issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 71
……人類は、想定よりもはるかに強靭で、かつ狡猾な生き物だったらしい。
シャカゾンビは、地上を牛耳る独裁者たちを次々と牢の向こうへ送り込んだ。
彼らに寿命すら越える刑期を与え、権力を強制的に集約させたその行いは、
結果としてこの星の負の歴史をことごとく過去の遺物へと変えていた。
ゆえに、その全地球的な革命を前にしても、残された勢力は悲鳴を上げることはなかったし、
ひとたび確定した、独裁者たちの処遇の撤回についてもまた、ありとあらゆる口実を設け、
意図的にその責務を放棄した。彼らは目の前に転がり込んだ状況を千載一遇の好機と断じ、
どこまでも冷徹に振る舞ったのである。
地球規模の円滑な政治において、長年ネックとなっていた存在たちが消え去るや否や、
自由と先進を標榜する国家群は、申し合わせたかのように手を結ぶ。
彼らの動きに迷いはない。主導権を握った者たちは、権力の真空地帯と化した国家群に、
自分たちの息がかかった者を次々と送り込んだ。剛腕を振るうがまま、驚くべき速度で合意を形成し、
星間条約への準加盟という歴史的転換点を、あたかも既定路線であったかのように確定させてしまったのである。
街頭の大型ビジョンを見上げる群衆の目に、悲壮な色は薄かった。
昨日の支配者が虜囚として扱われる映像と、今日の政府代表が異星人と握手する映像。
人々はそれを、単なるチャンネルの切り替えのように受け入れた。
配給される未知のテクノロジーや、約束された安全保障が手に入るならば、
契約の相手が誰であろうと構わない。したたかな大衆は、
いち早くこの激変を「日常」として消費し始めていた。




