issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 17
「……裏切りかよ!許せねえ!」
ハヴォックが激昂し、円卓を拳で叩き割る。破片が散弾のように部屋中に飛び散った。
「やられる前にやるしかねえ!おい脳みそ!今すぐあの衛星砲を起動しろ!あいつらまとめて、
この空域ごと消し飛ばすんだよ!」
「そうだ!撃て撃て!灰にしちまエェ!」
カーディBも金切り声で煽り立てる。
その殺気立った怒号の嵐の中で、マミーDが音もなく机の上に飛び乗り、
マクロブランクのモニターへと顔を向けた。
「……だとよ。おい、教授さんよ」
ゴーグルの奥の瞳が、冷酷に光る。
「現場の空気は『即時解体』で決まりだ。グズグズしてねえで、さっさと発破スイッチを押しな」
「ひぃっ!?」
マミーDのドスが利いた声に、マクロブランクは培養液の中でビクリと震え上がった。
四方八方から突き刺さる、殺意と催促の視線。論理的に考えれば、ハヴォックたちの判断は正しい。
不確定要素は即座に排除すべきだ。今すぐにレディオヘッドに指令を送れば、全ては終わる。
だが。
(……無事でちゅか)
マクロブランクの視線は、モニターの隅に小さく表示された「ロング・カウンター」の航跡データに吸い寄せられていた。
それが敵旗艦に潜入してから、宇宙には不気味なほど何も起こっていない。
その事実に、彼の思考回路の奥底で、安堵にも似た温かいノイズが走るのを感じていた。
自分でも理解不能なエラーだ。なぜ、使い捨ての手駒であるはずの彼女たちの生存に、
これほど胸を撫で下ろしているのか。あのやかましい少女たちが、
宇宙の塵になることを……自分は、恐れているのか?




