書いた。


「09:58 記録員背向、資料の完全性の原則により講師が目視検査段階を引き継ぐ。」


小櫻ちゃんは頭を下げて自分の校服のスカートが自分自身の手で腰の窪みに挟まれている一段を見た。布地が二つのふくらみに腰の側で折れ、下半身全体が保健室の乳白色の灯りの中に露わになっていた。大腿の根のあの皮膚は元々綿の布に覆われているはずのものが、今はあのものだけが残り、黒く、つや消し、恥骨の上のあの小さな皮膚に貼りついていた。底座の楕円の縁が皮膚に浅い陷んだ弧を押し込んでいた。桿身が前へわずかに傾き、彼女の小腹との間に短い一段の空気が残っていた。あの空気の段は彼女がさっき腰を動かしたときに一緒に揺れていた。彼女は頭を下げて自分の鎖骨の方角から下へ見下ろし、自分の小腹が呼吸に合わせて一度上下するのを見、底座のあの皮膚に押し込んでいる陷みが呼吸についてまた一度深浅を変えるのを見た。彼女は見ながら「っお」と声を上げた。その声は自分がこんな風になっているのを見たその瞬間に喉から漏れ出たものだった。


「先生。」


「ん?」


「それ」


「それがどうしたの。」


小櫻ちゃんの目は少し大きく見開かれた。「私が一つのことを発見した、急いで話さなくちゃ」という見開き方だった。彼女の下顎を下へまた一センチ押し、桿身を凝視した。「動いてる。」


八千代は彼女の真正面、距離およそ二十センチのところでしゃがんでいた。講師服の裾が足元に広がって一枚の濃い灰色を敷き、腰をまっすぐに、視線が桿身と水平だった。彼女は見た。桿身がゆっくり、非常にゆっくり、元々の長さから外へ一センチほど押し進み、また一センチ。元々わずかに下へ傾いていたあの弧度が、まるで内側から誰かにゆっくり持ち上げられるかのように、少しずつまっすぐになり、底座のあの輪が桿身について前へ伸び、恥骨へより実質的に少しずつ圧しつけていった。小櫻ちゃんの小腹の皮膚のあの浅い陷みが半ミリ深くなり、縁の皮膚がよりはっきりとした一本の赤い線を押し出していた。外から見れば一本の線、彼女の身体の中では鈍く、暖かく、骨に貼りついて熱を下へ漫していく一点だった。


「魔導具が応答している。あなたの状態を読んでいるのよ。」


「私、制御してないよ。」


「自分で読んでいるの。」


小櫻ちゃんはそれを凝視してまた「っお」と声を上げ、音を長く引き、尾を高く上げた。「せん—せい—こ—れ—す—ご—く—お—も—ろ—い—。」一つ一つの文字が口から飛び出してきた。まるで彼女がそれぞれの文字に拍子を取っているかのようだった。言い終わると彼女は笑い出し、お腹の筋肉が一度収縮し、また一度収縮した。その二つの収縮が腹直筋から一路恥骨の上のあの小さな一片へ伝わり、底座の接触面がそれについて押しやられて角度を一度変え、桿身がまた外へ半センチ押し進んだ。押し進むのと同時に底座が恥骨へより深く一寸圧し込んだ。その一寸の圧し込みは彼女の身体の中では「どん」だった。笑いの拍子と揃い、笑うたびに身体が自分の反応に一つ突かれた。


「っお」


小櫻ちゃんはもっと大声で笑った。「先生、これなんて言うの、これこれ」彼女は言葉を探し、眉が寄ってまた緩み、緩んだ瞬間に思いつき、顔全体が明るくなった。「せい—の—ふ—ぃー—ど—ば—っ—く! 正のフィードバックよ! 先生、私のノート!」


彼女は手を伸ばして病床の縁のあのノートを掴むと、身体が一度動き、左の腰がそれについて回転し、腰に捲っていた校服のスカートが彼女の左の指の間から緩んで落ち、布の角が二センチ下へ滑った。彼女の左手が反応して急いで押し戻し、右手が半空に懸かっていた。クレヨンは元々制服の胸のポケットにあり、彼女の右手は半分伸ばしたところでノートを取るのならクレヨンは取れない、クレヨンを取るならスカートを押さえられないことに気づいた。彼女の左手でスカートを押さえ、右手でノートを掴み、あのクレヨンは?


「私の手。」彼女は言った。声が軽く一格上へ跳ねた。


八千代は言葉を受けなかった。彼女は床から小櫻ちゃんがさっき一本一本足を上げて脱いだ灰色のライニングパンツと黒い四角いパンツを拾い上げ、ライニングパンツを一度二つ折りにし、四角いパンツをライニングパンツの上に重ね、二枚の布を整えてスツールの上に置き、角を揃えてまるで彼女が研究室の実験台を整理しているかのようだった。それから自分の講師服の腰側のあの濃い細い帯の下から一本の銀色の細いペンを抜き出した。ペンはとても短く、軸が磨かれて光り、まるで何年も使ったもののように見えた。


「私が書く。あなたが言う。」


「9:59 正のフィードバックのトリガー、魔導具が使用者を読んだ、体感が拡大」彼女の声は速く興奮していて、口調がはっきりしていて、まるで彼女が小さい頃から家で訓練されて実験条件を正確に話すようにさせられてきたかのようだった。「拡大の幅度は測定待ち! 先生、まだ膨らんでる!」


八千代はしゃがんだまま、左手で自分の膝を支え、右手で銀のペン先を掌の上で下敷きにし、掌のあの小さな皮膚の上で字を書いた。銀のペンの先が掌紋を滑る極めて軽いさらさらという音が、保健室の仕切りカーテンが閉まったこの小さな空間の中でことさらはっきりと聞こえた。桿身がまた半センチ伸びた。


小櫻ちゃんは膝を曲げてゆっくりしゃがみ込んだ。校服のスカートが彼女の膝が曲がった瞬間に腰から滑り落ち、下半身の半分を覆った。彼女の左手はまだ死ぬほどスカートの腰を押さえていたので、スカートは半分しか滑り落ちず、もう半分はまだ腰の窪みに掛かっていた。彼女はしゃがみ続け、大腿とふくらはぎが折りたたまれ、大腿の内側の肉が中央へ押し出され、底座が大腿の姿勢の変化で両側から内側へ少し押し込まれた。その少しが彼女の身体の中ではまた「どん」だった。さっきのよりゆっくり、まるで石が水底へ沈むように。


八千代はスツールから滑り落ち、右膝をまず床に置き、左膝がそれについて曲がり、全身が小櫻ちゃんの側前方に片膝をついた。講師服の長いスカートが彼女の膝の辺に広がって、まるで濃い灰色の水が平らに広がったかのようだった。彼女の顔と小櫻ちゃんの顔は今ほぼ同じ高さで、二人の視線の下五センチが二人とも見ているあのものだった。


二人の女生が並んでしゃがんで自分の下半身を見ていた。


「上から下へ見るのと、正前方から見るのと違う。」


「うん。」


「正前方から見るのは『外へ向かう』、上から下へ見るのは『下へ指す』。」彼女自身の下顎が自分の鎖骨に押しつけられ、引き続き下へ見ていた。校服の襟口のネクタイが下顎が押し下げられたことで歪に押しつぶされていた。「先生、見て、あの角度から」


「天井を指しているわ。」


「そう!」


二人は並んでしゃがんで二秒沈黙した。その二秒の間、保健室の仕切りカーテンの外の空気はとても静かで、小櫻ちゃんは自分の心臓の音が恥骨のあの小さな一片と底座の接触面で軽くぶつかっているのが聞こえた。ぶつかり、またぶつかり、ぶつかるたびに桿身が彼女の視線の縁でとてもわずかに震えた。それから外の廊下の向こうから誰かが通り過ぎ、二人の女生の足音、話はしておらず、革靴の底が磨き石の地面を踏むかちゃかちゃという音がまず近づき、保健室の扉口を通り過ぎ、また遠くへ、さらに遠くへ、廊下の角の向こうで消えた。


あの桿身が外の足音の周波数について一緒に震えていた。


八千代は仕切りカーテンの足元からあの四角いパンツを拾い上げて差し出し、自分で立ち上がった。銀のペンが腰側のあの格納ポケットへ滑り込んだ。講師服の裾がさっきしゃがんで押し出された二本の折り目が、彼女の手のひらで下へ一拭きされ、腋の下から大腿の外側へ一道、一秒の内でさっき保健室へ入ってきたときのあの八千代に戻っていた。


小櫻ちゃんはあの布を受け取って病床の縁に座り直した。校服のスカートはまだ腰に掛かったまま脱げていなかった。彼女は足を上げてまず一本の四角いパンツを穿き、大腿の半分まで引き上げたとき、あの綿の布が底座の頂端を回って入ってくる前の、彼女が一度引っかかったことのある同じ角度で、布地の内側があの円い縁に沿って滑った。頂を越えようとしたとき、零点何秒か引っかかった。「っお。」一文字が口から出た。今回は彼女はすでに撃たれることを知っていて、すでにその一撃を待っていた。撃たれたあと、彼女はただ笑い声を一つ上げ、資料を叫ばず、ノートも書かず、引き続き穿いて位置まで引き上げ、またライニングパンツを穿いた。リズムは速かった。綿の布があの角度を回るのにどう通るか、彼女自身の腰が先に零点五度傾けてそれに道を譲った。校服のスカートが下ろされた。下半身は外から見れば校服の標準状態に戻っていた。


彼女は立ち上がって重心を測り、一度震えた。


八千代:「行くわ。次の授業は三階の魔法理論の教室よ。団長、あなたが付いていきなさい。」


団長:「うん。」


八千代は仕切りカーテンを開けた。三人が仕切りカーテンの外へ魚貫して出た一秒、保健室のガラスの扉の外でちょうど人影が一瞬揺れた。校医が朝食を食べ終えて戻ってきた。扉が外から押し開かれ、消毒液の匂いと彼の外套に残ったコーヒーの匂いが前後して扉口の空気へぶつかってきた。


八千代は足を止めず、さっきのスツールを元の位置へ押し戻した。肘が仕切りカーテンの環の滑り棒に触れた「しゃん」という音が、ちょうど小櫻ちゃんが息を吸ったあの半口を覆い隠した。


「先生、おはよう。」八千代が口を開いた。


校医:「八千代先生。あなたたちは」


「彼女、さっき低血糖だったの。」八千代の手がとても自然に小櫻ちゃんの肩へ落ち、校服の外套のあの薄い生地を隔てた温度が一秒伝わってきた。「私が測ってあげたけど、大丈夫。私が彼女を次の授業へ連れていくわ。」


校医:「ふーん。」彼の視線が小櫻ちゃんの顔へ移った。実は普段彼女が受付に来るときよりずっと見栄えがよかった。「次に低血糖になったら直接私を探しなさい。」


小櫻ちゃん:「はい。」彼女は素直に頷いた。普段より少し小さい幅度。腰が動くと底座がスカートの下で圧点を換える。


三人は保健室の扉を出た。


廊上では学生が流動していた。前の授業が終わったばかり、次の授業が始まろうとしていた。鐘はまだ鳴っておらず、書包の肩紐が校服を擦る窸窣という音が壁の間で反響していた。


小櫻ちゃんは真ん中を歩いていた。一歩ごとに桿身が彼女のスカートの下でゆっくりと回収されていくあの過程が、彼女の足の歩調と一つの彼女が予期していなかった位相で重なっていた。左足が地面に着くとき、あの塊が彼女の身体の中で一格退き、右足が地面に着くとき、あの塊がまた一格戻ってくる。退き、漲り、退き、漲り。彼女の普段の歩調に重ねられていた。彼女は手を伸ばしてクレヨンを制服の胸のポケットから探り出し、ノートブックの表紙に貼りつけた。


「廊下歩行時の退漲のリズムと歩調の同期」


クレヨンの頭が表紙の硬い殻の上を滑って軽くさらさらという音を立てた。


団長は彼女の左側半歩で、彼女のために人を避けていた。


八千代が前で道を案内し、銀粉グラデーションの髪の先が廊下の光の下で一晃一晃していた。髪の根の黒から先端の銀へ向かうグラデーションが、一晃するごとに窓格子の光の柱の中で一截違う色の明るい縁を受け取っていた。


魔法理論の教室。


下校の鐘の二声目がまだ鳴り終わらないうちに、彼女はすでにノートを閉じてポケットに押し込み、書包を背負い、椅子を後ろへ押し、立ち上がった。立ち上がったその一秒、重心が移動してまた「っお」、彼女は下唇を切って咬み、教室を出た。


廊下。


双馬尾:「小櫻、今日はどうしてそんなに急いでるの?」追いついてきた。


小櫻ちゃん:「お腹すいた。」


双馬尾:「あなた朝、卵焼き食べたでしょ。」


小櫻ちゃん:「今またすいた。」


短髪がもう片側から追いついた。「何食べるの。」


小櫻ちゃん:「何でも食べる。」


食堂の入口の人波が十一時から蓄積し始め、十一時零三分がピークだった。油煙と蒸気が配膳区から一路入口まで敷かれ、肉の焦げた香り、卵の蛋白の気、鍋の縁のあの三回目に煮詰められた出汁の味、三層の味が層を重ねて彼女の鼻腔へ圧し込んできた。小櫻ちゃんが中へ割り込み、前の一人の背の高い男子に塞がれ、後ろの一人のトレイを提げた女生が彼女の背後からすり抜けてきた。トレイの角が彼女の校服のスカートの左側を擦り、小櫻ちゃんは全身を右側へ半歩閃かせた。


あの半歩で彼女の右の大腿の内側が偽陽具の底座の側面を擦った。


小櫻ちゃん:「っお」喉から硬く鼻腔へ切り替わって「ん!」になった。


双馬尾が振り返った。「大丈夫?」


小櫻ちゃん:「ぶつかった。」


双馬尾:「そうね、混んでるわ。私たち早くトレイを取ろう。」


配膳の窓口。


おばさん:「櫻ちゃん~ 今日は何がいい?」花のエプロン、髪を一輪巻き、杓子が鍋の上で一度叩いた。その「どん」という音がステンレスの鍋の縁に沿って震えて外へ行き、油煙の中の肉の香りを一格前へ押しやった。


小櫻ちゃん:「全部。」


おばさん:「え?」


小櫻ちゃんは自分の空のトレイを一度見て、「ごめんなさいおばさん、ご飯、青菜、卵、肉、スープ。」


おばさん:「五品?」


小櫻ちゃん:「五品。」


おばさん:「今日はどうしてそんなに食べられるの。」


小櫻ちゃん:「午前中すごく疲れた。」


おばさん:「魔法理論の授業?」


小櫻ちゃん:「そう。」


おばさん:「教授またあの位相の話をしてるんでしょ。」彼女は肉を小櫻ちゃんの皿へすくい入れた。一杓子赤褐色の煮汁が飯の縁へ落ちて小さな輪の油花を跳ね上げた。「私たちも前聞いたけどわからなかったわ。」


双馬尾が後ろで笑った。「おばさん、あなた魔法理論聞いたことあるの。」


おばさん:「私の娘が先学期彼の授業を受けて、家に帰って泣いてたわ。」


短髪も笑い出した。


小櫻ちゃんはトレイを受け取り、重い手で端を持ち、もう片方の手で下縁を支えて席へ向かった。トレイの前縁のスープの碗が一歩ごとに一度揺れ、スープ面が碗の縁のあの輪の油の光る波紋を一輪追って一輪、彼女は一歩ごとに重心をどう置くかを計算し、左手で下縁を支える親指でついでに食事皿の右側の飯碗を押さえていた。


三列目の窓際の四人卓へ。双馬尾と短髪はもう座っていて、内側の位置を残していた。


内側の位置、彼女は卓の脚を回らなければならなかった。回った。


小櫻ちゃん:「っお!」


彼女が卓の脚を回ったその一秒、腰の側面が卓の縁に擦られ、底座が外へ押し出され、スープの碗がトレイの上で三センチ滑って飯碗にぶつかり、スープが少しこぼれてトレイの底へ落ち、その層が熱いステンレスの皿の底に広がって小さな水溜まりになった。


双馬尾:「ぶつかったわ。」


小櫻ちゃん:「卓の角。」


双馬尾:「大丈夫?」


小櫻ちゃん:「大丈夫。」


彼女はトレイを卓上に置き、回り込んで内側に座った。


彼女のお尻が木の椅子に落ちたその一秒、椅子のクッションは保健室の病床のように弾性がなく、硬い木だった。底座が真下から上へ頂き、頂く力が朝の教室のあの椅子よりまた一倍重かった。彼女の歯の根が後ろの奥歯のところで咬みつき、咬筋の側面に一本の筋が立った。彼女は声を出さなかった。


彼女はただ手で卓の下の縁を掴み、指の節が一秒白くなり、それから緩めた。


短髪:「小櫻、どうして目がそんなに大きく見開いてるの。」


小櫻ちゃん:「大丈夫。」彼女は頭を下げて箸を掴んだ。「肉、美味しそう。」


短髪:「さっきのあなたのあの表情、まるで電気に打たれたみたいだったわ。」


小櫻ちゃん:「肉、本当に美味しそう。」


二人は視線を交わし、追及しないことにした。


向かいの窓際の位置


団長はいつしかもうそこに座っていた。脇の下の二冊のノートが彼自身のトレイの横に開かれ、トレイの上には一杯の白飯、一皿の青菜、一杯の水。彼はクレヨンで書いていた。


「被験者、食堂の硬い木の椅子に着席。外からの打撃力が朝の教室の椅子より顕著に高い。咬筋が緊収(無声)、卓の下を1.2秒掴んだ。」


彼は書き終わって青菜を一口食べた。


双馬尾の視線が彼のあのノートの表紙へ漂い、また小櫻ちゃんの顔へ漂い、また彼女自身の飯碗へ漂い、まず飯を食べることにした。


午後一時。


実験室。


長卓は二人一組、卓上の器材はすでに黄銅のスタンド、三本の試験管、一本のスポイト、一つの小型結晶の秤量皿、教科書が第七章に開かれ、角にまだ名前を書いていない記録紙が圧してあった。


短髪の女生はもう卓の辺で待っていた。彼女は小櫻ちゃんのこの学期の固定の実験パートナーで、袖口を肘まで捲り、指が卓面で軽く二度叩いて「早く」と示していた。


短髪の女生:「来たわね。」


小櫻ちゃん:「来た。」


彼女は座った。今回は準備ができていた。お尻をゆっくり落とした。朝の食堂のあの椅子のことはまだ腰に残っていた。実験椅子のクッションは食堂の硬い木よりさらに平らで冷たかったが、朝の保健室のあの病床のスツールよりずっと薄かった。別の一種の硬さだった。病床のスツールはむっとした鈍い頂き、底座が沈み、力は深いところから押し上げてくるものだった。この椅子のクッションは肉に貼りついた扁平な圧で、真下から均等に押し、押しつけてお尻全体が力を感じる。彼女の腰がまず一センチ柔らかくして底座に一つの緩衝距離を歩かせ、それから全身の体重を渡した。


小櫻ちゃん:「っお」


極めて小さな鼻音が、ちょうど座りきったその瞬間に落ちた。


短髪は頭を上げなかった。


短髪:「今日はあんまり話さないわね。」


小櫻ちゃん:「考えてる。」


短髪:「何を考えて。」


小櫻ちゃん:「仮説。」


短髪:「どんな仮説。」


小櫻ちゃん:「手の震えと座り方の関連性。」


短髪は頭を上げて彼女を二秒見た。目の中に一種の「また来た」という疲れと面白さが混ざっていた。


短髪:「……あなたの今日の仮説、全部変。」


小櫻ちゃん:「研究員の仕事。」


彼女は自分の口が午前の八千代の文を使ったのを聞き、喉のあたりでまた「っお」と半秒、別の女の台詞を自分の口へ運んできて、しかもとてもスムーズに使い、胸のあの部分に小さな、熱いものが沈んでいった。沈んでさっき椅子のクッションに圧されたあのまだわずかに熱を持っている場所へ。


教授が講台の前へ歩いてきて卓を叩いた。


教授:「今日は結晶の第七題、滴定して飽和まで、誤差0.05グラム以内、始めなさい。」


卓の間で騒がしくなり、皆が本をめくり、スポイトのプラスチックの殻を指の間で軽く弾む音がした。


短髪:「私がスポイトを握るわ、あなたが秤量皿を。」


小櫻ちゃん:「いい。」


彼女は秤量皿を手に取った。右手を水平に挙げ、五本の指で秤量皿の底座を支え、目は秤量皿のゼロ位の指針を凝視した。指針が震えていた。


おかしい。


彼女の手が震えていた。


彼女は息を吸って気を落ち着かせようとした。半分吸ったとき、椅子のクッションがまた上へ一つ頂き、底座が真下から恥骨を圧した。その圧は重くなかったが、非常に正確で、彼女の横隔膜が下へ沈もうとしたあの瞬間に打たれ、断たれた。「っお」彼女はこの声を喉の中で切断して出させなかったが、気は半口しか吸い込めず、胸が詰まり、手の震えがより顕著になった。


短髪が頭を上げた。「あなたの手」


小櫻ちゃん:「大丈夫。」


彼女は秤量皿を卓面へ戻し、二本の食指で軽く秤量皿の両側の支えを支え、全身の腕の重さを卓面へ移した。手が半分安定した。


これは調整が必要だ。調整方法は荷重を卓面へ移す、手を懸空させない。彼女はこの結論を静かに右欄へ入れ、また「手の震え」を左欄へ入れた。


小櫻ちゃん:「左欄。」


彼女は自分に小声で言った。


短髪:「え?」


小櫻ちゃん:「何でもない。」


短髪がスポイトを握り、一滴目を滴下すると結晶が青い光を一閃させ、結晶反応の細い音が一本のとても細い線のように中間から断たれ、秤量皿の指針が右へ0.03偏った。


短髪:「もう一滴。」


短髪はもう一滴滴下し、指針が0.07へ偏った。


小櫻ちゃん:「多すぎ。」


短髪:「わかってる。」


彼女はすでにスポイトで余分な液体を吸い戻していた。動作がさっぱりしていて、まるで彼女が普段歩くときのように。「見て、0.06。」


小櫻ちゃん:「0.05以内になった。」


短髪:「そう。」


短髪はスポイトを置き、頭を上げて小櫻ちゃんを見た。「あなた秤量皿を支える姿勢、変。」


小櫻ちゃん:「卓面で荷重してる。」


短髪:「え?」


小櫻ちゃん:「二本の指で支えればいい。他の力は卓面に。」


短髪は頭を下げて自分の手を見た。彼女は終始手全体で器材を握っていて、掌の心がスポイトのプラスチックに圧されて一輪の白い輪ができていた。


短髪:「……私、どうして思いつかなかったの。」


小櫻ちゃん:「こうすれば手が震えない。」


短髪:「今日はどうしてそんなにできるの。」


小櫻ちゃん:「……研究員の仕事。」


短髪:「今日は何度も研究員って言ってるわね。」


小櫻ちゃん:「言ってない。」


短髪:「言ってる。」


教授が彼らの卓の辺を通り過ぎ、秤量皿の指針の方角へ一瞥し、頷き、通り過ぎて行った。


小櫻ちゃんの右手はまだ秤量皿の両側を支えていた。彼女は突然、自分の左手がいつしか卓の下の縁を掴んでいたことに気づいた。五本の指で扣き、指の節がわずかに白く、まるで彼女が食堂に座った瞬間に反射的に椅子の側を掴んだ姿勢と全く同じだった。力の込め方、角度が全く同じ。今回は彼女は自分がいつ掴んだのか意識しておらず、自分がずっと掴んでいたことにも気づいていなかった。身体が脳より先に、掴むべき場所を掴み、分散すべき力を分散させ、彼女がさっき椅子のクッションに頂かれたあの気を、静かに受け止めていた。


彼女はノートの角で静かにペンを抜いて書いた。


「13:12 実験操作中、左手が自動的に卓の下を掴み、意識を経由していない。身体はすでに非言語レベルの適応経路を確立した。」


短髪が横で:「あなたのノート、字がどんどん小さくなってるわ。」


小櫻ちゃん:「角が足りない。」


短髪:「何を書いてるの。」


小櫻ちゃん:「実験の心得。」


短髪:「あなたこの授業、心得が多すぎ。」


小櫻ちゃん:「研究員の仕事。」


実験室の後列


団長は後列の扉寄りの辺に立っていた。脇の下に二冊のノートを挟み、クレヨンを抜いて書いていた。


「13:14 被験者が自主的な代償姿勢を発展させた(左手で卓の下を掴んで軀幹を固定)、意識を経由せず。観察:身体はすでに非意味レベルの適応経路を構築した。」


彼は書き終わって小櫻ちゃんの左手を見上げた。


彼女の左手はまだ掴んでいて、指の節がまた一度白くなった。


午後四時。運動場。


太陽が西から走路へ斜めに落ち、赤い合成材質が一午後焼かれ、表面に一層のゴムとプラスチックが混ざった塵の匂いが浮き、靴底が弾むときにその匂いまで温度を帯びて返ってきた。


小櫻ちゃんは100メートル走路のスタートラインの横に立っていた。学院の体育服、白い半袖、下に紺色の運動短パン、長さは大腿の中段まで。短パンの股上がちょうど底座を回っていた。さっき更衣室の個室で彼女は三分間かけてどう置くのが最も安定するかを確認した。今の置き方は底座を内側へ塞ぎ、桿身を大腿の内側に貼り、外から見えない。ノートブックの角にさっき書いたばかりだった。「14:48 更衣室個室、配置を内側密着に調整、臨時方案。」


双馬尾と短髪はもう走路の横にいた。


体育の先生:「100メートル二人一組で計時。学籍番号順。」


短髪:「私とあなた一組。」


小櫻ちゃん:「いい。」


短髪が先に走った。十二秒八。靴底が走路を踏む「たったった」という音が終点まで伸びてまたスタートラインへ反響してきた。


短髪:「小櫻、交代。」


小櫻ちゃんはスタートラインに立った。右足前、左足後、膝を曲げ、上体を前傾、両手で地面を支えた。


支えたその一秒、底座が真下から自分の体重で斜め後ろ上方へ頂かれ、桿身全体が大腿の内側へ圧し込まれ、その一寸の変位が恥骨から下腹へ引いた。


小櫻ちゃん:「っお」


その声の「っお」は鼻腔から出て、口まで行かず、彼女にすぼめられ、半分ぼやけた鼻音にすぼめられ、走路の横に残った。


体育の先生:「よーい」


彼女のお尻が上げられ、底座がまた斜め上へ一寸押し、桿身が大腿の内側でさらに半ミリ咬み込んだ。


小櫻ちゃん:「っう」


体育の先生:「パン!」


彼女は飛び出した。


第一歩、左足で地面を蹴り、腰全体が前へ駆動し、底座の牽引が恥骨から下腹へ引かれ、まるで一本の糸があの筋肉の中間から前へ抜かれるかのようだった。


第二歩、右足で地面を蹴り、桿身が大腿の内側を行き来して摩擦し、綿の短パンと桿身の間に一層の汗が隔たり、その層の汗が三歩の内で熱くなった。


第三歩、身体が加速し、空気抵抗、心拍が上がり、呼吸が深くなり、呼吸するたびに横隔膜が下へ圧し、横隔膜が下へ圧したその一瞬、底座が恥骨へ圧し、桿身が上へ滑った。


半分走ったとき、彼女の左脚が突然一度柔らかくなった。


膝が一瞬力を失い、大腿のあの地面を蹴る責任を負う筋肉が、彼女が意識する前にまず一度緩み、また自分で咬み戻した。


彼女の身体が左へ偏り、自分で右脚で支え、走り続けた。


続いて右脚も柔らかくなった。


速度が一截落ち、双馬尾が終点ラインの横で彼女を見ていた。


双馬尾:「…………」「小櫻?」


小櫻ちゃんは答えなかった。彼女は突進していた。頭はまだ走るモードで、脚はすでにストライキを起こし、一歩ごとに前の歩より重く、まるで自分がますます知らない肉を踏んでいるかのようだった。


60メートル。70メートル。80メートル、彼女はほとんどその場で足踏みする速度だったが、彼女は止めなかった。


90メートル


彼女は終点ラインを突き抜けた。


倒れた。


直接前へ一歩倒れ込み、両手が地面に押しつけられ、膝が地面に触れ、全身が崩れた。


双馬尾:「小櫻!」「小櫻どうしたの!」


双馬尾と短髪が走ってきた。


短髪がしゃがみ込んだ。「大丈夫?」


小櫻ちゃんはプラスチックの走路の上に伏せ、顔を赤い合成材質に貼りつけていた。あの材質は温かく、夏の終わりの太陽が一午後照りつけ、その層の塵の匂いが直接鼻腔へ注ぎ込んできた。彼女の胸口が走路の上で上下に浮き沈み、二本の浅い潮の跡を押し出していた。口を開いて息を切らしていた。


小櫻ちゃん:「だい……大丈夫。」


短髪:「走ってる途中で脚が柔らかくなったわ。」


小櫻ちゃん:「寝て……寝てない……」


体育の先生が近づいてきた。


体育の先生:「小櫻。」


小櫻ちゃんは頭を上げず、一度手を振った。


体育の先生:「今日は状態が特別に悪いわ。」


小櫻ちゃん:「……寝てない。」


体育の先生:「次はよく寝てから来なさい。」


小櫻ちゃん:「……はい。」


先生は続けず、次の組を見に行った。


小櫻ちゃんは地面に伏せていた。


彼女の下半身が震えていた。


彼女の右手が制服の胸のポケットへ伸ばしてノートを探った。彼女は開きもしないで、クレヨンをポケットの縁から挟み出そうとした。


抜けなかった。


手が震えていた。


彼女は少し笑った。半口の気を笑い出した。


小櫻ちゃん:「……資料……」走路に貼りついたまま、「……資料が多すぎ……」


短髪:「何て言ったの?」


小櫻ちゃん:「何でもない。」


運動場のもう片側


団長は走路の外側のフェンスの横に立っていた。脇の下に二冊のノート、クレヨンが右手に。彼は近づいていなかった。彼は自分のあのノートに書いていた。


「16:02 100メートルスプリント、被験者脚が柔らかくなり、全行程を支えて倒れた。身体層の体感が一日内の単一点の頂点に達した。研究員モードが短時間オフライン(手が震えてクレヨンを操作できず)、その後回復(『資料が多すぎ』)。」


小櫻ちゃんはすでに短髪と双馬尾に支えられて起き上がり、走路の横の草地に座り、双馬尾が水を渡し、彼女は受け取って飲み、喉のあの飲み込む線が顎から下へ一段、また一段進んだ。


彼女は頭を上げて運動場を隔てて団長を見た。


彼女は少し笑い、口の形で彼に言った。


小櫻ちゃん:「し—りょう—おお—す—ぎ—」


団長は頷いた。


午後五時半、ギルドの大広間の木の扉が押し開かれた。書包が扉枠に引っかかって半秒詰まり、小櫻ちゃんは片手で扉の辺を支え、もう片手で壁を支えてようやく全身を中へ連れ込んできた。脚が柔らかく、まるで百メートルを走ったあと十五分歩いてまだ緩んでおらず、頰は運動後のあの乾いた赤で、髪の根にまだ一輪汗で乾いた塩が貼りついていた。夕食の匂いがカウンターの後ろから漂ってきて、姜と葱を爆ぜた油の香り、大鍋で煮詰めて白くなった鶏のスープ、そしてさっき盛り上がったあの熱々の飯の気が一緒に、さっき外から入ってきた小櫻ちゃんの顔にぶつかってきた。


「ただいま」薇がカウンターの後ろから頭をのぞかせ、エプロンに少し小麦粉が付いていた。「学妹~」


「学姉~」彼女のあの「~」が薇と全く同じように引き伸ばされていた。一週間練習した成果だった。


「走りはどうだった~」


「100メートル走って脚が柔らかくなった。」


「あーらー それならきっと資料があるんでしょ~」


「超多い。」


大広間のあの長めの食卓にはすでに四菜一湯が並べられていた。八千代は東側に座り、学院から戻ってきたときにはすでにあの講師服を緩い居間の長衣に着替え、袖口が下へ手首を覆い、スープを飲むときは片手で碗を支え、もう片手で匙を執り、姿勢が正しくまるで書道の練習をしているかのようだった。ソフィアは西側に座り、訓練を終えたばかりで、髪が半分濡れて後ろの首に貼りつき、タオルを首に掛け、タオルの縁が深く一塊浸っていた。Tシャツの襟口が低く開き、鎖骨のあの段がまだ訓練後のあの層の汗で光っていた。薇がカウンターからスープを運んで北側に座り、スープの碗を置いたときスープ面が一度揺れ、縁の油花が磁器の壁に沿って一旋回した。団長は南側に座り、台所に一番近く、立ち上がって飯を盛るのに二歩しかかからなかった。小櫻ちゃんが覚えているときから、彼はずっとこの位置に座っていた。


小櫻ちゃんが門から入ると、皆の視線が同時に上がった。


小櫻ちゃんは書包を椅子の背に投げ、肩紐が滑って一度引っかかり、それから団長の隣のあの残った位置に座った。


ギルドの大広間の椅子は木で、硬い木で、クッションはなかった。底座が真下から上へ頂いてきた。


「っお」


彼女は座ったあと直接あの音を出し、視線を食卓の中央のスープの碗に釘付けにし、眉をわずかに寄せてまた緩めた。


「……正回饋。」彼女は言った。


薇はスープの匙を置いた。


「正の何?。」


「ん?」八千代が目を上げ、スプーンが口の辺で止まった。


「100メートル走のスプリントの加速度が入力変因になったの。魔導具が反応したの」


箸がソフィアの手の中で二秒止まった。


彼女は小櫻ちゃんを見、それから頭を下げ、それからまた箸を再び握りしめ、指の節が柄の上でわずかに一度収まった。まるで何かを押し下げようとしているかのようだった。


「……あなた今日走って脚が柔らかくなったのはこれのせいなの。」


「そう。」


ソフィアはとてもゆっくり、ゆっくりと箸を置き、竹の身が磁器の碗の縁に触れる音がことさらはっきりと響いた。


ソフィアは西語で五秒ほどぶつぶつと呟いた。あの母語で自分を慰めるような低速の連なり、子音が一つ一つ歯の後ろでぶつかり、頭がわずかに垂れて自分のスープの碗を凝視し、髪に残った水気が一本の髪の先から肩のあの塊の布地へ滑り落ちた。薇が彼女の横でスープを飲み、スプーンが口の辺で一度止まり、碗の縁から上げられ、半空に止まり、目がまず笑い、口角があとから上がった。


「Sofí、あなた顔赤くなってるわ~」


「黙って薇。」


「あ」薇は尾音を引き伸ばし、全身をソフィアの方へ半寸寄せ、スプーンを斜めに彼女の手腕へ向けた。「あなたさっき小櫻ちゃんが『体感拡大』って言うのを聞いたとき、手が震えてたわよ~」


「私は訓練を終えたばかりなの!」


「うん、訓練を終えたばかりね~」


八千代はあの口のスープを飲み終え、スプーンを置き、姿勢は依然として正しかった。


「昼の保健室のあの条、あなたはどの欄に分けるの。」


小櫻ちゃんは0.5秒呆け、それから書包を探してノートを探し、指先が数頁めくって止まった。


「保健室??」ソフィアが頭を上げた。


八千代は依然として穏やかで、碗の中のスプーンは静かに縁に置かれていた。「私が小櫻ちゃんを保健室の四面の仕切りカーテンの中へ連れていって、彼女の外のパンツと四角いパンツを下ろしてあげたの。彼女の偽陽具が自分で膨らんだのよ。彼女が『正回饋』って叫んだわ。」


食卓全体が1.5秒沈黙した。


湯気が上へ昇り、灯がスープ面の上で一度揺れた。誰も箸を動かさなかった。


「Yachiyo.」ソフィアの西語の訛りが出ていた。あの母音が口の中で一回りしてから押し出された。「¿Qué carajo?」


「あーらーSofí、あなたまた赤くなってる。」


「私! 赤く! なって! ない!」


「あなた顔全体から耳まで赤くなってるわ。」薇はスプーンを懸空にし、スプーンの先からソフィアの鎖骨のあの段の光る汗の位置から始め、皮膚に沿って上へ喉仏を掃り、さらに上へ耳介を指した。「胸口から耳まで焼けてる。Yachi、見て。」


「うん、確かに。」八千代は一度頷いた。


「あなたたち黙って!」


「……」ソフィアは顔をスープの碗の横へ埋め、額がほとんど碗の縁に貼りつきそうだった。湯気が彼女の赤く透けた顔へ撲ってきた。「Quiero morirme.」


薇が近づいて軽く彼女の肩を叩き、掌の心がTシャツの薄い綿を隔てて貼りつき、また離した。「あなたこそ測り尽くされた方よ~」


「黙っ、て、薇!」


団長は静かに自分のあの飯の碗を半碗余分に盛り、小櫻ちゃんの前に押しやり、碗の底が木の卓の上で短いこもった音を滑り出した。


「……食べなさい」。


ソフィアはまだ顔を埋めていた。


小櫻ちゃんは箸を碗の縁へ置き、両手で空の碗とさっきのあの小さな皿を重ね、二つの磁器が彼女の掌の心で一度触れ、非常に軽い「こつ」という音を発した。彼女は椅子を押しやって立ち上がり、椅子の脚が木の床を擦って短い「いぃ」という音を立て、それから彼女は両手を大腿の側に平らに押しつけ、一卓の人に向かって深く一度お辞儀をした。


小櫻ちゃん:「先生、学姉、ソフィア、団長、私はお風呂に行きます。外します。」


食卓全体が一会沈黙した。


あの零点八秒が零点八秒らしくなく長かった。薇のスプーンがちょうどスープの中へ掬い入れられ、スープ面で止まり、スープ面のあの輪の彼女が描き出した小さな波紋が外へ押し続けていた。八千代の手の中のティーカップが唇から二センチの位置で止まり、茶面に極めて薄い白い霧が浮き、その層の白い霧が彼女の呼吸に吹き散らされず、止まっていた。ソフィアの背中はさっきよりさらに低く弓を描き、全身の顔が再び掌の中に埋められ、髪の先が指の間から一筋漏れ、一度震えてまた静かになった。


ソフィア:「……」


薇がまず視線を収め、スプーンをゆっくりと置き、まるでさっき何も起こらなかったかのように笑い、声は普段よりさらに半音甘く。


薇:「あーらー学妹、あなたとても礼儀正しいわね~」


小櫻ちゃん:「行ってきます。」


彼女は書包を掴んで階段の方角へ歩き、書包が肩の上で一度揺れ、中のあの巻いたノートの硬い表紙の角が彼女の背中を一つ一つ押し、下に今朝のあの第零枚の人形の草図を圧していた。あの紙の縁はすでに彼女にめくられて毛羽立っていた。


階段を踏み上がり、三段目がきしんだ。彼女は振り返らなかった。


ギルドの浴場。夜の六時四十分、他の人はまだ夕食を終えて上がってきておらず、外の間には一人もおらず、ただ壁の角の小さな電球が黄色く、長い木の椅子を一筋の暖かいオレンジの光の帯に照らしていた。


彼女は書包を木の椅子の最も遠い端に置き、シャツを一つ一つ解いた。三つ目のボタンが一度引っかかり、彼女は親指の爪で押し開き、校服の外套を肩の後ろへ退け、手首から引き下ろし、畳み、椅子の上に置いた。ライニングパンツのゴムを腰側から引き下げ、一路足首まで滑り、彼女は足を上げて跨ぎ出た。四角いパンツ。


残ったのは偽陽具だけだった。


彼女は浴場の外間の鏡の前に立って自分を見た。校服は全部脱ぎ、下にあのものだけがまだ元の位置にあり、底座が恥骨の上に貼りつき、桿身が前へわずかに傾き、底座の縁のあの輪の皮膚が一日の挟み扣えで一筋の薄い赤い輪を押し出していた。あの赤い輪が恥骨の弧線に沿って両側へ収まっていった。


彼女の両手が底座の辺へ伸ばされた。指の腹がまず留め金に触れた。留め金は体温で一日温められ、表面は温かかった。彼女は留め金を側へ一度圧した。


「かっ。」


その音はとても小さく、耳で聞いたのか骨で聞いたのか彼女にはわからなかった。


外したその一秒


あの位置が「空」になった。


小櫻ちゃん:「っお⋯⋯」


彼女は偽陽具を木の椅子の上に置き、底座が木目に向かって上を向き、桿身が椅子の面に横たわり、全体の物体がまるで脱がされた一本の靴のようだった。


鏡の中は彼女自身が全裸で、皮膚が一日の蓄積でわずかに赤く泛び、胸口の浮き沈みが少し速かった。


皮膚は淡いピンク色で、肋骨が軽く押し出されたあの浅い弧、さらに下は腹で、腹の上に一層、息をこらえて張りつめた細かい浮き沈みがあった。


彼女は息を吸った。


小櫻ちゃん:「……そうだよね、初日……」自分に言い、声は普段よりさらに小さかった。


続いて第一秒、彼女は自分が間違って見たと思った。皮膚の上で一瞬閃いた。もしかすると灯の光かも、彼女が瞬きした残像かも。第二秒、それは少しはっきりしてきた。縁が皮膚の上で一つの位置をロックし始めた。第三秒、そこに淡い色の点が浮かび上がった。


とても淡く、とても小さく、まるで誰かが何度も薄めた水彩で皮膚の上に軽く一点打ったかのようで、縁はぼやけ、中心も縁より少し濃いだけだった。全体の点は爪の半分以下の大きさだった。


あの点は皮膚の上で保たれ、淡い色で、静かだった。それは移動せず、光らず、どんな劇的な視覚効果もなかった。ただそこに、淡々と、まるで皮膚自身が一小塊違う色を生やしたかのようだった。


彼女はまばたきさえ怖がってできなかった。


三秒後、それは褪色し始めた。


中心から外へ淡くなり、中心がまず隣の皮膚と同じ色に変わり、外輪のあの輪のぼやけがまだ半秒残り、淡くなって彼女にはまだあるかどうかわからなくなり、彼女は目を細めて自分に見せようと強制し、また一秒淡くなった。


なくなった。


鏡の中には皮膚だけが残った。


小櫻ちゃん:「っお」


「っおお」


「っおおおおおおお!」


彼女の脚が柔らかくなった。


しかし彼女の目は命がけで明るかった。


明るさがまるでさっき地面に倒れ込んだ人のようではなく、まるでさっき坑道の中から一块の金を掴み出したかのようだった。


小櫻ちゃん:「資料!!」


彼女は手を伸ばして書包を掴んだ。書包は彼女から二メートル離れていて、彼女は全身を伏せ、手肘で磁器タイルの床を支えて前へ這い、膝が冷たい地面を擦り、磁器タイルが彼女の大腿の外側の皮膚に二本の薄い赤い痕を掻き出した。彼女は感じなかった。


小櫻ちゃん:「資料!! 私、資料ができた!!」


外間の木の扉の外。


薇が扉を隔てて、声を極めて低く、気音だけを残すほど低く抑えていた。


八千代:「うん」


薇:「彼女、資料ができたわ。」


八千代:「うん。」


薇:「……私たちここで聞いてると、」


八千代:「大丈夫。叫ばせておきなさい。」


薇:「……わかった。」


二人はそのまま扉の外の壁に寄りかかり、一人は腰を支え、一人は胸を抱き、誰ももう言葉を発さなかった。


中


小櫻ちゃんは書包をめくり、第零枚の人形の草図を掴み出し、浴場の床に広げた。あの紙が床に触れたとたん小さな塊の水気を吸い、角がわずかに捲れ上がった。彼女は左手で平らに押し、右手がノートブックの縁からクレヨンを挟み出そうとした。


震えていた。


彼女の手はクレヨンをしっかり握れなかった。クレヨンが親指と食指の間から滑り出し、膝の辺へ転がった。彼女は手を伸ばして拾い、二度拾ってようやくしっかり握った。


彼女は笑い出し、笑って腹がまた一度引きつり、また「っお」と声を上げた。


彼女は両手でクレヨンを握った。左手が右手を包み、右手の虎口が左手の親指に圧され、両手が一緒にクレヨンを下へ押しつけた。


第一筆。


人形の草図の胸の下縁のあの部分、彼女はそこへ点を打った。


点。


一つの小さな、淡い、ちょうどさっき皮膚の上で見たあの位置に対応する


点。


横に彼女は書いた。「第一筆」「淡色、約三秒保持、漸褪」


字は歪に書かれ、最後の「褪」の字の最後の画が半センチ引き伸ばされ、まるで彼女の手がその瞬間にまた一度震えたかのようだった。しかし彼女は消さなかった。


書き終わると彼女は横になった。


全身が浴場の床に広がり、頭を自分の書包に枕し、人形の草図が横にあり、あの小さな点が彼女の視線に向かっていた。彼女は頭を側けてあの点を見、自分で手で紙の上に作り出したあの小さな淡い点を見ていた。

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