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失われた日常  作者: イニシャルB
回収篇
41/44

朝にて

 下のリビングまで行くと小百合が座って待っていた。


「やっほ~無事これたみたいだね」

 

 やけにテンションが高い、いつもの小百合なら……いつもの小百合を知らない。ずっと知らない。そもそも小百合そのものを知らないでいる。


「ハロン、もう一度戻した理由を教えてくれ」

「わお、私だって気づいていたか」

 

 ハロンは下手な演技をしたがすぐに姿勢を整えた。


「さっき言った通りだよ。この世界での物語を進めるだけ」

 

 ……それがよく分からないんですけど


「ゲームで例えるとRPG?みたいな感じかな~」

 

 分からないと顔に出ていたのか付け足して教えてくれた。

 俺はゲームをするが熱中まではしない、ただのにわかだ。だからよく分からない、めんどくさい。


「とりあえず進めればいいんだな」

「そうだね、分からない事があれば聞いてね」


 まあ何もしないといつまでも変化がないというのは大体分かった。まずは聞いておこう


「小百合自体はどうなっているんだ?」

 

 まずは目の前にいる不思議な

奴の事を聞こう。


「え?3サイズ?」

「いや、違うよ?」


 違わないけど今はそんな事が知りたいんじゃない!気になるけどね!


「小百合は元気だよ。でも私でいる事が多いね。」


 真面目に答えてくれる。


「すぐに入れ替えができるのか?」

「うん、できるよ!今やってみるね」

 

 ハロンはそう言うと目を瞑った。そして……


「あ、あれ?春人?どうなってるの?」

「小百合……か?」

 

 俺は顔を近づけた。何してんのわたし


「ち、近い近い!何なのよ!」

「危ない危ない」


 恥じらいがあり俺をどけようと押してきた。こっちも恥ずかしいんだよなぁ…


「どう?分かった?」

 

 そしてすぐにハロンに戻った


「ああ、分かった」

 

 いろいろ分かりましたよ。恥ずかしいのとイケメンじゃないと許されない行動もね!たぶん兄弟か親子くらいじゃないと顔を近づけてはいけない(戒め)


「じゃあ行こっか、学校」


 ハロンは楽しそうに笑った。

 

 

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