表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
Issue#06 I I I Little Talks

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
730/774

issue#06 I I I Little Talks CHAPTER 02 32

翌日の午後。 家の薄暗い廊下で悲鳴にも似たうめき声が響いた。

みれば、マクロブランクが顔を真っ青にして宙に浮いている。

その首には、尊の腕が蛇のごとく巻き付いていた。


「よしよし……泣くでない!怖い夢でも見たか?だが案ずるな、この母がちゃんとここについておるからな……」

尊は慈愛に満ちた表情で、彼をあやしていた。だが、その目に映っているのは、

奇怪な脳髄の怪物などではない。幼い頃、夜泣きをしてすがりついてきた娘の誰かの幻影だ。

問題なのは、その抱擁に込められた力が、愛情の深さに比例して常軌を逸していたことだ。


「ぐ、ぐぐ……っ!みこと……頭……ちゅぶれ……ッ!」

「あーっ!ママ!ダメだってば!」

騒ぎを聞きつけたはちるが、慌てて2人の間に割って入る。獣人の瞬発力で尊の剛腕を掴むと、

力づくでその戒めを外しにかかった。


「それ、アシュリーじゃないよっ!……マクロだよっ!離してあげてって!」

「なんじゃみちる!?何をするッ!!?」

「……ウチのこと見て!ウチ子供じゃないよ!!この家にはもう、ちっちゃな子供なんていないのぉ!」

「では、これは誰じゃ?」


「誰でもいいから!死んじゃうから!」

ミチミチと音を立てて、ようやく尊の腕が引き剥がされる。


「――!」


解放されたマクロブランクは、形を崩したゼリーとなって床へ無様に崩れ落ちた。

触手を使い、なんとか、その場からわずかでも逃れようと這いずり回る。

「へぇ……へぇ……!」

口の役目をなすギザギザした亀裂の真下には、くっきりと赤い腕の跡が残っていた。

あと数秒遅ければ、熟れた果実のごとく破裂していた未来がありありと想像できる。


「もう……ホントに死ぬかと……宇宙の深淵がずっと目の奥でチカチカしてまちたよ……」

「ごめんねマクロ!大丈夫!?」

はちるが剥き出しの大脳皮質をさすって慰める横で、尊は不思議そうに小首を傾げている。

そしてようやく、彼が新参の家族たるマクロブランクなのだと気が付いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ