issue#05 I I I Why Can't We Be Friends? CHAPTER 04 09
プシュゥゥゥ……。
気圧調整の完了シグナルを待たず、キャビンの4枚のドアが荒々しく蹴り開けられる。
飛び出したのは5つの影。
彼女たちが足を踏み入れたその空間は、高度な星間文明の軍艦内部というよりは、
治安の悪い、地方の寂れたライブハウス、あるいは地下のクラブそのものだった。
天井には、剥き出しの配管に絡みつくように緑やピンクの猥雑なネオン管が張り巡らされ、
目に痛いほどの原色でチカチカと、安っぽい明滅を繰り返している。
その毒々しい光に照らされた壁面には、スプレーで描かれた極彩色の落書きが、上書きの痕跡もはっきりとして刻まれ、その隙間を埋めるようにベタベタと貼られたポスター――おそらくはゴチェヌコイ文化圏のカリスマ的なアーティストたちであろう、奇抜なメイクをした爬虫類人の顔写真――は、半分以上が破り取られ、空調の風にペラペラとはためいていた。
通路の脇には、合成皮革が破れて中のスポンジが覗く安っぽいレザーベンチが雑に置かれ、
その横に設置された灰皿スタンドからは、もはや収容能力の限界を超えた吸い殻の山が雪崩を起こし、
床一面に汚らしく散乱している。
そこを闊歩するのは、規律正しい軍人たちではない。モヒカンヘアーや鋲だらけの革ジャン、鎖や安全ピンで全身を飾った、世紀末的なパンクファッションに身を包んだトカゲ人の兵士たちだ。彼らは気怠げに紫煙をくゆらせ、通路を我が物顔で占拠しながら、侵入者である彼女たちをギロリとねめつける。
腐ったアルコールの匂いと、退廃的なベース音が微かに漏れ聞こえるその回廊を、
5人は迷いなく早足で駆け抜ける。目指す先はただ1点。
このふざけた艦隊の最高責任者が待つ場所――艦長ガザクの私室だ。




