第1話 運命と勇気の物語
始まりました第三部!!!
開幕にお送りするのは皆さん大好き恋愛パート\(//∇//)\
記念すべき第一章は、恋と共に——。
白銀鏡が描く恋物語をどうぞ最後までご覧くださいm(_ _)m
運命と勇気の物語
どうぞ!
恋——。
それは、誰かを想い、触れ合いたいと願ってしまう、小さくも激しい“愛”の種。
ふとした仕草や、何気ない言葉。
そんな些細な瞬間から芽吹いたこの想いは、やがて確かな形を持ち始める。
同じ景色を眺め、同じ空気を吸う。
それだけのことに、かけがえのない意味を見出してしまうのだ。
——だが、その感情は、いつまでも静かではいられない。
胸に押し込めた想いは、みるみるうちに溢れ出し、届かない距離に、苦しみさえも覚えていく。
そして、近づきたいと願うほど、何よりも拒絶を恐れる。
しかし、壊れることや傷つくことを恐れ、それでもなお、誰かを求めてしまうもの。
不安定で、臆病で、とても人間らしい感情。
それこそが——恋だ。
やがて、人は——その種を実らせようとする。
愛しの人間に対し、食事へ誘ったり、贈り物を渡したり。
触れ合ったり——想いを、伝えたりと。
どれも“勇気”があってなせること。
恋の成就に必要不可欠なそれを、皆が振り絞るのだ。
だが、この“勇気”だけで、人間同士の糸は、本当に繋がるのだろうか。
どれだけ尽くしても、実らない恋があるのは——皆さんも知っているだろう。
自分の他にも、大切な人がいるのかもしれない。
相手にとっての自分は、好みの顔をしていないのかもしれない。
どうやってもひっくり返せない理由が、この世にはごまんとある。
まるで、この世界の全ては、最初から誰かに決められているかのように……。
このように、人と人との物語なんてものはすべて、“運命”という強い力に縛られている。
——白銀鏡は、そう思う。
* * *
城下を彩る子供たちの笑顔、虹がかかるほどに強かに咲く水景色、今日もギルバディアには賑やかな都会の景色が流れていた。
そこに舞うのは、笑顔が絶えない——あの少女。
『おお! あれは一体⁉︎ 串に刺さった……お肉でしょうか?』
彼女の名はラキ。
マリラと共に帝都へと出向いたカガミを見送り、一人この街で留守を任されていた。
『あちらには、おいしそうなお菓子が………はっ! いけないいけない! 今日は大事な日でした——』
噴水広場にて、目を輝かせては首を振りを繰り返していた彼女は、何かを待っていた。
——すると。
「あっ……ナナぁ! こっちこっち!」
その側で腰掛けていた少年が、立ち上がり大きく手を振る。
声の主は、弟のルキだった。
「ルキ様ぁ!」
そして、ぎこちない足取りで彼の方へと駆けて行く少女の名はナナ。
「はぁ……はぁ」
「おいおい……大丈夫かよ?」
やがて、ルキの目の前に止まる足。
息を整えたナナは、胸の前でそっと両手を合わせる。
さらに、少し首を傾げ、眉尻を下げながら、申し訳なさそうに口を開いた。
「ごめんなさい、お待たせして——お父様を説得するのに、少し時間がかかってしまいましたわ」
顔を覗き込むナナに、ルキは気にした様子もなく笑ってみせる。
「いいって。それより、昨日は悪かったな……途中で抜けちまって」
先日、マルク生存の報せを受けたルキは、急いでアバンの元へ向かうため、途中で席を外してしまっていたのだ。
こうして、二人きりで街で歩くのは、今日が二度目だった。
「なんか色々大変みてぇだけど……マルクのやつも何とかなりそうだし、これで一安心だ!」
不安を抱えていたからこそ、今こうして笑う彼の姿が嬉しい。
ナナもまた、満足そうに微笑んでいた。
「よかったですわ。ルキ様が元気になられて——それで、今日はどちらへ?」
目を丸くする彼女に、ルキはふと視線を逸らす。
「そ、そうだなぁ。俺もナナも、この街そんな詳しくねぇし……昨日みたいに適当に歩いてみっか——」
「はい!」
やがて、並んで歩き出す二人。
目的などはない。
ただ、一緒にいる時間を大切にするように、共に街へと溶け込んでいった。
——そして。
『ついに、始まりましたねぇ——』
そんな睦まじい背中へ、熱のこもった視線が向けられる。
『むふふ……一体、どうなることやら』
人知れず街を漂う少女ラキは、溢れる笑みを押さえながら、ゆっくりとその後を追っていくのだった。
——これから彼女が見守る物語。
それは、健気に生きる少年少女たちの、運命と勇気が織りなす、甘くも酸っぱい——恋の物語である。
さあさあ始まってまいりました。
早速お見せするのは、ルキとナナのデートから。
しかし、彼らには様々な困難が立ちはだかります。
どうやって乗り越えるのでしょうか……。
さらに、それを見ていたラキは……⁉︎
お次は金曜日!




