買い物
「で、どうしてスーパーなの?」
僕達はスーパーに来ていた。コボルトは野菜を見ながら尋ねてきた。
「僕が意味もなくスーパーに来るとでも思ったか?」
「え?」
僕の答えにコボルトは驚いていた。何をおどろいているんだねチミは。
「今晩の夕食の材料を買えるからだ」
普段からここで買い物をしている。安くて新鮮な肉と野菜、色々な調味料が揃っている。そのうち僕は「野菜の妖精」、「カレーの妖精」と呼ばれる日が来るであろう。
「てか、お前ら2人が来てから出費が多くなって大変なんだぞ!」
この2人が来てから食費と水道代と電気代が増え、思うようにマンガが買えなくなってしまった。今まで有り難く両親から頂いている生活費で多く使っていた順は、
マンガ<水道代•電気代<食費
となっていた。食事は大体塩水で過ごしていた。
「コボルト、お前風呂上がった後ドライヤー使ってるだろ、使わないでとは言わない、使用時間を減らせ!それとアルス、お前体洗うとき水流しっぱなしにするな!!」
僕は叫んだ。2人の心に響くように!
「それだけの理由?」
「他に理由はないのか?」
………全く響いていなかった。
こいつらに何を言っても無駄だ、話を進めよう。
「関わりのある人物と出くわす事がある」
「え?」
何を言っているのか分からないって顔をしている。まあそれもそのはずだ、だけどその痛い下な視線を向けるのはやめてくれませんかねぇ…
いや、挫けたらいけない。
「ほ、ほらよくあるじゃん!買い物をしに来た時に偶然知ってる奴と出くわすシーン!」
そう、青春マンガならね!いや、違うファンタジー系でもあるよこの光景!心の中で呟いた。
「またマンガか」
「マンガ脳……」
2人は悲しげな視線を送ってくる。やめてください、死んでしまいます。
「単純だろ?こうしてれば相手がやってくる」
俺は買い物かごをとり、食品コーナーを歩く。てか自分でやってて不安になってきだぞ…
「そういや、何買うんだっけな…」
俺は今日の夕飯のおかずの材料を思い出していた。あれ?なんで僕献立考えてるの、主夫か何か?
「これは何ですの?」
「玉ねぎよ、炒め物にするとおいしいのよ」
「痛め者‥‥投げつけるのですね!本で見ました」
「いや違うわよ」
近くに凄いお嬢様って雰囲気の2人がいて、1人は目がきらきらしていてもう1人は普通の目だ、考えてる事が違うのか……
「あははは……」
2人の近くで男の声がした、聞き覚えのある声だったので声のした方を見ると、金髪の青年がいた…うわっ現実の金髪凄く浮いてる!!それよりもあいつは、
「宏!?」
そこには俺の親友、宏がいた。留学したんじゃないの?




