issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 10
案内人に導かれ、5人はゴチェヌコイ旗艦の内部を進み続ける。
先頭を歩くネ=レネの背中は、その悪趣味なネオンと紫煙に満ちた、
場末のクラブごときいかがわしい空気に対して微塵も怯えてはいなかった。
彼女の脳裏には、30分前――はちるの部屋で目撃した、あのニュース映像と、
その瞬間に総身を襲った戦慄の感覚が、今も生々しく焼き付いていたからだ。
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『……賢明な選択を期待している』
ブラウン管の向こうで、ガザクの演説が途切れる。その時だった。
ちゃぶ台の前に座っていたネ=レネが、弾かれたように立ち上がり、ガタガタと震え出したのは。
「どうしたの?」
おせちが怪訝そうに見上げる中、彼女は青ざめた唇をわななかせる。
「まずいことになってしまった……。まさかゴチェヌコイが地球に来るなんて……向こうの独断!?だめ。この未来だけは、絶対にだめです……!」
ネ=レネの悲痛な叫びが、淀んだ六畳間の空気を鋭く切り裂いた。
「どうしたんだよ?海鮮姉ちゃん」
アシュリーは、茶を飲む手を止め、怪訝そうに眉をひそめた。
「茶柱が立たなかったからって、そこまで落ち込むことはないだろ。どう転んだって、今の地球はアンタら条約機構の『身内』扱いなんだ。だったら、この状態『外敵の侵略』じゃなくて、ただの『社内トラブル』だろ?アンタが本部に電話1本入れて、ナシつければいいだけの話だ」
彼女はニカっと笑い、自信満々に言い放つ。
「それに、万が一荒事になったとしてもだ……。FIFAランキング下位の国とばっかり親善試合を組んで、連勝記録をセコセコ稼いでるような連中に、ウチらが後れを取るわけないだろ?」
「違います……!根本的に違うんです……!」
ネ=レネは、首が千切れんばかりに激しく横に振った。 その瞳に浮かんでいるのは、
取り返しのつかない事態を前にした、深い絶望と恐怖の色だった。
「彼らは……ゴチェヌコイは、本当はアシュリーさんが思っているような、野蛮な種族じゃありません!」
「え?」
おせちが怪訝そうに振り返る。
「どういうこと?クワウバンの総督も言ってたじゃない。『彼らは未開惑星を浄化して回る、危険な捕食者』だって」
「……それが、嘘なんです」
ネ=レネの声が、重い罪の告白のように震えた。




