issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 66
――そして現在。
視点は、海底から地表――そして宇宙へ。
北米大陸、フューチャー・ラボ上空。マミーDが勝利の余韻に浸っていたその戦場で、
異変は足元から音もなく、けれど確実に這い上がってきた。
銀1色に輝いていたナノマシンの大地に、突如として不気味な変色が走る。
最初は小さなシミだった。だが、それは生き物のような速度で脈を打ち、
周囲の銀色を貪り食いながら拡大していく。
鮮やかな緑青。 それはまるで、早回しの映像で見せられる金属の酸化現象のように、あるいは廃墟のコンクリートを覆い尽くす苔の群生のように――。
有機的な輝きを放つ『グリーン・グー』は、WCWCが作り上げた『グレイ・グー』の構造そのものをハッキングし、急速に情報を書き換えていく。銀色の粒子が緑色に食い荒らされ、
制御権ごと塗り替えられてゆく。
「な、なんだコリャアッ!?」
地面を拡大モニターで見ていたマミーDが叫び声を上げた。彼の目の前で、地球の地肌が、緑色の錆に覆われていく。北米だけでなく、ヨーロッパ、アジア、そしてアフリカ。 地下ケーブル、海底パイプライン、あらゆる経路を食い破り、地下深くから湧き上がった緑の波は、世界中のナノマシン・ネットワークを侵食し、その支配権を根底から奪い取っていく。




