issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 18
「おい!聞いてんのか!」
ハヴォックが画面に顔を押し付け、唾を飛ばして怒鳴る。
「わ、わかってるでちゅよ!急かすなでちゅ!」
マクロブランクは、震える触手でコンソールを隠すように覆い、裏返った声で叫んだ。
「だ、だけど……今はまだ、その時じゃないんでちゅ!」
「ああん? なんでだよ! 勿体ぶってねえで撃てよ!」
「撃てないんでちゅよ! ……見るでちゅ、この絶望的なステータスバーを!」
マクロブランクは悲鳴を上げ、会議室の中空に巨大なホログラムウィンドウを強制ポップアップさせた。そこに表示されたのは、全人類が親の仇のごとく憎む、あの忌まわしきプログレスバーだった。
『重要:ファームウェア更新中…… 98%』
『※電源を切らないでください。コンピュータの電源を切ると、システムが破損する恐れがあります』
無慈悲な明朝体の文字が、赤字で点滅し続けている。
「ピラミッドの射撃管制OSが、たった今……空気も読まずに『強制アップデート』に入ったんでちゅよ!
今ここで割り込み処理を入れたら、システム全体がクラッシュして、この基地のライフラインまで道連れに『死のブルースクリーン』行きでちゅ!」
「ああん!? なんでこんなドン詰まりのタイミングで更新すんだよ!『後で通知する』を選べよ!バカかテメェのOSは!」
ハヴォックが地団駄を踏んで床を揺らすが、マクロブランクは必死に触手を振り回して抗弁する。
「仕様でちゅ!火曜日のこの時間は定期メンテナンスのコアタイムなんでちゅよ!
あと2パーセント……いや、ああっ! 見るでちゅ、98パーセントから進まない!
止まった! 完全にフリーズしたでちゅ!これは、今下手に触ると再起動に3時間はかかる『地獄のクルクル』コースでちゅよ!」
「ふざけんな!そんなもん叩けば直るだろ!」
カバの獣人の怒号が飛ぶそばで、彼は必死に脳細胞をフル回転させ、
それらしい言い訳を矢継ぎ早にでっち上げる。早口でまくし立てるマクロブランクの全身から、
心中の焦燥を反映して、大量の気泡がブクブクと湧き上がっていた。




