issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 37
世界各地で燎原の火のごとく燃え広がる、反政府デモの熱波。
上海。ネオンとホログラムが明滅する魔都の大通りを、
「カラスに人権を与えるな!」「俺たちの土地を返せ!」
というシュプレヒコールが埋め尽くしていた。プラカードを掲げ、怒号を撒き散らす市民の波。
だが、その熱気が支配者たちの玉座に届くその寸前、上空から4つの影が舞い降り、
彼らの進行ルートを断ち切るように着地した。
「みんな、解散して!お願いだから、今すぐここから離れてください!」
イムノが声を張り上げる。常に冷徹な状況判断を下す彼女にしては珍しい、
悲痛な響きを帯びた絶叫だった。
「貴方たちの声は絶対彼らに届きません……このまま進んでも、ただ連行され、理不尽に罰を与えられるだけです!!」
「なんだと!?」
先頭に立っていた男が足を止め、憎悪の形相で彼女たちを睨みつける。
「お前たち……『カルテット・マジコ』だろ? なぜ止める! お前たちも、あいつらの手先になったのか!?」
「ちがうよ!ウチらは――」
スヌープキャットが1歩踏み出し、必死に手を伸ばす。だが、返ってきたのは対話ではなく、
罵声と無数の投石だった。
空き缶が、砕けた煉瓦片が、雨あられと彼女たちの肢体を打つ。
「裏切り者!」
「帰れ!政府の犬め!」
「ッ……!バカ野郎、私たちはお前らを助けに来たんだぞ!?」
飛来したガラス瓶を腕で払い落とし、破砕音と共にホットショットが怒鳴り返す。
「今ならまだ逃げれるから!ナノマシンが『起きる』前に、さっさと家に帰ってサッカーでも見てろって言ってんだ!」
「こんな時に何見ろってんだ!超級リーグのひどい試合見せられて、これ以上ストレス溜めろってのか!」
「じゃあプレミア見ろよ!プレミア!」
「騙されるな! 進めぇッ!」
暴徒と化した群衆が、ちいさな防衛線を敷く彼女たちを呑み込もうと殺到した、まさにその刹那。




