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issue#04 I I I Tales from Topographic Oceans CHAPTER 02 25
「ああ……」
その言葉をひとまずの「許し」と受け取り、彼はゆっくりと立ち上がった。
1拍だけ間を置き、短く答える。
「急ぎのことだ、それは道すがらに……」
その声に、さなも、はちるも、順々に頷いた。3人の意志は、ひとつの決意として形を結ぶ。
アシュリーは、そんな姉妹たちの顔を見て、忌々しげに舌打ちする。
「……ちっ、しょうがないな。でもいいか、聞くのはお前の頼みじゃないぞ?大事な家族に付き合うだけだ」
その憎まれ口は、彼女なりのけじめのつけ方であり、同時に、ごくわずかな本心の裏返しでもあった。
微妙な心の揺れを、ストームジーはあえて拾わず、淡々と応じる。
「構わない、ありがとう。君たちの援助に、深甚なる謝意を心より表す」
アシュリーはぷいと横を向いた。まだ不満げな色が残る横顔に、しかしどこか照れた気配と、言葉にしづらい感情の光が交じる。
4人の総意を受けとめたストームジーは、ゆっくりと顔を上げた。そこには、穏やかでありながら深い感謝の色が宿り――ほんのわずかながら、胸の奥から生まれた信頼が、確かな重みを帯びて息づき始めていた。




