第四十二話
「はい。もう一度になりますが、土屋に荒れ果てた土地を修復してもらいます。その後、真未に家の修復をお願いするつもりです。ここまでで、何か質問はありますか?」
徹也はそう、この場にいる全員に問う。計画すべてを把握しているのは徹也とヘンリーのみで、他の者達はそれぞれ断片的にしか知らないからである。
すると、刀夜が手を挙げて徹也に問いかけた。その内容は、行く者に関することであった。
「まず、ここにいるメンバーは全員行くことでいいのかしら?」
「いえ。先生以外の人で行こうと思っています」
「……え?そ、そうなの?」
徹也の説明を聞いた刀夜は、狼狽えながらもそう返した。なぜ自分だけが行かないのか分からなかったからである。
「あの、なぜ刀夜殿だけ?」
「先生には、残ってやってもらいたいことがあるんです。それに……」
「それに?」
「……いえ。なんでも。とにかく、そういうことです。先生の件は、後で説明するので……」
「……取り合えず、分かったわ」
徹也の説明に、刀夜は一旦引き下がった。刀夜は少し不満げではあったが、徹也には伝えたこと以外にも理由があった。
(できるだけ先生に頼りたくないのもあるが……。残ってやってほしいことがあるのも本当だ。それに、王からの心象をこれ以上悪くしない方がいい)
今回、刀夜を連れていくと王に言えば、間違いなく難色を示すであろうと、徹也は考えていた。なぜなら、まだ徹也達はなにも成し遂げていないからである。
王が徹也達と完全に敵対していないことは間違いないが、同時に依然ルーカス派よりであることも変わりない。故に、徹也達とスカーレット派はもう仕方がないが、刀夜達の立場をこれ以上悪くするメリットはないと徹也は考えたのだ。
もしも徹也達が失敗し、また命を狙われることになっても、刀夜達が巻き込まれることのないように。徹也は、そう考えているのである。
「……ルーカス派の動きとかは、どうなの?」
刀夜が徹也に返事をした後少しの間静寂に包まれていたが、その静寂を治伽が破った。治伽自身、先生が今回来ないことは賛成であったが、やはり不安は拭えなかったのだ。
「恐らくだが、どこかで仕掛けてくると思う。俺の予想だと、村に向かう道中だな」
「じゃあ、それに対する対策をするわけね。何をするの?」
「奇襲に対応できるように、武器の準備だな。真未に頼んだものもあるし……」
徹也がそう言って真未の方を見ると、真未は徹也に頷きを返した。それを見た徹也は、すでにその武器ができていることを察した。
「後は心構え、かな」
「ふふっ。なにそれ?」
「徹也君でもそんなこと言うんだね!」
徹也の続けた言葉に、優愛と舞が笑ってそう反応する。だが、治伽だけは笑わずに、徹也の言葉を神妙に受け止めていた。徹也の言った心構えの意味が分かったからである。
「まあ、ルーカス派の妨害以外を警戒していれば、問題ないと思います。俺からは以上です」
「よし。皆、分かったか?各々の役目を全うしてほしいと思う」
ヘンリーのそんな問いかけに、この場にいる全員が頷いた。それをみたヘンリーもまた頷き、確認を取る。
「では、明日は早朝には出発する。馬車に乗っていくので、集合場所は馬車の前だ。刀夜殿は勇者殿達を頼みます。明日は皆、よろしく頼む」
ヘンリーのこの言葉を最後に、この場は解散となった。そんな中、徹也は刀夜のもとへと向かった。先程の件を説明するためである。
「先生。やってもらいたいことを、説明してもいいですか?」
「ええ。もちろんよ。聞かせて」
刀夜はすぐに、徹也の問いに頷きを返した。刀夜としても、その内容は気になっていたからである。
刀夜の返事を聞いた徹也は、刀夜にその説明を始めた。
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