黒い本
「黒い本………」
一瞬薄い本かと思ったけど買ったことないのでこれは黒い本だった。タイトルに黒い本って書いてあるし。
「しかし、何だこの本?」
今までこんな本はなかった。劣化もしてない、新品……か?
眺めているとノートの表紙の隅に小さく文字が刻まれていた。
“和紙100%”
「和紙かよ!!!」
どうりでインクの臭いが余りしない訳だ。さて、読んでみるか……
恐る恐るページをめくる。
《このページを見て閉じた時お前は、死ぬ》
早速恐ろしい文字が綴られていた、びびったいやガチで。フォントが普通とか本当に怖いからやめて。
他のページを見てみたが何も書いてない。
「つまんね‥‥」
俺はそのままノートを閉じた。そっ閉じそっ閉じ。
「死ぬって書いてあっただろ?」
聞き覚えのある声が聞こえたと同時に俺は倒れた。
「な…ん‥だ……か…らだが……」
身体が全く動かない。どうなってる?意識はあるぞ?
「やっぱこの身体じゃ殺すまでは無理かー」
近づいてくる声そして顔馴染みの姿が映る。
「さ…ゆり‥‥‥
?」
「どーもどーも」
小百合が胸元で少さく手を広げ笑っていた。




