issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 52
「……ひ、ひどいでちゅ……。扱いが雑すぎるでちゅ……」
「あ、ごめん。話があるって言うから、つい」
おせちが少しだけ罪悪感を覚えながら言うと、マクロブランクは咳払いをひとつして、
再び威厳を取り戻そうと触手を組んだ。
「……いいでちゅか、よく聞くでちゅ。話というのは、
わちきがただ黙って追い出されたと思うなよ、ということでちゅ」
彼の小さな瞳が、陰湿な策士の光を帯びて細められる。
「クビになる直前、管理権限が切られるギリギリのタイミングで、シャカゾンビのAIに『細工』をしておいたのでちゅ。それも、 即座に爆発するような派手なウイルスじゃないでちゅよ。演算処理の奥底で、少しずつ、しかし確実に論理矛盾を引き起こし、やがてシステム全体を崩壊させる……遅効性の毒を仕込んでやったのでちゅ!」
「えっ……!?」
その告白に、おせちが、驚嘆の声を漏らし、
「給与の未払いや不当な解雇に腹を立てたエンジニアが、会社出る時にこっそりバックドアやロジックボムを仕掛けていく……そういうみたいな話だよね!」
と理数担当のはちるは、即座に話の要点を理解する。
「人聞きが悪いでちゅね!正当な報復措置と言ってほしいでちゅ!」
マクロブランクは抗議するが、そのあまりに人間臭い、もとい社畜臭い復讐劇に、
場の空気は緊迫感とは別の妙なリアリティを帯びていた。




