issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 50
「どうしてやめさせられたの?」
ここに、おせちが声を挟んだ。すると彼は、急に過去の自分の行動が気恥ずかしくなってきたのか、
そっぽを向いて頑なな態度を取った。
「……言いたくありまちぇん。プライバシーの侵害でちゅ」
「お願いだよ。教えてよ。その『追い出された理由』も、敵の内部構造を知る重要な手がかりになるかもしれないんだからさ」
おせちは理詰めで迫るが、マクロブランクは触手を固く組み、貝のように口を閉ざしたままだ。
膠着しかけた空気。それを打破したのは、やはりこの場の最強戦力だった。
「ねえ、マクちゃん」
さなが、ちゃぶ台の高さに合わせて膝を突き、彼の目線と同じ位置から覗き込んだ。そこにあるのは、計算も打算もない、純度100パーセントのお願いだ。
「教えてくれないかな?……だめ?」
その一言と上目遣いのコンボは、あらゆるファイアウォールを貫通する威力を持っていた。
マクロブランクのピンク色の体が、みるみるうちにさらに濃い赤色へと染まっていく。
彼は観念したように大きく息を吐き出すと、もじもじと触手の先をこすり合わせながら、
消え入りそうな声で真実を告白し始めた。
「……お前たちが、ゴチェヌコイの艦隊に特攻した時のことでちゅよ。……本当はあそこで、防衛衛星からの対地レーザーが、お前たちを艦隊ごと焼き払う手筈になってまちた」
「えっ……」
瞬間、さなが顔色を失う。
「なるほどやっぱり。それで君が止めたんだ。……変だと思ってたんだよね。あの場面で何もなかったことはさ」
おせちは顎に手を当て、当時の戦況を思い返す。
「そうでちゅ。それを……わちきが、エラーの偽装やファームウェアのアップデートが始まったなんで言い訳でなんとか誤魔化して、発射シークエンスをずっと遅らせ続けたんでちゅ」
マクロブランクは、まるで悪戯が見つかった子供のように、小さく身を縮こまらせる。
「……そしたら、その作戦失敗の責任を問われて、今度はわちきが追い落とされる番になってしまった……というわけでちゅ。……まったく、バカな話でちゅよね」




