issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 29
冷たい夜風が吹き抜ける、路地裏のゴミ集積所。
そこでは今、ひとつの、小さくも仁義なき戦いが繰り広げられていた。
「シャーッ!!」
「渡さないでちゅ!これはわちきが見つけた『食べかけのピザ』でちゅよーッ!」
凶暴な野良猫と、素寒貧の元・悪の幹部。互いに鋭い爪と触手を振り回し、
泥にまみれて取っ組み合うこと数分。マクロブランクは、頬にひっかき傷を作りながらも、
なんとか勝利を収めた。彼は勝者の権利として、地面に投げ捨てられたピザの耳を貪るように胃袋へ収めた。
「……ううっ、惨めでちゅ。あまりにも惨めでちゅ……」
夜明け前。空腹は満たされたが、プライドはズタズタだった。
こんな街にいては、いつか本当に野垂れ死ぬか、懸賞金目当ての暴徒に狩られるだけだ。
「脱出するでちゅ。この狂った街から、一番遠いところへ……」
彼の視界の先、港湾区の岸壁に、巨大なタンカーが接岸しているのが見えた。
積み込み作業の真っ最中だ。マクロブランクは闇に紛れて忍び寄ると、
ガントリークレーンで吊り上げられる直前のコンテナの底面に、へばりつくようにしがみ付いた。
「さらばでちゅ、ニュー・ジャマメ。……わちきは、新天地でやり直すんでちゅ!」
クレーンの駆動音と共に、彼の体は宙へ浮く。東の空が白む中、彼は、ただの密航者として、海を渡る旅に出た。




