第十五話
「……端的に言うと、俺に力を貸してほしい」
「徹也が私達の力を?……珍しいこともあるものだね」
「それ、真未にも言われたんだが……。そんなに珍しいか?」
徹也は顔を顰めて真理と真未にそう問うた。徹也としては心外であると思ったからである。
だが、そんな徹也の言葉に対して、真理と真未は同時にすぐ頷いた。そして、その理由を徹也に告げる。
「だって、本当に珍しいもの。徹也が私達に頼み事なんて。穏恵の時以来じゃない?」
「あー。確かにそうかも。ほら。言ったじゃん。頼み事なんて珍しいって」
「そ、そうか……」
最後に協力してもらったのは、そんなにも前だったかと、徹也は思う。穏恵の時とは、徹也が真未と真理に穏恵の友達になってほしいと頼んだことである。
徹也が穏恵と話せるようになった時、徹也は自分以外にも穏恵と話せる人がいいだろうと思い、自分の幼馴染である真未と真理を紹介したのだ。その際、穏恵を気にかけてほしいと、徹也は真未と真理に頼んだのである。
それが功を奏し、今では真未と真理、そして穏恵はよく喋る仲である。徹也は高校一年、二年と真未に真理、穏恵とクラスが違ったので、学校ではあまり話さなくなってしまったが……。
「それで?協力してほしいんだね?」
「あ、ああ。この国の財政難を解決するために、協力してほしい。まずは地方の活性化からだ」
「……なるほどね。いいよ。協力してあげる。この国には、もっと良くなってもらわないと困るから」
「そうか。ありがとう。これでまた、一歩前進だ」
徹也は真理の返答に、微笑んでそう言った。そして徹也は、ポケットから先程買ったヘアピンを一つ取り出し、真理に差し出す。
「……これは?」
「見ての通り、ヘアピンだよ。協力してもらう礼だ」
徹也がそう言うと、真理は驚いた顔を見せた。徹也からのプレゼントなど、誕生日以来なものだからだ。
「あ、ありがとう……」
真理は頬を染めて、徹也にそう返した。徹也がどのような意図であれ、プレゼント自体が嬉しかったのだ。
「そのヘアピン、アタシも貰った。ほら、お揃いだし」
真未がそう言って、真理にヘアピンを見せる。そんな真未のヘアピンを見た真理は、すぐに徹也の方をギロリと見る。
「どういうこと?何で真未にも同じヘアピンを買ってるの?」
そんな圧のある真理の問に徹也は押されながらも、徹也はその問に答えた。
「い、いや、真未にも協力を頼んだが、その見返りに……」
「……そう。まあ、いいよ。嬉しかったし……」
「お、おう……。喜んでくれたなら、何よりだ」
真理の言葉に、徹也はそう照れながら返した。その様子を見ていた真未が、不機嫌さを露わにして話を止める。
「ん!早く話を進めよ!次は、私達からの話ね!」
「そ、そうだな。分かった。聞かせてくれ」
一体、真理と真未は何を話すのか?見当もつかない徹也は、真未と真理の次の言葉を待つのだった。
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