issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 57
「皆のもの!衝撃に備えろ!迎撃するぞ!」
粉塵の壁を2刀の一閃で裂きながら、オールラウンダーが号令を飛ばす。
だがその声は、頭上から途切れなく降り注ぐ衝突と崩壊の重奏にかき消されかけていた。
「グオオオオッしゃあ!母ちゃぁん、突っ込むぜェェェ!」
「……あいよぉアンタぁ!」
テラリアキングが吼え、テラリアクイーンが地響きとともに1歩を踏み出す。
キングは両掌を天へ突き出し、紅蓮のマグマビームを放った。赤い閃光が落下中のビルの胴体を横薙ぎに捉える。被弾した建物は、切断面から内側へ向かって赤く灼けていき、空中で2つに折れながらドロドロの鉄と石の飛沫となって四散した。
だが撃ち漏らしはある。融け残った鋼鉄の塊が、キングの頭上を越えてクイーンへ迫った。
クイーンは両の掌を左右から打ち合わせるようにして受け止め、挟み込む圧だけで、数1000tのコンクリートの塊を握り砕いて礫に変えた。
「させるかよッ!」
ハヴォックが拳を振り上げ、降ってきたビルの壁面を正面から殴り抜く。彼の拳が触れた点を起点に、コンクリートの外壁に放射状のヒビが走り、次の瞬間、建物の上半分が内側から破裂するように四散した。その横で、プロディジーが両腕から鎖を天へ向けて伸ばしている。
銀色の蛇が落下する破片に巻きつき、空中で勢いを殺してから横へ弾き飛ばす。その繰り返し。
オールラウンダーの2刀が閃くたび、落ちてくる構造物の断面に無数の切れ込みが走り、
砂利の粒となって風に散っていく。
全員が全力で迎え撃っている。だが、彼らが押し返せているのは、降り注ぐ群れの先端だけだった。
「くそっ、キリがねえ……!」
見上げれば、空のビルはまだひと繋ぎの虹を描くがままだ。衝撃波が重機の軍勢ごと大地を吹き飛ばし、クレーターが鎖のように連なっていく。
数分前まで死闘の舞台だった荒野は、空から降りやまぬ文明の残骸に埋もれ、
瓦礫の山脈へとその相貌を変えつつあった。




