issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 55
重苦しい沈黙が降りようとした、その時だ。マクロブランクが、
ニヤリと口元を歪め、胸を張って――やはり胸はないので、体全体を反らせて宣言した。
「いや、『破壊』ではなく『支配』できれば話は別でちゅ、その場合は統御権が半々になって、ナノマシンを膠着状態に陥らせることができるのでちゅ」
「それにヤツら――WCWCは、いつだって自分たちの現場にかかりきりでちゅ。北米の土地のことでちゅな。地球の支配の方には、これっぽっちも興味がありまちぇん。つまり、馬鹿アニマルどもとWCWCは、利害がたまたま一致してるだけの別組織と考えてくれていいでちゅ。
基本的に、くだらない法律をひねり出してるのはカバとオカピとカラスでちゅ。
だから、こっちがゆっくりこっそり、バレないように動いている限りは、WCWCの方の初動対応はどうしても遅れることになるでちょうな」
「ほんとぉ!?」
はちるが身を乗り出す。
「うむ。加えて、さらに盤面を完全にひっくり返す1手も用意できまちゅよ。ただし……」
彼はもったいぶって触手を立て、悪びれもせずに付け加えた。
「その場合は、準備として、この家の電気代、今の100倍くらい請求が来ることになりまちゅが、
構わないでちゅかね?」
「……は?」
アシュリーの顔が引きつるが、背に腹は代えられない。
「……後で請求書見て倒れるのはおかーさんってことで、今は忘れよ」
さなが遠い目をして現実逃避を図る中、おせちはパンッ、と手を叩いて全員の意識を引き戻した。
「決まりだね。今回の作戦コンセプトは『同時多発』だよ。
ネ=レネさんのシャカゾンビとの対話、母さんの解放、テラー・スクワッドにシャカゾンビ追放の真実を伝えること。そしてナノマシンの無力化……これ全部を同時に叩き込んで、敵の処理能力を飽和させる」
おせちの瞳が、勝利への道筋を確信して輝く。
「行くよ、みんな。これが最初で最後の反撃さ」
6人の影が、決戦の日へと動き出す。




