issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 35
続いて、2つの影が分厚い砂塵を切り裂いて着地する。 ハヴォックとプロディジーだ。
「おらぁッ!道を空けろポンコツども!」
ハヴォックが、着地の勢いを殺さずに、そのまま弾丸のようなショルダータックルをかます。
対象は、自重数100tを誇る超大型ダンプだ。激突の瞬間、ダンプの強固なラダーフレームがくの字に折れ曲がり、タイヤが内圧に耐えきれずに弾け飛ぶ。巨漢のカバ男は、ひしゃげて鉄屑と化したその塊をそのまま盾にし、後続の銃火器部隊へ向かってブルドーザーのごとく突進した。
「チッ、また服が汚れちまったぜ……。クリーニング代、WCWCに請求しねえとな!」
その背後で、プロディジーが両腕の鎖を生き物のように乱舞させる。銀色の蛇と化した鎖が、
空を飛び回る武装ドローンの群れを次々と絡め取り、きりもみ回転させながら地上へ引きずり下ろしては、互いに激突させて派手な火花を散らす。
「お前ら!俺の店の照明計画を邪魔した罪は重いぞ! スクラップになって詫びやがれ!」
テラー・スクワッドと地底の王。 かつての敵役たちが、溜まりに溜まった鬱憤を晴らすかのように暴れ回る。鉄と炎が交錯するその中央へ、一陣の凛とした風が吹き抜けた。
カツン。
爆音と振動が支配する戦場において、あまりに不釣り合いで硬質な足音が響く。
土煙の奥から姿を現したのは、優雅な着物の袖を風になびかせたオールラウンダーだ。
彼女の周囲だけは、時間が停止したかのように研ぎ澄まされた空気が漂っていた。
頭上から、チェーンソーを搭載した見上げるごとき大きさのウォーカーマシンが迫る。
オールラウンダーは眉ひとつ動かさない。 彼女は手にした七支刀を、
まるで指揮棒でも扱うかのように軽く横へと薙いだ。
――斬。
そこに音は存在しなかった。 数秒の遅延を経て、鋼鉄の巨躯が装甲の厚みを無視して上下に滑らかにズレ動く。 鉄の死骸は鏡面のように滑らかな切断面を晒し、轟音と共に崩れ落ちた。
オールラウンダーはその粉塵を袖で上品に払い、ため息交じりに呟く。
「まったく。これだけの鉄屑、片付けるのに何日かかることやら。……わしの記憶が正しければ、燃えないゴミの日はすぐ明日じゃぞ?」




