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失われた日常  作者: イニシャルB
始まりの事件
30/44

買い物

「で、どうしてスーパーなの?」

 僕達はスーパーに来ていた。コボルトは野菜を見ながら尋ねてきた。

「僕が意味もなくスーパーに来るとでも思ったか?」

「え?」

 僕の答えにコボルトは驚いていた。何をおどろいているんだねチミは。

「今晩の夕食の材料を買えるからだ」

 普段からここで買い物をしている。安くて新鮮な肉と野菜、色々な調味料が揃っている。そのうち僕は「野菜の妖精」、「カレーの妖精」と呼ばれる日が来るであろう。

「てか、お前ら2人が来てから出費が多くなって大変なんだぞ!」

 この2人が来てから食費と水道代と電気代が増え、思うようにマンガが買えなくなってしまった。今まで有り難く両親から頂いている生活費で多く使っていた順は、

マンガ<水道代•電気代<食費

となっていた。食事は大体塩水で過ごしていた。

「コボルト、お前風呂上がった後ドライヤー使ってるだろ、使わないでとは言わない、使用時間を減らせ!それとアルス、お前体洗うとき水流しっぱなしにするな!!」

 僕は叫んだ。2人の心に響くように!

「それだけの理由?」

「他に理由はないのか?」

 ………全く響いていなかった。

 こいつらに何を言っても無駄だ、話を進めよう。

「関わりのある人物と出くわす事がある」

「え?」

 何を言っているのか分からないって顔をしている。まあそれもそのはずだ、だけどその痛い下な視線を向けるのはやめてくれませんかねぇ…

 いや、挫けたらいけない。

「ほ、ほらよくあるじゃん!買い物をしに来た時に偶然知ってる奴と出くわすシーン!」

 そう、青春マンガならね!いや、違うファンタジー系でもあるよこの光景!心の中で呟いた。

「またマンガか」

「マンガ脳……」

 2人は悲しげな視線を送ってくる。やめてください、死んでしまいます。

「単純だろ?こうしてれば相手がやってくる」

 俺は買い物かごをとり、食品コーナーを歩く。てか自分でやってて不安になってきだぞ…

「そういや、何買うんだっけな…」

 俺は今日の夕飯のおかずの材料を思い出していた。あれ?なんで僕献立考えてるの、主夫か何か?

「これは何ですの?」

「玉ねぎよ、炒め物にするとおいしいのよ」

「痛め者‥‥投げつけるのですね!本で見ました」

「いや違うわよ」

 近くに凄いお嬢様って雰囲気の2人がいて、1人は目がきらきらしていてもう1人は普通の目だ、考えてる事が違うのか……

「あははは……」

 2人の近くで男の声がした、聞き覚えのある声だったので声のした方を見ると、金髪の青年がいた…うわっ現実の金髪凄く浮いてる!!それよりもあいつは、

「宏!?」

 そこには俺の親友、宏がいた。留学したんじゃないの?

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