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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第七章【召喚の儀式編】

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202/206

201 召喚は辛いよ……

(ルーク)


ミザリー先生は優雅な仕草でお辞儀をすると、ポケットから折りたたまれた一枚の紙を取り出した。


なんの紙だ?


興味が湧いてその紙が開かれていくのを見ていると、姿を現したのは何かの魔法陣であった。


「それではこれから召喚の準備を始めますので、皆様はそのままお待ち下さい。」


ミザリー先生がそう言った瞬間、突然その魔法陣が輝きだし、そこから発せられた白い光が一瞬で部屋全体を包みこむ。


「これは……?」


「な、なに?」


殆どの生徒達が目を瞑る中、目を細めながら周囲の様子を伺っていると、部屋の中がググ〜と広がっていく様な……?

まるで粘土を伸ばす様に部屋全体の空間が伸びていくのが見えた。


「空間系の魔法っぽいね。多分学院長さんの能力じゃない?」


「へぇ〜こんな事もできるのか。すげぇな、魔法って。」


アッシュが冷静に分析している傍ら、広くなっていく部屋に拍手する。


物体の物理法則を完全に無視した能力は、戦闘になれば非常に厄介なモノである事は間違いない。

変則的な攻撃は予想がつかないため、これでは気がついたらお陀仏もあり得る強力な能力だ。


端が遥か遠くに行ってしまった広い部屋の中。

動きが止まるのを待って、周りに待機していた教員達が中央に集まり床に魔法陣を書いていった。


多分、これが召喚を可能にする魔法陣だ。


徐々に完成していく魔法陣からは独特の魔力反応が感じられるようになってきて、周りの生徒達は次第にソワソワ落ち着きがなくなっていく。

そうしてとうとう完成したらしい魔法陣を前に、ミザリー先生は自分の首に掛かっている青い宝石がついたネックレスを外し、完成したらしい魔法陣の中央にそれを投げ入れた。

すると、魔法陣に魔力が流れ込んでいったのを感じたので、多分あのネックレスが<魔力電池>的なモノかと思われる。


「ネックレスには人数分の召喚を行えるくらいの魔力が貯まっていますので、ご安心下さい。それではこれより順番に召喚に挑戦していきましょう。

勿論召喚は任意ですので、望まない方々は見学をお願いします。」


ミザリー先生が上品な礼をすると、召喚を希望する人たちは前に出る。

俺とアッシュ、セレンは望まない組なので、とりあえず後ろに立ったまま待機し、召喚とやらを見守る事にした。

周囲を見れば、王族二人組やカミラ嬢、ライアーとスティーブなどの顔見知り組は受けないのかその場を動いておらず、並んでいるのは他のまだよく知らぬクラスメイト達とちょっとした顔見知りになってしまったドラ猫サミュエル君とリリスだけの様だ。


「呼びかけに応じてくれるモンスターがいれば、あの魔法陣からモンスターが出てくるんですね。

建物内を広くしたのは、巨大なモンスターが出てきた時用に……ってことですか。」


「あ〜確かに、デカいヤツが出てくる可能性もあるもんな。」


セレンが魔法陣を見つめながら考察を語ると、俺の頭の中には、またもや巨大なヘビが浮かび大きく頷く。

確かにあんな巨体が召喚されたら建物がぶっ壊れる。

だから、サマナイズの召喚する場所は広い青空学級みたいな場所だった様だ。

更に大きいモンスターが召喚された場合を妄想していると、アッシュが遠くなった壁を見つめて目を細めた。


「ん〜……それもあるけど、この部屋、広くなっただけじゃないみたいだよ。

多分再生魔法と同じ様な効果がついているのかな?このまま壁とかを壊しても、元に戻るっぽいね。」


「はぁ?!マジかよ、すげぇ〜な。」


俺とセレンは一斉に周囲を見回し、その超高性能な壁を見て目を輝かせる。

まさに夢の商品!またリバティーの株が上がった。


「では、受験時の番号順でお願いします。」


ミザリー先生がそう言うと、受けようと希望した生徒達の1人が魔法陣の前に立つ。

するとミザリー先生は腕を組んで祈りのポーズをして、そのままブツブツと詠唱?の様なモノを唱え始めた。


「『偉大なる我らが精霊神よ。示す道に答える者を導き給え。』」


すると、魔法陣はチカッ!と1度強く輝いたが…………それ以上何も起こらない。

それを見てミザリーは首を横に振った。


「残念ながら答える者はいなかった様です。では、次の方どうぞ。」


一人目のヤツは召喚できず。

その後、次々と別のクラスメイト達が召喚を試みるが、全員同じく反応は無いようだ。


「やっぱり難しいんだな、召喚って。」


失敗続きの召喚を見ながら渋い顔を見せると、アッシュは堂々とあくびする姿を見せた。


「そりゃそうでしょ。召喚に成功するのは限られた血筋の人たちばっかだって聞くし。

それに、元々戦い方の方向性が決まっている貴族にとって、下手をしたらマイナス要素にもなるんだから、ホイホイ成功したら大変でしょ。」


「?並んでいる生徒達の殆どがその貴族じゃないか。デメリットかもしれないのに、何故奴らは召喚を受けるんだ?」


セレンが並んでいる貴族の生徒達を見ながらアッシュに質問すると、アッシュは少し考える素振りを見せた後、それに答える。


「専門性の高い戦い方じゃなければ、強いモンスターと契約できた方がメリットが大きいからだよ。

良く言えば柔軟性が高いから戦い方を変えられるってこと。

だからより大きな力が手に入るチャンスとして召喚に挑戦する。

自分の力量以上のモンスターだとそれなりの代償が必要らしいけど、貴族なら大抵のモノは用意できるし、何より精霊の加護付きモンスターなんかを召喚できれば、一気に貴族の中でも序列が上がるだろうしね。

ただ、王族とか高位貴族になると戦い方の特殊性が高いし、血筋によって遺伝する能力に対するプライドもあるみたいだから、いくら強いモンスターでもデメリットの方が大きい。

なら最初からしなくていいやって感じでしょ。」


「なるほど。」


「なるほどね〜。」


アッシュの説明に俺もセレンも納得した。


能力に特化性があればあるほど、特に相性が悪いモンスターなどは寧ろ能力を下げる可能性がある。

更に貴族は特に位が高ければ高い程、自分の家が先祖代々受け継いでいる戦い方にプライドがあるらしいので、それを変えることを望まないというわけだ。

ただ、戦い方が柔軟な家や、そこまで特殊性を持たない家なら、召喚は成り上がるチャンスの一つ。

だから、頻繁にはできないが定期的に召喚にチャレンジし続ける家もあると聞いたことがある。


ただ魔力コストの関係上、頻繁にはできない儀式かつ召喚に成功する確率が低いとなれば、よっぽど余裕がある家じゃないと召喚はし続けられないだろう。

領の維持とか他のことで魔力は必要になるだろうし、それこそ人の命を使う様な特殊な方法じゃない限りは……。


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