issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 39
銀の大地を深く削り、ジェット噴射の白煙が1本のリアルタイムな傷跡となって伸びていく。
その先頭を、マミーDの蜘蛛型多脚戦車が、追撃を振り切る速度で猛進していた。
「ケッ、しつけえ蝿だぜ!いつまでついてくる気だ!」
悪態をつくマミーDの背後から、紅蓮の炎を伸ばし続け、ホットショットが肉薄する。
「レッドカード!スピード違反に信号無視、その足の多さも全部反則!」
彼女は行く手に火の玉をずらりと形成し、その線をなぞるように、
加速を乗せたボレーシュートを放つ。火球は数多の追尾弾となり、戦車の背へ急速に殺到した。
しかし、機体後部のハッチが開き、餌のようにばら撒かれた迎撃ミサイルがそれを空中で次々と撃ち落とし、爆発の連鎖が空に赤い花を咲かせた。
「よそ見が過ぎるよ、マーモットのおじさん!」
爆煙を突き抜け、死角からイムノがガンブレードを構える。放たれた雷のソイルの一撃が、絡み合う紫電の茨となりながら、戦車の側面装甲へ食らいつこうと迫った。
「甘ぇな、嬢ちゃん!」
マミーDは即座に機体側面へ高出力フィールドを展開する。甲高い干渉音と共に、
「――ッ!」
雷の槍は軌道を滑り、虚空へと逸らされた。
「こっちだよー!」
次なる声は進行方向の彼方から届く。ミーティスが先回りし、幾100枚の呪符を編み込んだ、滑らかな曲面の壁を、青い機体の行く先に築き上げていた。
「壁があるなら、飛び越えりゃいいだけだ!」
多脚戦車の腹部装甲から、凝縮された光がなお一層漏れ出した。機体底部のメインスラスターが、
限界まで解放される。爆音と共に、青白い噴射炎が地面を叩いた。水平に疾走していた機体は、
呪符の壁が鼻先に迫ったその瞬間、見えないレールに導かれたかのように軌道を直角へと変える。
慣性を無理やりねじ伏せるロケット機動だ。機体は土煙を残し、空へ向かって射出された。




