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11 耳は触らないで

更衣区の扉が押し開けられたその瞬間、ソフィアの身体が先に、あの潮熱の暖かい風が熱いタオルのように頭から直接覆い被さってくるのを感じた。足がまだ踏みしめられていないうちに、心の中ですでに「まずい」と叫んでいた。訓練服の背中の一片、まだ乾ききっていない汗が染み込んだ布地が、この暖風に吹かれて瞬間、柔らかく彼女の褐色の皮膚に貼り戻された。肩甲骨から腰のくぼみまで、一箇所一箇所、さっき冷えたと思った場所がすべて再び熱を取り戻す。鎖骨の下で新装備が押しつけた貼り跡の線が、まだ完全に消えていなかったものが、熱気の中で再びはっきりと光った。彼女は無意識にタオルを胸の前に死ぬほど抱きしめたが、目はまだどこを見るか決めていなかった。木の格子床に残った水の光が一瞬一瞬瞬いて、まるで彼女を急かしているかのようだった。


薇が彼女の左側で、のんびりと訓練服の襟元のボタンを解いていた。指先が最初のボタンの上でわざと半秒止まってから、軽く一捻り。襟口のあの小さな一塊、一日中圧迫されていた皮膚がようやく圧痕の下から一筋の粉っぽい色を透けさせた。八千代は奥の長い椅子に直接腰を下ろし、外衣の襟口はすでに訓練場で半分緩んでいた。彼女は脚を組んで、手を後ろに回して髪の縄を一本引き抜いた。銀粉グラデーションの長い髪がさらっと垂れ下がり、髪の先が自分の鎖骨を滑って通り過ぎた。まるで一本の温かい絹が皮膚を軽く撫でるようで、人は思わず半秒余計に見てしまう。


「アラ、今日のお湯はどうやら特別いいわね。あなたたち、草の薬の匂いがするの、わかる?」


誰も答えなかった。


ソフィアは目尻の余光で左側をこっそり確認した。薇の二番目のボタンも解けていた。訓練服の襟口が鎖骨と鎖骨の間で裂け、彼女が普段あまり人に見せない浅い影を晒していた。布地の縁の陰影が呼吸について一漲一縮し、薇の下顎がわずかに上がり、目尻が半瞑りになり、口元のあの笑みがゆっくりと引き伸ばされる——彼女は自分が盗み見られていることを知っていた。ソフィアの心臓が一拍飛んだ。全身の視線が自分の靴紐の上に弾き戻り、耳の先が先に赤くなり、それから耳たぶ、下顎の線、そして首の後ろまで熱が走り、最後には喉仏の下のあの塊の褐色の皮膚まで汗がにじみ始めた。


「が」


小櫻ちゃんが両手で訓練服の下端を掴み、頭から布地を剥ぎ上げるその瞬間、スポーツブラと一緒に引き緩められた。彼女の頭全体が襟口の中に挟まって、にこにこと首を捻り、両手がまだ中でもがいている。Dカップが半脱ぎの状態で腕の動作に激しく揺れ、スポーツブラのカップの縁が胸の下縁に食い込んで上へ押し上げられ、また落ち、また押し上げられ、また落ちる。布地と皮膚の間に汗で濡れた縫い目が、揺れるたびに一瞬光る。肉紅色が湿気に貼りつき、湿気が灯りに貼りつき、目が離せなくなるほど明るかった。


「引っかかったよ」


薇のボタンが半秒止まった。八千代が解いたばかりの髪の縄が椅子に落ち、口がわずかに開いたまま、「だから古代人は温泉の中で」と中途で止まっていた。銀粉グラデーションの髪の糸が彼女の耳先から滑り落ちるのを、彼女は忘れてしまった。


ソフィアの後頭部がフックにぶつかった。


「痛い、cabrón」


小櫻ちゃんがようやく頭を襟口から引き抜いた。ピンク色の髪がすべて乱れ上がって、スポーツブラは首に引っかかったまま揺れている。揺れるとき、あの対のDカップが無防備に前へ突き出され、上縁に圧迫されてできた粉白の圧痕がまだ引いていない。彼女は顔色一つ変えずに他の三人の顔を見ていた。


「え? どうして洗わないの?」


更衣区が二秒静かになった。薇の三番目のボタンはまだ解けていなくて、指先がボタン穴の端に止まっている。八千代の口はまだわずかに開いている。ソフィアは片手で後頭部を押さえ、もう片方の手でタオルを盾のように上へ引き上げ、目すら上げられなかった。


「……あなた、先に湯船に入って。頼むから、先に湯船に入って。」


「え、なんで?」


「なんでもない。」


「薇先輩もまだ脱いでないよ。」


薇の指が本来三番目のボタンに落ちていたが、この時半秒止まってから、彼女は笑った。声を出して笑うわけではない。口角が先に動き、目が後からついてくる笑み。笑い終わると、指先が急がずゆっくりと一捻り。三番目のボタンが音を立てて解け、襟口全体が緩み、鎖骨から胸骨へ向かうあの浅い影がさらに一指幅下へ伸びた。


「ね~ 小櫻ちゃん、君の言い方、まるで先生が生徒を点呼してるみたいだわ。」


「本当?」


「本当よ。じゃあ私が脱いだら、次は誰を点呼するのかしら~?」


ソフィアの後頭部がまたフックにぶつかった。


八千代の口が閉じてまた開き、まるで再起動するように、さっき遮られたあの言葉を空気の中から拾い戻した。語速はまるで昨夜の夕食がどれだけ美味しかったかを人にシェアしているかのように穏やかで、銀粉グラデーションの髪の先が彼女の肩から太ももへ垂れ下がっていた。


「だから、古代人が温泉の中で議論するときはみんな裸なのよ。これは正式な礼儀なの。」


ソフィアが後頭部を揉んでいた手が半空で止まった。


「何それ。」


「うん」八千代は顔色一つ変えずに誠実そうに、もう片方の手で耳側の髪を後ろへ一撥ねした。エルフの耳先が銀粉グラデーションの髪の中から現れ、先端が暖気の中でわずかに赤みを帯びていた。「温泉の礼儀。服を着たまま水に入るのは水精に対する不敬。当時の、ええと、その頃の人たちは脱いでから座って正しい話をしていたの。これは記録に残ってるのよ。」


「どの記録?」


「『水誌』第三巻。」


「『水誌』第三巻は中央図書館の禁借区にあるよ。」


「アラ、調べてみたの? いい生徒ね。」


ソフィアの耳がまた一格赤くなった。耳たぶから首の側面へ、そして首の側面から鎖骨の下のあのすでに汗をかいていた褐色の皮膚の一塊へ、顔の赤みが伝播する経路がこのわずか二秒の間に二度目を歩き終えた。小櫻ちゃんの両手がスポーツブラの襟口からようやく完全に抜け、胸の前に抱き寄せた。Dカップが腕から両側に圧迫されて柔らかい肉が腕の上縁に溢れ、彼女は胸を張り、下顎を上げ、世界に勝ったような表情を浮かべていた。


「だから私が正しいの。」


薇の三番目のボタンが解けていたその縁が、彼女の肩が揺れた拍子にまた外へ一指幅めくれ、彼女はついに軽く声を立てて笑った。とても短くとても軽い笑み。訓練服の襟口がこの笑いで一揺れし、鎖骨の下のあの影が襟口の緩みに従って胸骨の真ん中まで漏れてからようやく止まった。


「よし~ では八千代先生、正式な礼儀を一つ示範してみてください。」


八千代は頷いた。顔には「これは真面目な問題で、真面目に答える価値がある」という表情が浮かび、指先はすでに外衣の腰帯の端に引っかけていた。ソフィアのタオルが瞬間、より強く抱きしめられ、指の関節が白く浮いた一輪。八千代の指が腰帯の上で止まり、目を細めてこちらを見てきた。


「アラ、ソフィア、どうしてタオルをそんな風に抱えてるの?」


「……Nada。」


「本当?」


「本当。」


「だって礼儀の二条目は誠実なのよ。」八千代がこの言葉を言うときの語気はとても柔らかく、まるで子守唄を歌っているかのようだった。


ソフィアの後頭部が、三度目、フックにぶつかった。


八千代の指は急がなかった。腰帯の結び目のあの輪から布地を一点一点緩めていく。指先の動作はまるで講義資料を整理しているかのようにゆっくりで、ソフィアの視線はその両手に捉えられ、無意識に腰帯の緩む方向について下がっていった。タオルは彼女の胸の中でまた半周きつく捻られた。


「水精が尊重するのは動作であって速度じゃないの。脱ぐのが速すぎると水気が乱れるから、だから、ええ、こう、身体の方向に沿って進むのよ。」


腰帯が第一の輪を緩めた。外衣の縁が八千代の左肩線からおよそ一センチ滑り落ちた。更衣区の全員がはっきりと見た。エルフの皮膚が灯りの下で珠光白の地色を現した。人間らしくない白さで、白の中には極めて薄い極めて薄い粉が混ざり、まるで中に光がゆっくりと動いているかのようだった。ソフィアは自分が後頭部の痛みを忘れていたことに気づいた。タオルの下で爪が掌に食い込んでいたのも気づいていなかった。更衣区の空気全体が、あの一センチの珠光白によって一層吸い取られたかのようだった。


「二番目の要点。布地が皮膚から離れるときには音を聞くのよ。雑音があったら、それはあなたの汗がまだ乾いていないってこと。」


八千代がわずかに肩を動かした。外衣がさらに二センチ下がり、肩線の弧がこうして柔らかく露わになった。その曲線が首の根から外へ広がる様子は、ひどく美しかった。ソフィアは自分が本当に彼女の話を聞いていることに気づいた。布地が皮膚から離れるあの音を、本当に注意深く聞いていることに。極めて軽い、葉が葉を擦るようなさらさらという音を。そして自分が何を聞いているのかに気づいた瞬間、顔が耳先まで紅潮した。


「ソフィア、聞いてる? いいわね、これは覚えておきなさい。期末に出るかもしれないわ。」


「いや、待って、どうしてこれが試験に出るの。」


「私は歴史の先生よ、これは歴史。」


八千代は当然のように言い、手は止めなかった。外衣がまた一截滑り落ちた。ソフィアは口を開いて反論しようとしたが、「歴史の授業」という三つの言葉で彼女の脳が半秒ショートした。意識が戻ってきたときにはもう口に言葉がなく、タオルをまた一巻ききつく捻り、布が麻花のようになるまで捻っていた。


薇が傍らで笑って肩を震わせ、訓練服の前襟の四番目のボタンがこうして自分でボタン穴から飛び出した。彼女が解いたわけではない。胸の起伏があのボタンを内側から押し開けたのだ。彼女は下を見て、一度見つめたが、留めず、ただ片手を軽く胸の前に当てて臨時の防線とした。掌の下でFカップの弧が起伏し、押さえても押さえきれなかった。


「八千代先生、メモを取ってもいいですか?」


「いいわ。でも目でしか覚えられないのよ。」


「じゃあ耳で覚えてもいいですか?」


小櫻ちゃんが挙手の姿勢は教室で授業を受けているときのように真剣で、ピンクの前髪がその挙手の動作について後ろへ少し開いた。彼女はまだスポーツブラを着けていたが、胸の弧が挙手の姿勢によって上へ押し出され、非常に豊かな凸起を作り、縁が弾性布地を押し広げて浅い締め跡を残していた。


八千代は少し考えて、口をすぼめた。「小櫻ちゃんの耳、うん、いいわ。」


ソフィアは自分の手を見下ろした。タオルはすでに彼女によって一本の縄に捻られていて、その縄はまだ無意識に捻り続けられていた。八千代の外衣はこの時、右肩からも滑り始め、両側の肩が同時に露わになった珠光白は、広げられた絵のように対称だった。ソフィアの呼吸が吐き出されるのを忘れていた。


壁の向こう側で、二度ノックがあった。


どん、どん。


更衣区の四人の女生が同時に動きを止めた。八千代が手を止め、薇が笑いを止め、小櫻ちゃんが挙げていた手を止め、ソフィアが呼吸を止めた。四人の視線が同時に壁へ一瞥し、同時に引き戻された。その二秒の静けさは、八千代の外衣の縁が肘に掛かっていたあの軽い布地の摩擦の音まで聞こえるほどだった。


「大丈夫か。」


団長の声が壁を隔てて伝わってきた。疑問符はなく、ただすでに何が起こるかを予感していたが、それでも一応聞いておかなければならないという、非常に疲れた陳述調だった。


「私たちは歴史の授業をしています。」


「大丈夫、全然大丈夫。」


小櫻ちゃんとソフィアの声がほぼ同時に重なった。小櫻ちゃんの声は本当に歴史の授業を受けているかのように明るく、ソフィアの声は見つかったかのように尖っていた。八千代の手はまだ腰帯の上に置いたまま動かず、笑意が口角からゆっくりと広がり、目尻まで湾曲して二つの柔らかい三日月になった。


「団長も一緒に聞く?」


壁の向こう側が二秒沈黙した。その二秒はこれまでのどの沈黙よりも重かった。ソフィアは自分の耳の中で心臓の音が外の音より大きいのが感じられた。そして団長の声が壁の後ろから悶々として漂ってきた。「もう自分がどういう状況にいるか知ってる」という諦めの色を帯びて。


「……いや。」


笑い声が同時に四人の女生の口から爆発した。ソフィアはタオルで口を覆ったが、肩が震えて止まらず、タオルの下から抑えきれない息の音が漏れ続けた。薇は笑って身体を後ろへ仰け反らせて長い椅子に寄りかかり、その仰け反りで胸の起伏の幅が訓練服の前襟の四番目のボタンを完全にボタン穴から引きずり出し、五番目も半格緩み、鎖骨以下の一片全体、白く光る胸口の上縁を晒した。


「団長、可哀想!」


小櫻ちゃんが手を叩いて笑い、笑うたびにピンクのポニーテールが一振り一振り揺れ、八千代は笑って髪の先まで震えていた。あの銀粉グラデーションの髪の先が灯りの下できらきらと顫え、銀色とピンク色がその揺れの中でほとんど透明に近い光沢を混ぜていた。笑い声がゆっくりと静まってきたとき、八千代の外衣はすでに肩から肘まで滑り落ち、そこで揺れていて、上半身全体の珠光白が更衣区の黄色い灯りの下に晒されていた。更衣区の光があの皮膚の一片に吸い取られた一層のように白かった。


---


小櫻ちゃんがさっき挙げていた手を下ろし、ついでにもう片方の手もスポーツブラの襟口の下から下ろした。両手で一緒に布地の縁に沿って上へ撫でていった。彼女の表情は非常に真剣で、眉がわずかに寄り、口の中で小さく繰り返していた。


「身体の方向に沿って……」


彼女は授業で本当にノートを取るタイプの生徒で、ノートにはたいてい小動物が描かれているが、「先生がこう言ったからこうする」という服従性は本物だった。彼女の指がスポーツブラの首に引っかかっていたあの輪を摘み、ゆっくりと上へ押し上げ始めた。胸口の半分まで押し上げたとき、彼女は動きを止め、首を傾げて八千代を見た。


「先生。」


「ん?」


「目で覚えるの? それとも耳で覚えるの?」


八千代の口角がわずかに上へ上がり、その上りの弧は先生らしくなく、獲物を見た猟師のようだったが、声は依然として教室で子供を導くあの循循善誘の調子を保っていた。


「これは身体で覚えるのよ。続けなさい。」


「はーい!」


小櫻ちゃんは頷き、再びスポーツブラを上へ押し上げた。布地が鎖骨から離れるその瞬間、非常に軽い「しゅ」という音がした。その音は紙が一枚引き剥がされるように薄かった。下顎に引っかかったとき、彼女は一息吸い込んだ。その息が彼女の胸口をまた一截上へ押し広げ、カップの下縁が胸肉の下に食い込んで深い赤の圧痕を残し、それからスポーツブラ全体が頭頂から滑り落ちた。ピンク色の髪が一緒に引き上げられてまた落ち、碎けた髪が肩に散らばった。Dカップはどんな移行もなく更衣区の灯りの下に晒され、乳頭が布地が離れた後の空気の温度差でわずかに立っていた。淡いピンク色の先端には、さっきカップに圧迫されていたあの充血した深みがまだ残っていた。


彼女は全く隠すつもりがない様子だった。


「これでいい?」


更衣区がまるまる三秒静かになった。


その三秒の間、薇の唇がわずかに動いたが音は出なかった。彼女の視線が小櫻ちゃんの鎖骨からゆっくりと下へ進み、柔らかい曲線を通り過ぎ、乳尖がわずかに立った淡いピンクを通り過ぎ、肋骨が皮膚の下でちらちらと浮かぶ起伏を通り過ぎ、そしてゆっくりと上へ戻って小櫻ちゃんの顔へ戻った。彼女の訓練服の前襟の五番目のボタンがこの三秒の間に自分で解けた。彼女の手が解いたわけではない。胸のあのFカップの起伏がボタンを内側から一つ一つ押し開けたのだ。ソフィアはタオル全体を自分の顔に被せ、タオルの下から一つの声が聞こえた。


「……Madre mía。」


八千代の表情は完全に先生が宿題を採点するあの几帳面なものに切り替わり、食指を下顎に当て、眉をわずかに寄せ、非常に専門的に講評した。


「うん、速度が速すぎるわ。布地が胸口から離れるときは半秒止めて水気を散らさないと、次に水に入ったときに皮膚の接触がもっとスムーズになるのよ。次は覚えておきなさい。」


「はーい!」


小櫻ちゃんはすぐに頷いた。ピンク色の髪が一振り、胸がそれについて振り、因果関係は彼女が全く気づいていなかった。彼女のDカップがその頷きの慣性について上下に二度揺れ、また元の位置に戻り、乳尖が揺れの尾端でまだわずかに震えてからようやく止まった。


「……今、私、八千代先生が結局歴史の先生なのか体育の先生なのかを考えてる。」


薇の声は普段より半音階低かった。その低さは演技ではなく、喉の奥から擦り出されたものだった。彼女自身も気づいていて、喉仏——あの細い首にほとんど見えない喉仏が軽く一回転した。


「アラ、どっちでもできるわよ。」


「……私は退講する。」


タオルの下から聞こえてきたソフィアの声は悶々として、ほとんど泣き出しそうだった。


「え? どうして?」


小櫻ちゃんは本気で困惑したように首を傾げてソフィアを見た。Dカップがその首の傾げの動作についてまた一振り揺れた。ソフィアはタオルの下から非常に抑えられた呻き声を漏らした。


---


薇が長い椅子から立ち上がった。動作は普段より半拍速く、訓練服の前襟が開いた瞬間、彼女は勢いに乗せて両側の肩から褪せていった。訓練服全体が後ろへ滑り、肩甲骨を通り過ぎ、腰を通り過ぎ、長い椅子に落ちた。Fカップには何の布地も遮るものがなかった。鎖骨から下へ一片全体の白い胸口、あの二つの豊かに両側へわずかに開く重量、粉っぽい乳輪、細い腰から広い腰へ繋がるあの緩やかな弧が全部更衣区の灯りの下に晒された。灯光が側面から照らして彼女の胸口の突き出た弧を明るく輝かせ、乳溝の影が沈み、腰側のあの凹んだ弧線が光に描かれて浅い暗い痕を残した。


「わあ」


ソフィアのタオルが顔から半分滑り落ち、滑り落ちた縁が彼女の鼻先に引っかかった。彼女は直さず、目が普段の倍より大きく見開かれ、視線が薇の鎖骨から下へ進み、半分で慌てて上げ、また下へ盗み見ずにはいられなかった。その「見たけど見たくない」視線が往復するたびに彼女自身をますます赤くしていた。小櫻ちゃんは全くフィルターなしに一つの「わあ」を発した。まるで花火を見ているかのようだった。


八千代はすでに長い椅子の側から立ち上がっていた。外衣は脱ぎ続けず、そのまま肘に掛けて揺れていた。彼女が歩いてくる歩調は歴史の授業で講台を下りて生徒を巡視するあの節奏で、一歩一歩急がず緩めず、小櫻ちゃんの傍らで止まり、食指を上げた。


食指がまず軽く小櫻ちゃんの肩を一つ点いた。指先があの白い肩の上に落ちるのは一滴の水珠のようだった。それから掌全体が貼りついた。


「ここよ、脱いだあと、肩甲骨を少し後ろへ開くの。そうすると鎖骨の線が順になって、水に入ったときに水流が鎖骨を回るようになる。胸口へ直接突っ込まないわ。」


小櫻ちゃんの肩が八千代の掌の下でわずかに震えた。痒いのであって、他のものではない。その震えが肩から胸口へ伝わり、Dカップがそれについてわずかに震えた。彼女は笑わずにはいられなかった。


「痒い」


「我慢して。これは正式な礼儀の一部よ。」


八千代の手は離れず、むしろ少し実を込めた。掌の熱があの白い肩の皮膚を通じて中へ貼り入った。小櫻ちゃんの肩がその手の導きについてゆっくりと後ろへ開き、胸口がそれについて前へ半寸突き出された。鎖骨の線条がこの一開きで本当に順になった。首の根から肩先へ一本の流暢で柔らかい弧が引かれ、鎖骨の凹んだ場所の影が半格深くなった。


八千代は満足げに頷いた。「ほら、こうすると水精が君を好きになるわ。」


「え、じゃあ水精は私も好きになるの?」


小櫻ちゃんは首を傾げて八千代を見た。首を傾げる動作がさっき八千代が調整した肩甲骨の姿勢をそのまま保っていた。彼女の顔は依然として無邪気な好奇心だったが、上半身全体の姿勢はもうさっきの「私は服を脱いだ」という小櫻ちゃんではなく、八千代の手で按されたあとの小櫻ちゃんだった。


「君はもう好きになられてるわ。」


ソフィアのタオルが完全に顔から滑り落ちた。彼女は八千代の手がまだ小櫻ちゃんの肩に置かれているあの画面をじっと見つめ、それから薇が完全に展開した上半身をじっと見つめ、それから下を見て自分がまだ完全に武装した訓練服を着ているのを見つめた。彼女の唇が二度動いたが、言葉は出なかった。


薇が忽然と笑った。今回の笑いはさっきより緩んでいて、からかう笑いではなく、本当に目の前のすべてに面白がって緩んだ笑みだった。彼女は半身をひねってソフィアの方を向いた。


「ソフィア、君もこっちへ来て八千代先生に見てもらわない?」


「いや。」


「どうして?」


ソフィアは口を開いたが、声は出なかった。彼女は頭を下げて自分の腰に結ばれた、あの一日中汗に浸された運動ズボンの紐を見つめた。その紐の尾端が彼女の太ももの付け根に垂れ、紐を結んだ場所が汗に浸されてわずかに色が濃くなっていた。彼女は手を伸ばし、指でその結び目の一端を摘んだ。


軽く、一引き。


薇が浴場のあの木の引き戸を横へ一推し、蒸気が一つの柔らかい壁のように迎え撃ってきた。熱く、湿っていて、皮膚に貼りついたその瞬間、毛穴がすべて蒸し開かれた。草の薬の匂いが一歩先に鼻腔へ押し入り、胸口へ沈み、飲みきれない熱い水に変わった。


足の下のタイルは蒸気に炙られたあの微かな温かさで、熱くはないが粘る。足の裏とタイルの間に極めて薄い水の膜があった。ソフィアは最後を歩き、膝はまださっきのその一引きを覚えていた。ズボンが滑り落ちたあとの空気がまだ太ももの付け根に貼りついていた。タオルは彼女の胸口から腰までの一段だけを覆い、背中は露わだった。灯は水面の下から上へ照らすあの柔らかい黄色で、光が水面へ突き当たり、また四方の壁の蒸気の中に反射して広がった。浴場全体が一杯の温かい牛乳の中に詰め込まれたかのようだった。


小櫻ちゃんはすでに水の中に飛び込んでいた。Dカップが熱い水から下へ押し開かれ、また水圧に抱き戻された。彼女は頭を後ろへ仰け反らせて池の縁に寄りかかり、眉が子供のように緩み、鼻腔から長く一本の音が漏れた。


「あ」


その声は彼女の普段の三倍も柔らかく、まるで彼女の身体の中に今日溜め込んだすべての騒がしさが、熱い水によって毛穴から一度に泡立て出されたかのようだった。


薇が水に入る方式は小櫻ちゃんと逆で、一段一段下りた。Fカップの下縁が水面に触れた瞬間、彼女の肩が無意識にわずかに縮んだ。次の段で水がへそを覆うと、彼女の口が少し緩み、普段顔に掛かっているあの笑みが消え、残ったのは呼吸に非常に集中しているという表情だった。まるで彼女自身も初めて、自分が今呼吸をしているということに気づいたかのようだった。


八千代はいつしか外衣を肘から振り落としていた。長いスカートの解く動作は服を脱いでいるようには見えなかった。珠光白の身体が蒸気の中に初めて完全に現れたのは、皮膚自体が光っている白で、皮膚の下に月が歩いているかのようだった。エルフの耳先が蒸気の中で一層の薄い粉を帯びていた。彼女が水に入る節奏には何の負担もなく、まるで家に帰って自分の椅子に座るかのようだった。水が腰まで来たその瞬間、彼女はとても軽く一つの音を吐き出した。


「アラ。」


それから彼女はもう何も言わなかった。


ソフィアが最後に入った。彼女はまだ池の縁に立って胸口のあのタオルの結び目を握っていた。薇が水の中で手を上げ、何も言わず、ただ掌を上へ開いた。ソフィアは半秒呆けてからタオルを解いて渡した。薇が受け取って池の縁に掛けた。この受け渡しは静かで、まるで二枚の葉が互いに受け取るようだった。ソフィアは一気に水の中に沈み、鎖骨まで。褐色の肌が蒸気と灯光の中で一種の蜂蜜色に調合された。彼女は一息吸い込んだ。とても長い息で、まるでさっき服の下から逃げ出したものをもう一度吸い戻そうとするかのようだった。


それから、十秒、何もなかった。


水の音は四人の呼吸の余波だった。誰が吸気し誰が呼気するたびに、水面がとても軽く軽く動いた。その動きがもう一人の傍らの水に受け止められ、また返された。漣漪が重なり合って漣漪を作り、池の壁に当たり、また返ってきた。まるで彼女たちの呼吸が水の中で互いに触れ合って、また退いていったかのようだった。蒸気が顔の前でずっと上がり、顔がぼやけた輪郭にぼかされ、またはっきりし、またぼやけた。


ソフィアの目には焦点がなかった。あるいは、彼女の目は焦点を探していたが、どこに置いていいかわからなかった。視線が薇の鎖骨の上に一瞬留まった。薇の鎖骨に一滴の水が鎖骨の溝を伝って下へ落ちていた。彼女はその水滴について下へ見た。水面が残りを切り取った。水面の下にFカップの輪郭がゆっくりと揺れていた。彼女の視線が八千代の方へ跳び、八千代の水の下の身体は揺れの中の月光の一片だった。また小櫻ちゃんの方へ跳び、小櫻ちゃんの髪が水面に浮かんで海草のようだった。最後に彼女の視線が自分の手へ戻った。彼女自身の手が水の下では自分の手のように見えなかった。指の色が水に折られて一層色を変えていた。


誰も何も言わなかった。


薇の肩が熱い水の中でゆっくりと下へ下がっていった。熱い水が後頸から一路肩甲骨へ染み込み、普段あの笑みを支えていた筋肉群が熱い水の中で初めて自分の仕事が何だったかを思い出せなくなった。八千代は目を閉じ、エルフの耳先が蒸気の中でとても軽く一抽きした。まるで自分だけに聞こえる何かの音を受信しているかのようだった。小櫻ちゃんは水の中に座って両手で水面の下で水遊びをし、非常に真剣に遊んでいた。今日初めて、こんなに長い間何の音も発しなかった。


十秒が過ぎた。


ソフィアの肩がようやく一センチ下がった。彼女は自分が何を恐れていたのかを忘れていた。彼女は自分の呼吸が聞こえた。


水面が静かだった。静かすぎて、小櫻ちゃんの指先が自分の膝の上で描いたあの輪の漣漪さえ、大きすぎるように見えた。彼女の手は水の下ですでに五回遊んでいた。ちょうどこの時、頭頂の蒸気が換気口に一層吸い取られた。水面全体が瞬間明るくなった。彼女の視線がこの一瞬の明るさに従って上がり、斜め向かいへ落ちた。八千代は目を閉じ、水面がちょうど鎖骨の下を少し越えたところにあり、エルフの耳先のピンクが濡れた髪の隙間から少しだけ透け、胸口が水の下で月光に掌で捧げられた淡い玉のように見えた。


小櫻ちゃんが二度瞬きした。目の中の好奇心は乾いてきれいで、「私は何か見てはいけないものを見た」というようなためらいは一絲もなかった。まるで子供が初めて海辺で光るクラゲを見たかのようで、彼女はただ自分が目にしたことをそのまま言っただけだった。


「先生、身体が光ってるよ。」


十秒の静けさがこの一句で真ん中から穴を開けられた。薇の目は開いていなかったが、眉がわずかに察知できないほど一ミリ上がった。ソフィアの呼吸が吸気の途中で止まり、半個の心臓がまだ前の秒の緩みの中に残って追いついてこなかった。八千代の目がゆっくりと開いた。開く速度はとても遠いところから歩いて戻ってくるかのようだった。彼女はわずかに首を傾げ、耳先のピンクが蒸気の中でまた一格深くなった。


「うん、あるの?」


声は普段と同じくらい温かく、尾音が柔らかく、まるで今日の天気を尋ねているかのようだった。


小櫻ちゃんの上半身全体が八千代の方へ傾いた。水位が彼女の乳線の下からざっと開けられ、二つの白い重量が水面から半分浮かび上がった。さっき水から離れた乳尖に水の粒が浅いピンク色の輪郭を伝って下へ滑り、まず乳輪の縁で半秒ためらい、それから一路胸口の下へ流れて水の中に消えていった。彼女は自分が何をしているのか全く知らなかった。彼女の注意力は全部八千代の上にあった。


「あるよ。」


非常に確定していた。水面が彼女の動作で一輪比較的大きな漣漪を立て、薇の腕に叩きつけた。薇が「うん」と一声、目は依然として開いていなかった。


ソフィアの目が小櫻ちゃんのその半個水面から浮かび上がった胸の前で、およそ零コンマ三秒止まった。彼女は自分の呼吸がその零コンマ三秒の間に完全に詰まったのが聞こえた。次の瞬間に視線をすぐに引き戻し、自分の水の下の膝を死ぬほど見つめた。膝が熱い水の中で熱されて赤くなっていた。彼女には水温なのか顔の温度なのかわからなかった。


「光るのは精霊だから?」


「これは……」八千代は少し止まった。まるでこの問題自体の論理を真面目に考えているかのようだった。「あなたたちにはそう見えるの?」


「うん。」


薇がようやく目を開いた。視線がまず八千代の肩の上のあの薄い珠光の一層に一秒留まり、小櫻ちゃんのまだ水面に浮かんでいる上半身に一秒留まり、最後にソフィアへ掃いた。ソフィアはすぐに顔を背けて壁を見た。耳が後頸と一緒に赤くなった。薇は笑った。これは彼女が入水してからの初めての笑みで、口角が上がったその一瞬に、今日初めて余裕のある温度が帯びていた。


「本当よ。」声は静けさのあとで特別に低く、「光ってる。」


八千代は頭を下げて自分の水の下の身体を見、首を傾げて三秒考えた。睫毛がこの三秒の間に二度瞬いた。耳先のピンクが水気の中でまた少し深く進み、珠光白の肩が水の下のあの層の中で薄められた牛乳の中に浸かっているかのようだった。


「アラ、私は鏡の中で自分がお風呂に入っているところを見たことがないわね。」


「どうして?」


「精霊はあまり鏡を使わないのよ。」


「じゃああなたは自分がどんな顔をしているか、どうやって知るの?」


八千代は笑った。今回の笑いはとても軽く、軽すぎて顔の筋肉をほとんど動かす必要がなかった。まるで熱い水の表面に、側光でしか見えない波紋のようだった。


「私の顔がどんなかは、他の人が教えてくれるのよ。」


更衣区の空気がこの一句で一秒止まった。劇的な停まり方ではなかった。蒸気は依然として普通に上がり、タイルの上の水の粒は依然として普通に下へ滑った。ただ四人の呼吸が同時に次の拍子を忘れた。ソフィアの視線が壁からゆっくりと水面へ戻った。彼女は忽然とこの一句の重みを理解した。とても長く生きた人が、鏡を使わず、自分で自分を認識することもなく、彼女の姿は他人の目から一片一片拾い集めて戻されたものだった。今この瞬間、彼女が光っているというこの事実は、彼女自身は知らず、小櫻ちゃんの目、薇の目、そして彼女ソフィア自身の目によって、ようやく彼女に告げられるのだった。


八千代の肩が水の下で全体が一抽きした。


あの抽動は鎖骨の最も内側から始まり、肩線に沿って下へ水の中に沈み、水面が内側から押し上げられて一輪、これまでより大きな漣漪を作り、広がり、また返ってきた。彼女の目が瞬間、さっきより二倍丸く見開かれ、唇がわずかに開き、喉のところに何かが出ようとして生きたまま押し戻された。一つの字も発せられなかった。ただ耳先——耳先のピンクが触れられたあの点の上で、肉眼で識別できる速度で、淡いピンクからバラ色へ、バラ色から湿った光を帯びた深紅へ変わっていった。


「え?」小櫻ちゃんが瞬きした。指はまだあの点に止まっていた。


薇の笑いが口に完全に掛かっていた。誰かに一時停止を押されたかのようだった。


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八千代の肩がまるまる二秒かけて抽動を止めた。彼女は水の下から手を上げ、手首にまだ一層の水膜が掛かっていた。彼女は手を鎖骨の真ん中のあの塊の皮膚に当てた。指先が沈み込む角度は、まるで一本のさっき誰かに弾かれたあとまだずっと振動している琴の弦を押さえ、それが止まることを願っているかのようだった。耳先のピンクは退かず、むしろまた一格深くなり、酒紅に近い色まで進み、耳廓の内側の小さな血管がぼんやりと透けて見えていた。


「アラ……」


声が普段より半度高かった。「アラ」は八千代が普段どんな気まずさやどんな厳粛さを柔らかくする看板の開場詞だったが、今回の「アラ」の尾音が震えていた。泣いたばかりの子供が鼻をすませたあとの第一句の言葉のように震えていた。彼女自身がそれを聞き、深く一息吸い込み、語気を無理やり彼女の普段の柔らかい歴史の先生バージョンへ引き戻した。


「小櫻ちゃん」彼女は少し間を置き、下半句の音量を押し下げたが、震えは依然としてあった。「耳のここは、触らないでよ。」


「え?」小櫻ちゃんは首を傾げた。「どうして?」


八千代が口を開いて説明しようとした。舌先がすでに上顎に触れた。


小櫻ちゃんの手がすでに伸ばされてきていた。


今回は加速も遅疑もなかった。彼女の目は八千代のもう片方の耳先を見つめ、まるで子供が「ここも同じかな」と確認しているかのようだった。指先が頰の傍らのあの水から上がったばかりの薄い水膜を一筋引き、耳廓の輪郭に沿って上へ進んだ。


「ここも?」


指が二番目の耳先に触れた。


八千代の身体が水の下で全体が一縮みした。


あの縮みは肩から始まり、上半身全体に沿って下へ伝わり、水面がこの動作によって内側から大きな水しぶきを押し出し、一撮が池の縁のタイルに跳ねて「ぱっ」という音を立てた。とても小さく、はっきりと。声が彼女の喉から半分走り出た。


「あ!」


薇の目が完全に開いた。


視線が八千代の顔に留まり、あの微かに開いた口を、震え続けている耳先を、色がすでに正しくない頰を掃いた。八千代の肩がまた抽動を始めた。今回はさっきより長く、鎖骨に沿って一路下へ、乳房の上方でようやく止まったが、八千代の呼吸はすでに乱れていた。


薇は何も言わなかった。


ソフィアの手が無意識に池の縁の石の縁を掴んだ。爪が石の隙間に食い込んだ。彼女は自分の下腹に一回、非常に軽く軽い抽動を感じた。痛みではなく、別のものだった。彼女はすぐに水の下の大腿を挟み、両側の大腿の内側の皮膚が一層の細かい汗を押し出した。彼女は小櫻ちゃんにやめさせようとした。喉の中に言葉はすでに並んでいた。


「……小櫻ちゃん。」


声が低すぎて力が出ず、ただ一層の気音が残り、水面で二歩も伝わらないうちに蒸気に飲み込まれた。


小櫻ちゃんは聞いていなかった。彼女はまだ自分の疑問の中に留まっていて、目が八千代の赤くなった耳先と光る鎖骨の間を行き来していた。


「耳と身体の光るのに関係があるの?」


この一句は非常に純粋に問われていて、純粋すぎて八千代が片方でまだ身体の反応を抑え、もう片方でこのような問題に答えなければならない難易度がまた倍になった。彼女は鎖骨から手をゆっくりと下ろし、水面の下で指を開き、握り、また開いた。深く一息を横隔膜の下に二秒押し込み、吐き出したときには、声はすでに彼女の柔らかいバージョンのあの周波数へ引き戻されていた。


引き戻されたが、底に別のものが歩いていた。その層のものがとてもゆっくりと歩き、彼女の声線の下を歩いていた。まるで一本の水の中で泳ぐ魚で、魚の形は見えないが、水面のあの層の細かい、魚が下から押し上げてくる波紋は見える。


「小櫻ちゃん」彼女は微笑み、口角が上がる角度は教室で子供に難しい問題を説明するあの角度だったが、語速は普段の半分遅かった。「もしもう一度触ったら、先生は我慢できなくなって、君に歴史をたくさん話すわよ。」


小櫻ちゃんの目が「ぱっ」と明るくなった。


「本当?」


薇がその瞬間に気音で、非常に非常に小さく、二つの字を言った。


「終わった。」


気音の「終わった」がまだ完全に薇の喉から散っていないうちに、彼女の身体はすでに水の中から起き上がっていた。先に手を突くことも、膝を上げることもなく、腰から下のあの重心が一気に上へ抜き、水面がこの動作によって彼女の周囲から一輪また一輪押し開かれた。鎖骨のあの凹んだ線から始まり、一筋の薄い水が鎖骨を伝って下へ滑り、胸口の上縁へ、温い泉の熱気に蒸されてわずかに赤みを帯びた乳房の弧に沿って外へ半周回り、また下のあの深い影に合わさって戻り、それから腰の凹み、腰骨の弧、大腿の外側のあの長く下へ伸びる線まで。過程全体が一層の透明な布が頭頂から剥がされ、きれいに剥がれていくかのようだった。Fカップが水から離れたその瞬間に浮力を失ってわずかに下へ沈み、また彼女が直立した姿勢に支えられて戻り、軽く一振りした。三滴の水が右側の乳尖から連続して下へ落ち、間隔が短く、一滴が水面に当たり、二滴目が一輪目の漣漪がまだ散りきっていない縁に当たり、三滴目がちょうど二輪目の中心に落ちた。三つの同心円が彼女が第一歩を踏み出す前にすでに広がっていた。


彼女の足が池底に踏み込み、水しぶきが小腿に掻き開かれてまた合わさった。三歩、急がず、しかし一歩も止めず。八千代のあの「先生が話してあげるわよ」の第二の音節がまだ喉に引っかかって吐き出されていないうちに、薇の右手が上方から落ちていた。指が正確に小櫻ちゃんが伸ばしていたあの片の手の腕骨を掴んだ。力は重くなかったが、その掴む角度はまるで一本の今まさに水底へ滑り落ちようとしている縄の結び目を掴んだかのようだった。


「小櫻ちゃん、先にやめなさい。」


あの「~」が消えていた。薇が普段尾音を上へ引き伸ばすあの引きずりが完全に切り取られていた。この一句が彼女の口から出たときには閉じていて、まるで一つの句点が叩きつけられた音のようだった。普段より半オクターブ低く、更衣区の中のすべての人の呼吸がその瞬間にこの一句の重みに押された。


八千代の口角に本来形成されかけていたあのわずかに上へ上がった角度が、ゆっくりと元の温度へ戻った。彼女の肩がさっきのあのわずかに前へ傾いた位置から後ろへ少し収まり、耳先のあの輪のさっき浮かび上がってきた赤が一層退いた。水の下に置かれていた指が膝から上がり、半秒吊るされ、また戻った。


薇が彼女を見ていた。彼女が薇を見ていた。


二人の視線が空気の中で噛みつき、長い間ではなかった。ただその一息の時間。誰も何も言わなかった。薇は小櫻ちゃんの腕骨を放さず、八千代はもう一度動かなかった。小櫻ちゃんの手が二つの力に中間で引かれていて、一方は八千代のさっき彼女を前へ誘ったあの線、もう一方は薇のこの一本さっき掴み下ろした手。二本の線が水面の上で交差し、誰一人先に緩めなかった。


八千代が先に笑い出した。


「アラ、薇ちゃん、早いわね。」笑いの中に少し見破られた疲れと、少しようやく誰かに受け止められた感謝があった。


薇の口角がようやく上がり、「~」尾音が声線の中に戻ってきたが、目はまだ笑いに従っていなかった。「先生の今日の歴史、面白すぎたわ。私、先生のために少し体力を温存してあげる~」


「いいわね。」八千代は一度頷き、手を水の下から上げて再び膝の上に置いた。


「え、なんで歴史を聞いちゃいけないの?」小櫻ちゃんは顔を上げ、目がまるでさっきお菓子をだまし取られたばかりのように丸かった。さっきのあの零コンマ八秒の間に何が伝わったのか、完全に追いついていなかった。


薇はこの時ようやくしゃがみ込んで小櫻ちゃんと目線を合わせようとした。Fカップがしゃがむ動作について前へ一振りし、小櫻ちゃんの顔からおよそ一掌の距離で止まった。薇自身は気づいていなくて、注意力はまだ八千代の方に留まっていて、回収されていなかった。


「小櫻ちゃん、あの歴史は君の年齢では聞けないのよ。」


「でも私は高学年だよ」


「高学年の『歴史』もだめよ。」


小櫻ちゃんの目が忽然と前へ焦点を合わせ、薇の胸の前のあの距離に落ちた。「薇先輩、すごく近い」


薇はこの時ようやく頭を下げて自分と小櫻ちゃんの顔の間の一掌の空気を見つめ、一度瞬きし、笑った。


「うん、近いわ。」


池の縁のあの白いタオルが最速で棚から引きずり下ろされた。ソフィアは片手でまだ死ぬほど池の縁の石の縁を掴んでいて、もう片方の手でそのタオル全体を自分の顔に被せ、声が布の中に押し込まれて絞り出された。


「お願いだから、あなたたち二人は先に離れて。」


ソフィアは言い終わると動いた。タオルが顔から引きずり下ろされ、適当に肩に掛かり、片手で池の縁を支え、もう片方の手で水を押した。全身が水の中から立ち上がり、水が彼女の褐色の肩から下へ滑り、鎖骨の凹みを通り過ぎ、豊かな胸を通り過ぎ、腹部のあのぼんやりとした筋理を通り過ぎ、大腿の正面と側面の弧を通り過ぎて下へ流れ落ちた。彼女は遮らなかった。一本の指も伸ばして遮らなかった。彼女の動作にはただ一つの方向があった——この池の水から離れる。池の縁のタイルを踏み、タオルはまだ結びついておらず、緩く胯の前に垂れ、水が彼女の大腿の後側から一路下へ滴り、タイルの上に一筋の明るい湿った痕を引いた。


薇が口を開いた。「ソフィア」


ソフィアは振り返らず、声が背影から返ってきた。「私は服を着に行くわ。あなたたちは続けて。私は更衣区であなたたちが出てくるのを待ってる。」


薇は一度笑った。その笑いはさっきのあの鉤のある笑いより淡く、手が小櫻ちゃんの手首から下へ滑り、手のひらへ、指先が指先に触れ、触れてまた緩み、それからまた握った。薇は小櫻ちゃんの手をしっかり握った。


「小櫻ちゃん、私たちも出ましょう。」


「でも八千代先生はまだ」


「八千代先生も出るわ。」八千代が水の向こうで笑った。「礼儀は話し終わったわ。」


彼女がこの一句を言うとき、身体はすでに水の中から立ち上がっていた。動作は薇よりさらに急がず、水が彼女の珠光白の身体の上を乳房と腰に沿って下へ滑り、一滴一滴の経路がすべて彼女の身体の曲線のスローモーションの模写だった。彼女はこの露出に対して全く余計な表情がなく、まるで一本読み終わった本をしまうかのようだった。タイルを踏み、外衣が肘から彼女に取り下ろされて肩に掛けられたが、結ばず、そのまま歩いた。


四人が池の縁から更衣区へ戻るあの短い道のりで、誰も何も言わなかった。足の下のタイルの温度が足の心から伝わってきて、蒸気が背後の水面から散らされ、髪がまだ下へ水を滴らせ、水の粒が鎖骨を伝って下へ滑り、乳の間へ、また下へ。音はただ四足の足がタイルを踏む湿った響きだけだった。


更衣区の中でソフィアはすでに下着と訓練ズボンを履き、訓練服の上着はまだ手に持っていた。彼女はその上着を見つめ、どこへ着ようか知らないようだった。耳は依然として赤く、赤みが耳廓から一路首へ広がっていた。


薇が自分の訓練服が掛かっていた場所へ歩き、上着を拾い上げたとき、一秒止まった。訓練服はさっき彼女が適当に投げたもので、投げたときはまだよかったが、五番目のボタンが今一本の糸に孤零零に掛かって揺れていた。薇は手に持ってボタンをボタン穴へ戻そうとしたが、戻せなかった。糸の端がすでに布地から抜け、ボタンが緩く揺れていて、まるでさっき起こった小さな証拠が彼女の服の上に残されたかのようだった。


薇は声を出して笑った。きれいな笑みで、笑って肩まで一振りした。


「明日は新しいボタンを買いに行かないと。」


小櫻ちゃんはすでにスポーツブラを身体に戻していた。彼女が着ける速度はさっき脱いだときより遅かった。さっき八千代が池の縁で示範したあの拍子を真似ていて、半分まで着けたときに半秒止まって水気が布地と皮膚の間から散るのを待ち、それからまた上へ引き上げた。非常に真剣で、眉がまだわずかに寄っていて、まるで拍子を数えているかのようだった。


八千代が外衣を結び、長いスカートが腰の側から滑り落ちて太ももを覆う動作が一気呵成だった。彼女は更衣区の中で唯一、服を着ているときと着ていないときの間にどんな移行の負担もない人だった。まるで一ページの本をめくるかのようだった。


ソフィアがようやく訓練服の上着を引き上げて頭へかぶせた。布地が顔の前を通り過ぎ、光が一瞬暗くなり、また明るく戻った。それから布が彼女のまだ水気を帯びた鎖骨を伝って下へ覆い、胸口を覆い、腰を覆った。一段の皮膚を通り過ぎるたびに、その一段の皮膚への再確認だった。さっき水線が滑り過ぎたあの一段の鎖骨、さっき薇の視線が留まっていたあの截の胸口の上縁、さっき彼女自身の手が池の縁をしっかり掴んでいたときに腹部が張りつめていたあの小さな一塊の肉。布地が覆い被さったとき、彼女はさっき脱いだときより、自分の身体がどんな形をしているかをはっきりと知っていた。


四人が更衣区の扉を押し開けて出て行き、また浴場の外の扉を押し開けた。八千代が先に扉を開き、廊下の空気が浴場より半度涼しく、石と木の匂いを帯びていて、背後の蒸気と一接触すると、髪の末端の水の粒が涼しくなるのがもっと速くなった。


団長が廊下の側面のあの長い椅子に座っていて、手に一本の本を持っていた。側面の光が本のページに当たっていた。彼は扉の音を聞いて顔を上げた。


彼が見たのは四人だった。髪はまだ全部濡れていて、末端がまだ水を滴らせていた。顔が赤いのはソフィアで、首まで赤かった。薇の訓練服の前襟の五番目のボタンが糸に掛かって軽く揺れていた。小櫻ちゃんのスポーツブラが少し歪んで着けられていて、縁にまだ覆いきれなかった下着の裏地が一截露わになっていた。八千代の外衣は結ばれていたが、髪の糸がまだ頰に貼りついていて、エルフの耳先はピンクだった。四人の身体にすべて蒸気と洗髪の草の薬の匂いが帯びていて、廊下の空気が彼女たちが通り過ぎたその一秒で完全に匂いが変わっていた。


団長が本を閉じ、指先をさっき読んでいたあのページに挟み、立ち上がり、廊下の真ん中の方向を空けた。


四人が彼の傍らを通り過ぎた。


小櫻ちゃんが唯一顔を上げて団長に向かって笑った笑みで、とても直接的で、鼻先にまだ少し水気が付着していた。「会長、いい匂い」彼女は二歩歩き、忽然と一瞬止まり、何かを思い出したかのように一句補った。「待って、私が香るの。」


団長は頷き、「うん。」と言った。


八千代が団長の傍らを通り過ぎたとき、足取りが一秒にも満たない間止まった。彼女の手が軽く団長の制服の袖に触れた。指腹と布地の間にはただ一呼吸ほどの長さの接触しかなく、それからまた前へ歩き続けた。


ソフィアが通り過ぎたとき、顔全体が廊下のもう片側へ向けられ、目を死ぬほど壁に固定していたが、髪はまとめ上げられていて、耳が彼女の最後に暴露された部分で、赤の限界まで赤く、耳の骨の輪郭まで見えるほど赤かった。


四人が遠くへ歩いたあと、団長がようやく本を再び手に取り、追いかけた。


廊下に残ったのはただ草の薬の匂いだけだった。水気も。

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