issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 47
「ちょっと待て、それどういう……」
アシュリーが鋭く身を乗り出し、追求しようとした、その時だった。
焦りと緊張でパニックに陥ったマクロブランクの喉の奥で、咀嚼しきれていないLチキの塊が、
致命的な交通渋滞を引き起こした。
「ぐ、ウプっ、ぐふ……ッ!?」
異変は劇的だった。 健康的なピンク色だった脳の表面が、瞬時にドス黒い土気色へと変色し、
小さな体躯が、嘔吐中枢からの緊急指令によって激しく波打ち始める。
「!?」
誰よりも早く動いたのは、アシュリーだった。 彼女の超人的な動体視力は、
マクロブランクの口元が不穏に膨らみ、限界点を超えようとしている「0.5秒後の未来」を幻視していた。この部屋でブチ撒けさせるわけにはいかない。
「バカ、お前飲み込めッ!」
アシュリーはの反応で畳を蹴ると、さなの膝の上にいたマクロブランクの頭頂部を鷲掴みにし、
両手で高く掲げた。狙うは窓の外。彼女の判断は正しく、投擲モーションへの移行も完璧だった。
――ただ、事態の進行速度が、彼女の予測をわずかに上回っていただけだ。
「ウ゛ォ゛オ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロ゛ロッ!!」
アシュリーが彼を振りかぶり、顔の前を通過させようとした、まさにその瞬間。
マクロブランクの口が無情にも開放された。
至近距離で炸裂する、未消化の鶏肉と油と胃液の散弾。
リビングの時間が凍りつく。
滝のように噴射され続ける汚物のすべてを、片目だけを固くつむり、
頭から真正面被りで受け止めたアシュリー。彼女は、まだ何かを吐き続けている脳髄を空中に掲げたまま、石像のように硬直した。
……数秒の静止ののち。彼女は無言のまま腕を振り抜き、彼を窓の外へ投げ捨てるという当初の仕事を、機械的に完遂した。




