issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 04 12
背後の巨大スクリーンには、サブノーティカとクワウバンの紋章が並列に投影されている。
予行演習などではない。 交渉の妥結、政治的決着を確定づける光景だ。
本日の催しは、ストームジーやカルテット・マジコが参加する「会談」の場ではなく、
当初より両文明による「友好調印式」として設定されていたのだ。
「――待ってください!」
おせちの声が、調印式後の和やかな空気が満ちるホールに突き刺さった。
握手を終えたリキッド・ソーズとクワウバンの総督が、音もなくこちらを振り向く。
周囲のサブノーティカの護衛兵たちが、槍先をおせちたちに向け、4人の前に壁を作ろうとした。
「下がっていいよ。彼女たちはゲストだ」
リキッド・ソーズが片手を振ると、兵士たちは武器を下ろし、左右へ退いた。 おせちはリキッド・ソーズの目前まで泳ぎ寄り、彼を強く見据える。
「これはどういうことですか、リキッド・ソーズ大提督。クワウバン、サブノーティカ、そして私たち地球による、3文明の合同会談の席ではなかったのですか?」
放たれた詰問に対し、リキッド・ソーズは余裕の笑みを崩さず、泰然と構えている。
「ああ、3者会談さ。もちろん。順番にね。まずは僕らとクワウバンが話す。次は君たちの番だ。何も間違ってはいないだろう?」
「話が違います!順番になんて約束はしていない!」
おせちの声が鋭く跳ねる。
「おや、何か問題でも?」
リキッド・ソーズは、心底不思議そうに首を傾げてみせた。
「理解してほしいんだが、吉濱おせちくん。この会談のホストは僕らだ。……僕らはね、歴史の始まりから、ひとつの小所帯な民族でね、『国家』とか『条約』とか、そういう複雑な発想はあんまり持ってなかったんだ」
彼は、隣に立つ総督を一瞥し、悪戯っぽく笑う。
「でも、クワウバンの友人たちが親切に教えてくれたよ。僕らが『誰と先に話すか』を決め、
その結果として『誰と先に友好を結ぶか』を選択するのは、僕らの『主権』であり、他文明がそれに口を出すのは『内政干渉』っていうとっても悪いコトにあたるんだってさ♪」
リキッド・ソーズの主張は、ぐうの音も出ない正論だった。おせちは唇を噛む。クワウバン相手に通じた法理のハッタリは、この「真の原住民」には通用しない。
友好調印式は、先の論争とは異なり、実利を伴う対談の場だ。相手に対し虚偽の申告をすれば、友好関係は即座に破却され、戦争の引き金にさえなりかねない。
ゲームが作りたくてしょうがない。
頭の中にあるアイデアが暴れ回ってる、形にしないと気が済まない、そんな衝動を抱えてる奴、他にもいないか?
俺、PIKU2DGODは今本気でゲームを作る仲間を探してる。
経験の有無なんてどうでもいい。ただ「作りたい」という熱だけは持ってきてくれ。
もし同じようにイカれた気持ちの奴がいんなら履歴書もスーツも燃やして
すぐにでも太平洋に繰り出そうぜ。
あんたのひと声、待ってる。




