issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 05 04
「コスト、ですか!?」
「そうだ。あの娘たちは、聞くところによれば規格外の高エネルギー体だとか。
真正面から排除しようとすれば、こちらも相応のリソースを割かねばならんし、
何より……戦いの余波で、我々の美しい施工計画に遅延が出る恐れがある」
シャカゾンビは、さも面倒くさそうに肩をすくめた。
「ゆえに、我々はあえて放置したのだ。『貴様らが暴発すれば、その瞬間に100億の民を人質として取る』というレトリック……はじめに聞かされた時はなんとも臆病な案だとは思いはしたが、結局は最後まで効力を発揮し続けてくれた」
AIは、口の緩い子供が得意げに秘密基地の設計図を語るように、おぞましいジェノサイド計画を滔々と語り続ける。その言葉の端々に混じるノイズは、もはや隠しようもない「創造主」の影を露呈させていた。
「……WCWC。やはり、彼らが……」
ネ=レネが呻くように呟く。宇宙広しといえど、これほど悪辣で、美学なき破壊を好む技術屋集団は他にいない。彼らは全銀河の指名手配犯であり、その首にはどの文明も国家予算並みの賞金を懸ける――。
「そうだ!彼らは……いや、俺たちは天才だ!だが、天才ゆえに孤独!文明圏の連中は、我々の崇高な破壊活動を『犯罪』と呼び、執拗に追い回す!」
シャカゾンビ――いや、もう真実の呼び名を隠す意味もあるまい。WCWCのスポークスマンAIは、被害妄想と自己顕示欲をごちゃ混ぜにして叫んだ。
「だからこそ、この星が必要だったのだ!銀河の主要航路から外れ、文明レベルも低く、
したがって、いかなる組織の監視の目もない……このド田舎惑星がな!」
AIは、デスク上の地球儀を愛おしげに、そして侮蔑を込めて撫で回す。
「高度な銀河で『ナノマシンによる宇宙浸食』などという大実験を行えば、どこぞの文明圏の艦隊が即座にすっ飛んでくる。だが、この星ならどうだ?誰が見ている?誰も気にかけん!俺たちは、この星の未熟な政治と欲望を利用し、支配者として君臨することで……誰にも邪魔されず、コソコソと逃げ回ることもなく、堂々と『終末兵器』を建造するためのプラットフォームを手に入れたのだ!」




