第四十話
二人一緒に地図を持ってきた徹也とシャーロットは、机に地図を置いてそれを開いた。そして徹也は、目当てのページまでめくる。
「……ここだ。前は王都から、このルートで村まで行ったから……」
徹也は前通ったであろうルートを、指でなぞった。そのルートは、村に行くまでの最短ルートでもある。
「この道中に襲ってくるとするなら……。この辺りか?」
徹也は地図上で、王都と村の中間地点を指さした。王都に近すぎず、村にも近すぎない絶妙な位置。そこが、襲ってくる場所だろうと徹也は考えたのである。
その理由は、ルーカス派ができる限りバレたくないであろうと考えたからだ。王都や村に近ければ、誤魔化しが効かなくなる。だからこそ徹也は、ルーカス派が襲ってくるなら王都からも村からも離れている中間地点だろうと思ったのである。
「仮にここだと仮定すると、奇襲をしてくる可能性が高いな……」
もし奇襲されるとするなら、どのような対策をすればいいのか。徹也はそれを考え始めた。
(奇襲の対策はそんなに多くできない……。できることは、馬車に乗ったまま迎え撃つぐらいか。そのためにできるのは、魔法の強化だが……)
自分にはそのような魔法はないと、徹也は考える。なら、自分にできることはなんなのか。
(……馬車の中からでも反撃できる武器を作ってもらう、とかか?例えば……弓、とか)
徹也の頭に、古来から伝わる武器である弓が浮かぶ。弓なら中、遠距離から攻撃でき、奇襲にも対応しやすいと考えたのだ。
「あ、あの……。徹也様。他の可能性は考えなくてよいのですか?」
「もちろん考えなきゃいけないけど、道中で襲ってくる可能性が高いと思う。ルーカス派は、誰にもバレずに俺達を始末したいはずだし……」
「そう、ですか……。ですが、気をつけてくださいね」
シャーロットは心配そうな顔を浮かべて、徹也に訴えかけた。シャーロットは本当に、徹也が心配なのだろう。徹也はそんなシャーロットに対して、頷きを返す。
「ああ。しっかりと対策を練って臨むさ」
「はい。それから……」
「ん?なんだ?」
「その村の近くでの良からぬ噂を耳にしました。なんでも、村の近辺で怪しい者が見られたとか……」
シャーロットからその情報を聞いた徹也は、顔を顰めた。それがルーカス派の者の可能性があるからだ。
これを聞いた徹也は、王都側と村側から挟み撃ちにされる可能性が浮かんだ。だが、それはする対策が変わらないと判断した徹也は、深く考えなかった。
「分かった。ありがとう。覚えておく」
「そうしてくださると嬉しいです……。また、会いましょうね?徹也様」
「……ああ。もちろんだ。またな、シャーロット」
徹也はシャーロットの言葉に頷き、シャーロットに別れを告げた。そんな徹也を、シャーロットは寂し気な顔で見送ったのだった。
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