第二十八話
ボスリーはその痛みによってうめき声を出した。そしてボスリーは、クリスの方を睨んで言葉を返す。
「尋問、だとお……?」
「ああ。まずは誰に言われて俺達を襲ったのか、教えてもらおうか」
そんなボスリーの言葉に対して、徹也が返事をした。徹也は続けて、ボスリーに質問を投げかける。すると、ボスリーは血を口から吐き出しながら笑い始めた。
「……何がおかしい?」
「いや?分かってんだろと、思ってな。俺は、リーダーに言われてやっただけだ」
ボスリーはそう言うと咳き込んで、また口から血を吐き出した。だが徹也は、ボスリーのそんな様子を見ても戸惑うことなく、尋問を続ける。
「馬鹿言うなよ。依頼元がどこかって話に決まってるだろ?」
「ハッ!それを含めて、分かってんだろって言ったんだがな……。ヴィルク・ルーカスの一派だ。これで、満足か?」
ボスリーはあっさりと、その事実を告げた。これには、徹也達も驚いた。ここまであっさり吐くとは思っていなかったからだ。
「……いいや。まだだ」
「……あ?まだあんのかあ?」
だが、徹也はこの情報だけで満足はしなかった。実際、この事実は予想出来ていたことだ。徹也としては、ルーカス派の情報よりも賊の情報を知りたかったのである。
「リーダーって言ったよな。お前がトップじゃないのなら、このグループのトップは誰だ?」
「それは、言えねえなあ……。あの人達には、数え切れねえ程の恩があるからよお……」
ボスリーのその返答を聞いた徹也は、クリスをチラリと見て頷く。すると、クリスもまた徹也に頷きを返してから右足に刺さった剣を横に進めた。
ボスリーにまた、痛みが襲う。そんなボスリーを見て、徹也は同じことをもう一度問うた。
「もう一度聞く。お前らのトップは誰だ?」
「……言わねえよ。何をされてもなあ!」
「……そうか」
クリスが徹也をチラリと見たが、徹也は首を横に振った。これ以上しても意味がないと、徹也は判断したのである。
「もういいだろ?さっさと殺せよ。後悔はあるが、楽しい人生だったぜ」
「……優愛。こいつの血を止めてくれ」
「うん……。って、え!?て、徹也君じゃなくて敵を治すの!?」
徹也のこの言葉に、優愛だけでなくボスリーも驚いた。まさか、生かされるとは思っていなかったからである。
「ああ。こいつにはまだ利用価値がある。死にたがっていても関係ない。生きて、役に立ってもらう」
「……テメェ、鬼だな」
ボスリーは顔を引き攣らせながら、徹也にそう告げた。ボスリーとしては、このまま死ぬつもりだったのに、それを邪魔された上に利用するとまで言うのだから。
「なんとでも言え。じゃあ、こいつは頼みます。クリスさん。優愛。俺と治伽は穏恵達のところに向かうので」
「分かりました。拘束しておきます」
「う、うん……。分かったよ……」
クリスと優愛の返答に対して、徹也は頷きを返す。そして徹也は、治伽に声をかけた。
「よし。じゃあ行こう。治伽」
「……ええ」
治伽は徹也の言葉に頷いて、そう返事をする。徹也と治伽は、ボスリーの方をチラリと見てから穏恵達の方へと歩き出した。
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