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カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
Issue#05 I I I Why Can't We Be Friends?

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issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 47

粉塵と瓦礫が乱流となって渦巻く1室で、マミーDは体勢の再構築を試みる。

多脚戦車の脚部、その先端に備わったタイヤは床面でのグリップを喪失し、


盛大に火花を散らしながら空転を続けた。機体はふらつきながら、

歪なαの文字を描くように1度大きく旋回した。安定を取り戻すべく脚部を4方へ展開し、


機体の腹が床面を擦る寸前まで重心を深く沈める。地を這うその低い姿勢から、

搭載されたすべての砲門を敵影へ指向させるべく駆動した。


「どこ行きやがった……」

空中に展開されたホログラムディスプレイ群に、彼は視線を行き来させる。

膨大な戦況データが滝のごとく流れ落ちる画面内、円形のデジタル照準が自動で激しくブレ動き、

やがて上層階に位置する赤い人型をサイトの中央へ収める。 だが、全火器を一斉射しようとした刹那。 足元の深淵から、ごう、とくぐもった風のような異音が響いてきた。


「――!」


直後、機体を支えていたコンクリートの床板が内側からの圧力で激しく隆起し、

蜘蛛の巣状の亀裂を走らせて砕け散る。 粉砕された穴から、

呪符で構成された別動隊が真下から突き上げてきた。


「まだあんのかッ!?」


2度目の爆裂が、マミーDの機体を上下に引き裂いた。爆音はこの時、

あたかも存在しないもののように響き、ただ爆炎と閃光の炸裂のみに世界の集中は注がれた。

操縦席から放り出されたマミーDは、重力に従って落下した。瓦礫と共に、

コンクリートの崖が作る谷の底へ、小さなマーモットの影が吸い込まれて消えていく。


――――――――。


「やった……?」

壁の縁を雲梯のバーに見立てて体重を預け、階下に舞い降りたミーティスは、

崩壊したビルの断崖へ駆け寄る。鉄骨がむき出しになり、断面から火花が散る崖から、

彼女は眼下を覗き込む。


その時だ。


ゴオォォォォォォ……!!


谷底を埋める瓦礫が、何事かの底知れぬ胎動に呼応して震えだした。

重苦しい駆動音が地響きとなり、コンクリートと鉄骨の堆積物が左右へと裂け広がる。

地底に隠された規格外のハッチが開放され、四角い闇の口が地表に現れた。


その深淵から、猛烈な突風が吹き荒れる。ミーティスの髪は逆立ち、パーカーの袖が激しくはためいた。

直後、闇を割って垂直な炎が噴き上がり、腹の底を揺さぶる重低音がビル群を共振させる。


「――」


粉塵の渦を割り、奥からゆっくりと上昇してくる影があった。最初は無骨な鋼鉄の輪郭だけが浮かび上がり、やがてそのディテールが露わになる。

それは、往年の鋼鉄の巨神を再現したような、深い陰影を刻んだ造形と、鋼の仮面を持つ頭部だった。

まとわりつくすべてを払い、その威圧的な「顔」が、空中へ向けてせり出してくる。


その頂点では、マミーDがふてぶてしい表情で腕を組みながら立っている。


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