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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
Issue#06 I I I Little Talks

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issue#06 I I I Little Talks CHAPTER 03 01

CHAPTER 3



娘たちの手によって、尊の体は自室の敷布団の上へと横たえられる。

はちるの腕は、壊れ物の骨董か、信管の剥き出しになった爆弾でも扱うような慎重さで、

衣擦れの音ひとつ立てさせなかった。抵抗はない。暴れ疲れたのか、その小さな体はもう、

濡れた和紙のように頼りなく撓むだけだった。


窓越しの西日が、畳の目をひとつずつ数えるように、ゆっくりと部屋を横切っていく。

さっきまでの喧騒が嘘のように、空気は凪いでいた。背中を包み込む綿の感触だけが、

内からの脅威に追い立てられ、どこにも逃げ場のない彼女を、ただ黙って受け止めている。


「……」

まどろみの中で頼りなく揺らめいていた意識の灯火が、フツリ、と音もなく掻き消えた。

芯の燃え尽きた蝋燭のように。彼女の精神は、思考も時間も届かない深い闇の底へと、

ただ重力に従って沈んでいく。


落ちて、落ちて――その暗い水底で、彼女は懐かしい光と再会を果たした。

それはあまりに騒々しく、胸が軋むほどに愛おしい、「あの日」の夢だった。



「……オギャアアアアッ!!」

「フギャアッ!フギャアアアッ!!」

吉濱家の空き部屋は、今この瞬間、阿鼻叫喚のるつぼと化していた。

4つの喉が競い合うように張り上げる絶叫は、互いに干渉し、増幅し合い、

高い天井にわんわんと反響して、もはやひとつの巨大な音響兵器と化している。


閉め切った障子が音圧にビリビリとわななき、鴨居からは埃がはらはらと舞い落ちた。

境内の木々で羽を休めていたカラスの群れが、たまらず一斉に飛び立っていく。


「ええい、静まれ!静まらんか!わしは神じゃぞ、本来は祈られる側なんじゃぞ!?」

若き日の尊が、振り乱した髪を直す余裕もなく叫ぶ。あまたの魔を調伏してきた神威の一喝も、

生まれたての生存本能が全開で吹き鳴らす警報の前には、そよ風ほどの効き目もなかった。

泣き声は止むどころか、挑発と受け取ったかのごとく、さらにボルテージを上げていく。


……ベビーベッド代わりに蔵から引きずり出した古い長持の上には、拾ってきたばかりの4つの命が、

ずらりと並べて転がされていた。


――そう。「拾ってきたばかり」。すべて今日、たった1日のうちに起こった出来事である。


尊は泣きわめく4つの顔を順繰りに見下ろしながら、我が身に降りかかった本日の荒唐無稽を、

軽いめまいと共に反芻した。


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