issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 28
「まずは第1弾、テラリアのおじさん!」
「おうよ! 頼むぜ嬢ちゃん!」
全身からマグマを滴らせる岩の巨塊、テラリアキングが、スヌープキャットの前に背を向けて屈む。
数トンはあるであろうその質量を、はちるは「よっこいしょ!」という掛け声と共に、
まるでバランスボールでも扱うかのように軽々とリフトアップした。
「いっくよー!……マグマ特急、発射オーライ!」
ドォォォォォン!!
はちるの剛腕が唸りを上げ、空気を圧縮して衝撃波を生む。投げ放たれたテラリアキングは、
自らのマグマを推進剤代わりの噴射炎として撒き散らしながら、一瞬で音速を突破。
赤黒い灼熱の弾丸となって、雲を突き破り、成層圏へと駆け上がっていった。
「次、ママ!」
「手荒な真似はするでないぞ!」
オールラウンダーが、着物の裾を払って優雅に前に出る。スヌープキャットはニカっと笑うと、
母の細い腰をガシッと掴んだ。
「大丈夫!シルバーシート完備だよ!」
「誰がシルバーじゃ!」
抗議の間もなく、スヌープキャットの全身がバネのようにしなる。2度目の発射音。
放たれたオールラウンダーは、2振りの神刀を流線型の翼のように構え、
青白い神気の航跡を引きながら、キングを追う矢となって空へ消えた。
「最後!テラースクワッドのおじさんたちもきて!」
「「「ゲェッ!?」」」
ユキヒョウの娘が満面の笑みで手招きする先で、屈強なはずの男たちが露骨に怯え、後ずさる。
「お、おい!俺たちはデリケートなんだぞ! 優しく頼むぜ!」
往生際の悪い抵抗など、はちるの前では無意味だった。
彼女は両脇にハヴォックとプロディジーの巨体をまとめて抱え込むと、
問答無用でその姿勢を低く沈めた。
「燃料節約!つべこべ言わずに行ってらっしゃい!!」
ズドンッ!!
本日最大、大気の壁をぶち抜く破砕音が轟く。混然一体の悲鳴を引いて飛んでいく彼らの姿は、
もはや弾丸ですらない。空の彼方へ吸い込まれるゴミ……否、男たちの星となって、
キランと輝き消え失せた。




