issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 69
それから数日後。 地球の衛星軌道上に、星間条約機構の正規艦隊が姿を現した。
ゴチェヌコイのような威圧的な棘などない。洗練された流線型の白い船体が、
整然とした隊列を組んで駐留している。その旗艦から、牽引ビームが地上へ向けて照射された。
北米の荒野。 かつて戦場だったその場所に鎮座していた、巨大な緑色の球体が、
重力に逆らってゆっくりと浮上を開始する。
「……ドナドナされてくね」
はちるが、眩しそうに手をかざして見上げる。空へ吸い込まれていく真珠のような球体。その中には、宇宙1の解体屋たちが、無期限の懲役刑という新たな「長期休暇」を過ごすために眠っている。
「自業自得だな。ま、あいつらなら刑務所の壁くらい、スプーン1本で『解体』して脱獄してきそうだけどな」
アシュリーが苦笑し、隣に立つネ=レネの肩を叩いた。
「これであんたの仕事も一段落だな、海鮮姉ちゃん」
「はい。……ですが、私の本当の仕事はこれからです」
ネ=レネは、上昇していく球体を見送りながら、眼鏡の位置を正した。
その瞳には、かつてのような迷いはない。
「地球と宇宙、正しい関係を結ぶための……長い長い交渉が待っていますから」
彼女の言葉に応えるように、雲の切れ間から陽光が差し込む。銀色の悪夢は去り、緑に覆われた大地の上を、新しい時代の風が吹き抜けていった。




