issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 34
激震に軋む管制ユニットのそばで、マミーDはその光景を目に焼き付ける。
彼が心血を注いで築き上げた現場が、工法もへったくれもない純粋な暴力によって粉砕されていた。
「……上等なデタラメじゃねぇか……っ!……野郎ども、ド派手にぶちかませッ!あの連中の馬鹿騒ぎに、宇宙でイチバンのお祭り男の俺らが負けてたまるかよ!!」
マミーDは、愛機たる多脚戦車の操縦桿を力任せに殴りつけ、回線に混じるノイズを怒鳴り声でねじ伏せる。その檄が起爆剤となった 生き残った鉄の猛者たちが、砂煙の向こうで一斉に再起動というなの武者震いを起こす。地割れの縁ギリギリで踏みとどまったクレーンやショベル、重機改造戦車たちが、
機械の咆哮を上げてアウトリガーを大地に突き刺した。極太の油圧シリンダーが、砕けた岩盤を万力の力で噛んで、強引に射撃体勢を固定する。
WCWC残存部隊、その全砲門が駆動音を響かせて仰角を調整した。
照準のきらめく先にあるのは、アフリカ大陸の白い巨魁――ニュージャマメ。
「撃てェェェッ!!」
号令と同時、東海岸の廃墟が、目を開けていられないほどのマズルフラッシュで埋め尽くされる。
何億門もの砲塔から吐き出されたビームや榴弾が、紅蓮の曳光を引いて空を裂いた。
大西洋を真っ二つに割り、北米大陸の背骨を粉々に砕いてまわった軌道エレベーター。
その落下の余波が巻き上げた土煙と水蒸気が、大陸全土を覆い尽くす分厚い雲海となって低く垂れ込めている。太陽の光さえ届かぬ、視界の一切が灰色に閉ざされたその場所へ、宇宙の深淵から、新たな「流星群」が降り注ごうとしている。
ヒュゴォォォォォォ……!!
大気を焼き焦がす摩擦熱の唸りが、鼓膜を震わせる。迎撃の弾幕、に真っ向から打ち砕き、
まず大地へ着弾したのは、煮えたぎる赤黒いマグマの塊だ。
地割れによって露出した地下深層の岩盤へ、テラリアキングが灼熱の砲弾のごとく突き刺さる。
着地の一撃によって、周囲数100mに展開していた重機が、重力を無視して宙へ舞い上がった。
底の見えない灼熱のクレーター。その中心部から、岩の王が、全身の亀裂からドロドロと高熱の溶岩を噴き出しながら立ち上がる。
「カァーッ!いい湯加減だぜ、北米の地熱はよォ!」
キングは、目の前に迫っていた巨大な多脚削岩機の突進を、正面からガシッと受け止めた。ジュッ、
と鉄が悲鳴を上げ、瞬時に赤熱して飴細工のようにドロリと溶け落ちる。 彼はニヤリと笑うと、
その溶解した鉄塊を剛腕で強引にねじ切り、周囲を取り囲む敵集団へ向けて、散弾のように投げつけた。
飛び散る高熱の飛沫が、鋼鉄の装甲をバターのように焼き穿つ。




