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アヴァルの受難  作者: 嘉七


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4/5

怪獣大戦争

ロイ達と別れてからの話です。

ここからアヴァルの旅が本格的に始まります?

「な〜んでやね〜ん!」


突如森の木々の陰から飛び出して来た白い大きな犬みたいな生き物が飛び出して来た。

ある程度範囲索敵魔法で警戒してたのに範囲に入った瞬間にはもう目の前まで来ていた。


「もう一匹デッカいのが来ます」


僕はトロンさんに叫んだ瞬間、大きさも変わらない頭の黒い蛇が白い大きな犬に向かって飛び付いてくる。

犬は蛇を避けるが蛇の尻尾が後ろ脚に当たり怪我をしたようだ。


「怪獣大戦争やな・・・」


「何ですかそれ?」


「わからんならいい・・・」


時より良くわからない事を言っているトロンさんに下がるように言われる。

開けた草原の真ん中で犬と蛇が土煙を撒き散らして喧嘩している。

トロンさんの乗っている馬は軍馬でしっかりと鍛えられているが僕の乗っている馬は行きがけの農村で購入した馬、目の前で僕よりも大きな馬の更に大きな二匹の喧嘩を起こされたらびびってしまい言う事を聞かなくなる。

僕の乗っていた馬が目の前の乱闘を見てとうとう前脚を上げて暴れ出す。

必死に手綱を使い落ち着けようとするが振り落とされる。

僕を振り落とした馬が蛇に見つかり逃げようと向きを変えた所に尻尾が襲い吹き飛ばされた。

犬は蛇に噛まれたらしく、動けなくなっているそして目の前には僕。

当然、一飲みで食べられる僕を襲ってきた。


「アヴァルにげんか!」


トロンさんが僕に叫ぶが「貴方が逃げないでどうするんですか!」と言い返してしまった。

僕はおまけでここまで来た。

当然、重要なのは書簡を持っているトロンさんを逃すのが当たり前だと思ったからだった。


「アホな事ぬかすな!、お前が食われたら姫さんに殺されるわ!」


そのやり取りをしている間に襲いかかってきた蛇をギリギリ避けるとバルテクス師匠の教え良し、捻りが加わり重さを乗せた拳を蛇の頭の付け根に正確に一撃を入れる。

蛇がその大きな体にまさかの一撃を貰うと、衝撃で気道を潰されたのか口からヒューッと音を出しながら逃げようと方向を森へと向けた。

「いてまえや!」と声が掛かったので蛇の身体に飛び乗って脳天に一撃を落とす。

蛇がその一撃で動きを止め大きく長いその身体が怪獣大戦争の終結を物語った。

トロンさんが蛇から離れるように言うので離れた瞬間クビを落とす。

「ジャイアントキラースネークやな、頭に毒があるから切り口は触んなよ」と斬った剣の血糊を拭きながら教えてくれた。

「犬っころはどうや?」とまだ息がありそうなのだが動けない犬に側に行くと当然威嚇されるトロンさん。

「大丈夫」と手に回復魔法を見せて近づくと僕には威嚇して来なかった。

どうやらトロンさん曰く「野生の勘やな」との事。

もし毒にやられているなら先に解毒が良いと言われ習ったばかりの解毒魔法を初めて使う。

傷から独特の匂いが立ち込めてくる。

練習でトロンさんでした時と同じ匂いが立ち込める。

「何でワイやねん、ワイかて毒ならししてるで?」と文句を言いつつファリンお姉ちゃんに後ろで怖い笑顔を作られて仕方無く付き合って貰った解毒魔法。


「少し入っているようです」


「そのまま解毒して、ニオイが無くなったら回復に切り替えや」


「分かりました」


その後直ぐに解毒中のニオイが消える。

直ぐに回復魔法に切り替えて傷口を塞ぎ腫れの酷い脚をそのまま回復魔法で治療する。

少し酷かったみたいで身体強化を使っていたのをやめて回復魔法に全部マナを使うようにして大きな犬の腫れていたのが無くなっていく、助けた事へのお礼なのか着いて来れば食べ物をくれると思ったのか白く大きなその犬は後にフェンリルと分かるが僕以外を主人と認めなかった為、僕が飼い主となった。


それがリンドとの出会いだった。


ロイお兄ちゃん達と別れた直後、トロンさんはロイお兄ちゃん達からの手紙を渡された今度は反対にローエンス王国の辺境エルベムまで届ける事になった。

直ぐに「怒りの手紙や」と国王様に手紙を書いて郵鳥便で送って直ぐに出発した。

来た道を戻るのかと思ったら「南側で豪勢に行くでぇ」っと南の道を行く事になった。

南側の道は行き交う人が多くて安全で綺麗な道だった。

お金が少しいるみたいだったけど、そのお金で道を綺麗にしたり道で襲われないように騎士のお金に使っているみたい。

綺麗で進みやすい道をローエンス王国に向かって戻って行くトロンさんと僕、ロイお兄ちゃん達と別れたその日の内に最初の泊まる街に着いた。


「凄い綺麗な場所だけどお金は良いの?」


ふと僕は思った事をトロンさんに聞いてみたら「実はな、国王様からたんまり皆んなで使うように貰っとんねん、でもあのにいちゃん達全く使わんかったやろ?、だから行きがけの駄賃や」って返ってきた。

使わなかったから自分達で使ってしまうって事みたい。「お前も共犯だからな」と真顔で後で言われたのも覚えてる。

こうして僕達はロイお兄ちゃん達との旅とは違い何事も無くスイスイと進んでいった。

別れて一週間後に泊まっていた宿の部屋に人が訪ねて来た

もう二週間も一緒に居ると何となくトロンさんの事が分かって来ている、この人どうでも良い時に無駄に勘が働くみたい。

宿の人がドアの向こうから訪ねて来た人が居ると声を掛けられたのでトロンさんがドアを開けようとする。

ドアノブに手をかけた瞬間、動きが止まり音も立てずに後退りする。


「開けなくて良いんですか?」


小さな声で「アホ、声出すな、見つかってまう」

すると外から何処かで聞いた声が聞こえてくる。


「トロン、そこに居るのは分かっている、無駄な抵抗はやめて大人しく出て来い」


扉を壊れない程度にノックされる。

すると突然ドアの鍵が開いてしまう。

「宿屋のにいちゃん買収されたか!」と叫んでる間に軍服の人がドアを開けて突入してくる。

あっと言う間に軍服の人に抑え込まれてしまったトロンさん、窓から逃げるつもりで枠に足を掛けたんだけど下にも軍服の人が居たのが見えたみたいで判断迷った一瞬で捕まってた。

どうも郵鳥便が国王様に届いて直ぐにこうなる事を予想していたみたいで近衛の騎士さん達が追っかけて来たみたい。

既に宿屋に泊まるようになっていたので今日はこのまま泊まることになったのだけど・・・、「明日から貧乏旅のコブ付きや・・・」とガッカリしてた。

追っかけ来た騎士さん達にお金を取り上げられて肩を落として次の日からの宿屋は壁の薄い部屋だったらしく、何処からか女の人の声が聞こえて来て良く寝られなかった。

「子供連れてんねんぞ・・・、まだ早いちゅーねん」ってぼやいていたけど何だったんだろう・・・。

その後二日街道を進んで三日目、狼の森と言われる森林を進んでいる時に大きな犬と大蛇の怪獣大戦争に出くわしたのだった。


◇


「またけったいなモンになつかれたなぁ・・・」


回復が終わった大きな白い犬は僕の顔を舐めている。

ジャイアントキラースパイダーを倒したは良いけど大きすぎてどうしようかと迷っていると、通り掛かった荷馬車に乗った商人さんに声を掛けられた。

死体が街道を塞いでしまっていたので止まるしかなかったんだけど。

あとは僕の乗っていた馬がさっきの騒ぎに巻き込まれて死んでしまった・・・。

これからトロンさんの馬に乗っていくか、とりあえず次の町で馬を買うしかないのだけど。

ケガを直した大きな犬が僕に張り付いて動けない、トロンさんが「ロイのあんちゃんから信号魔法習っとらんの?」と聞かれたので、ロイお兄ちゃんからもらった筒を取り出してマナを流すと、筒から光が空に飛んでいき大きな爆発と光が空に出たのでみんなびっくりした。

何事かと街道を警備する騎士団の人たちが来てくれて、怪獣大戦争の跡を見てびっくりしていた。

とりあえず大きな蛇には報奨金?ってのがあったみたいでトロンさんがその報奨金のお金をしって喜んでいたのだけど、僕には助けた大きな犬が引っ付いてきてそれどころではなかった。




次回はアヴァルの相棒誕生です。

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