issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 49
「さあ、第2ラウンドだ。この黒鉄の城相手に、その紙切れがどこまで通用するか……試してみなッ!」
マミーDの挑発が空気に溶けるよりもはやく、その身体は機体の頭頂部に開いたハッチの闇へと滑り込む。動物1匹分しかない狭小なコクピットへ、彼は食道を下る固形物のように滑らかに収まった。
重厚な装甲板が頭上で閉鎖音を響かせ、彼を外界から隔絶する。
即座に両腕を、備え付けられた球体状の操作カバーの中へ深々と突き入れ、機体とのリンクを確立させた。
途端に、機体の腹部に備わった砲口が、灼熱の輝きを炸裂させる。
放たれた極太の熱線は、触れるものすべてを気化させながらミーティスへと直進した。
「――ッ!」
片膝立ちでいたミーティスは思考を挟まず、脊髄反射だけで無数の呪符を前方へ展開する。
丸く、丁寧に丸く――半球をなした紙片が防壁を形成した、
そのコンマ数秒後、熱線が着弾した。防御の上から、彼女の小さな身体ごと世界が白に塗り潰される。
左右の壁面、鉄骨の支柱、床板、それら構造物の一切が熱量と衝撃によって消し飛んだ。
ビルの上層階そのものが抉り取られ、粉みじんとなって虚空へ吹き散らされていく。
崩落するビルが圧縮され、潰れる階ごとに噴き出る砂煙が世界を揺らす最中、
レッキン・クルー・ブルースは傾いだ重心を前後に入れ替えながら身を翻す。
ッドォン!!
その隙を突き、ホットショットは死角となる斜め下方の空域から急上昇した。
加速の勢いを、右の拳へ1点に収束させる。
対するレッキン・クルー・ブルースは、鈍重な外見を裏切る反応速度で迎撃へ移行した。
足裏にバーニアを散らし、アイススケート選手のように優雅で鋭い旋回を見せる。
右腕の円錐状ノーズコーンが高速回転を開始し、唸りを上げるドリルとなって突き出された。
ホットショットの拳と、螺旋の溝が刻まれた鋼鉄の切っ先が、空中で正面から激突する。
ギャガガガガガッ!
双方の出力が拮抗し、空間が歪んで見えるほどの火花が散った。
炎の熱量と、回転する鋼のトルクがせめぎ合う。一方では金属が悲鳴を上げ、
もう一方では歯を食いしばるように炎がさらに噴き上がった。だが、重量とパワーの差が、勝負に非情な結果をもたらす。
「ぐぅ……ッ!」
苦悶の声と共に、ホットショットは弾丸のごとく後方へ弾き飛ばされた。制御を失った彼女の体は、背後に聳えるビルの壁面へ向かって一直線に叩きつけられる。
が、コンクリートに激突する寸前、横合いから飛び込んだ影が彼女を空中で掠め取った。スヌープキャットだ。彼女はホットショットを受け止めたまま1回転し、
壁を蹴りつけ、その衝撃を強引に殺す。足裏がめり込んだ壁面は盛大に砕け、当然のごとくクレーターが穿たれた。




