第二十七話
そしてクリスは、ボスリーに対して剣を振るった。ボスリーはそんなクリスを見て、後ろに飛んで躱そうとしたが、少し遅かった。
クリスの剣はボスリーの足を掠め、そこから血が出る。それを見た賊が、ボスリーの名を叫んだ。
「ボスリーさん!!」
「余所見は厳禁……じゃなかったの?」
「っ!?」
治伽は賊にそう言うと、賊に向かって剣を振るった。賊はそれを躱そうとしたが、躱すことが出来ずに、左足を失う。
すると、ボスリーを斬っていたはずのクリスが賊の前に現れた。何故、どうしてという疑問が賊の頭の中で駆け巡る。
だが、その疑問が解決することはなかった。なぜなら、賊の思考がここで止まったからである。
「……エンチャント。《フレイム・スラッシュ》!」
クリスの剣が、火を纏って賊の首を斬ったのだ。賊の首から、血が溢れ出す。そして、賊の頭と体は火に包まれた。
「グッ……!クソがっ……!《サンダー・ジャゲット》!」
ボスリーがそんな賊を見て、クリスに雷を放つ。クリスはそんな《サンダー・ジャゲット》に対して、魔法で応戦した。
「《フレイム・フィルム》」
クリスは雷を火の膜で防いだ。そしてクリスは、ボスリーの方に突撃する。
クリスはそのまま、ボスリーを殺すために剣を振るおうとした。だが、それに気付いた徹也は、そんなクリスに待ったをかける。
「クリスさん!殺さないでください!」
徹也のその声を聞いたクリスは、剣に纏っていた火を収めてボスリーの左手を斬った。そしてクリスは、ボスリーを組み敷いて右足に剣を突き刺す。
「がっ!」
「ふう……。これで良いですか?才無佐君」
「はい。ありがとうございます」
徹也はクリスの元まで向かってから、クリスの問に答えた。すると、その周りに人が続々と集まって来た。
「徹也君!大丈夫!?」
最初に徹也の元にたどり着いたのは優愛であった。優愛はすぐに徹也に駆け寄り、徹也に安否を問うた。
「ああ。大丈夫だ……っと!?」
徹也がそう優愛に伝えると、優愛が徹也に抱きついてきた。そして優愛は、徹也に訴え始める。
「バカッ……!バカ!私、言ったよね!?徹也君が傷つくのを見るのは苦しいから止めてって!?」
「……すまん」
優愛のその剣幕に、徹也は謝ることしか出来なかった。優愛は徹也を治療しようと一度徹也から離れたが、徹也が優愛を手で制した。
「ど、どうしたの?徹也君?」
「優愛には、やってもらいたいことがある。だから俺の回復に魔力を使うな」
「そ、そんなの――」
「徹也君」
優愛の言葉を遮って、治伽が徹也に話しかけた。治伽は、徹也が優先したいことを分かっていたのだ。
「……ああ。分かってる。……クリスさん」
「ええ。さあ、尋問を始めましょうか」
クリスはそう言うと、右手の力を強める。すると、クリスの剣がボスリーの右足に更に深く刺さり、血がにじみ出てきた。
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