表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カルテット・マジコ  作者: piku2dgod
Issue#05 I I I Why Can't We Be Friends?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
635/687

issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 15

開かれたゲートの向こう側へ踏み入った瞬間、不可視の巨掌が襲いかかった。


ズゥンッ!


軽やかな紙片である耳目符は、抵抗する術もなく床面へと叩きつけられる。

舞うことも漂うことも許されない。まるで鉛の塊に変化してしまったかのように、

その場に縫い付けられていた。


「――!」


遠隔で知覚を共有するミーティスの視界には、何の変化も映っていない。床のタイルがひび割れたわけでも、空間が歪んで見えているわけでもない。その視覚的な平穏と、感覚器を押しつぶす物理的な重圧との乖離が、ミーティスの戦慄をいっそう深めた。


異常は重力だけではない。 肌を焦がすような、あるいは内臓を直接電子レンジにかけたような不快な熱と振動。高出力の電磁波が、部屋中を暴風のように吹き荒れている。 符を通じて伝わる圧迫感は、

筆舌に尽くしがたい。生身の人間がこの空間に放り出されれば、細胞が煮沸され、

1秒と持たずに絶命するであろう致死的な環境だ。


その死の箱庭の中、目の前に広がる光景はあまりに異質だった。

そこは、巨大な蝶が営巣した聖域のようだった。 天井から突き刺さるような白1色の照明が、

部屋の隅々までを冷徹に暴き出している。


部屋を構成する3方の壁という壁から、無数の白い帯が伸びていた。 それは特殊繊維で編まれた包帯のようであり、厳重な拘束具のようでもある。壁面から吐き出された幾千もの白いラインは、

たわむことなくピンと張り詰め、部屋の最奥にあるたった1点へと収束していた。


全方位から締め上げられ、空間の中心で磔にされている人影が1つ。

ぐるぐると無骨に巻き固められたその姿は、まさしく人型の繭だ。 白1色の拘束の隙間から、頭部だけが露出し、力なく垂れ下がっている。その顔を、見間違えるはずがない。


母、尊だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ