issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 24
「……おい、教授」
マミーDが、冷え切った声で呼びかける。彼はゆっくりと、マクロブランクが映るモニターへと歩み寄った。その手では、体に不釣り合いなほど大きいモンキーレンチが弄ばれている。
「こりゃあ、どういうわけだ?アンタ、あいつらの動向は全て把握してるって言ってなかったか?」
「そ、そうでちゅよ!監視データには異常はなかったんでちゅ!
ただ船内で何が起こったかまでは、さすがにわかりっこないでちゅ!」
マクロブランクが必死に弁解するが、その言葉は火に油を注ぐだけだった。
「いんや、違うぜ……」
シャンデリアから舞い降りたカーディBが、翼の先でコンソールを弾く。
円卓の中央、ノイズ混じりのホログラム映像が浮かび上がり、
ある「決定的瞬間」を執拗なまでに繰り返し再生し始めた。
映し出されているのは、ゴチェヌコイの旗艦へ肉薄する、黄色いピックアップトラックの姿だ。
本来なら艦隊からの飽和攻撃を受けて蒸発しているはずの距離。
だが、巨大なハッチはあろうことか歓迎するように開かれ、トラックを無傷のまま、
その胎内へと滑らかに招き入れている。
どう見ても、これは侵入ではなく「合流」だ。
その動かぬ証拠を睨み据え、参謀役のカラスは、そう忌々しげに結論付けた。
「こりゃあ多分、マジで何かの『取引』が中であったに違いねぇ!じゃなきゃ、話の経過が通らねぇぁ!」
「……言い訳はいいんだよ!」
ハヴォックが、モニターに向け、掴みかからんばかりの勢いで吠えた。
「テメーの管理がザルだから、こんな事になったんだろうが!この脳みそ野郎! 『宇宙イチの天才』が、これじゃ聞いて呆れるぜ!」
「そッスね!結局、アンタじゃ荷が重かったってことじゃねえすか!?」
プロディジーも、ここぞとばかりに相方の言葉に乗っかった。
彼らは、自分たちの臆病風や判断ミスを棚に上げ、
すべての失態をマクロブランク個人の瑕疵へと集約させようと必死だった。
そうしなければ、WCWCという凶暴な「外注先」の矛先が、自分たちに向くことが確実だからである。
「……ケッ。使えねえ脳みそだ」
マミーDは、葉巻の煙をモニターのガラス面に吹きかけ、冷酷に宣告した。
「おい、もういい。アンタに任せてたら、俺たちの『国づくり』まで邪魔されちまわぁ!」
「……」
マクロブランクは、むすっとした顔で、モニター越しのマーモットを無言で睨み返す。




