issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 21
そのあまりに正論すぎる一言に、
「……あっ」
家具をせっせと破壊していたアシュリーとはちる、
そして指示を出したおせちの動きが、ぴたりと止まった。
破壊されたギターのネックを握りしめたままのアシュリーが、
ギギギ……と錆びついた機械のように首を回し、おせちを見る。
おせちもまた、視線を泳がせ、乾いた笑いを浮かべた。
「……ま、まあ、リアリティ?リアリティが大事だから。ね?それに、移動してるヒマもないし!」
「そ、そうだな!現場の空気感ってやつがな!ここが1番それっぽいしな!」
彼女たちは、さなの致命的な指摘を強引に飲み込み、すでに手遅れとなった破壊活動を正当化して、
次の工程へと進むしかなかった。
直後、さなだけがガザクに対し、誠心誠意、言葉もなく、深々と頭を下げてその不運を悼んだ。
だが、それに続く条約機構の特使に、そんな殊勝さは微塵もなかった。
「ごめんなさい艦長!でも、これも銀河の平和のためです!じっとしていてください!」
ネ=レネは、鞄から取り出した赤い液体が入った小瓶――護身用の催涙スプレーか、
あるいは異星の激辛調味料か――を、躊躇なくガザクの軍服や顔面へとぶちまけた。
ドロリとした赤色が、爬虫類の緑色の皮膚の上で生々しく、そして痛々しく広がっていく。
「うわっ、目に染みる!これカプサイシン入ってないか!?痛い痛い!」
「我慢してください!じゃあ、始めますね」
おせちは、腰のホルスターから愛用のガンブレードを引き抜いた。重量感のある刀身が、
照明を反射してあでやかに染まる。彼女は瓦礫の中に仰向けにされたガザクの横へ音もなく歩み寄ると、その切っ先を、太い喉元の皮膚へ寸止めで突きつけた。
「……動かないで」
低く、温度のない声。 演技だとわかっていても、
その殺気にはガザクの心臓を縮み上がらせるだけの説得力があった。
「アシュリー、カメラ回して!画角は低く……そう、倒された相手を見下ろすような、威圧的なアングルで」
「任せな。……よーし、配信スタートだ。3、2、1……」
アシュリーが、船内放送用のドローンカメラを起動する。




