主人(あるじ)と酔っ払い
新たな相棒登場です。
リンドと出会った街を出て一週間、3つの街を通って国境の街に到着していた。
「今日はここで一泊や、しっかり寝とけや」
「何でそんなに不機嫌なんですか?」
宿に入って直ぐに不機嫌になったトロンさん。
「どうもこうも無い、この街は宿屋と食いもん屋しか無いんや⁉︎、ねーちゃんのいる店が無いんや・・・、わいの楽しみが・・・」とただ気分良くお酒の飲めるお店が無いから不機嫌なだけだったのでトロンさんをそのままにしてリンドの毛繕いをする為に宿屋の裏庭に移動した。
『はぁ・・・、気持ち良いです・・・、主人・・・、そこそこ・・・』
ワイヤーブラシでしっかりと毛繕いをしていると壁の向こうから視線を感じたのでふと見ると可愛らしい顔が二つこちらを見ていた。
こちらの目線に気がつくと頭を下げて隠れている。
リンドが警戒していないので悪さしてこないのだろう。
そのままリンドの毛繕いを続けると再び可愛らしい目線が飛んでくる。
(お隣かな・・・、興味ありそう・・・)
とふと悪戯を思いつき目線の先を再び見てみると慌てて頭を下げる壁の向こうの可愛い観察者。
頭を下げている間にリンドと二人裏にある孤児院まで急いで移動する。
「こんにちは〜!」
「はーい」
その顔を見た瞬間、僕は体が動かなかった・・・。
「どちら様でしょうか・・・?」
見覚えのある目、少し日焼けはしているが以前よりふっくらとしている輪郭、あの帰って来なかったシスターが目の前に立っている・・・。
「シスター・・・」
僕の目からはいつの間にか涙が流れ落ちていた。
あの小さな手を取って何時もお世話をしてくれた人。
突然誘拐されもう二度と会う事は無いと思っていた人が目の前に・・・。
「シスター?」
出迎えてくれた女性は泣き始めた僕を見てびっくりはしたが不思議そうな顔をしている。
「シスターでは無いのですか?」
泣きながら僕は女性に聞いてみたら
次回は偶然の出会いが・・・




